小学館コミックカセットブック「エリア88」 ▼内容 昭和62年12月20日発行。 原作初期の話をいくつか使い、ナレーションと効果音を加え、1時間程度の長さにまとめたもの。 話の中心は神崎対真。サキやミッキーの出番は少ない。使われたエピソードは以下の通り。 ・第1話の下衆のボウマン ・これにサインしろ!! ・涼子との遊園地での思い出 ・死神ボリス ・並河機長にイビられる神崎 ・2万ドルあせって50万ドルの出費 ・涼子さんと軍事評論家 ・神崎とシンのニアミス ・不死鳥チャーリー ・今夜だけ私の妻になりなさい ・ふふふ、生き残ったぜ 生きて日本に帰ってやる!<完> ▼感想 古臭い。音源がカセットということもあるけど、昭和62年という年代が与える以上に古臭い印象を受ける。 その古さも、レトロとかクラシックとかトラッドとかスタンダードいう古さではなく、流行遅れというか田舎臭いというか垢抜けないというか、そちらの古さである。 これは意図的にその時代を再現しようとわざと昔風に演出しているのではなく、単純に作っている人の技術とセンスが単古かっただけのような気がする。 62年ってそんなに古臭さかったけ?もっとダサくてオサレだったような気がするんだけど。みんなもっとオサレに張り切っていた時代だったような記憶があるのが、それは私の気のせいか? 流行の最先端を走っているものは、時が経つと、古臭くて気恥ずかしいものだけれど、さらに時が進むと逆に新しくなってしまうのは世の常で、これは、そんな流行から外れたっぽさが漂うカセットである。 何がそんなに古臭いんだろ?ナレーションのせい? 阪脩のナレーションが、むかーしのNHKの少年ドラマやラジオドラマみたいなしゃべりで、音源がカセットなのも手伝って、なんだかとっても昔風。音響も感性もどうも感覚が時代遅れで、思わず笑いがこみあげてくる。もしかしたらこれ、発売当時聞いても古かったんじゃないだろうか。だってパリの飛行学校の教官が、ハーイ、カンザキとカザマ、トッテモユウシュウネ、モウオシエルコト、アリマッセーンという思いっきりカタコトしゃべりガイジンなんだもん。そんなやつ新谷漫画にいねーよ。新谷漫画は多国籍で、有色人種もあたりまえのように普通に登場しているってのにさ。 ま、ナレーションが新谷節や新谷ポエムとは無縁なので、制作者側で、新谷美学を再現しようという意識はもともとなかったんでしょうな。ドラマ部分は原作の台詞をそのままもってきているんだけど、音声のみという媒体上、状況説明を加えなきゃならないところは、ナレーションの解説がそれに加わっているのだが、これが、新谷の台詞回しとは全然異なる台本のト書きみたいななんで、ちぐはぐでしっくりこないことこの上ない。なまじドラマ部分が漫画そのままなので、ナレーションが登場するたびに、雰囲気ぶち壊しで、流れをぶった切ってくれて、笑わせてくれた。 雰囲気重視で、作っている側が自分に自分で酔っ払っているオナニードラマも恥ずかしいけど、垢抜けなくて、オサレ心を理解してくれないドラマも、ちょっと恥ずかしいかもネ。生徒が色気づいてお洒落にいきたいのだけれど、先生が古い感性のまんまで授業を押し進めている感じで、なんか62年当時の自分ことを思いだして、おかしく笑ってしまった。 あと、空戦は音だけで表現するのはやっぱ難しいんだなと思った。状況を説明するために、台詞が説明口調になってしまって、場のリズムが崩れてしまっている。視覚から得る情報の重要性をあらためて再認識した。 ▼昭和62年 昭和62年といっても、すぐにピンとこないので、当時の少年誌の連載漫画を調べてみた。こんな時代だったということを思い出す手がかりにでもしてみてつかあさい。 ◇週刊少年ジャンプ新年1・2合併号 ジョジョの奇妙な冒険(荒木飛呂彦) ドラゴンボール(鳥山明) 北斗の拳(原作:武論尊/漫画:原哲夫) キャプテン翼(高橋陽一) 聖闘士星矢(車田正美) キン肉マン(ゆでたまご) こちら葛飾区亀有公園前派出所(秋本治) ハイスクール!奇面組(新沢基栄) シティ・ハンター(北条司) ついでにとんちんかん(えんどコイチ) ◇週刊少年マガジン 第1・2号(1月1・4日号) 名探偵Mr.カタギリ(宇野比呂士) ミスター味っ子(寺沢大介) あした天気になあれ(ちばてつや) バリバリ伝説(しげの秀一) コータローまかりとおる!