やんの読書日記
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安野光雅解説 日本放送出版協会 スイスの村の絵本作家 アロイス・カリジェはゼリーナ・ヘンツの書いた文に 挿絵をつけた絵本で有名です 「大雪」「ウルスリのすず」「フルリーナと山の鳥」 どれもスイスの山で家族と暮らし、自然の中で労働の喜び 生命の輝きを自分の体で感じ取っている少年と少女の姿が とてもいきいきしています。 この本は、挿絵作家でデザイナーのカリジェの故郷スイスを 空想の旅と称して出かけるところから始まっています。 カリジェがスイスの観光ポスターやオリンプックのポスターを 描いていたこと、スイスの村で詩人のヘンツにであって 絵本を共同制作したこと。老年はホームで過ごしたこと 最後の作品はキリストの最後であったこと。 挿絵いりのスイスの空気が感じられるさわやかな解説書です
トラベリングパンツの最終作 今度は4人が大学へ進学するため バラバラになってしまう直前の最後の夏だ。 家族と意見があわずに悩んだり、自分を偽ったり 傷つきたくなくて後ろ向きになってしまったり そんな少女たちが最後はパンツの力を借りずに 自分の力で解決する。 レーナも、ビーも、カルメンも、ティビーも 家族と離れることは人生の中では当たり前と思っていても 心の中では自分の居場所を探し続けていることが じわじわと伝わってきた。 レーナは父親と理解しあうことができた ビーは二年前のつらい経験から解き放たれた カルメンは2度目の父と母の間にできた子のことで疎外感を味わうが 出産を気に家族との絆を強くした ティビーは妹の怪我のことで悩んだが結果的に強くなれた。 自分が進学で家を出るとき、心の中に押し込めてきたもの それを再確認できた。 自分の居場所は家族の中に、 友達の心の中にあるのだということを
ロザムンド・ピルチャー作 中村妙子訳 日向房 海軍婦人舞台に入隊して働くジュディスは シンガポールに駐在している父母と妹の安否が分からないまま 終戦を迎える。 恋人が二度と帰ってこないと思い込んだ友人のラヴデーが 別の男性と結婚するのを見て、自分も家族を待つことに 不安を感じはじめる。 父母が戦争で死に、 妹だけがどこかで生きていることを知る。 そして妹を見つけ出して、帰郷する。 ここの場面が一番感動的だ。 14歳で離れ離れになり、 二度と父母と再開できなかった彼女にとって妹が生きている、 ということは何にもまして大きな希望だったろうと思う。 自分の属する場所 それがなかったジュディスにとって、 自分の家を持ち家族といっしょに住むことが 幸せになるための最大の目的だった。 あきらめず最後の最後までその幸せを追求するジュディスと 彼女を家族のように思い、接したルイス家の人の 愛情のものがたり完結。
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