ネタ帳

コノハナ【MAILHOME

君のもの、僕のもの 8
2006年01月08日(日)

兜甲児(かぶと こうじ)について 45話まで。
(相当間違っています。)

富士山麓でスローライフを楽しむ高校生。
祖父は数々の特許を持ち、ロボット工学で世界的に有名な科学者・兜十蔵。
父・剣蔵も優秀な科学者だったが、実験中の事故で幼いころに両親ともに他界。よって祖父と弟と3人家族。
兜家は資産家で、東京の自宅はヨーロッパの貴族が住んでいそうなお屋敷。別荘も所有。お手伝いさんもいる。
祖父はポケットマネーで巨大ロボットを作ってしまうキチガイ・・・ゴホゴホ、天才であったが、1話でドクター・ヘルの部下あしゅら男爵に殺害されてしまうため、マジンガーZをはじめとする兜家の莫大な財産は彼のものとなる。話は彼がこの恐怖の遺産を相続したところからはじまる。

祖父死後、兜兄弟は東京の自宅を引き払って、富士山麓にある光子力研究所近くの山荘風の邸宅に転居。この兜邸というのが、これまたカントリーライフに憧れる主婦がよだれをたして羨ましがりそうな美邸。周囲は森にかこまれ、家の周りをぐるりと高い塀が囲い、庭もひろくて二人で住むには充分すぎる広さ。経済的に家政婦が雇えないわけでもないが、東京の自宅のお手伝いさんが殺されたこともあってか、家事は二人で交代でしている模様。

祖父から受け継いだ「神にもなれば悪魔にもなる魔人」マジンガーZは、この家の近くにある割れるバリアでおなじみの光子力研究所に保管してもらうこととなる。ホバーパイルダーのみ、自宅駐車場に駐車。Zのまさに頭脳部ともいえる重要なものを、自宅の庭にさりげなく豪快に止めてあるのがそれでいいのかと気になってならないのだが、一向にここから移動させる様子はない。Z本体は格納庫に厳重に保管されていても、パイルダーがなければ動かぬ抜け殻なので、これこそ、厳重に保管しなければならないと思うのだが。でも、マジンガーZは甲児の私有財産なので、これでいいのかもしれない。寝坊した甲児が、パイルダーで学校に行くというネタは誰もが一度は書いていることだろう。
後見人は十蔵の弟子で光子力研究所所長の弓教授。

転居後学校のほうは東城学園3年に転校。なぜか、3年に転入したはずなのに、設定資料をみると年齢が16歳となっているので、もしかしたら飛び級しているのかもしれない。3年に転入したが、忙しくて学校に通えず授業についていくのが困難なため、1年生に戻したととりあえず自己解釈しておく。

こうして、普段は高校に通い、機械獣が攻めてきたらマジンガーZに乗って戦うという毎日を送ることとなるのだが、戦うといっても、軍人でも研究所の職員でもないので、義務でも命令でもなんでもなく、趣味で参戦しているだけである。別に甲児が嫌なら(そんなことはありえないけど)出動しなくてもかまわないのである。甲児くんはただで戦っているの?という疑問は昔からいわれているが、手当等が支給されているかどうかは不明。研究所の資金は国からたくさん出て潤沢のようだし、本人も金持ちなので、どのへんはどうでもいいらしい。
研究所の職員でもないくせに、所内では、弓所長に次ぐぐらいの発言力を持っていて、役員会議に堂々と出席。弓所長も出動要請するときは「出動してくれないか」とお願いしているし、甲児も「わかりました。マジンガーZを出動させます」と言っている。出動決定権は彼にあるらしい。彼がNOといえば、マジンガーZは動かない。やはりオーナーは強い。ハラショー、マジンガーZ!

と、こんな書き方をしていると、マジンガーZって金持ちのボンボンが親の遺産使って、趣味で戦う話?と誤解されそうだが、だぶんそれであっていると思う。
この話での甲児は、数々の特権的扱いをうけているが、それは親の遺産があるからであって、すべては親の遺産がなせる技である。
親の遺産を失った甲児がどれほど悲惨かは、続編の「グレンダイザー」を見れば、よーくわかる。

三度の飯よりマジンガーZが好きで、マジンガーZを馬鹿にする奴は許さない。
おじいちゃんを尊敬するおじいちゃんっ子。
東映まんがまつりでデビルマンと友達になった。
弓教授の娘、さやかは、甲児のことが好きでたまらないのだが、肝心の甲児が
マジンガーZ>>>>>>>>>>>>弓さやか
なため、二人の間はなかなか進展しない。東映まんがまつりで「ガールフレンドより、ジェットスクランダーのほうが好き」とうっかり本音をいってしまい怒られた。ホバーパイルダーのシートを汚す事もなんどもあったと推察。
個人的には、二人は安易に結婚しないで、30年経っても、「甲児くん、久しぶりー、変わらないわねぇ」「そういうさやかさんのほうは、少し太ったんじゃない?」「なんですってー」「ハハハ、さやかさんもそういうところは少しも変わらないね」「ん、もう甲児くんったら。でもそういうところがス・テ・キ・・・」という展開を希望。永遠にバカップル友達のままでいてください。

