この一週間はびっくりするくらいにあっという間に過ぎていった。 先週くらいから“パンフレット作成”の業務が本格化してきており、打ち合わせと社内調整で駆けずり回る日々だった。まあ、平たく言えば「企業案内」の冊子を作るような仕事、と言えばいいだろうか。A4カラー全28ページ、わが社と付き合いの深いC社という制作会社とチームを組んで作業を進めていくが、ひとり後輩社員が俺のサポートに入るものの実質的にわが社側は俺ひとり。制作会社の会議室で行った月曜日の打ち合わせも5対1で行われた。“1”は俺。気心の知れたC社の面々ではあるが、どうみても圧倒される構成である。相手のペースで打ち合わせが進んでしまってはならない。 「5対1だろーが10対1だろーが、俺は負けないからね」 いつもの冗談のように俺が冒頭に言うと、一気に場は和んだが、俺は本気だった。 3時間みっちりの打ち合わせの後、軽く呑み会。C社は東銀座方面にあるので、先方で行われる打ち合わせの後は銀座で呑むこととなり、コレはこれで楽しみなのだ。だって“銀座”だもん。だからこのパンフレットの仕事を片付ける6月末までには、ちょいちょい先方での打ち合わせの時間を作ろうと思っている。 火曜日は別件で珍しく渋谷で呑む。あの鬱陶しい雑踏はなんだ。 木曜日は月イチの大きな会議があって、うちの部署がその事務局となるため一日大忙し。午後5時近くにようやく会議関連の業務から開放され、やっと自分の仕事に戻れる。 「さてと――」 PCを立ち上げると、一足早く終業時間を迎えて帰宅していた派遣社員からメールが届いている。それは俺だけではなく、部内の数人の男性社員に送られているようだった。 『今日はSさんの誕生日です。何かあげてください』 Sとは隣の部署にいる2年目の女性社員。数少ない20代、仕事もしっかりできる真面目なコでみんなからとても可愛がられていた。そんなわけで急遽彼女のバースデイ飲み会が企画され、気がついてみればワイン6本を空ける痛飲を11時過ぎまで。
忙しい、忙しいとホザいている割にはよく呑んだ一週間だった。
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