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「残虐記」桐野夏生
2004年07月09日(金)
失踪した作家が残した手記。それは、作家自身の、少女時代に拉致監禁された経験をつづったものだった…。

もともとの少女がおかれていた環境、そして拉致の場面、監禁されている場面、救出されて、その後の少女の心境の変化…どれも繊細に描かれていて、説得力がありました。
彼女が必死に隠そうとしていたこと、世界の変化に対する彼女の感情が、すごく共感できる。
その手記が、夫の手紙で挟まれているという構成もうまいですね。

桐野夏生は、以前から読んでみたいと思っていた作家でした。でも、後味悪そうだったのでつい敬遠しがちだったんですね。
今回読んでみて、とてもおもしろかったし、自分にあいそうだったので他のも読んでみたいと思ってます。
なんというか、被害者に対しての配慮だとかの社会的な問題を、一人の少女の内面の変化でのみ描いているところがよかった。
★★★★☆


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