男がテトラポットの近くまで泳いで行くと突然体が突き上げられるように空中に投げ出された。 ある程度の高さまで行くと当然落ちていったが男の体は周りの海面から突き出た直径1m高さ1.8m程の海面の上にお寿司のご飯の上に乗ったネタのように落ちた。 驚く暇もなく次第に高さが増していくそれに男は突き上げられていく。 鳥のように空を飛びたいなどと人はよく言うが男はこの時冗談じゃないと思った。 海面づたいとはいえ普段より高い位置にいる彼は急に元の高さの海面もしくは地上が恋しくなった。 俺はいつまでこんな不安定なものに突き上げられなくてはいけないのだろうと泣きたい気持になった。 いかに人間の体が空中に浮かんだり飛ぶのに向いてないか男は思い知った。 重たくてその上鳥の翼のような空気抵抗の度合いが著しいものがない俺の体は浮いているよりもいっそ沈んでいくことに向いているだろう。 男がそう思った瞬間、その男を支えていた高い海面は崩れるように低くなっていき、その男の体は海の中にもの凄い勢いで沈んでいった。
―END―
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