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「秋の花」北村薫
2004年05月04日(火)
円紫さんシリーズ(?)の三作目。今作は長編です。
そして、今までは日常の中のささやかな謎だったのが、今回は主人公の後輩の女の子が文化祭の前に学校の屋上から落ちて亡くなるという事件です。

電車の中で読もうと旅に持参したのですが、途中で、これは人前で読んではいけない本だと気づき、半分ほどでやめてしまいました。
いつも一緒だった二人の女の子、その片方が亡くなってしまう…。残された女の子の描写を読むにつれ、頭で考えるより先に泣けてきてしまってダメでした。
一人の人を失くすことで、世界が一瞬で裏返されてしまう。どんなホラーよりも現実的で怖い。
解説に書かれている、「『なぜ、死んだのか』で始まった物語は『どう生かされるか』を問いかける」という一文が秀逸です。
本文中の「ここまでの謎を解くことなど、実は子供の遊びのようなものなのだ。それからどうするのかの方が、遙かに難しい本当の問題なのだ」という部分が、この一冊というかこのシリーズの、本質なのだと思いました。
★★★☆☆


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