バイクが趣味で運動神経抜群。チャームポイントはもみあげ。へへーんだ、と軽快な江戸っ子弁を話す。
両親を幼い頃亡くし、祖父とお手伝いさんは殺され、わけのわからない巨大ロボットをいきなり貰い受けるというよく考えるとトラウマを抱えてもおかしくない身の上なのだが、そういったものとは一切無縁の明るい性格。今だったら、PTSD確定なんだがそんなものとは全く無縁。とにかく裏表がなく、青竹のようなというより勝手にわれまくった竹のような性質。
また昔の漫画アニメは孤児が多いが、そうした場合大抵がビンボーか親の愛情に飢えているものだが、そういったところもない。親も無しで、どうすればそんな真っ直ぐな子が育つか教えてもらいたい。新しい環境にもすぐに慣れ、毎日元気に戦闘中。悪く言えば鈍感なんだが、ここは作風に合わせて前向き解釈で、強靭な精神の持ち主としておく。子供っぽいというより、逆にこれ、大人だろ。

さて、兜甲児というと、血の気が多くて、喧嘩っ早い代表格のようなイメージがあるが、実際のところは、意外なほど冷静沈着で礼儀正しい。
その冷静沈着な戦いぶりと、兜家の血筋の天性のメカニックセンスはドクター・ヘルも賞賛するほど。戦闘は冷静に相手の弱点を見抜き、そこを一点集中攻撃し、撃破するという手法が主。甲児が冷静さを失うのは、今までのところマジンガーZを馬鹿にされたり、思思うとおりに動かなかったときぐらいで、あとは意外なほど落ち着いている。逆にいうとマジンガーZを馬鹿すると怒るので、彼の前ではZの悪口はいってはならない。

兜十蔵はよき後継者を持ったと本気で羨ましがっていたが、全くもってその通りだと思う。だってさ、あんなマッドな人間からどうしたら、こんな常識人が育つんだか不思議でしょうがないよ。1話で登場したときすでに人間が16歳とは思えないほど出来ているんだもん。っていうか私がここ3、4年でみたロボットアニメの主人公でここまで人間ができた子は他にいませんよ?「平和なんてものは、みんなが少しづつ払った犠牲の上に成り立っているんだ」なんて話始まってすぐ言っているんですが、こんな主人公、今時いる?
最近の子は・・・と思うようになったら、人間素直に年を取ったことを認めたほうがいいが、この人を見ていると、そうもいいたくなる。

これ作った当時は言葉使いの荒いやんちゃな子という設定だったんだろうけど、今の感覚じゃ、むしろ言葉正しい大人の部類に入るんじゃないかと思う。目上の人には敬語だし、女性には「さん」「ちゃん」を必ずつけて絶対に呼び捨てにしないし、肉親のことは尊敬して敬意を払っているし、親しきなかにも礼儀ありで、実は育ちがすごくいいんじゃないか。どんなに戦闘が激しくても、けしてさやかさんを呼び捨てにしないで「さん」づけで呼んでいるところは感動もの。
大人や権力といったものには、かたっぱしから反抗的な態度を示す反体制的な主人公とは趣を異にすることだけはいっておいきたい。

そしてこの手の主人公の慣例として、勉強はからきし弱そうに思われがちだが、こちらのほうもイメージとは異なって、実は高校生の年齢でNASAに論文を提出するほどの秀才だったりする。番組終了後、アメリカのハイスクールに留学し、その後、18歳で円盤を作るほどの脅威の才能を発揮している。金持ちで、美形で(もみあげだけど)運動神経抜群だけでなく、頭も賢かったのである。なんだ実はインテリ坊ちゃんじゃん。というか、高校生でNASAって、この人天才?
もっとも、マジンガーZに初めて乗り込むとき、操縦法もよくわからないのに、いきなり乗り込んで、これでも押してみっかと、適当にその辺のボタンをバチバチ押して、早速暴走させていた過去があるので、家電は取り説を読まないでいきなりスイッチを入れるタイプらしい。こんなんで科学者になれるのか?と疑問視する声も多いが、その辺の固定概念にとらわれないおおらかな発想が、発明には非凡の才を示すのかもしれない。たぶんこの人は、図面どおり設計しないで、全然別のものを作っちゃって、最初に作ろうと思っていたものより、いいものを作ってしまうような気がする。すごすぎるぜ兜甲児、やはり兜家は偉才の家系。ついでに血液型は当サイトの管理人と同じAB型。

