青いくもと白いそら

想い出きのうあした


2004年05月30日(日) あなたのいないこの町で




私を愛してくれたあなたはもういないのに






想い出の場所から遠く遠く離れたこの町で

あなたの瞳-め-のように深く澄んだ青空を見上げても

もう涙は出ない

胸の奥でチリリと何かが焼けるような音が聞こえるだけ




あの頃肩までしかなかった髪は背の中程まで伸びて

私の髪を撫でるのが好きだと言っていたあなたを

いまだ忘れていないのだと唐突に知る




想い出と記憶はどれだけ時が流れようとも鮮明で

気を抜けばあなたを願う心が溢れてしまいそう

あの日あの場所に全てを置いていた筈なのに

渇望が諦めを凌駕する




あなたは私を忘れたのに

私はあなたを想うままで


私を愛してくれたあなたはもういないのに

あなたを愛するわたしはまだここから動けない






「さようなら」

その一言を受け入れることができないまま




あやか † mail