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「太夫1 鬼外カルテ其ノ拾参」碧也ぴんく
2005年09月24日(土)
愛しい男を待ち続けて、「虚空族」として今も生き続ける太夫。一人の青年との出会いが、太夫に在りし日の記憶を思い起こさせる。
貧しい農家に生まれ、吉原に売られた幼いゆき。ゆきは高尾太夫の禿(かむろ)となり、次第に才覚を見せ始める。やがて出会った男は太夫の客であった。ご法度と知りながら気持ちは募り、そして…。

高尾太夫は、「恋人に操を立て、落籍した大名を拒んで斬り殺された」という悲恋の太夫。だから、この思いの行き着く先は悲しい結末なのだとわかっているわけです。
島田様に、客に抱かれても、心が自分にあるならいい、もし心を通わせるような男ができたらその時は身体を触れさせなければいい、心と身体両方の真を尽くすのは自分だけ、と言われて、約束をするのですが。
1巻の最後に現れた男。…たぶん、この人に惹かれてしまうのだろうなあ。でも、心を通わせたら身体に触れさせてはいけないから、それで悲しい結末になってしまったんだろう……。とあれこれ想像すると、実にせつない。
でも、この鬼外カルテは、長い間待ち続けた思いを成就させてくれる話だから、続きを楽しみに待ってます。

ゆき(後の高尾太夫)はほんとにいい娘で、暮らしぶりを見ているのも楽しい。同時に、千鳥という同じくらいの年頃の娘が悪役なんですが、彼女もいいスパイスになってます。悪役なのにこんなに害がない(結果的に)存在も珍しいのではないかと(笑)
話の流れもすごくよくて、思わず何度も読み返してしまいました。
鬼外カルテの中でもかなり好きなお話になりそうです。
★★★★


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