またまたネコ話。 家の大人ネコ3匹のうち、一匹のメス(きんちゃん)が、ここ1ヶ月くらい、家に居ない。 最初はかなり捜した。車に轢かれたか、田んぼに落ちたかと。
どうやら、近所のイラク大統領フセイン似のボスネコの所へ、お嫁に行ったらしい。 3匹の子猫たちを捨てて。
なんだ、そうだったのか。そうと知っていれば、花嫁道具の一つや二つ、持たせてやりたかった。 ネコ缶、ノミとりシャンプー、トイレ用の砂などを、中身の見える花嫁用荷物運搬車(名古屋にはあるんです)に積んで、ご近所披露。 近所のネコたちもよんで、「またたび」嗅ぎ放題の酒池肉林。子どもたちに、尻尾を持ち上げられて、バージンロードを歩く、きんちゃん。 友人代表でスピーチ、くらいしたのになぁ。花束贈呈の時、母は、涙をこらえられるだろうか。 末永く幸せにしてもらえよ。 だけど、よく考えたら、きんちゃんは、人間でいうとまだ20歳そこそこ、フセインは、60歳過ぎ。 ひよっとして、きんちゃん、財産狙い走ったか?
このフセイン、近所でも有名な悪ネコ。これまでも被害にあった飼い猫達の多いこと。 昔いた我が家のオスネコたちとも、しょっちゅうケンカ。生傷の絶えなかった我が家のネコたち、そして、ケンカの後は、ひっくり返った台所の鍋、破れた襖、苦し紛れの脱糞と、散々だった。 「この前、道路で轢かれたよ」とか近所のおばさん達による、死亡説が何度も流れたのだが、その都度、生きていた不死身ネコなのである。うーん、きんちゃんも遊ばれてるんじゃないかしら。?
そんな心配をよそに、幸せなのか、ぜんぜん家には帰ってこない。
ところが、時々、朝ご飯を食べに実家へ帰ってくる。どうした?ケンカでもしたか? 「私、実家に帰らせて頂きます」
やはり花嫁道具を持たせてやらなかったせいで、追い出されたのか? それとも、暴力でも振るわれたのか?浮気されたのか?。 母いわく、「せっかく来たのだから、もっとゆっくりしていき」というが、きんちゃんはすでに、この家では、落ち着かない様子なのだ。「いえ、嫁いだ身ですから」と、背中を震わせながら帰っていく。
きんちゃん、辛かったらいつでも戻ってきていいぞ。子どもたちもいるし。 しかし、嫁がれた家も、大変だろうなぁ。一体あそこの家には、何匹のお妾さんが住み着いているんだろう。
イタ電 ここのとこ毎日0:00から1:00の間に携帯にイタ電がある。 ひどい時は、1時間に10回くらい。
以前、部屋の電話にも毎晩あった。このときは結構暇だったので、よく無言電話に付き合ってあげました。 最初はすぐ切ってたくせに、話し掛けると切らない。 そんなふうに、続けていると、だんだん、質問すると、イエスなら、プッシュ音で返してくるようになった。
「男なの女なの?」 「歳は?」 「どこに住んでるの?」
そういった類の質問には、答えない。しかし、 「今日は、サイフの中に輸吉はいる?」とか、「犬のウンコを踏んだことがある?」とか、そういう質問には、プッシュ音で返してくる。答える方も答える方だが、聞くほうも聞くほうだ。うん?。
この「イタちゃん」、(私がこう呼んでいたが、彼(彼女)も気に入ったらしい)、慣れてくると、「もしもし」と言うと、最初に「ピッ」とプッシュ音でご挨拶してくれるようになった。 なかなか可愛いじゃん。この「イタちゃん」。
同じ質問を同じ日にした時や、質問が途切れた時は、何回もプッシュ音を鳴らして抗議してくる。 あのなぁと思いつつも、質問を繰り返して遊んでた。結構、暇なのである。
結局このイタちゃん、最後まで誰なのか、分からずじまいだったのだが、タバコは吸わず、過去5年以内に海外旅行に行ったことがあり、山より海が好きで、ネコより犬が好きで、白より紫が好きで、酒は人並みに飲めて、洋楽より邦楽が好きで、月末でも必ずお財布には、福沢諭吉様がいらっしゃり、犬のウンコを2回以上踏んだ事がある人物という事は、分かった。
今度の携帯のイタ電君は、イタちゃんより少し性格が悪そうだ。やれやれ、今夜もまた…。
結構、昔から汗かきなのである。 だから、風呂が夏の一番のごちそう。 二番は、庭で食べる冷えたスイカ。 その次が新鮮なトマト。塩をパラパラと振りかけて丸かじり。 夏って、たべものだけじゃなく、色んなものが、ごちそうになるんですよね。
夕立ちも、わりと好きなのです。あの土臭い匂い。夕立ちのあとの木々の匂い。 線香花火も、潮の匂いも、深夜に見上げた星空も。 なんだか、だんだん季節を感じるものがすくなくなったなぁと感じるのは、便利になったせいなのか、 歳をくったのか、それとも、都会?に生きてるせいなのか。
眠れない夜に思い出す。遠い遠い夏の記憶…。 夏休みのラジオ体操、毎日いったなぁ。小学校の校庭で終わった後、花壇のサルビアの蜜吸っておこられたっけなぁ。 お祭りの夜の打ち上げ花火。きれいだったなあ。花火の明かりに映し出された浴衣姿のクラスメート。 お風呂上りの横顔に、ドキドキしたっけ(笑)。 深夜放送、セイヤング、オールナイトニッポン、ぬかるみの世界、聞いてたっけなぁ。始めて徹夜した朝、なんか大人になった気分だった。
あ〜あ、ふきのとうの「影法師」が聞きたくなったな。拓郎の「夏休み」でもいいや。
あれっ昔思い出すなんて、ちょっとヤバ目?
