天上天下唯我独尊

2018年04月21日(土) 3歳半

今週は、甥っ子を連れて実家に行って来た。
元々妹のアパートで過ごすつもりだったのだが、初日の夜に、連休はどう過ごすのかと言う話をしていて、
「まもる(仮名)は、ゴールデンウィークには祖父ちゃん家に行くんだよね〜」
と妹が言ったところ、ゴールデンウィークが何なのかわからないのは仕方ないとしても、何故か甥っ子の中では今すぐ行く!と変換されたようで、
「まも(仮名)ね、(きかんしゃ)トーマスとパーシーもってくの!」
と、その場でお出かけ用のリュックに玩具を詰め込み始めてしまった。
いや流石に今日は遅いし今からは無理だから……まずは祖父ちゃん祖母ちゃんに訊いてみような、と実家に電話したところ、来ていいよとの事だったので、翌日私が甥っ子を連れて実家に行く羽目になったのだった。
「髪の毛伸びて来たからお願い」と妹に言われて、床屋にも連れて行った。
最初は嫌がるものの、3歳を過ぎてからは1人でお座り出来るようになり、私まで髪の毛塗れにならずに済むので実に助かる。
おしめが取れた時も思ったが、大きくなって手がかからなくなるって素晴らしい。
でも同時に、赤ん坊らしさが無くなって、寂しい気持ちにもなる。
赤ん坊の何がいいって、あの生殺与奪をこっちが握っている感がいいんだよなあ。

とっくにミルクは卒業した甥っ子だが、残念な事に、おっぱいはまだ卒業出来ない。
前回の子守りでも、朝起こしに行った時に、まだ寝ている妹の胸元に吸い付く姿を見て、
「あっまたおっぱいしゃぶってる。保育園の連絡帳に書いちゃおうかな〜」と言うと、
「だめ! きょうはおっぱいしゃぶりません、ってかいてね」と言って来るので、恥ずかしい事だという自覚はあるようだが、なかなか有言実行には至らない。
「これだけおっぱい大好きならホモにはならないよね、良かった」と私が安堵するも、
「いや、これだけおっぱい好きだから、自分の胸にも付けたいと言い出さないか不安」と妹……それは勘弁。
2歳を過ぎた頃に断乳させようと、妹はあれこれ手を変え品を変えやってみたのだが、悉く失敗して今に至る。
母親から引き離されれば卒乳出来るかと言ったらそうでも無いようで、今回も、朝目が覚めると眠っている私の布団に潜り込んで胸をまさぐるので、
「祖母ちゃんに触らせて貰いな」と追い出したところ、素直に階下に下りて行った。
玩具を目にしたらおっぱいの事なんて忘れて遊ぶのに夢中になるのはわかっていたが、母は朝食の支度で忙しくて甥っ子の着替えなんてやってくれないだろうな……パジャマのままで放置してたら寒くて風邪を引くだろうなと思ったので、眠り足りなかったが仕方なく私も起きて、甥っ子と自分の着替えを済ませた。
今回から甥っ子は何故か私と一緒に寝ると言い出したため、私はぐっすり眠れない。
まだ朝は冷え込むというのに、甥っ子は布団をはねる。
そのまま放置すれば風邪を引く、そうしたら病院に連れて行かなければならないので、私は自分の仕事を増やさないためにも、様子を見ながら布団をかけてやらねばならない。
暑いのかと思ってタオルケットだけをかけてみても、すぐ蹴飛ばす。
首を絞めないように注意しながらタオルケットで抑え付けたら、
「ジャマしないで!」
と叫ばれた。別に邪魔したつもりは無かったのだが。
結構な大声を上げたのに本人は起きず、寧ろすっきりしたように大人しく眠りに落ちた。
何の夢を見ていたのだろう。

最後の晩に、妹から電話があったので、甥っ子に代わってやった。
母親の声を聞いて嬉しそうな甥っ子が、「かわってって」と受話器を寄越したので翌日の移動の予定を伝えて電話を切ったのだが、甥っ子はずっと嬉しそうに、
「ね、いつおかあさんにかわるの? はやくかわって」
と言って来る。
何の事かと思ったら、母が、
「この子、シオンがお母さんに変わると勘違いしてるんじゃないかしら」と。
どうやらその通りだったようで、自分の勘違いに気付いた甥っ子は悔しいやら恥ずかしいやらで、思わず笑ってしまった私を攻撃して来た。
泣きながら叩く叩く。そして応戦する大人げない私。
父が仲裁に入ってくれて漸く収まったが、甥っ子は暫く泣き続けていた。
面倒臭いなあ……。



2018年03月11日(日) 慈悲

アマゾン・プライムで、アニメ「メイドインアビス」を観た。
ジャンルは、冒険ファンタジーとでも言うのだろうか。
絵は可愛いのだけれど、元からファンタジーが苦手な上、小さい子供が無理をする話には、つい眉を顰めてしまう。
女の子が特殊能力を持った男の子をお供に連れて、母親探しの旅に出るという話なのだが、マルコがアメデオをお供に母を訪ねて三千里を旅するのとは訳が違う。
子供だけで危険地帯に乗り込むとか、冒険の範囲を超えている。
しかも、向こう見ずな女の子は男の子に助けられてばかりで、なんなのこの他力本願娘は……!と苛々しながら見ていた。
途中で止めようかとも思ったのだけれど、昨年末に会った際に幼馴染に強く薦められた事もあり、一応シーズン1の最後まで見た。
多分これ、シーズン2に続くんだよね?
これから面白くなるのだろうか。

後半で、ミーティという生き物が出て来る。
彼女は元人間の女の子。
姿形が変わったばかりか、ただ生きているだけの肉塊になってしまったので、彼女の飼い主は特殊能力を持った男の子に、彼女を殺してくれと懇願する。
どんな事をしても死なないが、傷を負えば痛がる。
人格を持たないのに、死なないから生きている。果たしてそれは生きていると言えるのか……?
男の子は逡巡したものの、飼い主の気持ちを汲んでその願いを叶える。

私はこの場面で、一昨年のやまゆり園事件(相模原障害者施設殺傷事件)を想起した。
犯人の植松に、知的あるいは重度障害者に対する慈悲があったかどうかは知らないが、死は時に慈悲である。
そんな事を思った。


 < 過去  INDEX  


春 紫苑 [MAIL]

My追加