| 2005年01月13日(木) |
筒井作品を振り返る1 My Favorite Tsutsui's Stories1 |
○幻想の未来(「幻想の未来/角川文庫」収録) 中編にもかかわらず、大作を読み切ったという後読感があった。 これは映画化されたらつまらなくなる気がする。 初めの方はかなり読み辛いと思われる。 読み手にも想像力を要する、人類滅亡後の話。
○走る取的(「メタモルフォセス群島/新潮文庫」収録) 小説版「激突!」(スティーブン・スピルバーグ監督作品)。 「激突!」ではタンクローリーであった恐怖の対象は、この小説ではお相撲さんである。
○メタモルフォセス群島(「メタモルフォセス群島/新潮文庫」収録) 生態系について考えさせられる。
○人類の大不調和(「馬は土曜に蒼ざめる/集英社文庫」収録) 万博をこう料理するなんて、凄い。
○だばだば杉(「おれに関する噂/新潮文庫」収録) 夢と現実の境界線の曖昧さが素晴らしい。
○十二市場オデッセイ(「家族場面/新潮文庫」収録) なぜ、こんな話を思いついたのかが不思議。 思いついたのだからしょうがない、という声が聞こえてきそうだ。
○妻の惑星(「家族場面/新潮文庫」収録) 主人公の夢の中の話のような話。 夢も現実の一部として重要なのではないか、ということを感じさせる。
○ヒストレスヴィラからの脱出(「アフリカの爆弾/角川文庫」収録) ラストの主人公の気持ちを思うと、クラクラする。
○窓の外の戦争(「アフリカの爆弾/角川文庫」収録) こういう戦争映画があってもいいのではないか、と思う。 アクション映画ばりの戦争映画より、この話の方がリアルに怖い。
○日本以外全部沈没(「農協 月へ行く/角川文庫」収録) 日本のみが沈没するケースの方が、まだましだろうなあ。
○アノミー都市(「原始人/文春文庫」収録) 嘘のようでリアルな未来の都市像。
○パプリカ(新潮文庫) 長編。 映画化して欲しい。
○無人警察(「にぎやかな未来/角川文庫」収録) 人間に限りなく近いロボットは人間なのではないか? そんな疑問が読後浮かぶ。 あながち、ロボットに人間が滅ぼされるのもなくはないだろう、と考えさせられる。
○ヨッパ谷への降下(「薬菜飯店/新潮文庫」収録) 天才的な短編小説だと思う。 随分前に読んだので具体的には忘れたが、十数ページでこの圧倒的な幻想的世界を紡ぎ出すとは。 いや、短いからこそ濃密なものが書けたのか。
―END―
ついしん 「パプリカ」(長編)、「幻想の未来」(中編)以外は短編もしくはショートショートである。
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