スカートがとっても短い。ほんとは嬉しいけど、ちと困る。 そもそも、男たるものなんでパンツが見えると得な気分になるのか、長年、男をやっててもわからない。
とある雨の日。地下街から地上へ出る”屋根のある階段”。 「あ〜あ、まだ降ってるのかなぁ」と、何気なく上を見上げた。 そこには、後姿の可愛い高校生が2人、超ミニのスカートを気にもせず、なにやら 夢中に話しながら、上がってゆく。!!!
うわっマズイ!と思いつつも、思わず視線を落として階段を上がる。私の後には、おばさんが二人、「まぁ!」と言ながら見上げている。さらにその後の若いサラリーマン君たちは、ニヤニヤしながら続く。 私だってもう10年若ければ見上げているさぁ。 しかーし、日頃より、世の中の風潮として、オヤジ=スケベのイメージが彼女たちの世代に浸透しているのを意識して?「よし、ここはひとつ、オヤジの紳士さ、清潔さをみせちゃる」。 ここで見上げたら、世の中のオヤジの沽券にかかわる! しかし、こういうときの階段は、長い。なんかしらないけど長い。彼女たちのおしゃべりの声が大きくなった拍子に ふと、見上げてしまった!。そして、偶然にも、彼女たちは振り返ってしまったのだ。 飛び交う視線と視線。戦慄の瞬間。きまづい雰囲気。 音を立てて崩れていくオヤジの沽券…。今の今まで見上げてなんかいなかったって! ほんとだよ信じろよぉ。 そう思った瞬間、まだ、なが〜い屋根のある階段の途中で、とっさに持っていた傘を開いてしまった。 …。飛び交う失笑。「えっ」という若者君たちの小さな声。…そして、彼女たちの笑い声…。 雨も降り込まない”屋根のある階段”で、こうもり傘を開いて、ひとり階段をのぼっていく恥ずかしいオヤジ。
世の中のオヤジたちよ!笑いものになりながらも「沽券のかけら」を拾い集めたぜ。恥ずかしいぃ。
やたらと痒いんですけど…。 7匹のネコめ!ノミを落とすでない!。 今年は異常に多いぞ。まだ子猫達なので、ノミの餌食になりやすいのかなぁ。
ところが、こいつらときたら、人間がいや、私がノミに弱いことを知っている。
夜、珍しく家に誰も、誰ーもいない。一日ほったらかしにされてた7匹のネコは、私をみるなり飛びついてきた。 「まだエサもらってないニャー!」 「ミルクとちくわが欲しいニャー」 「夕刊もまだ、読んでないニャー」 「ネコ缶昨日買ってあるんだろう?ニャー」
うるさーい。わかったわかった。顔洗うまで待ってくれー。そう言って鏡に向うと、何匹かは、おとなしく待ってる様子。 ところがだ、一匹だけどうしても足元から、離れない。「ニャー!」とも鳴かずに、足に体をなすりつけている。そして、時々こっちを見上げて「ニヤ!」と笑う。
おまえ…密かにノミ移してるだろ。あっほら見ろ。痒くなってきたぞぉ。 そんな感じでやたらと痒い。ついに、ノミ取り薬を飲ませることにした。 私も痒いけど、おまえらもって痒いんだよなきっと。 おまえらの大嫌いなシャンプーもまめにしてやるからな。
しかし、実は私は知っている。おまえら、家族の誰かが帰ってくる度に、 さも、お腹がすいたふりをして、 「まだエサもらってないニャー!」 「ミルクとちくわが欲しいニャー」 「夕刊もまだ、読んでないニャー」 「ネコ缶昨日買ってあるんだろう?ニャー」 を繰り返している事を。
2001年06月25日(月) |
愛着のある靴。ある雨の日。 |
愛着のある靴というのは、なかなか手放せない。 たとえ、どんなにくたびれても。 ある雨の日、営業に出かけた田舎の地で、ついに、我が愛する靴底から、水が浸入し始めた。気が付けばそんなになるまで、履いていたのだ。
田舎には、信じられないような店が存在することがある。 こんな所で儲かるのだろうかという店。 私が見つけた靴屋も、そんな感じの一軒だった。 しかし、ちょっとガマンできない雨漏りに耐え切れなくなって、大丈夫かなと思いつつも入ってみた。 戸を開けて入る。ピンポーンというチャイムの音。ん?ピンポーン?。 しかし誰も出てこない。なんか、泥棒にでも入るような気分だ。 しばらくして、奥から声が。「ハーイ。ちょっと待っててね」 感じとしては、近所の人が回覧版を持ってきたような親近感のある声。 人のよさそうなオバサンが一人出てきた。 「こんにちは」勤めて明るく言う。 おばさんの顔がこっちを伺っている。「この人どこの家の人だったかしら」。 