僕は今日、レジのバイトをしていた。 すると店が比較的空いている時にその少女は僕のレジにやってきた。 「これ欲しいんだけどお母さんがまだなの」 どうやらその子はお金を持っていないらしかった。 とにかく何か返事をしなくてはいけないと思い、その少女にこう尋ねた。 「お母さんはどこにいるの?」 「あっち」 少女は母親がいると思われる方向を指差した。 彼女は手にお菓子を持っていたので、それを購入する為の存在が必要だ。 「じゃあお母さん呼んできてくれる?」 僕がそう言うと、少女ははーいと返事をして店内のどこかへ去っていった。
数十分後、まばらにやってくるお客の中で、カゴにさっきの少女が手に持っていたお菓子をいれてやってきた人がいた。 彼女の母親だろうか? しかしさっきの少女の姿は見えない。 ということはたまたま同じ物を買っているだけかもしれない。 そのお客さんが持ってきたカゴから、バーコードを読み取る機械を通して別のカゴに商品を移しかえる作業をしていて例のお菓子を通した時のことだった。 「あれ、そんなもの買った覚えないのに・・・」 それでは一体誰がカゴにそのお菓子を入れたというのか? 「あ、そうですか。それでは返品に致しますか?」 「いえ、いいの・・・そういえばあの子が好きだったお菓子だもの」
―END―
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