とこのように金持ち少年なのだが、着ているものは、年中ユニクロで買ったような水色のハイネックのシャツとジーンズで、好きな食べ物は餃子という庶民派。生活はいたってつつましく、黙ってみていると、ええとこのボンボンということをつい忘れる。番組途中から見た人は、甲児の家は深川の寿司屋で、母は幼いころに死んで、父と弟と3人暮らしで、その父もドクター・ヘルに殺されて孤児になって食うに困って、光子力研究所に貰われてきたといっても信じるかもしれない。
今となっては、そのへんの見た目にこたわらなさが、逆にお金持ちっぽいなぁと思っていたりする。
誰とでもすぐに友達になれるその性格も、彼の育ちのよさを物語っているのではないだろうか。

女子供には守ってやらねばならない弱いものという古い女性観の持ち主で、男は度胸、女は愛嬌、女のでしゃばりは手に負えない、女のくさったような奴など、男女平等参画を推進する団体がきいたら、怒りそうな発言が多い。でも、当時の男女感としては、これは特別なことではなかったと、贔屓のひきたおしで擁護してみる。女性差別っていうより、騎士道的精神なんだろう、男女差は性差であって差別ではないってことでよろしく。
なお、この番組にみられるいかにも男子が考え出しそうなガキっぽいエロは、豪ちゃん+ダイナミックさんの持ち味で、男子って馬鹿ばっか!と思っている女子には理解しがたいかもしれない。

兜甲児は熱血パイロットの典型して必ず挙げられる人物。後発のパイロット達とも比較されることも多い。
悩みがない性格のため、何も考えて無さそうな頭悪そうなイメージがついてまわるが、そんなイメージとは裏腹に、実際のところは礼儀正しい賢い人物だったりする。
とにかく全体的に旧世代のロートル扱いされている感じが強い。なんかイメージだけが一人歩きして、実像と離れていっている気がする、そして、今では逆にイメージに実像を近づけようと、実像に変貌がきたしているように思える。たとえば狂人の真似事をしているうちに、最初のうちはただの真似事だったのが、まわりが狂人の扱いするので、いつしか本当に狂人になってしまうみたいに。事実以上に熱血やんちゃ扱いされて、後発のメディアでは本当に熱血になってしまったのではないかと思う。

しかし、こんなことをいっているのは私ぐらいで、どこをみても、血の気が多くて向こう見ずと紹介されているので、私の目は悪いかもしれない。熱くなると冷静に判断できなくなるのは、私のほうか。

けれど、8時だよ全員集合だって、当時はPTAが子供に見せなくない番組として、筆頭にあげられていたのに、今ではすっかりその評価も変え、昭和を代表する家族で楽しむ優良番組になっているんだから、甲児の評価ももうちょっと変化してもいいんじゃないかと思う。
実は私も子供のころはこの人のことは好きではなかった。五月蝿いし、騒々しいで。子供のころは、冷徹な鉄也のほうが好きだったんだよね。苦悩する主人公大介さんも好きだった。でも甲児は子供っぽくってどうも好きじゃなかったんだよ。
今鉄也や大介さんを今観ると、どう見えるか、すっごい楽しみ。すでにDVD-BOXはコンプリートしているからね。ウシシ。(牧村美樹風に)ついでにゲッターとデビルマンも確保。

なお、マジンガーZ終了後、続編グレイトマジンガー、グレンダイザーにも甲児はわき役で出演している。しかし、わき役にもかかわらず、この人が出てくると、主役よりも目だってしまい、視聴者がつい目で甲児ばかりを追ってしまうというガラスの仮面でいうところの舞台あらしの現象がおこる。
とにかく登場して30年以上、今も愛される人物である。

とりあえず、甲児の声が森功至でなくて、よかったなと思う。


その名はジェットスクランダー 7
2005年12月30日(金)

マジンガーZは空を飛ばなければならない!

という気合入りまくりのナレーションから始まった今週の放送。(といってもDVD)
数週間前からBGMが東映映画みたいなフルオーケストラチックになって、子供心にも、これは何かがおこるとわかる今週の放送。
こんな力の入ったナレーションが入っては、なんとしてでも今週飛ばさなければいかんだろ、光子力研究所では総力をあげて、ジェットスクランダー製作に取り組むのでした。
マジンガーZがいるおかげで、毎週毎週機械獣が遊びにやってくる光子力研究所。
神ファミリーがいるから、ガイゾックが来るんだと、石を投げた清水の住民と違って、光子力研究所には、「マジンガーZがいるから、機械獣がやって来るんだ、出て行け、マジンガーZ」と、言い出す人など誰もいないのでした。それどころかマジンガーZが空を飛ぶのは我々の悲願じゃよという3博士。うううっ、なんでこう光子力ファミリーはいい人たちばっかりなんだ。
紅の翼にかける挑戦者達のおかげで、ジェットスクランダー完成は目前に迫りました。
ああ、しかし、なんということでしょう、そこに、あしゅら男爵が、外からの攻撃には強いが、内側からはもろいという要塞の弱点をついて、スパイを潜入させてきたのです。
あしゅら男爵にしては、珍しく作戦らしい作戦が功を奏して、光子力研究所名物「割れるバリアー」が無効化されてしまったのです。

あやうし!光子力研究所!マジンガーZは何をやっている?

