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『木暮荘物語』三浦しをん
2011年11月20日(日)
連作短編集。
古い安アパートに暮らす人々。数年音沙汰のなかった元彼が突然現れた女性。階下の女子大生の生活を覗き見る男性。友だちから赤ちゃんを押し付けられた女子大生。アパートの住人と、彼らの周りの人々の物語。

三浦しをんを読むのは3作目なのですが、こんなにうまかったんだ、と驚きました。なにせ、読んだのがデビュー作の『格闘する者に○』と、『ロマンス小説の七日間』ですからね(笑)
すごくおもしろかったし、こんな風にまとめるなんてうまいなあと感心させられました。

特によかったのが、『柱の実り』という一編。
全編通して、エロがテーマになってるのか?という感じの一冊なんですが、この「柱の実り」がなんなのかというと…いや、読んでみてください(笑)
駅の柱に謎の突起が現れて成長していくのだけど、自分ともう一人にしか見えないらしい?という話です。
まさかこんな着地をするとは、思いも寄らなかった。泣いてしまった。
犬の名前が女の子と同じというのも、最後に効いてますね。

女子大生の部屋を覗き見する『穴』も好きです。
予想外の終わり方でした。これもなんだか泣ける。
おじいちゃんの話は笑ったしなあ。

うーん、三浦しをん、これから読んでみなくては。

余談。漫画化されているようですが、全話? 漫画化できるのかな、『柱の実り』とか(笑)
★★★★☆


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