(蛭田達也) くらくらのパラダイス(中西やすひろ) ゲゲゲの鬼太郎(水木しげる) あいつとララバイ(楠みちはる) ぱろぱろプロ野球ニュース(おおのたいじ) バツ&テリー(大島やすいち) ◇週刊少年サンデー1・2号(1月1・4日号) 'mナム(細野不二彦) B・B(石渡治) はっぴぃ直前(克・亜樹) うる星やつら(高橋留美子) 闘翔ボーイ(竜崎遼児) ちょっとヨロシク!(吉田聡) スプリンター(小山ゆう) TO-Y(上條淳士) 究極超人あ〜る(ゆうきまさみ) 陸軍中野予備校(安永航一郎) 天地無用(原作:やまさき十三/漫画:岡村賢二) ジャスト・ミート(原秀則) ▼塩沢兼人/シン あるサイトさんで塩沢キャラの人気投票をやっていて、全部で50000票以上投票されて、200人ぐらいのキャラの名前があがっている中で、風間真が、9番目にランキングされていて、こういっちゃあなんだけど、意外に意外で驚いた。風間真って塩沢キャラの中でそんなにメジャーだとは思っていなかったので。思いほか知られていてオドロキ。別にテレビシリーズというわけでもないし、長々とシリーズ化された長編アニメでもないし、にもかかわらず、支持する人が多くて、なんか意外。でもちょっと嬉しいかも。 このカセットも唯一塩沢さんだけが、OVAと同じキャストなんだけど、世間的には、塩沢兼人=シンのイメージなんだろうか。たまに塩沢さんはシンよりサキほうがいいんじゃないかという意見を聞くけど、私もそっちかな。塩沢兼人=風間真のイメージそんなにないや。やはり塩沢さんは変態臭い役、ヘンな人の役ををやってもらいたいと思うので。エリ8だったらエラーですかね。え? でも、このカセットは耳が塩沢シンに慣れたせいか、すんなり楽しめた。それに、OVAより若干、若干だけど、明るいかな。OVAほど陰惨な感じはしない。快活として受け答えているし、ハキハキしているし、怒鳴るときはキィキィ声をあげて叫んでいる。OVAと同じ台詞もたくさん出てくるが、こちらのほうが、声に潤いがあってなんかイイ。張りがあるというか、感度がいいというか、キレがいいというか。OVAはちと暗すぎだもんね。OVAはシンの苦悩がメインになった作りなので、それを前面に押し出して、暗くならざるをえないんだろうけど、私はこのぐらいほうがいいな。打てば響く反応のよさがシン・カザマっぽいし、透明感があるところもいい。私はこっちのほうが好み。 (OVAは最初に見たとき、暗くて驚いた。) まあ、OVAはOVAで、3本目あたりから謙虚になってくる低くささやくような「心も乾くエリア88・・・」(←塩沢声で読め)という台詞に代表されるあの独特の物憂げなしゃべり方も、いかにも塩沢兼人らしくて、好きではありますが。あのOVA、3本目に入ると、塩沢さん、1本目や2本目としゃべり方変わってきていますね。3本目に入るとご自分のキャラとしてつかんだようで、塩沢カラーに染まった塩沢シンになってきていておもしろいです。1本目はまだ、塩沢キャラに染まっていなくて、普通に普通のキャラクターなんですが、3本目に入ると、カン所を心得たのか塩沢兼人のエキスが滲み出た人物に変形していって、塩沢キャラ化して、しまうところがおもしろい。 3本目の物憂げで苦渋に満ちた塩沢シンは、あれはあれで私も好き。あのヤバ気で不敵な微笑みがたまらん。ちょっと正常から離れてきた人物を演じるのは、声優・塩沢兼人の十八番といった感じで、やはり巧いですね。妖しい変態美形をやらせたら日本一ではないかと。3本目のOVA『燃える蜃気楼』は絵も綺麗だし、ストーリーもまとまっているし、私も3本目はお気に入りです。 私はラジオドラマとか、カセットブックの類が好きなので、できはさておき、聞いていて楽しいカセットではあったよ。
小学館コミックカセットブックを聞いたら、森功至がいた。 さらりと書いているが、森功至である。 このカセットブックというは、昭和62年小学館から発売された『エリア88』のドラマカセットのことである。これは古さゆえ、現在ではなかなか手に入らないもののようだが、たまたま状態のいいものが見つかったので、即効で購入してみた。価格は定価の3倍の5000ドル、じゃなくて5000円強。ちょ、ちょっと高いんじゃない?とも思うが、でもこれを逃したら次はいつ手に入るかわからないので、迷わず購入を決意。20年近く前のものなので、経年にともなう古びた感じはあるものの、新品同様の保管状態といっていいぐらい状態の良いものだった。コレクター向きの商品といっていいかもしれない。