研究所の職員がそう叫んだとき、マジンガーZの姿はそこにはありませんでした。
マジンガーZは奇襲攻撃をくらった相模湾に緊急出動していたのです。
研究所の危機を知り、あわてて研究所に戻るマジンガーZ。
しかし、富士山麓は遠かった。箱根の山はきつかった。走っても走っても、富士山麓は山の彼方。ジェノサイダーの猛攻撃の前に光子力研究所はもはや陥落目前。マジンガーZはまだか?はたしてマジンガーZは間に合うか?

そのときです。弓教授の声が響き渡ったのは。

ジェットスクランダーを発射させる。

いよいよ発射の時がきました。ジェットスクランダーが、射出されるのです。発射台に運ばれるジェットスクランダー。さやかさんは甲児くんに無線で連絡を取ります。
ところが、あああッ、何故正義の味方はかくも苦労しなければならないのでしょう、ジェットスクランダーは、まさにまさに、発射直前になって、敵の爆撃を受けてしまうのです。ここまできておいて。

しかし、弓教授は冷静でした。

ジェットスクランダーは超合金Zで出来ている。やられたりはせん。

弓教授、弓教授、弓教授、弓教授超格好いい!
今までボヤッキーが変装したみたいっていって、ゴメン。所長すごい格好いいよッ。所長最高だよ。今週のハイライトだよ、ぽちっとな、だよ。

スクランダー、ゴー!

そこにかかる水木一郎の歌。

♪大空はばたく紅の翼〜 その名はジェ〜ットスクランダ〜

そして大空に響き渡る石丸博也の声。

スクランダークロース!

こうしてマジンガーZは文字通りスーパーロボットになったのです。感涙・・・。

いやあ、今週の話は感動的なお話でしたね。
宇宙飛行士の野口さんは子供のころ、今週の放送にひどく感動し、将来はロケットエンジンを作り自分も空を飛びたいと誓ったそうです。そして、大人になると甲児がそうしたように、NASAにいき、宇宙にあがったのはみなさんご承知のとおりです。日本が生んだ宇宙飛行士がマジンガーZによってもたらされたというのは、感慨深いものがありますねね、といいたいところですが、今の話は、私の全くの作り話です。(ゴメンネ)でも今週の話はそういってもおかしくないぐらいの、感動的なお話でしたね。

ご存知のように、マジンガーZは、操作ユニットと本体が別々ですが、それに今週さらに飛行デバイスがつくわけで、2重の合体をするわけですよ。小型飛行機で乗り込むというアイディアも抜群なら、そこに飛行ユニットを追加というのも、とても素敵なアイディアですね。空中でランデブーするさまがエロティックで美しいです。
そんな面倒なことせずに最初から合体しておけと、いう意見もなきにしもあらずですが、やれやれあなたは何もわかっていませんね。このまぐあいがいいんじゃありませんか。

ホバーパイルダーが、ずぶずぶとマジンガー頭部に挿入するパイルダーオンのその瞬間!
背後からがっちりと抱え込むように、抱きかかえられてドッキングするスクランダークロスのその瞬間!

人ならぬもののまぐわう姿!

男だろうが女だろうがふたなりだろうがフリークスだろうが、まぐあう世界、神も悪魔も悪魔人間も魔人もアンドロイドも、タブーを越えてまぐあう世界・・・ああ、これがダイナミックプロの醍醐味じゃあありませんか。
最初から合体しておけという人は、光子力バリアーの角に頭ぶつけて、1篇死んできましょう。


人の頭脳加えたときに 6
2005年12月28日(水)

富士山麓にオウム鳴くでおなじみの富士山麓。
この日本を代表する美しい山のふもとにある光子力研究所では、シロー少年が伝書鳩を使って通信文を飛ばす事を計画していました。
それを聞いて、この科学の時代に伝書鳩なんて、と笑うさやかさんと甲児くん。
兜博士と弓博士の血を引く二人は、科学を信じる人々でした。
そんな甲児くんの目下の関心ごとは、どうすればマジンガーZが空を飛ぶか、いつになれば、マジンガーが空を飛べるようになるかということ。
一足先に飛行能力のある機械獣を開発したドクター・ヘルに、空を飛べないマジンガーZはここのところずっと苦戦を強いられているのです。
マジンガーZが空を飛べたら、マジンガーZが空を飛べたら!
甲児は何度そう思ったことでしょう。
ああ、マジンガーZは空を飛ぶ翼を持っていなかったのです。
これまで度重なる空飛ぶ機械獣の襲来は、甲児の機知と操縦技術で辛くもくりぬけてきたものの、いよいよそれも限界に近づいてきました。
マジンガーも空を飛べなければ、この先勝利はないのです。いよいよマジンガーZも空を飛ぶときが来たのです。
神にもなれば悪魔にもなる“魔人”を受け継いだ遺産相続人は、幽体離脱だ空中浮遊だ、などという非科学的なことに心奪われる間ではありませんでした。
そうです、兜甲児は、科学の人だったのです。

いやあ、おもしろいですね、マジンガーZ。
こんなに何遍もレビュー書いている私はもしかして、マジンガーにはまっている?

