読書日記

2004年12月03日(金) 「超英語法」「英語で人生をひろげる本」

最大のポイントになる主張は、「『供給者の論理』に落ち込むな」だろう。学習のための教材の入手や作成はいわば需要者自身で十分にできる。つまり、高価な教材の購入や英語学校入学は必要ないというのである。不足部分は、この本、野口悠紀雄「超英語法」(講談社、千五百円)で補えばよいと言う本。
著者は現在(二千四年)、六十四歳。自身が英語の勉強をしなおすのに合わせて書いたと言っている著者の若さが言外から伝わってくる。

読み終わって改めて題名を見る。内容にふさわしい題名だったのだと驚いた。読む前は「英語で」のところに勝手に重点を置いて内容を軽薄に推断していた。読後は「人生をひろげる」のところに目がいき、納得した。
ハウツウ本ではなかった。
題名の通り、人の人生を深く考え、味わう助けになる本だった。
本を読み、その本の子や登場人物や作者のことに思いを馳せるとはこういうことだったのかとこちらの気持ちにある種の切り替えをほのめかすような謙虚なこの本には久々に感心してしまった。
著者は、現在66歳。その年齢ならでは年輪の見事さとその年齢があくまでも身体面のもので数字でははかれない精神面の若々しさを感じる。
高橋茅香子『英語で人生をひろげる本』は晶文社二千年発行の本。



2004年11月30日(火) 8冊めで「暁の天使たち」完結、その他

茅田砂胡の『天使たちの華劇』(20040725)はこのシリーズの外伝2冊め。主人公らの平和な日常生活を描き出したらキリがないようだが、本編6冊と外伝2冊の合計8冊でこのシリーズもやっとうちどめにするようだ。
「一般市民のすすめ」「常識の問題」「ヴァレンタイン卿の災難」「趣味の時間」の四短編から成る。
洒落た題名が思い浮かんだら中身の方もあっというまに出来上がる。
まるで一流のシェフのごとき腕前を堪能した。

パフィンブックスの『オズの魔法使い』に手を出してから読む本の数が減った。集中力がなくなったというか時間がまわせなくなったというか。英語の本も読みたいと妙な色気を出したせいなのか。虻蜂取らずの状態である。
英語力のなさには我がことながらがっくりである。子ども向けの本なのに全く前に進めない。おまけに一日1ページに30分ほどかけると、そこから別の本を読む意欲がわいてこない。これがアブハチの真相である。
『英語シャドーイング』の前の方を拾い読みしたり、『英語は、絶対勉強するな!』を2冊読んだり、逃避傾向の読書はしても、本来読みたい本を読むことができなくなってしまった。
自動車の中でも英語の朗読CDを内容もわからないまま聞くこと1カ月(といっても乗車時間は20分ほどなのでたいして成果は期待できない)で、本を読む気力を奪うという結果は出ている。

しかしながら、本を身の回りにとにかく集めなければ気が済まない変な収集癖だけは健在で、街の図書館から借り出した本と新古書店などで買った本が部屋を占領しつつある。
しかしながら、読まない、読めない。『オズの魔法使い』がまだ50ページも残っているからだ。もっと真剣且つ地道に英語の勉強をしておくべきだった。普通以下の頭と極度の飛蚊症の目には英語はきつい。
まさか『オズの魔法使い』にこんなに苦しめられるとは。

『英語は、絶対勉強するな!』を違う意味で解釈しつつある今日この頃なのである。

今日見て引きつけられた本の題名は、これ。
『騙されやすい日本人』
著者は宮脇磊介、新潮文庫。

今日は調子がいいので、もう少し。
最近(これまた本が読めなくなる一里塚なのですが)蔵書整理に興味がわいてフリーソフトを探してみたら強烈なやつを一つ発見した。
「BOOKCHECKER」つづりがあっているとしてカタカナで書くとブックチェッカーという名のソフト。
これはインターネットの落とし胤で、書籍関係のWEBを検索して登録するという優れ物。この検索機能は非常に優秀(というのはその対象WEBがそうなのだ)で三十年前くらいの本でも持ってきてくれる。しばらくの間検索病にかかったほど。
故・福島正実の名前で検索したら百五十冊ほど出てきて眼福だった。
登録したい本のタイトルか著者名を入力するだけでその他の必要な項目は自動で登録されるので非常に楽ちん。難点は一作品ごとにしか訂正ができないこと。いっぺんにたくさんの本に訂正や追加をするとなると手間がかかる。
しかしながら、このソフトはそういうふうに使うべきではないのだ。
買いたい本の発行日や重複の有無などすぐ知りたいことをすぐ教えてくれる重宝なソフトなのだ。

これから読む予定の本の題名は、これ。
『本棚探偵の回想』
著者は、喜国雅彦。出版社は、双葉社。



2004年10月30日(土) 田口久美子『書店風雲録』(本の雑誌社)

出たときにすぐ読まなかったことを後悔した。「風雲録」というから軽いエッセイならととりあえずパスしたのは失敗だった。貴重な証言や記憶の記録集としても1級の価値を持っている。
本の雑誌社、おそるべし。



2004年10月01日(金) 晴山陽一『英単語速習術』ちくま新書

晴山陽一『英単語速習術』(ちくま新書)の方法論は有効だ。出てからもう6年も立つのでその有効性を疑う者はいない状況にあるはずだから、これはしつこい意見で言わずもがな、でした。
「この1000単語で英文が読める」というサブタイトルとメインタイトルにある「速習」を信じ、短期決戦で臨めば望みはかなうにちがいない。
著者の主張は短期間の繰り返し暗記法というべきものだが、暗記の持つ地味で憂鬱なイメージを払拭するために具体的なアイデアを数多く紹介している。それは次のごときものである。

単語は名詞から攻略せよ!
対句で覚える
フレーズで覚える
四字熟語を英語にする
イモヅル式暗記法
枚挙式暗記法
へんとつくりの英単語
こだわり単語テスト

単なる暗記法ではなくて英語とのさまざまな出会い・思い出作りを通しての暗記法だから決して無味乾燥な方法ではないのだ。
この本を使いこなすことによって英文を読めるようになった者は少なくないのではないだろうか。


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