ひとりごと日記
昔からひとりごとの声がデカすぎると周りに迷惑掛けてます。

2006年10月11日(水)

もう独りでは歩けない。
なのに、ベッドの傍にはいつも杖を欲しがる。
車椅子でどこに行くにも杖をほしがる。
悲しかった。

ありがとうを繰り返す母
なんも出来てないよ。まだまだだよ。
だから遠慮なんかしなくていい。

小さいときから、誰にも甘えられなかった母。
今は俺に思いっきり甘えて欲しい。子どものように。

ガンよ
お前は憎い奴だけど、ひとつだけ俺に母と長く居れる時間と
気持ちを取り戻させてくれた。
皮肉だよな。

俺はやっぱりバカだ。
こうなる前に気づくべきだったのに。

取り戻せるなら取り戻したい時間。23年間の空白の時間。
ごめんよ、おかあちゃん。



2006年10月09日(月) 体が

壊れてく。
あとどれくらい、傍にいれるかな。
もっと笑って欲しい。
もう少し、安心させてあげたい。
俺、頑張るよ。



2006年10月06日(金)

何度も担当医に、「入院するともう帰れなくなりますがいいですか?」
と聞かれ、確認され、自分の手が守ってやれない不安とも葛藤し、俺が疲れるから
とかみんなが疲れるからとか、そんな理由なら、気にしなくてもいいよって、改めて
話した時、「うん、私も疲れた」とボソと言った言葉を、尊重したいと思い、入院させて来た。
こんなに早くに時間が空いてしまうなんて、1ヶ月半ぶりかな。夜の不安から解消されると同時に、4人部屋に置かれたポータプルのトイレ
を見て不憫を感じてしまい‥

施設でタバコを吸いに玄関の外へ出た時、掃除のおばんさんから、早く元気な姿で戻ってね、と声かけられた時、ふいに、「もう戻れないんですよ」と言葉が口をつき涙がこみ上げてしまった。
施設の栄養士さんが青汁やら、野菜スープやらをもって応援に行くから、早く力をつけて帰ってくるんだよと母に語りかけてもらった時
涙をガマンするのに相当、力が要った。
4つの検査をし、体重量ったら35.6。ひと月前よりそんなに増加してなくて、足のむくみは酷いけど腹水が貯まってはいないなぁと期待できる体重だった。
体力はなくなったけど、変わりなく来てたから、ガンの細胞が少しでも小さく、共存できる状態
になってないかなぁと、実は少しだけ期待してたけど、「足湯に行こうと、病院の食事を取らなくても、結構です。なんでも好きな事を好きなものを食べさせてあげて下さい。」と完全に敗北宣言を改めて受けた。進行は進んで、いつ何が起こっても不思議ではない奇跡のような状態なんだそうだ。
今月が越せるかどうか、越せたとしても正月は迎えられないでしょう。と。
来週、緩和ケアの面接を受けて、審査に通り、ベッドが空いたら、そっちに移るつもり。

4人部屋じゃ可哀相。
担当のまだ若い看護士さんが、楽しそうに院内探検の旅に出て歩いてる母の姿に真剣に驚き、
「食事美味しかったよ」と普段箸もつけなかったほうれん草までも食べた母を見て、ステキな笑顔と驚きのリアクションで、自分の事のように、凄く嬉しい!と言ってくれた言葉や態度に、温かみを感じたよ。ちょっとした心遣いや、気持ちが凄く目について、ありがとうの気持ちと
期待に応えられない悲しみが溢れてくる。
ガンは愛情に弱い、ガンの唯一の弱点は愛情なんだって。
会っていられる時間が短くなるから、その分もっともっと気持ちに寄り添うつもり。
泣いてる時じゃない!。







2006年10月04日(水) うそ

うそにうそを重ねて、もうどうしようもないとこまで来た。
あんなに親切な人たちに、ウソを重ねた。

ただ母のために。
でもそれは自分が受け止めれない自信のなさから来るのかもしれない。

独りで逝かせたりはしない。でも今の状況だと独りで逝く事もありうる。
この期に及んで、後悔をしたくない。
エゴでもいい。

もう一回だけ、母にはウソを重ねよう。



2006年10月01日(日) 今日も

ありがとうございました。

明日も母を守って下さいね

仏壇と、癌封じの札に毎日毎日、欠かさず祈る。

食べれるうちに美味しいものを食べさせてやりたい。



2006年09月28日(木) 一言が

「治らないかなぁ〜」

ポツとつぶやいた一言が、悲しかった。
治ったらどこ行きたい?

そう聞けなかった。

ごめんなさい
ウソついててごめん



2006年09月20日(水) 友へ

遠いふるさとの友へ

苦しくなってぶつけた気持ち
黙って聞いてくれてありがとう。

ふるさとでしか買えない食材を、送ってくれてありがとう。
母はたくさん食べれなくなっているけど
まだ食べたい気持ちを持ち続けてくれてる。
間に合った!間に合ったよ。

懐かしい新聞紙で包んでくれた、その何気ない気持ちがうれしくて
涙がこぼれる‥

きっとこの食べ物たちが、母の体の中で力となってガンと闘ってくれる。
きっとこの味が、生きようとする力になってくれる。
ありがとう。
この恩は一生忘れない。


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