まあ率直にいうと、このアニメは今見てもおもしろいかというと、必ずしもそうとは言えないのではないかと思いますよ。

古いアニメ、キッズアニメを褒めるときに、今観ても少しも古さを感じさせないとか、時代を先取りした先見の眼があるとか、大人が見ても鑑賞に耐えられるという賛辞がありますが、この作品は、今観れば、絵も古いし、話も古いし、価値観も古臭い。ストーリーも単純で構成も単調、謎もなければ、キャラもステレオタイプ、さらに人気番組の宿命で、話数も多く引き伸ばし感もいなめない。けして完成度が高いというわけではありません。はっきりいえば、子供向きアニメとしかいえないのではないかと思います。

この話には革新的な事象がら多数登場するのですが、それはあくまで放映時のことであり、その時には画期的だったことがらも、今の目からみると、驚くに値することではありません。なぜなら今日の作品に、それは珍しくもなく、当たり前のように存在しているからです。

このアニメは時代の波に乗りすぎており、時代の要求にマッチしすぎており、そのため、当時は優れたアニメであっても、その時に生きていなかった人々が、今鑑賞するには、物足りないんじゃないでしょうか。
当時を懐かしむ、レトロな世界を楽しむ、歴史を知る、先人の遺産を紐解く、時代を振り返るという意味では、大変貴重で意義深い作品であることに少しも疑問の余地はないのですが、今、2005年の今、今見ておもしろいかと尋ねられると、必ずしも、イエスとは答えられる作品ではないと思うんですよ。
つまりは博物館に収められている宝のようなもので、パイオニアとしての価値や、のちのクリエイターたちに与えた影響という点では、偉大すぎるほど偉大ですが、じゃあ、今の子供や少年少女がこれを見てよろこぶかというと、それは補償の限りではない。これが楽しいのは、オールドファンやスパロボファンや豪ちゃん信者ぐらいじゃないでしょうか。マジンガーZはオールドファン向けのアニメといっていいでしょう。

けれど、けれどですね、ドクター・ヘルが一足先に空飛ぶ機械獣を開発して、空を飛べないマジンガーZが苦戦するあたりから、話が急におもしろくなってくるんですよ。このあたりは、今観ても、非常に面白いです。
毎回毎回ピンチに陥ったZが、それを「操縦する者の知恵」とそれを「開発する者の力」で克服していくところがかなりいい印象です。
私も見返すまで知らなかった/忘れていたのですが、マジンガーZは空を飛べません。
これが大変話を盛り上げてくれるわけです。
最初のうちは機械獣も飛べないので、静岡県の片田舎(沼津・富士・裾野・御殿場・伊豆限定 私の家があるところだ!毎週毎週破壊されるあたくしの町!そして翌週には復興しているあたくしの町!)で、ボカボカ殴りあうというのんびりした話が続くのですが、ひとたび、ドクター・ヘルが飛べる機械獣の開発に成功すると、とたん光子力ファミリーは苦戦しだすのです。
そこで、甲児は毎回、いろいろ工夫して、飛べないマジンガーで勝利をおさめるのですよ。
あるときは飛べないZに代わって、ホバーパイルダーでドッグファイトして射程内に誘い込んだり、あるときは目を怪我して包帯をしたままの目くら操縦で、無線誘導だけを頼りに、兜邸から研究所まで飛行したり、またあるときはおっぱいミサイルをカタパルト代わり使用して、空を飛んで見せたり。
おかげでどんどん操縦技術があがるわけですが、そうすると今度は、マジンガーZの性能が彼の能力に追いつかなくなってくるのです。
そうしているうちにも、ドクター・ヘルは次々と強力な空飛ぶ機械獣を導入してくるのです。
つまり、甲児の操縦能力やドクター・ヘルの技術力はのびているのに、それにZの性能とと光子力研究所の技術が追いつかなくなってくるのですよ。
ドクターヘルに光子力研究所が追いつかないというところも面白いのですが、甲児の腕がマジンガーZの性能を上回ってマジンガーを凌駕していくところがとにかく面白いっす。

同じ時期に放映されたデビルマンが、薄汚れた東京の街で、不健康そうに悪魔街道ひた走っているのに、マジンガーZは、美しい富士のふもとで健康的に科学の道を進んでいるというこのベクトルの相違が、非常におもしろいですね。同じ作者が書いて、同じ源泉なのに、2つはどんどん、かけはなれていっているところが、なんともいえずナイスですね。

さあ、いよいよ、来週は、マンジンガーZ最大の見所、ジェットスクランダー登場の回です。
まちにまったマジンガーZが空を飛ぶ話。兜甲児も光子力ファミリーも30年前のお茶の間の子供達も、みんなが待っていたこの瞬間。
当初マジンガーZを上手く操縦できなくて苦労していた甲児の能力が、マジンガーZに追き、そして、今度は、光子力研究所の技術がマジンガーZと甲児に追いつくのです。
祖父が残した遺産と、甲児の能力と、光子力研究所の技術が、いよいよ次回一つにドッキング!