なかなかいい買い物をしたとまずは満足。 私がこのカセットで買うに当たって一番の興味をひいたものは、キャストの中にある森功至の名前であった。 森功至についてはこれま当サイトでたびたび 森功至といえば、エースをねらえ!の藤堂さんをはじめ、はいからさんの伊集院少尉、アタックNo.1の努君、キューティーハニーの青児さん、ガッチャマンの大鷲のケン、ドカベンの土井垣、などなど数々のヒーローを演じてきたベテラン大御所声優さんである。近年はナレーターしてのほうが有名になってしまったが、いまだにサーブをするときは、「ひろみ、いくわよ」と言ってしまう世代の人にとっては、馴染みの深い声優さんである。おそらくバレーボールを持つとついつい「いくわよ、こずえ」といってしまい、袴の女学生を見ると「いやだいやだよはいからさんはいやだ〜」と歌ってしまう世代にとっては、誠実で清廉そうな青年役といったら、まずこの人をおいて他はいないのではないだろうか。 森功至?えーと誰だっけそれ?と言う人も、あのわざとらしいいサワヤカな笑い声を聞けば、一発で、あの人か!とおわかりいただけると思う。ハハハハ。 思うに、私が子どもころは、観るアニメ観るアニメいつもこの人がいたような気がする。チャンネルをひねれば、いつもかならず、彼はそこにいた。ヒーローといえば、たいていはこの人と相場がきまっていた。大人になっていから調べてみると、この人も森功至だったのか、あの人も森功至だったのか、と記憶の中にいたキャラがあれもこれも森功至だったということがわかって感慨深い。そして今も彼が演じたキャラは時代を超え、実写でネタドラマ化されていると思うと心に染み入るものがある。今度実写化されるらしいアタックNo.1の一の瀬努なんて、中学生のくせにトラックを運転して、最後は崖から転落事故死するという笑いなしでは見れないすごいキャラだったよ。 が、しかし、この間も述べたとおり、私は子どものころは、そんな正統派ヒーローよりも、ニヒルな人が好きな子どもだったので、大鷲ケンよりコンドルのジョー、伊集院少尉より鬼島軍曹、ロベスピエールよりアラン、土井垣より不知火・・・という具合で、これでもかというぐらいことごとく好きなキャラと森キャラとがかぶらないのであった!もちろん銀英伝はミッターマイヤーより、アッテンボローである。 そんな森功至の名前がこのカセットの出演者のところにあったのだ。 なんだってー?森功至!?森功至がエリ8に出るのか? 私も漫画を読むときは、このキャラはこの声優さんの声で読もうという遊びをしばしばやるので、エリ8もいろんな声優さんの声で読んでは楽しんできたけれど、森功至があてはめるにおあつらえ向きのキャラがエリ8の中にはいなかったので、今まで使ったことがなかった。 いったい誰をやるんだろう?まさか風間真?! うわっ、森功至の風間真なんて、なんか精悍そうな風間真になりそうだな。そんな風間真は私イヤかも・・・。 もしやシンだったらどうしようと、落ち着き泣くオロオロするのだが、他の出演者のところに塩沢兼人の名前があったので、ああ、きっとシンは塩沢さんだろうと、シン=森功至の線は取り合えずは消えたと胸を撫で下ろす。では真でないとすると、誰なんだろ?ミッキー?サキ?ロッキー?それとも、リシャール?うーんどれもピンとこないな。いや、もしかしたら、塩沢さんがやるのはサキで、やっぱ真なのかなぁ。うわっ、なんかイメージが・・・。 とそんな調子でソワソワしながら、カセットを再生してみた。すると居たよ居た、居た居た居た居た!聞き馴染みのあるあのよく響く声が。 神崎か! そう、このカセットブックでは、森功至が神崎悟の声を当てていたのである。カンザキ〜。 この前もいった通り、私は安原義人のニヒルなしゃべりが好きなので、OVA版の神崎はお気に入りなのである。安原サトルは軽さもよし、重さもよし、ニヒルな悪役な中に母性本能をくすぐるものがあって、あのOVAの中じゃ一番自分的に気にいっている配役なんだけど、その神崎を、その神崎をよりにもよって、森さんがやっていたんである。 ノォォォー・・・・!俺の神崎が・・・俺の神崎が・・・俺の神崎がァ・・・ガラガラガラガラ・・・。 いやあ、森さんの神崎は、肝の据わった原作の3割増しのふてぶてしい神崎でしたよ!後ろから膝カックンでもくらわしてやりたいぐらいふてぶてしい神崎でした。こんなおもしろいものを聞けるだなんて、5000円は安すぎる買い物だったよ。 