2004年05月09日(日) |
観劇日記「スサノオ」 |
宝塚歌劇 雪組 「スサノオ~創国の魁~」 「タカラヅカ・グローリー!」
出演: 朝海ひかる 舞風りら 初風緑 水夏希 等々
場所:宝塚大劇場
座席:1階20列70番
料金:7500円(S席)
高校時代の先輩に誘われての観劇。思えば、宝塚に近いところに住んでいるのに、自分から見に行ったことはなく、全て先輩に誘われて見に行っている。決して嫌いではなく、むしろ好きな方だとは思うのだけど。何しろ、大地真央と黒木瞳が現役の頃には何度か東京の劇場に通っていて、実は未だにその時の歌を歌えるくらい、はまっていた。でも、なかなか自分からは見に行かない。…なぜだろう?
今回は90期生の初舞台ということで、まず最初に口上があった。こういうのに弱い。夢叶って、ここに辿り着いたんだなぁと思ったら、不覚にも涙腺が…。
そして、口上が終わったら、唐突に本編が始まってビックリした。タイトル通り、スサノオやアマテラスやツクヨミなどの出てくる物語だが…正直な所、物語にはついて行けなかった。展開が早すぎて、説明が聞き取れなかったら意味不明で、え?え?って感じ。 でも、いいのだ。これは、物語でなく、歌と踊りとちょっとのセリフに彩られたショーなのだ。 勇ましく太鼓を打ち鳴らす姿にうっとりし、やや某国のマスゲームチックな群舞に心を奪われ、黒いセットと白い衣裳の中、一度死んだスサノオが真っ赤な衣裳でよみがえった姿に心ときめかす。 「岩戸にしめ縄を」と叫んだら、特大のしめ縄がしずしずと降りてきたのも、笑ってはいけない。 改めて、『宝塚』はあくまでも『宝塚』という一つのジャンルであることを実感した。
それにしても、初舞台生も含め大和の民が舞台上にうじゃうじゃいて、圧巻だった。通路にも出てきて踊って?いたのでちょっとドキドキした。(通路に近かったので) そして、その踊っている大和の民たちの間を抜けてトイレに?行くおばさまがいたことにビックリした。きっとあの大和の民たちもびびったに違いない。
どうも、今回の芝居は「暴力」という言葉の連呼に始まり、んん?と思っていたら、案の定、「暴力に暴力で応えるのは」などという話に流れ着き、かなり世界情勢を意識した終わり方になっていた。 そういう芝居はあっていいと思うけど、今回の舞台がそれにそぐうものであったのかどうかは疑問。 なんだか、そのメッセージを伝えるために、肝心のストーリーの方が支離滅裂になってしまったような印象が強い。 まぁ、最初に書いたように、ストーリーは二の次で良いんだろうけど。 それでも、歌や踊りの次にはストーリーがないとあかんのではないの?と思う。
レビューは、これまた90期生のラインダンスで始まった。これまた、ちょっと、涙腺が…。 しかし、頭飾りによく見ると「90」とくっきり書いてあるのが何とも…ぇぇ、なんというか、お茶目というか、可笑しいというか…
続いて、「タカラヅカ」のオンパレード。「タカラヅカ」の連呼。総スパンコールのような煌びやかな衣裳、オレンジやエメラルドグリーンや紫やピンクのカラフルな衣裳が、次々と。目がくらくらする…。 総勢90人のラインダンスもあり、黒燕尾服も登場し、本当に、「タカラヅカ」の総ざらえ状態。 気が付いたら、次は何が出てくるんだろうってワクワクしている自分がいた。
タカラヅカは、タカラヅカだってのが、一番の感想。 劇団四季とはまた違う、普通のミュージカルとも違う。 タカラヅカはタカラヅカで、これはこれでいいのだ。
でも確実に、ワタシと先輩は、他の人たちと違うところで笑っていたような気がする。 ちょっとホッとした。 (ちなみに、先輩はちょっと前まではかなりの宝塚フリークだった人なんだけど。)
2004年05月04日(火) |
観劇日記「マンマ・ミーア」 |
劇団四季「マンマ・ミーア」
出演: 保坂知寿(ドナ)、吉沢梨絵(ソフィ)、前田美波里(ターニャ)、青山弥生(ロージー) 渡辺正(サム)、八巻大(ハリー)、ビル(野中万寿夫) 鈴木涼太(スカイ)、大塚道人(ペッパー)他
場所:電通四季劇場「海」
座席:1階14列39番
料金:11550円(S席)
マンマミーアは2回目。 1回目より全体を観ることが出来て、物語として楽しめた。