合言葉はデビルウィング!(声・田中亮一)じゃなくて、スクランダークロス!(声・石丸博也)

これでようやく、マジンガーZもデビルマンと一緒に空のツーリングを楽しめるぞ。よかったな、マジンガーZ。


今日もどこかでデビルマン 5
2005年12月26日(月)

牧村家の大飯食らいの居候の不動明くんが、改造ライフル抱えた友人・飛鳥了とともに、恐怖の遺産を相続するため、飛鳥邸に向かっているころ、富士山麓の兜邸では、神にもなれば悪魔にもなる恐怖の遺産「マジンガーZ」を相続した兜甲児くが、トンカチ持って鶏小屋を作っていました。
これで、新鮮な卵が食べられるとよろこぶシロー。富士山麓のカントリーライフを満喫する兜兄弟です。
近くに住むさやかさんも、おにぎりの差し入れを持って遊びにやってきます。さやかさんのお手製の差し入れをいただいた甲児くんは、窓辺に座って、ゆったりとギターを奏でるのでした。するとそこへ仲良しのボス達がバイクに乗ってやってきました。
「おーい、兜ォ、機械獣が出たぞぉ」
「ええ、なんだって、わかった。すぐにいく。」
着替えを手早くすますと、自宅の駐車場に止めてあるホバーパイルダーに乗り込み、光子力研究所に向けて発進です。研究所までは目と鼻の先。森を抜ければ、すぐそこは研究所。どう考えても、研究所からスクランブル発進のほうが効率がいいのに、あくまでも自分ちの庭の、それもどうみても、普通のガレージから、友達に敵の襲来を口伝えで教えてもらってから発進する我らがホバーパイルダー。

なんて、悠長でほのぼのした暮らしっぷりなんだ!
ほのぼの仲良しすぎるぞ、光子力ファミリー。

ああ、何べん見ても、悠長に自宅の庭から発進するホバーパイルダーが格好よすぎです。
あたしは、このホバーパイルダーが兜邸を出発して、森を抜けて光子力研究所までパロパロ飛んでいくシーンが大好きです。甲児が大好きなマジンガーZ目指して、森を低空飛行で抜けて、格納庫の前で旋回する、ここがいいッ!
この一工程多い無駄な発進シークエンスが、いかにも、趣味で私戦をやっているっぽくて、ロケットパンチ3回分ぐらいしびれます。

操作ユニットと本体が別々で、小型飛行機で本体に乗り込むというアイディアも秀悦ですね。オートバイで乗り込むのではなくて、小型飛行機というところが私好みです。ありがとう豪ちゃん、小型飛行機にしてくれて。あたしは嬉しいよ、冷奴先生ッ。
空を飛べないマジンガーZに代わって、(そうマジンガーZは空を飛べないのです!)ドッグファイトをこなすホバーパイルダー。ドッグファイトをする甲児がうーん格好いい。

同じ恐怖の遺産相続人なのに、ほのぼの光子力ファミリーと、キチガイ集団の悪魔人間のこの違いはなんなんでしょう?
恐怖の遺産を相続した不動明くんと飛鳥了くんが、「神とは何か?悪魔とは?悪魔人間とは?」と、怪しげなカッフェーでムツカシー議論をしているころ、恐怖の遺産の相続人・兜甲児くんは富士山麓の田舎町(御殿場?)の夏祭りで、ハッピ姿も凛々しくおみこしをワッショイワッショイかついでいました。
そして、不動明と飛鳥了が、過去の世界を旅して男同士で乳くりあっているころ、甲児くんは、どうすればマジンガーZが空を飛べるか、ロケット工学の書物を紐解いて、光子力研究所の資料室で頭をひねっているのでした。
さらに、飛鳥了くんが明くんへの届かぬ禁断の思いに苦しんでいるころ、甲児くんは「またスカートめくっちゃうぞ」とさやかさんのスカートめくりを楽しんでいました。

なんてマジンガーは健康的なんでしょう。なんて光子力ファミリーはほのぼのとして、まともな人間の集まりでしょう。
ああ、豪先生が、マジンガーとデビルマンを同じ時期に書いてくれて本当によかったです。

豪ちゃんによると、マジンガーZはデビルマンと同じ時期に書かれたそうで、この時期冷奴先生は、デビルマンのほうに精力的に力を注いだので、マジンガーのほうまで手がまわらなくて、マジンガーは結果的に手を抜いた気の抜けた作品になってしまったそうです。
でそのおかげで、あんまり永井食の濃くないさっぱりした出来になって、永井先生的には、手を抜いた作品が代表作としてあげられるのに、納得がいかず後悔が残ったみたいですが、わたしとしては、結果的にそれがよかった。
永井信者じゃない私でも、どうにか読めれるさっぱりしたものになったしね。あたし神とか悪魔とか神話の世界とか全く興味がないし、妖術魔術錬金術が大嫌いなので、あまりその色を濃くされると、読めなくなってしまうのよ。神がどうたらとか、悪魔がどうたら、とかいいだしたら、その次点で、もうそれ、読む気を失ってしまうので。
マジンガーはテーマ的には、神にもなれば悪魔にもなる恐怖の遺産ってことだと思うけど、この点はあまり、深く追求される事なく、漫画アニメともに、祖父の遺産を受け継いだ少年が、オーバーテクノロジーを駆使して、世界制服をたくらむ悪一味を倒すという普通にヒーロー物に収まってくれて幸いでした。

