昨日は俺の涙のことを書いたけど、
今日はなんと、俺が泣かせてしまった。
泣かしてしまったのは、17歳の高校生2年生。
実は、泣かせてしまったのは、地元の恋人Σ('ロ';)!?
と言ってもそれは彼から見た俺で、俺は友達(弟)と思っていたけど。
実は、俺、12月に発売されていたバディの通信欄に、
何通か手紙を出した。写真も、もちろん入れて。
でも、返事は1通のみ。(写真返せよ、オラ!)
それが、地元の高校に通う、17歳の彼だった。
通信欄では、19歳だったはずなので、俺は驚いた。
そんな彼から電話が来たのは、1月の半ば。
どうやら、年末年始で、手紙の回送が遅れたらしい。
その時会話したときの、俺に対する感想。
「なんか優しげだよね」
「ホントに26?話してて全然違和感感じないんだけど」
そんな感じだった。
彼は、改めて、手紙と、プリクラを同封してくれた。
「顔濃いよ。東南アジア系」
と言っていた彼の顔は、
まあ整っていたが、確かに濃かった。おまけにロンゲ。
正直タイプではない。
そして、彼から電話が来た。
彼「俺、顔濃いでしょ?」
俺「うん(即答)」
彼「Σ( ̄口 ̄*)!信じらんない。普通『そんなこと無いよ』とか言うよ」
俺「そう?じゃあ『そんなこと無いよ(棒読み)』」
彼「・・まじムカツクー!ヽ(`Д´)ノ」
俺「それより、顔濃い奴は、髪短い方が絶対格好いいって!
髪切んなよ。絶対似合うからさ」
それからしばらくして、彼と食事をすることになった。
学校帰りでブレザー姿の奴と、仕事帰りでスーツ姿の俺。
彼が女だったら、完全な援交だ。
俺、しばらくまともに顔見れなかった。
だって、本物の高校生なんだもん。
ラルフのべストとか着てるんだよ。
カバンの中はノートや、無印グッズの入ったペンケース。
さすがに若すぎて、俺、どうしていいか分からなかった。
そんな俺を見て、彼はこう言った。
「俺のこと、嫌いなんだ・・・」
正直、電話ではバカっぽい口調で、
彼を今どきの脳天気な奴と思っていた俺は
ここで、自分の誤りに気が付いた。
「いや、そうじゃなくって・・・」
と、初めてまともに彼を見て、俺は気が付いた。
彼の髪が、短く切られていたことを。
「ブロッケンさんが言うから、髪切ったんだ。
もう、超クラスの奴らに驚かれた。
でも、評判いいんだぞ」
名残惜しそうに髪をいじりながら言う彼に、俺はニヤリと笑って、こう言った。
「だから言ったろ、似合うって!(* ̄ー ̄*)」
食事がすむと、俺達は寒空の中、色々なことを話した。
「俺、裏切られてばかりだから。人が信じられなくて」
彼は、俺と同じだった。
そんな彼が、俺は愛おしくなった。
手袋がなく冷えきった彼の手を握りながら、俺は言った。
「俺は信じてくれよ」
彼は、コクンと、うなずいた。
その後、彼に大事件が起きた。
親にゲイだってばれた。
父親は単身赴任。
そして、母親は、泣いて部屋に籠もってしまったそうだ。
「俺どーしたらいいんだよ・・・」
絶望的で、彼は混乱していた。
「とりあえず、落ち着け。落ち着かなきゃ、親も絶対落ち着かない。
親とは、縁を切りたくないんでしょ?親好きでしょ?
だったら、時間はかかると思うけど、
ゆーっくり、解ってもらうよう親を説得するように。
自分のために、頑張れ!
でも、もし家追い出されるようだったら、うちに来なよ。
自分の気持ちを静かに親に伝えて、
それでも解ってもらえなくて、どうしようもなくなったら、来な。
でも、家で、ゴロゴロするんだったら、即追い出すから。
いざとなったら、俺の家にくればいいやなんて思ってたら、俺は泊めない」
と、俺は言った。
やはり、高校生だと、何もできない。経済力が無いのは痛い。精神的にも。
俺も、そういう経験あるから(ゲイがばれたわけでなくて、家を出された)
その後、母親は、何もそのことに触れずにいるらしい。
母親は母親なりに、彼のことを気遣っているのかもしれない。
それとも、息子がゲイだという現実を受け入れられずに、
忘れようとしているのかもしれない。
とりあえず、また元の平穏な家庭に戻った。
そのことさえ触れなければ、幸せな家庭に。
そして、彼と俺は再び会った。
今回の場所は俺の家だ。
スーパーで、買い物をし、俺は鮭と緑野菜のクリームシチューを作った。
彼はうまいといって食べてくれた。
その後、ちょっとじゃれあったりはしたが、Hはしなかった。
もちろん、キスもしなかった。
まだ、自分の気持ちが、わからなかった。
そんな簡単な関係にはなりたくなかったから。
ユーミンのビデオを話をしながら見てた。
彼は相変わらずバカっぽい事言ってたかと思うと、いきなり俺に聞いた。
「俺のこと好き?」
俺は正直にこう答えた。
「わからない」
彼は、にこり、と笑った。
なぜ彼が笑ったのか、その時の俺には解らなかった。
そして、先週末、俺の家に泊まりたいと彼が言った。
俺は、彼の言葉の裏に、彼の決心が隠されているのを察した。
(彼は俺を好きだ)
俺と一緒にいたい。
しかし、俺は夜勤明けだからダメと言った。
しかし、本当の理由は違った。
彼はまだ、高校生だ。
もちろん、未成年。
そして、もう一つの理由。
俺は、彼の愛に応えることができない。
彼は、まだ若い。
可愛い弟にしか見えない。
今日、それを彼に伝えた。
彼は、わかっていた。
それでいいと言ってくれた。
逆に彼は、前に好き?と俺に聞いて、
俺がわからないと答えたことが、嬉しかったらしい。
好きと答えたら、自分の信じていたことが誤りだってことになってたから。
彼は、俺を好きになった理由を、こう言った。
嘘偽りのない、言葉。
信念。
周りも自分も、相手の顔色伺っていた環境。
そんな高校生活の中で、
俺の素直な言葉は、彼の心に衝撃を与えたらしい。
彼は、もう俺には会えないと言った。
「会うと、ますます好きになっちゃうから。辛いんだよ、俺」
涙声だった。
元彼との経験で、俺は彼の気持ちが痛いほどわかった。
俺、元彼のことを彼に話していた。
そして、先日発売のバディにも、元彼のことが掲載された。
彼はそれを読んで、俺だと思い、電話をくれたのだ。
自分が辛くても、彼はこう言った。
「彼とまた戻れるといいね」
それでも、俺は彼を好きになれない。
やはり、まだ彼は若い。若すぎた。
こんな年の離れた俺でいいのか?
怖かった。
・・・・・・
また彼から電話が来た。
俺が甲府から転勤でいなくなっても、俺に何も言わないで欲しい。
携帯のメモリーも消して欲しい。
彼はそう言った。
辛くなるから。
俺は、長い沈黙のあと、わかったと言った。
彼の気持ちは、理解できたから。
だけど、淋しかった。
哀しかった。
こんなに彼は俺のことを想ってくれている。
前にもこんな事が何度か会った。
みんな、年下の奴だった。
でも、俺のタイプからは、色々な理由で、はずれてしまった。
正直、すごく辛い。
俺を想ってくれる、最高の奴ら。
大切にしたい奴ら。
だけど、恋人にはなれない。
友達では、許されない。
だから、2度と会うことはできないのだ・・・・・・。
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