Tue, October 5, 2004
最終回
突然ですが、でぶらのニャン生は終了しました。2004年7月5日朝のことでした。
これまで でぶらのことをかわいがってくださったみなさま、ほんとうにありがとうございました。
でぶらを見送ってくれた花たち
7/5以降もblogには でぶらの写真を掲載しましたが、それらは6月までの間に撮ったものです。なんだか嘘つきのようで心苦しかったのですが、でぶらを過去のものとして扱うことがどうしてもできませんでした。ごめんニャさい。
偶然にもニャン生終了の前夜、naoはでぶらに言いました。
「もうがんばらなくていい。好きなように生きて、好きなように死になさい。」
そうして、家の中の、自力で歩けるならば でぶらが行ってみたいであろう場所を、でぶらを抱いてぐるりと巡り歩きました。パソコン部屋のコードぐしゃぐしゃの傍に置いてやると、なんともいえないうれしそうな眼をしていました。
でぶらは、FIV陽性のネコでした。家の外に出たことはないため、母子感染、もしくは生後すぐに母ネコから感染したものと思われます。
なので、仔猫の頃は、余命短いであろうでぶらの写真をとにかくたくさん撮りました。3000枚くらいあると思います。
それでもnao的な自己防衛手段として、でぶらにはあまり情をわかさないよう気をつけていました。
…最初の5年間は。
けれど、その我ながら前向きな精神は、でぶらの肝臓癌(肝炎の誤診でした)の手術で一気に崩れ去りました。でぶらがいなくなるかもしれないという恐怖は、想像以上のものだったのです。以後、自分を騙しきることができなくなりました。
そしてもうすぐ10年、FIVが陽性なのは母ネコから受け継いだ抗体があるだけかも。ウィルス本体はどこにもいないのでは? と、ついうっかり考え始めた今年2月のことでした。2か月ごとの定期検診で、でぶらの血液に異変が現れました。FIVが、悪さをし始めた兆候です。
当初、連日のインターフェロン接種など、naoは、迫り来る現実を少しでも遠ざけようと、じたばたしました。
数年前肝臓の手術をしたときは、首の後ろにあなをあけて食道に通したカテーテルから、直接流動食を与えました。でぶらは、「そうまでして生きようとは思わない」と言わんばかりのオーラを発していました。あのとき、それでも治療をやめようとしなかったのは、快方へ向かいさえすばまた元気になるという見込みがあったからです。がっくりしているでぶらを退院させ、家でせっせと流動食を与えました。
しかし、今回は違いました。
どんなに手を尽くしてもFIVに克てるだけの医療技術は、未だどこにもありません。
FIV感染後の平均生存年数は、約7年ということです。でぶらは9年10か月も生き続け、とてもがんばりました。だから、この期に及んでニンゲンの勝手で無理矢理生かしておくのはやめよう。でぶらのニャン生はでぶらが決めればいい。(肝臓のときみたいにカテーテルをつけて身の自由を奪ったりせず、あとは自然に任せよう…ということです。)もはやニンゲンには、でぶらの痛みや苦しみを最小限にするためのケアぐらいしかできないのだから。
そんな心境で、7/5の朝を迎えたのでした。
あれからちょうど3か月。最初から覚悟していたはずなのに、でぶらに起きたことを現実として受けとめるには、未だ無理があります。10年弱の間に、すっかり
でぶら仕様になってしまった家の中。でぶら用のブツたちはまるごと全部そのままで、どうしても白紙に戻すことができません。
外から帰ったときには、どこかにでぶらの影が見えるような気がします。
「でんさん、ただいまー。どこー?」
といまだに呼びかけます。でぶらがいた間、ずっとそうしていたように。
こういうことは、次に引っ越すときにでも、なんとかなるのだろうか。
かわいいでぶら、
今までnaoのことをずっと見ていてくれてありがとう。
頼ってくれてありがとう。
頼らせてくれてありがとう。
(naoは今でもあなたに頼っているよ。)
naoの「がんばれ!」に長いこと応えてくれてありがとう。
待ち合わせの場所、ちゃんと憶えてる?
そこでぴーちゃんたちと一緒に待っててよね。
……じゃあね。
いま、でぶらの抜け殻は、ココア入れだった小さな陶器のキャニスターの中にあります。抜け殻とはいえ、知らない土地の地中に置いてきぼりにすることはできません。今後数年ごとに転勤があるため、いつもこのキャニスターを連れて移動しようと考えています。
Debraめくりはもう更新できませんが、naoのことだから、またいつの日か、どこからかかわいい仔猫を調達してくるかもしれません。それがいつになるかはまだ本人にすらわからないのですが…。そのときは、たぶんNya@Web(ブログ)のほうでご報告することになると思います。
それから、ここのログは自分のために残しておきます。でぶら用のブツたちを部屋の中から消せないのと同じで、ここも今のnaoにはとても消すことはできません。それに、でぶらがいないことにもう少し慣れてくれば、とてもくつろげる場所になりそうだし。(まあ、そんな悟りの境地に至るには、もうちょっと修業が必要ですニャー。)
それではみなさま、nao&でぶらは、本日をもちましてエンピツからはさようなら、です。
もしよろしかったら、今後もブログや掲示板のほうへ遊びにきてやってください。
では。
でぶら式旅立ち…スーツケースで運んでニャ。ああラクちん。
じゃあね〜
追記です。(2008.10.04)
その後、ブログタイトルは変更しました。new→「ニャんたること。」場所は上のリンクと同じです。そして2008年3月、ようやく でぶらに弟分ができました。ルビという子猫がやって来たのです。きっと でぶらもどこかで喜んでくれていると思います。ルビの様子は「ニャんたること。」に綴っています。
だれも気づかないであろう追記。。こっそり、こっそり。(*'-')
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