内容についてはまた次回。 それまでの間、下にキャストをあげておくので、出来る人は、これで声を当てはめて、エリ8の最初の部分でも読んいてください。じゃ、失敬。 小学館コミックカセットブック 「エリア88」 A面 29分56秒 B面 27分54秒 製作・販売・・・小学館 原作・・・新谷かおる <出演> 風間真・・・塩沢兼人 津雲涼子・・・藩恵子 神崎悟・・・森功至 サキ・・・堀秀行 ボウマン・・・田中亮一 係官・・・屋良有作 ボリス・・・郷里大輔 外人・・・矢田刺司 安田秘書・・・上村典子 コントロール・・・広中雅志 ジュゼッペ・・・宮内幸平 チャーリー・・・難波圭一 ナレーション・・・阪脩
マジですか、マジですか、マジですか『ガラスの仮面』再々アニメ化。 下で、少女漫画のアニメ化は難しいと書いた矢先に舞い込んだこの知らせ。 本当にやるのかガラスの仮面アニメ化。マジでやるのかガラスの仮面。 何だって今時分アニメになんかに。しかも、1年ものって・・・。このご時世に深夜で1年もののアニメ。作画が1年ももつか不安。3文字作画の予感大。 っていうか、キャストがもうマヤが亜弓さんに完敗なんですが。 激しく今更な今回のアニメ化、著名作家シリーズ行きに一票を入れたいと思います。 裏切られた人はこのサイトにお越しください。新兵を歓迎します。 --------------------------------------- ガラスの仮面 アニメ化決定! 4月5日(火)より毎週火曜日 深夜 1:30 〜 1:59(予定) 全52話 キャスト 北島マヤ:小林 沙苗 速水真澄:矢島 晶子 姫川亜弓:森川 智之 月影千草:藤田 淑子 桜小路優:福山 潤 姫川歌子:勝生真沙子 --------------------------------------- <解説> ガラスの仮面 昭和が生んだ大衆娯楽少女漫画の最高傑作にて、最強のネタ漫画。 作者は少女漫画界きっての稀代のストーリーテラー美内すずえ。 『ガラスの仮面』(通称ガラカメ)は『王家』『エロイカ』とともに三大 昭和51年1月、『花とゆめ』にて連載開始。2005年3月現在コミックは42巻まで刊行。 現在作者は新興宗教にはまっため、神の電波受診に忙しく、連載は完全にストップ。再開は未定で、次巻の発売時期も未定。 また、コミック化に際して、花とゆめ連載時の原稿を大幅に(あるいは全部)書き換えるため、コミックに収録されたなかった原稿が大量に存在するといわれる。その数、実に2000ページ。 最新刊は1989年12号(277回)〜1989年22号(285号)連載相当分が収録。15年前連載概等箇所が、実に15年という長き月日を経て、ようやく発売されるという異常事態に陥っている。41巻発売から最新刊の42巻発売まで、6年の歳月がかかっているため、生きているうちにあとどのくらい出版されるかに人々の感心は集中している。 年代的にもそろそろ親子2代で続きを待ち望む人も出てきており、ファンの間では「生きているうちに・・・」が合言葉となっている。信者を救うよりも、まず読者を救えと小一時間。 古典的な絵柄、王道すぎる設定、ダサすぎるファッションセンス、それら弱点を帳消しにする抜群のストーリー構成と作劇術は、読むものを魅了し続けて止まない。「マヤ、恐ろしい子・・・」の白眼はあまりにも有名。 少女漫画界の純文学の王者が大島の『バナナブレッド』ならば、大衆娯楽文学の覇者はこの美内の『ガラスの仮面』との呼び声が高いのうなずける。わかりやすく、おもしろく、通俗的に。エンターテイメントに徹するその姿勢は、ロングランとなった連載の中でも常に不変である。判り易いこと→幼稚なこと、判りにくいこと→高尚なこと、と勘違いしている設定過剰、構想微小、構成力ゼロの書き手には、まさにうってつけの教本といえよう。 なお、主人公のライバル姫川亜弓こと亜弓さん愛嗜の“クイーンメリー”は、トワイニングの商品名であり、この漫画のおかげで、売り上げが急増し、それに感謝の意を表して、トワイニングが美内すずえ氏に感謝状を贈ったという有名な逸話は、私が今思いつきで書いた全くのデタラメです。 アニメ化は今回で通算3回目。 1984年にはTVアニメ、1999年にはOVAとなっており、キャストは以下の通り。 ▼1984年TV 北島マヤ:勝生真沙子 速水真澄:野沢那智、森功至 姫川亜弓:松島みのり 月影千草:中西妙子 桜小路優:三ツ矢雄二 ▼1999年OVA 北島マヤ:緒方恵美 速水真澄:小杉十郎太 姫川亜弓:松井菜桜子 月影千草:戸田恵子 桜小路優:置鮎龍太郎 --------------------------------------- 今、オフィシャルサイト観にいってきました。 早速マヤが白眼むいているよ・・・。わかっているじゃないか、スタッフ・・・。でも、外したら、さぞやさむいアニメになるでしょうな。寒いコントの応酬のようなシラケた番組になりそうです。 今回でアニメ化は3回目(でいいのかな?)になると思うのですが、私は前回のアニメは両方とも観ています。 TVシリーズは、何故か知らないけど、途中で真澄さんが野沢那智から森功至になってあれぇ?となった記憶あります。思えば、子どものころは観るアニメ観るアニメいつも森功至がいたような気がします。いつだって森功至です。森功至、森功至、森功至、森功至(しつこい)私の幼年期は森功至とともにありました。おかげで、いまでも、昭和の少女漫画を読むときは、わざとらしいさわやかな笑い声が似合うキャラは全部森功至の声読んでいます。で、妖しい美形は全部塩沢声。 OVAのほうは、マヤが緒方さんで、平常時は緒方さん特有のキンキンの少女声なのに、演技になるといきなりウラヌス声になってビビりました。そして真澄さんが小杉十郎太さんで夜の帝王みたいでした。他のキャストも、違和感ありありでイマイチ。やっぱり私は昔の声優さんのほうが馴染みが深くて好きだな。 さて、美内すずえさんなんですが、このセンセはストーリー構成力と画面構成力が素晴らしいですね!画面構成は、抜群にお上手だと思います。このセンセの絵は人物が左側を向き、目線が左先を見ていることが多いのですが、これが右から左へ読む漫画において、次のコマ次のコマと動線を移動させるのに大変効果的に働いている。また次ページへの続くのがいつもいいところで終わる。観客がおおッ!どどよめいたコマで終わって、どうなるのどうなるの?と読者の注意を引きつけておいて、ページをめくるとバーンと大ゴマが登場する。そして、続いて固唾を飲む観衆のパンフォーカス。ロングとアップの使い方が実に巧みです。すなわち漫画のコマ割において・・・と、そんなことは、夏目房乃介やインテリゲンチャな漫画マニアにでも任せておけばいいので終了。とっととこのサイトらしい話題に入りたいと思います。 美内すずえ氏も新谷かおる氏の文庫の巻末解説を書いているんですよね。(クレオパトラD.C./スコラ文庫) しかし、私は不思議なのですが、美内すずえが新谷かおるの漫画の解説って、これはいったいどういう取り合わせなのでしょう。なぜミウッチーが新谷の解説を書いているんでしょう。おんなじ出版社で、仕事をしていたのでしょうか。二人は知り合いなのでしょうか。それとも文庫の解説というのは、エール交換みたいなもので、どっかで、新谷が美内すずえの漫画の解説を書いていて、その返礼として書くことになったのでしょうか。美内すずえと新谷かおるのつながりは?一条女王やゆみこや、惠子たんはわかりますが、ミウッチーは繋がりがわからん。どなたか知っている方がいらっしゃったら、教えてください。 そういえば、マヤも大都芸能の契約書にサインしちゃったんで、大都芸能の商戦に巻き込まれてお母さん死んじゃって苦労していましたっけね。薄っぺらい紙切れ一枚で結ばれた速水さんとマヤちゃん、二人を結ぶものは契約書だけというやりとりが好きでした。 というわけで新兵は募集中です。絶望した方は、契約書にサインをしていつでもマッコイ商会までお届けください。当サイトでは、あなたの入隊を歓迎いたします。(無理やりまとめてみた)
H2Aロケット打ち上げ成功おめでとう。 前回2003年11月の失敗以来、1年3ヶ月ぶりの打ち上げですね。 無事成功してよかったよかった。 これで、日本の宇宙開発の面目がどうにか保たれたことになるのでしょうか。 ロケット関連の記事は、宇宙作家クラブさんのニュース掲示板が、早くてかつ詳細で、いつも楽しみに見ています。 ここのニュース掲示板は、打ち上げなど大きい宇宙関連のイベントがあるときは、会員の方が分単位で現場の様子を実況してくれます。画像もリアルタイムでアップされ、現場の臨場感が手にとるように伝わってきて、ワクワクすること請け合いのお勧めのページです。 記事を投稿してくれる会員の方も興奮気味で動静を伝えてくれ、現場の雰囲気を一体になって楽しむことができて面白いですよ。 