やんの読書日記
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2003年08月04日(月) アツーク 少年がみたもの

ミーシャ・ダムヤン作
ヨゼフ・ウィルコン絵
宮内勝典訳

イヌイットの少年アツークが
友達だと思って一緒に暮らしていたハスキー犬のタルクを
オオカミに殺され、復讐を決意するが、
復讐のあとにはむなしさが残るだけだった。
タルクは戻ってこない。
ふと気づくと自分は誰よりも強い、
動物から恐れられる狩人になっていた。
アツークは、友達を失ったときに
やさしさも失ってしまっていたのだと思う。
小さな花を目にしたときに、
アツークは友達の大切さを知り、
やさしさを取り戻したのだと思う。
寒い冬の間にもわたしをずっと待っていてくれる友達がほしい
といった花の言葉、
アツークが花に向かってきみをみまもっていてあげるという
最後の場面がいい。


2003年08月03日(日) 白鳥の湖

チャイコフスキー原作
リスベート・ツヴェルガー再話と絵
池田香代子訳
ノルドズッド・ジャパン発行

名古屋三越百貨店に世界の絵本作家展を見て
帰りに買った絵本
2003年7月発行の新刊でCDつき。
ツヴェルガーの絵はタッチは軽いけれど
どこかに影があって、不気味なところもあるが、
それがかえってしぶい雰囲気をかもし出している。
大人のための絵本だ。
チャイコフスキーの「白鳥の湖」は
悲劇だけれどこの絵本ではハッピーエンドになっている。
それでもめでたしめでたしの明るい雰囲気ではない。
静かで落ち着いた絵と翻訳がそうさせている。
訳は、きれいでなつかしい日本語の香りがする。
CDの曲はオーケストラで聞く「白鳥の湖」のような山場がないので、
緊迫感がないかわりに癒される感じだ。
オーボエとハープのための編曲。
1ページの語りが終わるたびに、曲が挿入され、
挿絵のテーマにあった楽譜が描かれていて
きれいな仕上がりになっている。

まだ書店には出回っていないらしい。
いい買い物をした。


2003年07月30日(水) リサとガスパールのはくぶつかん

アン・グッドマン文 
ゲオルク・ハレンスレーベン絵


白犬と黒犬のリサとガスパールが
博物館へ見学に行って、自分たちが展示物に
なりすましてしまうお話
動物のはく製にまじって、
よにもめずらしいどうぶつ(しろ)と(くろ)
という札を自分たちで作ってウィンドウに
入り込んでポーズをとりつづけるところが
おもしろい。それを本物だと思って、
写真をとったりする見物者もほのぼのしていていい。
日本の博物館ではガードがかたくてこんなことはできないな、
と思いつつだいたい、リサとガスパールが直立歩行していて、
ガードマンの犬が四足で歩いているのがおかしい。
それがこのシリーズのおちかも知れない。


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