もし、マジンガーZがこの時期にかかれないで、もうちょっと後の時期に書かれていたら、すごーいことになっていそうだよね。
マジンガーと、デビルマンは別物のようでいて、表裏一体なんで、書く時期がずれていたら、何かいても最後はデビルマンになってしまう冷奴先生のこと、マジンガーも、ラストは、とんでもねぇハルマゲドンが待ち構えていたんだろうな。

そしたら、やっぱ最後は、光子力研究所惨殺になったんですかね?
弓教授は拷問の末、血みどろの逆さつり死体、シローは首ちょんぱで首なし死体、さやかさんは、首を刈られて、全裸で胴体串刺し、ボスも首を刈られてさらし首・・・げげげげ、怖い、怖すぎるッ。甲児が光子力研究所に戻ってみると、さやかさんの生首が槍にさされて、研究所入り口にさらされているという惨状・・・いやぁぁぁぁ、そんなのいやぁぁ。
それを見て怒った甲児が神にもなれば悪魔にもなるというマジンガーZと精神感応して、マジンガー暴走。
そして、半身男性半身女性のあしゅら男爵ならぬ、両性具有の美貌の少年が登場。(役回り的には大介さんあたりか?ワクワクッ
そしてお茶の間のちびっ子が震え上がり、PTAの苦情殺到の中、男同士の痴話喧嘩でハルマゲドンという想像を絶する最後のオチで、視聴者が呆れかえる中、とっと大風呂敷を畳んで終了になっていたことでしょうか。
ああ、そんなことにならなくて、本当によかった。デビルマンに打ち込んでくれて、ありがとう、冷奴先生。

ふたなりの美少年に愛される甲児くんは見てみたい気もするけど、でもやっぱり、マジンガーZは「ロケットパーンチ」「さやかさーん」的なのりがいいなって思うわけガンス。

ジェットスクランダー登場まで、あと少し。がんばれ、兜甲児。



この世の果てがこようとも 4
2005年12月21日(水)

甲児くんは学校でも女子生徒にモテモテでした。
まあ、そりゃそうだわな、大金持ちの美形の転校生というだけで話題独占なのに、運動神経抜群で嫌味なところも全然なく、普段は気取ったところのない2枚目半で、時に妙に礼儀正しいとくれば、女子は放っておくはずはありません。
兜くんカッコいいーキャーと黄色い声援を浴びる甲児くん。ボスともすっかり仲良しになって、今ではいい感じの仲間です。ボスも兜が好きで好きでしょうがないらしく、いつも「兜ォ兜ォ」と声をかけてきて、すっかりドカベンの岩鬼状態。ああ、ボスはいいやつですね。ボスと甲児の関係が実にいいです。さっぱりした気性は誰からも好かれるのでしょうか、先生も甲児くんのことはわりあいに大目にみてくれる様子です。
また研究所内では、弓教授からも頼りにされていて、もりもり・せわし・のっそり博士も手なづけて、さやかさんのいとこの幼女からも好意をよせられて、とにかく大変な人気の様子。兜甲児の人気は老若男女問いません。

一方さやかさんはというとあいかわらず、一日中研究所内にお勤め。ジジィと機械相手に、青春を費やす忙しい毎日です。甲児くんが学校にかよい、休みの日にはボスたちと楽しく伊豆の大仁まで遠乗りを楽しんでいるのに、さやかさんは、外出することもなく研究所内で内勤に励みます。
どうやら、さやかさんはいつも研究所内でスタンバイしていて、機械獣が現れると、学校にいる甲児くんの時計型通信機に連絡する係のようです。そして、甲児くんがいったん家に戻って、自宅駐車場においてあるホバーパイルダーに乗って研究所まで飛んできて、プールのなかから出てきたマジンガーZにパイルダーオンし、歩いて(!)、戦闘現場まで移動する間(かなりかかる)、偵察したり、敵を食い止めて時間稼ぎする担当のようです。
甲児くんは学校にいって空いた時間は好きなことしているのに、若いみそらで研究所内からでれないさやかさんが哀れです。

