言の葉
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2002年12月12日(木) |
初めてのメールフレンド |
指が凍えるようなこの季節になると いつも決まって思い出すのは 初めてのメールフレンド
もう何年前の話になるのだろう
今でこそ誰もがパソコンを使ってるけど ボクがパソコンを買った当時は フロアに2、3人くらいで だいたい何のためにパソコンを使うの? って感じだった
当時はまだインターネットなんて言葉は 全然流布してなくて パソコン通信と呼ばれ 特定のネットに加入して その中でやりとりをするものだった ボクが最初に始めたのもそんなものだった
そこの「メールフレンド募集」という掲示板を 1週間くらい眺めて やっと何通かメールを書いてみた 何を書いたらいいのかわからなかったけど とにかく今思えば赤面するような自己紹介とともに 日々の生活のささいな話を書いていたような気がする
初めて返事をくれたのが その人だった 地方に住むその人も そんなにパソコン通信に精通していたわけでもなく 日々日記の交換のようなメールをしていた 顔も名前も知らない相手にメールを書き その返事がくることが 不思議であり たまらなく嬉しくて 寒さに震えながら キーボードに向かっていたっけ
メールを初めて3か月 その人は突然いった 「今日で最後のメールです」 突然画面に浮かんだその文字は ボクの目の前をただ通りすぎていった 何が書いてあるのか全く理解できなかった
気を取り直して 何度か読み返してみて やっとわかったのは 彼女のご主人がパソコンに 寝る間も惜しんで向かう妻の姿に不信感をいだき メールを全て読んでしまったこと ご主人は何もいわないけれども そのことに気づいてしまったとのことだった
そしてボクとのメールは別に他愛もない内容なので 別に問題でもなんでも無かったけど 彼女にはそのときすでに好きな人がいたこと メールで写真を交換し そして電話で話すだけの関係ではあったけど すでに好きでたまらなく これから家を出るのでもうメールはできないという話だった
それまでそんな事 おくびにもださずに 良妻賢母ぶりをメールで語っていた彼女の 女を見た瞬間だった
あまりの急な展開に 途轍もなく驚いてしまったけど 何しろ何の現実感も無い話だっただけに ただうなずくしかなかった それも無機質なモニターに向かって
寒くなると思い出す 初めてのストーリー
彼女はいま 何をしているのだろう
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