宇宙作家クラブというのは、宇宙開発に関心を持つクリエーターの集団だそうで、なんと新谷かおるもセンセそのメンバーなんだそうですよ。知っていましたか? 新谷で宇宙ものというと、『パスカル・シティ』でしょうか。 私は結構この話好きなんですが、あまり評判がよくないのか、マイナーなのか話題になっているのを聞いたことないですねぇ。それとも私がSFに詳しくないだけで、SFファンの間ではそんなこともないのかな? 内容のほうはというと、NASAが舞台の宇宙開発に生きる人々のお話です。 最新シャトルが原因不明の事故に遭い、22日後に太陽に突入してしまうことが判明。生還不能といわれる中、わずかな希望にすべてをかけ懸命に脱出しようとする搭乗者達、不眠不休で救出作業を行うケネディ宇宙センター、地上で夫の帰還を祈る妻達、父を助けるため宇宙に向かう子ども達。それらの人々の行方を美しいメカ絵とともにおくるドラマティックなSFコミックです。 エリ8終了後に連載されたそうで、エリ8が比べるとぐぐっと明るく未来のある感じです。夢があって活力があって、土曜の朝にNHK衛星でやるのにぴったりの内容ではないかと思います。 絵も安定していて丁寧、新谷節も健在で好調、メカはリアルで美しく、漫画らしいいい意味でのトンデモサイエンス、話も長すぎず短すぎず丁度よく、打ち切りとは思えないまとまりのよさで、おもしろいと思うんだけど、評判よくないのかなぁ?特にケネディ宇宙センターのやりとりは臨場感たっぷりで、私大好きなんですけどね。途中脱線したり、しりきれとんぼだったりする新谷漫画の中では秀悦なまとまりをみせる話だと思うのだけれど、まとまりよすぎるところが逆に駄目なのかな? 私はファンタジーに並んでSFも駄目なんで、『地球へ・・・』や『10いる!』もどこがおもしろいのかサーッパリなんですが、そんな私でもこの話は楽しめました。ファンタジー臭が皆無なので、その手のものが苦手な私も大丈夫のようでした。 (あ、『10いる!』じゃねぇや、『11いる!』だ。10人じゃ話終わっちまうじゃん。ふー、あぶないあぶない、またモーさまのファンに怒られちまうとこだった。) 私がもっているのはメディアファクトリーの文庫版なんですが、この巻末解説は竹宮惠子さんでした。ケイコたんは一条女王と違って、求婚こそしてませんでしたが、今度一緒漫画を作りませんかと、誘いの言葉をかけておりました。いやあ、あいかわらず、新谷センセは少女漫画家のセンセにモテますね。
『悪魔の花嫁』の秋田文庫版の解説を、塩沢兼人さんが書いているのを見つけました。 エリ8とは直接関係があるようでないような内容ですが、なかなか興味深かったのでここに抜粋ですがご紹介。 -------------------------------------------------------------------- ※『悪魔の花嫁』とは? 『悪魔の花嫁』 あしべゆうほ・原作池田悦 秋田文庫 作者は細川御代・青池御代・中山御代と並ぶ秋田四大御代の一人、あしべゆうほ。1975年プリンセスで連載開始。連載開始30年以上たつがいまだに完結していない未完の大作。一説では原作者の池田悦と折り合いが悪く、もう続きはでないらしいとのこと。嫉妬、羨望、疑惑、欲といった人間の闇の部分を暴くホラータッチなストーリーに、オカルトチックな美しい絵で今も人気が高い。シリアスで人間の内面をえぐる内容が高く評価されている一方で、一部ではあるが、主人公のデイモスの神出鬼没なコスプレヤーぶりに格好のネタキャラ性を見出し、偏愛する人も数多く生息するといわれている。 近年では続きが出ないうっぷんからか、ガラスの仮面・王家の紋章・エロイカと並ぶネタ漫画としての地位も固めつつある。 またあしべゆうほは、これまたいっこうに続きがでない未完の長編作「クリスタル☆ドラゴン」をかかえており、他の大御所漫画家が連載を投げ打って新興宗教に走るのを見るにつけ、この先生も神の世界にいってしまうのでは・・・とファンの間では心配されて久しい。 -------------------------------------------------------------------- 『悪魔の花嫁』11巻 巻末解説より 秋田書店 平成9年8月10日初版 僕が『悪魔の花嫁』のイメージアルバムでデイモスの声をやらせて頂いてから、もう十四年になります。 