司馬遼ときたら次は池波である。 幕末読書、今度は近藤を主人公とした池波正太郎の 小説を読んでみた。池波ときたら鬼平や剣客商売で おなじみのように、どこにでもありそうな家庭を 描くのが圧倒的にうまい。 近藤も、一人の家庭人として書かれていて楽しかった。 普通として書かれているからこそ、彼の苦悩も行動も よく解るのだ。彼なりに頑張っているというか。 今回は沖田も小悪魔のように書かれてはいなかったし 土方も鬼のようにカッコ良かったわけではないが、 読み終わってみるとしみじみと味わい深いカンジ。
私はこう、行き先が悲劇と解ってるモノに弱い。 「タイタニック」も、主人公が賭けに買って船の チケットを手に入れた最初のくだりが一番泣けた クチだし(そんな奴あまり居ないと思うが。 そして更に沈没し始めてからは寝そうだった)
だから新撰組も、これから官軍になれない予感が あるのがどうしても物悲しくてたまらなくイイ。 家康に勝てるとは思わなくても一矢報いたいと 切望する真田幸村の悲壮感に似ていてたまらない。
いや〜幕末モノ敬遠してたけど面白いね!
こないだの衝撃からずっと幕末モノばかり 読んでいる。今は、ホントに今更ながら 司馬遼の「燃えよ剣」を読書中。 新撰組好きには永遠のバイブルだろう。 これは土方を主人公に書かれているのだが、 最初はあまりにもアクが強くて引き気味だった。 だっていきなり、気に入った女を暗がりに引きずり込む 祭に向かうシーンから始まるんだもの、身分の高い 女じゃないと興味がないとか、顔は覚えてなくても やってみたらなんとなく体が覚えてたとか、そりゃ 引くって…しかも潔癖で性格ひねくれまくってるし。 だが読み進むにつれて、この男の味がだんだん 解ってくる。一本気でひたむきで不器用で、 なるほど男も惚れる男とはこういうタイプだろう。 近藤や沖田との仲もイイカンジに書かれていて、 この沖田に腐女子が群がるのも頷けるというものだ。 天真爛漫で、沖田だけが知る土方の弱点とかあって 「土方さんは可愛いなぁ」とか言ってしまうし、 土方も沖田には甘いし。耳打ちするために抱きついて きた時は思わずガッツポーズ取ってしまったほどだ。 …その前に一緒に原っぱで用足してたけど(笑) 土方は女を引っ張り込んでばっかだったけど、 新撰組で副長をやるようになってからはほとんど 女に手をつけなくなってしまった。が、ふとした ことから出会った女に惹かれてしまう。 でも大事にしたいあまり手を触れず世間話ばかりして いるうちについ、気持ちが高ぶって 「抱いて差し上げたくなる」と言ってしまう。 私は目を疑った。
どこの貴族語だそれは!?
どんな耽美小説の美形にも敵わない名セリフである。 攻がよほどイイ男でないと成立しないからだ。 イイ男というのは、今時のペラい耽美小説では お目にかかれない味のある男のことである。頭が良くて 運動が出来て金持ちで美形でキザなセリフが得意の テクニシャン(笑)では到底薄っぺらくて勝ち目がない。 渋みとか孤独とか内面の葛藤とかそれでも一本筋を 通す男らしさとか、そういうものがないとダメなのだ。 ためしに一昼夜色々な例を模索(笑)してみたが、 どう考えても上手くいかない。どうひねってみても 「抱いてさしあげたくなる」展開が出てこないのだ。 さすが司馬遼!さすが土方! ありえないくらいにカッコいい!!
しかし土方は男性ファンも多いはずなのに、 どうして土方のような苦味走ったイイ男はなかなか 居ないのだろう??
電話に付いてるFAXが壊れてしまったので 新しい電話を買いに行くという母に着いて電気屋に 行った。電話は思いのほか安い物が買えたが、私は ついでに自分用のコンポを買ってしまった。 私は部屋に1台、PC使う部屋に1台ずつ置いている のだが、部屋の奴がもう寿命もいいとこ。何しろ 私が中学生時代から使っている、CD1枚とカセット テープ2本入るレトロモノだからだ。しかもCDは 音がブツブツ切れるし重い。ちゃんと色々機能は 付いているのだが、音を聞くしか使っていなかったので 随分もてあまして半分インテリアになっていた。 しかし最近、パソコン部屋のラジカセのCDの部分が 壊れてしまったMDがダビング出来なくなって しまっていたので常々不便だと思っていた。なので 思い切って購入したのだ。…しかし最近の奴は皆 カセットが付いているのはなぜだ?(汗) 色は、黒と迷ったけど部屋の色調とモリゾーと キッコロのぬいぐるみを乗せてマッチする木目にした。 どうせほとんど使わないのになかなか贅沢な買い物を してしまった…(今月ビンボーなのに…)
また職場の話で恐縮だが、最近人手不足で休日出勤が多い。 私はだいたい隣の子と交代で出勤するのだが、10月の 三連休の中日はその子が出るはずになっていた。 それを、11月と変更して欲しいという。 予定もなかったので「いいですよ」と快諾して 何げなく彼女の手帳をのぞいてしまったら10/8に 「イベント」と書いてあるではないか。 彼女が入って来てすぐ「ヲタクなんじゃないか」と 疑っていたが、付き合うにつれ「普通かな」と思い 直したというのに、やっぱりそうだったのか? と、やっぱりちょっと疑い出したのだが、今日また 疑うような一件があった。私が全国のオフ友達のことを 全て「学生時代の友達」と一言で片付けてあちこちの 地方の話をすることはよくあるが、今日は彼女が 「鳥取に住んでる友達が…」と言いだしたのだ。 瞬間
「こいつヲタクだ!」
と決め付けた。だって鳥取県民にはものすごく失礼だけど、 普通、埼玉県民で鳥取県民の友達なんて居ないもん。 (ホントすみません大好きです鳥取)
元から東京に住んでいる人のだいたいが普通人である。 驚くほど平凡で目立たない人が多い。 逆に東京に越して来て住んでいる人が、いわゆる 目立つ東京人で、まぁ口悪く言えばイキがっている。 同僚に、元から浅草に住んでいる本場・東京人がいる。 どこへ行くにも近いから万事鷹揚としていてのんびり屋。 雑誌の占いコーナーとか好きで、すぐ間に受ける善良な タイプで、田舎モンのコンプレックスがないから 親切で人もいい。彼女がふと、ランチの時 こんな事を言い出した。
「あー、私も田舎に住んで、幼馴染と 早めに結婚したかったな〜」
田舎住まいをしたことある人なら解るだろうが、 田舎の幼馴染なんて泥臭くて恋愛対象になんか なりゃしないが、何かを夢でも見ているらしい。 まさに、生まれつき都会に住んでないと言えない一言だ。 まぁ確かに、田舎住んでると結婚早いけどさ。 高卒とかで近くの人とぱぱっと結婚して既に二児の母、 みたいのは私の周りにも珍しくない。更にそのうえ 離婚してバツイチ、みたいな話もちらほら聞く。 逆に都会の女はキャリアを目指してなかなか結婚しない タイプが多い。30過ぎても独身女性が多いのは、 東京にだけ見られる特異な傾向らしい。
田舎モンが夢見て上京してくるのと真逆なことが 言えるあたり、本物の都会人だなぁと感心してしまった。
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