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失踪HOLIDAY/乙一 2001年07月14日(土) 「失踪HOLIDAY」(乙一)を読む。大金持ちのひとり娘(でも血のつながりはない)の女の子が家出する。でも、家出のはずが、狂言誘拐になってしまって…という話。 なかなかおもしろかった。テンポがいいし痛快だ。 でも、話のテーマが前半と後半で違ってしまっているような。後半のまとめが、本格ものっぽくなっちゃってるのね。前半は自分の居場所とかそういう心にせまるテーマだったと思うんだけど。←パパの電話のところでほろりと来ちゃったよ。人の気持ちを試したい気持ち、あるよね。 同時収録の「しあわせは子猫のかたち」もおもしろかった。 大学生になり引っ越した先には、前の住人の飼っていた猫と、その住人(強盗に殺された)の幽霊がいて、不思議な同居生活が始まる、という話。 これも、途中でいきなり本格ものになってしまうんだけど…。でも、これも最後の手紙では泣かせられたよ。 この幽霊は、姿は見えない。いつの間にかカーテンが開いていたり、コーヒーが入ってたり、テレビがついていたり。話をできるわけでもないのに、そばにいることがわかる。 ふたつの話に共通することだけど、ただそばにいるだけで、それだけで、いいんだね。そのことに、ほろりとさせられました。2つともすごくよかった。 |
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