台本をもらい、コミックスであしべ先生のデイモスの絵を初めて見た時は、「おっ、いい役じゃん」と得した気分になったことをよく覚えています。 思い起こせば、その頃の僕は、「戦国魔人ゴーショーグン」のブンドル役や「未来警察ウラシマン」のルードビッヒ役といった、それまでにはなかったテレビアニメのいわゆる「ちょっと変わった美形キャラクター」の役が何作か続いていた時で、このテイモス役も、ちょうど同時期に頂いた仕事ではなかっただろうかと思います。 今回、文庫版の<解説>という依頼を頂き、改めて当時のレコードを聞き直してみた。なにせ、十四年も前のこと。そういえば、この頃はまだCDではなく、LPレコードの時代だったのだなと、なんだか隔世の感というようなものを抱きながら、聞いた。 率直に正直な感想をいってしまうと、「今ならあんなに動揺したデイモスをつくらなかったなぁ、ちょっと必死するぎるかも」と自ら苦笑してしまった。もっとも、美奈子を演じた相手役の伊藤かずえさんがハイティーンだったということもあって、若く情熱的なデイモスになってしまったのかなとも思うのだが・・・。(中略) 長く大きなドラマがじっくりと描かれているテレビシリーズはともかくとして、台詞も少なく断片的なシーンでストーリーがつづられていく単発の作品で声を演じるとき、僕がいつも第一に考えることは、作品全体の雰囲気をどう作るか、また、そのなかに自分らしさを残しながらもどう溶け込むかということ。 当たり前といえば当たり前のことなのだが、これがなかなか難しい、特に原作がある売には、原作の築き上げてきたイメージを壊してはいけないと思うから。 そんな時、僕はいた抱いたキャラクターに自分なりの<色>をひとつつけて、その<色>を基本モチーフとして役作りをしたりすることがあります。(中略) ずいぶん昔のことなのに、イメージアルバムで、デイモスの声を僕がやったということを今でも覚ええいてくれる人が多い。それはとても幸運なことだと思うと同時に、やはり『悪魔の花嫁』という原作の持つ底力の凄さだと思います。 もし、テレビでアニメ化され、シリーズになっていたら、デイモス役をやってみたかったなとも思う。いや、もしかしたら、これからあるかもしれない。その時はまた、是非、彼、デイモスに巡りあいたい。 そして、今度演じる時は、もっと大人のデイモスを、あえて作り上げてみたいと思うのです。 ------------------------------------------------------------------------- 今度演じる時が、けして来ないのが悲しい。 塩沢兼人 2000年5月10日死去。享年46。ちーん。 この文章はご本人が直接書いたものでしょうか。それともインタビューをライターさんがおこしたものでしょうか、それとも本人の記述を編集部でまとめたのかわかりませんが、ご本人が書いたものだったらいいな。職業作家でない人が書いた巻末解説はえらい読みにくいものが多かったりするのですが、こちらはそんなこともなく、まあまあ読みやすかったです。 本の出版が平成9年になっているので、たぶん悪魔の花嫁のイメージアルバムが出たのは、1983年ごろでしょうか。 本人もおっしゃられているように、塩沢兼人っていうと、ちょっと変わった美形キャラクターのイメージはありますね。私の中でも塩沢兼人=ちょっと偏執的or変質的な美形というイメージがあります。 なんとなく自分的には 塩沢兼人・・・変質的な美形 井上真樹夫・・・アウトローな美形 森功至・・・誠実そうな美形 野沢那智・・・影のある美形 井上和彦・・・王子様風な美形 神谷明・・・正義感が強そうな美形 市川治・・・古風な美形 なイメージがあります。 ちなみに私は、キートン山田や安原義人のニヒルな役の人が好きでした。赤レンジャーより青レンジャー、伊集院少尉より鬼島軍曹、フェルゼンよりアラン、島村ジョーより004です。でもエリ8だけはミッキーではなく、シン・カザマです。よろしく。 塩沢さんがデイモス役というのはわからないでもありませんが、(美形だし、偏執的だし)相手役が伊藤かずえってところが凄いですね。時代を反映したキャスティングです。後ろでイソップが懸垂していそうで、ネタみたいなキャスティングですね。大映ドラマかいな。 「悪魔の花嫁」は子どものころ、怖い漫画として有名なので、私も読んだことがあります。でも小学生にはちょっと難しいかったかなぁ。よくわからない話も多かったように思います。