20日付の朝日新聞西部版に衝撃的な写真が掲載されている。 19日岐阜県でおきた熊の襲撃事件の現場写真である。いままさに巨大な熊が人間に襲いかかって食いちぎろうとしている瞬間をとらえている。見ているとゾクゾクとしてくる。現場にいあわせた(朝日新聞)読者のひとりがとっさに撮影した写真とキャプションにあるから千載一遇のチャンスに恵まれたスクープ映像として朝日新聞は紹介したものだと思われる。だがしかしこの写真はそういう特殊性からだけで掲載していいものだろうか。いままさに熊に食われんとしている人をカメラごしに見つめている人がいたことを証明している。その人は写真に撮るまえに襲われている人を救おうとする気持ちにはならなかったものだろうか。現実的には難しかったと思われるけれど現場にいあわせてしなければならないことは写真に記録することではなかったのではないか。そしてこういう写真を見ることも私は希望しない。ケータイ、デジカメと多くの人がカメラを携帯してことあるごとにシャツターチャンスをねらっている世相があり珍しい写真、衝撃的な写真が読者の投稿で新聞に掲載されるけれど熊が人を食うような写真掲載はすこし行き過ぎだと思う。
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