あきからに、自分の記憶の中をさまよってる顔。 「ちょっと見せて下さいね」。そういうと、おばさんは「あっいらっしゃいませ」と、途端に顔がこわばってきた。 おばさんが緊張したのがわかる。それをみてなんだかこっちまで、緊張してきた。 歩き方もどこかギクシャクしてくる。 改めて店内を見回す。この靴いつからここに置いてあるんだろうという感じの靴が何足も並んでいる。しかも、みんながみんなか結構高い。 しまった。そう思ったときはもうすでに出にくい状態に陥ってしまった。 何年ぶりかの一元さんのお客なのだろう。おばさんもどう対応していいのかわからない様子で、オドオドしている。 狭い店内に切迫した緊張感が走る。随分長い時間と思われる時間が流れる。 私は意を決して、中の一足を選び、これの25.5はありますかと聞く。 え、あっはいちょっと待ってください。棚の上によじ登るようにして、サイズを探すおばさん。 あーありましたよこれですね。 試着してみる。なんか、一刻も早くこの店を出たい気持ちに駆られて、いいかげんにこれ下さいと言った。 ありがとうございます。 お金を払った。このまま履いて行きますので箱はいいです。 と、おばさんの返事は、 今日は雨だから、やめたほうがいいですよ。もったいないから。 そう言って、丁寧に箱に入れて、包んでくれた。
そうですね 私も説得されている。 はい、ありがとう。そう言って手渡された新しい靴を袋にいれたまま、その日一日、 雨漏りのするお気に入りのくたびれた靴で過ごしてしまったのでした。 そして、次の晴れた日に、おばさんの言うとおり、新しい靴をおろした私でした。 なにやってんだか。
男の朝の儀式
降り注ぐ朝日の中、熱いシャワーを浴び、体を起こす。 ジャクソンブラウンなんか聞きながら、シャボンを顔に塗り髭をあたる。 熱めのコーヒーを胃に流し込みながら新聞を読み、今日着るスーツを選び、タイをキリッと締め、車へ。 というと、なんだか様になっているが、実際の髭剃りはこうはいかない。
そもそも髭を最初にそったのはいつだったか。 中学生の頃、おやじのマネをして、石けんをこすり、大人の気分に浸ったことがあったっけなぁ。もっとも、まだ、ろくに生えてもいない髭には、T字型の髭剃りでは、剃れずに、「貝印」のカミソリだった。当時、制服のスカートをチンタラ引きづった、同級生の女の子が持っていたような。ん?
いつ頃からか、毎日剃らねばならなくなった私の髭。私はどうもシェーバーが苦手である。 朝の車の中で、髭を剃っている人をよく見かけるが、あれができれば、どんなにいいだろうと思うこともなくはない。 だが、シェーバーは上手く剃れないのである。もっとも、カミソリでも上手いわけではない。というのも、私の髭は、散髪屋のおばちゃんに言わせると、袋ヒゲという種類になるらしい。うまく説明できないが、毛先が毛穴から完全に出ていないのである。 なら、剃る必要ないのでは?と思うなかれ。触るとしっかりゾリゾリしている。 これが、剃っても剃ってもなかなかツルツルにはならないばかりか、皮膚から血が噴出す。 散髪屋のおばちゃんはついに、この髭を目の敵にして、いつの頃からか髪を切ったときも、私の髭を剃っては、くれなくなった。(その分散髪代を300円引いてくれる) しかし、髭の主である私は、剃らないわけに行かないので、毎日2枚刃のT字カミソリでジョリジョリやる。これが、結構時間がかかるし痛い。毎日、顔のどこがで出血している。 いつか、貧血になるのではないかなどと心配である。 暑い夏の朝でも、お湯は必須。まず、お湯で髭を暖めて柔らかくしなければならないからだ。それに顔から小さなマグマのように吹いてくる血のお陰で、髭剃り後10分はシャツが着れない。そのために、私の朝は、若いネエチャンのように時間がかかる。 アフターシェーブローションは必需品。だが、これも選択を誤ると結構しみる。痛い。 今でこそなくなったが、冬の出張の時、朝、お湯の出ない旅館なんぞに泊まらされた日には、涙ものであった。そんなこんなで、日曜日、長期の休みの間は、私は肌を休めるため髭を剃らないことにしている。こんなに苦労しているのだが、日曜日にしか会わない人にとって、私は、無精ひげの人で通っているらしい。
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