神話から時代劇まで、変幻自在に時空を飛び越えるので、ついてくのが大変でした。一番わからなかったのが、この話は毎回毎回人が死ぬのだけれど、次の回になると、ヒロイン美奈子は何事もなかったかのように普通に生活している、この感覚がわからなかった。普通に生活しているのはなにも美奈子だけではなくて、まわりにいる級友も何事もなかったようにこれまで通りの生活をしており、前回までのことがまるでなかったことにされているのが、どうにもこうにも理解できなかった。とにかく時間の経過がヘン。いくらショートショートといえども、この時間と空間の不連続性に、ミステリーは好きだけれど、大のファンタジー嫌い・神話嫌いのわたくしはついていくことはできませんでした。なんで美奈子は警察で容疑者として尋問されないんだ?警察は何をやっているんだ?このへんが子どもっぽくつっかっかってしまって、世界に入り込むことができませんでした。体が全身でファンタジーは拒絶するようです。高階良子やわたなべまさこは大好きなんですけどね。 今回この記事を書くために読んでみたけれど、子どものころわからなかった話も今ならなんなくわかりますね。一つ一つのお話もまとまりよく、高品質なお話ばかりです。ただ連続して読んでいると、1日24時間1年365日有限の時を生きている私は、あいかわらずこの話全体に横たわる時間と空間の縦横無尽っぷりに、体が千歳飴のようにねじくれそうになり、平衡感覚を失ってしまいますが。 むしろデイモスが毎回毎回凄い衣装で唐突に登場するのがおかしかったです。いったいこの人は毎回毎回その奇天烈な衣装をどっから手に入れてくるのか。そう思うと、なるほどこの漫画はネタ漫画としては最高ランクなのかもしれないと思うようになりました。 たぶん「悪魔の花嫁」は誰しも子どものころ、一度は読んだことがあるとは思うのですが、今見ると、デイモスがネタキャラとしていい味を出しているのに気づくと思うので、みなさんも改めて読んでみてください。 と、これ以上書くと、黒い羽が飛んできそうなのでやめておきます。 (少女漫画は信者が怖い。少女漫画レビューが書いていて一番気をつかうんだ) 黒い羽が飛んこられちゃ困るんで、話題を戻すと、塩沢氏が原作つきの役を演じる場合、“原作のイメージを壊さないように”という姿勢でいるところが大変興味深かったです。 原作信者というのは、とかく注文が多くて五月蝿いものですが、(たとえばこのページの制作者など)中でも少女漫画においては、原作は神聖にて汚すべからざる存在で、絶対視される傾向があり、映像化は少年青年漫画以上の困難がともなうものです。まあ、漫画の解説なので、原作をヨイショしなければならないスタンスにいるせいもあってそう書かざるを得ないのでしょうが、それでも、原作を大切にして役作りをしているという姿勢に、大変よい印象を持ちました。私は所詮漫画好きなので、やはり声優さんが、原作を大切にしようしてくれると嬉しいものです。 作品全体の雰囲気を作る、原作のイメージを大切にする、その中で自分らしさを残す、これはいかにも優等生的な模範解答ではありますが、ご本人もおっしゃっている通り、実際にそれを実行することは難しいことでありましょう。言うは易し、行うは難しです。そんなときの塩沢流の役作りの秘策は<色>をつけることだそうです。塩沢兼人曰く、デイモスのイメージは<蒼>だそうです。こんなところで役作りの秘策がきけるとは、嬉しい限りです。 エリ8はその内容からどうしても解説は軍事ジャーナリストさん担当になってしまうのだけど、メディアファクトリー文庫の解説は、どうせだったら塩沢さんに書いてもらいたかったなーと、これを見ていて、ちょっと思ってしまいました。軍事ジャーナリストさんによる解説は他にもあるだろうし、塩沢さんならどんな解説を書いただろうか?とそんなことが気になりました。時期的にはちょうど鬼籍入りする直前ぐらいになるのでしょうか。もしかしたら、死後発行ぐらいになってしまうかも。 そんな文書が残されていたら、声優・塩沢兼人を知る資料として、貴重なものになったのではないかと思われてなりません。 ◇追記 この記事に関して、たくさんのメールをいただきました。 これは塩沢さんご本人が書いたのではなく、インタビューをもとに別の方が文を書いたそうです。情報の提供ありがとうござました。
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