ソフィが前回とは違う役者さんだったけど、ワタシは今回の方が好きだなぁ。知寿さんの雰囲気と似ていて、うまくぶつかってる感じ。
サムはちょっと若いのが気になる。もうちょい「大人」な雰囲気だった芝さんの方が好き。でも、素敵だったけど。
このミュージカルはホントに元気になれる舞台だ。 物語が、というより、観客の元気を導く何かがあるような気がする。 印象的だったのは、ワタシの前に座って居た小学校2年生くらいの女の子。オーバーチュアの時から身体でリズムを取ってて、芝居中はずっと前のめりで見てて、カーテンコールの時はお母さんにだっこしてもらって一生懸命手拍子して。 隣に座っていたカップルも、始まるまでは二人でもたれ合って寝てて、場違いな雰囲気だったのに、帰りがけは「はまったぁ!!」って大はしゃぎだったし。 歌のパワー、役者のエネルギー。目に見えない何かが、客席を圧倒する。 そんな舞台の作り手であるのが、うらやましい。 ワタシにも、もう少し勇気があったら…なんて、また詮無いことを思い返してしまう。
それにしても、やはり生の舞台に限る。 先週末のミュージックフェアで、「マンマミーア」と「ダンシングクイーン」を見た。 多分、ちょっとがっかりって人、多かったと思う。 だって、特にメインの3人の歌が、何となく下手に聞こえるんだもの。全体的には格好良かったとは思うけどね。 気のせいかなぁと思ったけど、今回舞台で改めて聞いて思った。 基本的に、歌の上手い下手はそれほど意味を持たないのではないか。(ある程度はもちろん大切だけど) 知寿さんの歌い方も、ちょっと伸ばしすぎたり、うなり過ぎたりで、多分、あまり上手くはないと思う。 けど、芝居の流れであったり、気持ちであったり、それが繋がれば、それだけで説得力を持つのだ。 歌の部分だけを切り取っても、それが伝えるものってのは、ホントに限られてしまう。 やっぱり舞台の上に広がる世界には、かなわない。 …こうして、また舞台に捕まってしまうんだな…。 いよいよ、来年1月9日に、大阪にやってくる。楽しみで仕方ない。
帰り道、ソフィ(吉沢さん)に出会った。 舞台では、かわいらしく元気でまっすぐな存在感を見せていたけど、実際の彼女はとてもとても華奢で小柄な女性でびっくりした。顔も小さくてむっちゃかわいいけど、多分、町で出会ったら絶対気づかないと思う。 そんな人が、舞台ではあれだけの存在感をもてるってことは、やっぱり凄いことだなぁ。
2004年05月03日(月) |
観劇日記「ユタと不思議な仲間たち」 |
劇団四季「ユタと不思議な仲間たち」
出演: 光枝明彦(ペドロ)、増本藍(ダンジャ)、芝清道(ゴンゾ)、高城信江(モンゼ) 下村尊則(ヒノデロ)、田邊真也(ユタ)、中村友里子(小夜子) 他
場所:四季劇場【秋】
座席:1階21列25番
料金:8400円(S席)
ユタを観るのは3回目。一度目は名古屋で高校生の時。初めて自分のお金で観たミュージカルだ。なぜ観ようと思ったのかはなぞだけど。
3回目にして、初めてダンジャの存在感を感じた。哲学者っぽいんだってことも今回初めて気づいた。 ゴンゾとペドロ、どちらも素敵な役者さんだけど、強いて言えば、声のトーンとか背格好がよく似ていて、今ひとつ区別がつかない…もったいないなぁ。 今回は、ペドロもゴンゾもヒノデロも、結構贅沢な組み合わせなので、ある意味もったいない感じ。
このミュージカルは、自分にとって記念の作品ってのもあるからか、1回目の記憶とか思い入れが強い。ユタも、当時は加藤敬二さんというダンスが抜群の人だった。当時はそんなこと全く知らなかったけど、開脚で高く飛び上がる姿が強烈に焼き付いていて、忘れられない。
内容のせいもあるのか、客席に子どもたちがいっぱい。さすがに途中でむずかる子もいたけど、仕掛けの多い舞台なので、素直な反応が聞こえてくるのが面白い。感嘆の声とか、驚きの声とか、安堵の声とか、笑い声とか。 演じてる方も嬉しいだろうなぁ。
「ともだちはいいもんだ」のナンバーで、思わずウルっときてしまった。
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