やんの読書日記
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小野不由美 講談社文庫
十二国記の第二作目 戴国の麒麟が生まれて、蓬莱に流され 10歳のときに呼び戻されて、 麒麟であることを知らされ、 王を選ぶまでの物語 蓬莱では祖母にうとまれ、 母に嘆かれる存在だった泰麒は、 幼いままで麒麟としての能力も持たず、 王を選ぶ方法も知らず、弱々しく 生きているのだけれど、 ある日出会った男を自分に必要な人物だと 感じ始める。 はじめは一緒にいるのが怖く、 威圧されそうな存在だったその人物が、 実は泰王となる人、驍宗だった。 麒麟に必要な指令を捕らえに行くところで、泰麒がその秘めていた能力を初めて 発揮して驍宗の命を救い、 最強の妖魔を指令に従えたところが 感動的だった 心根がやさしく弱い泰麒が、 ここぞというときに力を出す、 そこが不思議で胸躍る。 しかし、天命によって選ばれた王なのに なぜ善政が布けないで、国が乱れるのだろう そこが良くわからないところであり 王の葛藤と麒麟の悩みがなければ この物語が成立しないというところが 面白いところでもある
東京子ども図書館編
エパミナンダスの次巻 子どものころおはなしに聞いたり 本で読んだりした面白くて、 ちょっとまじめで、 だいぶまぬけなお話が詰まっている 最後のロシア民話 「美しいワシリーサとババヤガー」を 読んだら小学校の時に大好きだった 「オクスフォード世界の民話と伝説」に 出てきたワシリーサのお話とそっくりだったので出展を調べてみたら大当たりだった 最近読んだ絵本のワシリーサには お母さんの形見のお人形が 出てこなかったので このお話を知っている次女に聞いたら 「うちにある本は人形が出てくるよ」と言う 驚いて偕成社文庫の「ロシアの昔話」を 出してきて読んでみたら、 そのとおりだった 民話というものは口伝えなので、細かいところは伝える人によって変わってくる ものなのだ。子どものほうが読みが深いことに驚き懐かしいお話にまた会えて うれしくもあった
東京子ども図書館編
小学校の給食の時間に流されていた「おはなしでてこい」だったか「ラジオ図書館」で 良く聞いたお話だ お母さんがおつかいをまるでできない息子に向かって「エパミナンダスやエパミナンダスや、おまえはほんとに頭がないねえ」 その言葉が繰り返し流れると教室のみんなが わーと大喜びする。 給食のおかずのにおいまで思い出すような なつかしい昔話が10編も載っている。 東京子ども図書館といえば、石井桃子さんや 松岡杏子さんが作った文庫が前進の図書館だときいている。読み聞かせで子どもに人気のあったお話を集めたものだそうだ。 もう中学生になった次女を前に久しぶりの 本読み。なつかしい時間が流れた。
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