2003年08月25日(月) 舞城王太郎とロッケンロー
井ノ本じゃん。
舞城王太郎の「阿修羅ガール」を読みました。 モー相変わらずすげえなーかっこいいなーもうほんとに! たまりませんモフー。 鼻息も荒く。
何がすごいかって文体。 日本語ネイティブであればたいがいの方はノれると思います。 すごいグルーヴ感がある。 まるでしゃべってるのをそのまま書き起こしたようなリズムがあるんですね。 だからするするするっとリズムにノって読めちゃう。 すごいことですよ。 しゃべることは誰にでもできるし書くことも誰にでもできる。 だけどしゃべるように書くことはなかなかできない。 さらっと書いてるように見えるというのがまたすごい。 考えて書いてるなら相当な手腕だし考えてないなら相当な感覚のよさ。
内容もすごい。 デビュー作の「煙か土か食い物」とかほんとに凄惨なのです。 いちおうミステリらしいので内容は言わないでおきますが。 凄惨だし結構むちゃくちゃな展開だったりもします。 劇画的というかなんというか。 その凄惨かつむちゃくちゃな内容をとんでもなくグルーヴ感にあふれた文章で書ききるのがすごい。 フツーに書いたら暗い重い話になること間違いなしのテーマをまったく重くならずにさらりと書いてる。 しかもおかしかったりする。 とにもかくにも文章の力があればこそできるわけで。 もう唸るしかないというか。 唸る前に引き込まれてますが。
ただうまいだけの文章はいくらもありますしテーマがおもろいだけの話もいくらもあります。 しかし両方兼ね備えてるのはなかなかない。 未読の方はぜひぜひ読んでいただきたいです、舞城王太郎。
余談ですが「阿修羅ガール」は三島賞受賞作だそうです。 なんでも三島賞選考委員の宮本輝が相当難色を示したとかなんとか。 わかるなあ宮本輝はこういう作風と絶対相容れないもんなあ。 そこで半端に理解を示した風を装ったりせず頑固に難色を示す輝はおもろいな。 ちょっといい話。 |
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