ああ、さやかさん、もたもたしていると、本当に他のヤツに甲児くんとらちゃいますよ。じゃじゃ馬ぶったところで、所詮さやかさんは人里はなれた研究所の箱入りお嬢さん。うっかりすると30すぎても平気で処女でいるタイプです。常識人で健康な男子の甲児くんの前に、他の女が現れたらそのときが危険です。女だけでなく、男だって油断がなりません。いや、人間だけでなくロボットや宇宙人も要注意です。このあと、フリード星からやってきた美形の王子に甲児がさらわれていく展開が待っているかと思うと、妄想の中でしか、犯してもらえないさやかさんが不憫になってきます。
しっかし、アニメの弓さやかはホント全然可愛くないな。豪ちゃんの描くさやかはあんなに可愛いのにさ。絶対、これ声で損していますよね。松島みのりのキンキン声は耐え難いものがあります。別にこの作品に限ったことではないけど、昔のアニメの女キャラの声はおばさんばっかりで、今聞くには正直辛いです。男性キャラはそんなことはないのに、女キャラはどれもこれもおばさんで、とてもじゃないが聞いていられません。

そして私は思い違いをしていましたが、兜兄弟は、研究所に居候しているわけではありませんでした。(どうもデビルマンとごっちゃになっていたらしい)
兜兄弟は、光子力研究所の近くにある山荘風のおしゃれなお屋敷に二人暮しをしていました。兜兄弟は弓家に世話をかけことなく、2人暮らしをしているのです。経済的にお手伝いさんを雇えないわけでもないのに、殊勝にも家事は交代でこなしている様子。立派じゃあありませんか。居候して大飯食らいで牧村家に迷惑掛けまくった(本当にな)不動明とは大違いです。ほんと上げ膳据え膳だった不動明は、これをみならうべきだと思いますよ。ああ、金持ちなんだけど、庶民的な暮らしぶりの兜兄弟の好感度は高まる一方です。男所帯なので、飾り気はありませんが、玄関の前にはもみの木もあって、お庭も広く、カントリーライフに憧れる人なら泣いてほしがりそうな山荘風のお屋敷、それが富士山麓にある兜邸です。

さて、こんなこざっぱりとした家の中で、甲児くんはなにをやっているかというと、机に向かって宿題をしていました。ああ、ドクターヘルが攻めてくるおかげで、授業もやすみがちで、勉強が遅れちゃっているから、おうちで勉強しないといけないんだねと思ったら、それは弟の宿題でした。・・・な、なんていい兄貴なんだ・・・あんなマッドサイエンティストからどうすればこんなできのいい兄弟が育つのか・・・というか、この人永井豪漫画の主人公のくせに、なんでこんなに常識人なんだ?
バカヤローと怒鳴りながら(ジャッキー石丸声で読んでね)、シローの宿題一所懸命解いている甲児にマジで萌えた。こ、こりゃ、たまらん・・・こんな兄がいたら、私一生嫁にいけん。

そして、Zの頭脳部ともいえるホバーパイルダーはこの家のガレージに無造作に止められているのでした。

お、おいッ、ちょっとまてー、そんなところに止めておいていいのかー。
私はてっきり研究所内に格納庫にあって、研究所から発進すると思っていましたが、違いました。ホバーパイルダーは自宅の半地下のガレージに普通に止まっていました。ものすごくさりげなく止めてあります。細かいことを気にしない兜家らしい男らしい一コマです。
なにしろマジンガーZは兜甲児の私物なのです。家に置いてあったっておかしくありません。
隣には甲児のバイクとシローの自転車もとめてあることでしょう。おそらくZのほうは、大きすぎて、置いておくがないので、研究所に置かしてもらっていると思われます。

そのためマジンガーを出動するときは、一旦家に帰って、自宅から発進しなければなりません。いいですか?基地から発進ではなくて、マジンガーは、兜邸から発進なのですよ?人類を守る切り札が、山荘風の自宅の駐車場から発進するのですよ?なんとまあ金持ちの趣味っぽい戦いではありませんか。

兜邸は富士山麓の山の中にあって不便なので、甲児の普段の足はバイクです。学校に行くときも遊びにいくにもバイクです。そして、有事の連絡を受け取ると甲児はこのバイクを飛ばして一旦帰宅して、それで、ガレージで裸になって戦闘服に着替えて、そこから発進して、光子力研究所にむかうのです。

なんか結構な手間です。最初から研究所に止めておいて24時間体制で待機していたほうがスクランブル発進できて効率がよさそうですが、なぜか家に置いてあるのです。弓教授も「あー、甲児くんの家からから発進するのは、時間がかかるし、あしゅら男爵に狙われるといけないから、研究所で預かろう。なんだったら、ここで暮らさないかね?さやかもよろこぶだろうし」ともいいだしてもよさそうですが、そんなことはいいません。いいのです。それでいいのです。マジンガーZは兜甲児の私物なのですから。彼が受け継いだ恐怖の遺産なのですから!
マジンガーZは戦争の話ではありません。マッドサイエンティストドクター・ヘルとマッドサイエンティスト兜十蔵の孫との趣味の戦いなのです。彼が受け継いだ恐怖の遺産との戦いなのです。

それにしても自宅駐車場に小型飛行機が止めてあるのって、格好いいと思いませんか?



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