やんの読書日記
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2003年06月06日(金) |
The Blue Day Book |
ブラッドリー・トレバー・グリーヴ写真と文 竹書店
高校生の長女が学校の図書館で借りてきた本 誰でも落ち込む日がある そういう副題つきの動物写真集だが どの写真にも、動物の悩んだ顔と彼らが悩んでいる原因?が書かれている。
誰でも落ち込む日がある そういうみじめな日は最低の気分で むっつりとだまりこみ孤独で、 ぜんぜん元気なんかでない そんな、おちこませる言葉が動物の楽しくなさそうな顔と一緒に書かれている
動物たちも落ち込んでるのだろうか 寂しそうで、ちょっとかわいそうな顔を見て 娘がゲラゲラ笑う ペリカンがくちばしでモルモットをくわえている姿、長い舌をだらりとさげた熊 ユーモラスだけど、よく見ると悲しそう。 自分の気持ちを動物に移しこんで 表現している。 ありのままの自分に自身を持つこと しかし、自分を笑いとばす余裕もわすれずに こわがらずに自分の限界に挑戦することだ ひるまずにチャレンジしてみよう 言葉を読むともっといい
許仲琳作 渡辺仙州編 偕成社
中国は殷の末期、紂王が政治を怠り、女色にふけ、 忠臣を退けて暴挙に出たため、諸国が反乱を起こして殷の国を滅ぼし 周王朝を建てるという歴史上の筋書き。 この物語は、紂王を陰で操る妲妃の怪しさ 家臣を惨殺してはばからない王の話が上巻 中巻は、紂王に反旗をひるがえした姫昌とその軍師に迎えられる姜子牙。 下巻は殷と周の対決、紂王と殷に見方する仙人たちの死、周の建国 この物語の中心は、二大勢力の仙人集団の対決と、 彼らの魂を封神台に祭る事 殷と周の対決で死んでいった仙人たちが神に報じられる、 そういう物語だが、おもしろくてたまらないのは対決のしかただ。 彼らのもつ武器は刀や槍ではなくて、宝貝といって、 妖術で相手をだましたり傷つけたり相手の武器を吸い取ったりする宝物だ。 宝貝を使って相手を倒し倒され、傷ついても不思議な薬で立ち直ったするが、それでもよみがえらなかった者たちが封神台へ上る。 登場人物の多さ、展開の速さは三国志や水滸伝、西遊記に通じるものがある。 殷の紂王、周の武王、文王は歴史にも出てくる実在の人物。 彼らを補佐する将軍がそれぞれ麒麟や獅子に乗っているのがおもしろい。 周の武王に請われてやってきた姜子牙は太公望だというし、 仙人の高い位にある南極仙翁は日本の福禄寿だという 少年の姿をしたなたは、西遊記で見た事があるし、 深読みするとはまりそうだ
O.Rメリング作 講談社
メリングのケルトファンタジー五作目 アイルランドを舞台にカナダ人とケルト人の 血を受け継ぐ少女が妖精の国へ旅に出て 自分さがしをしてくる物語 この巻もダーナとうい少女が幼いときに 突然出ていった母の行方を知るため 妖精の国とアイルランドの山岳地帯を行き来しながら、 ついに母が妖精の女王であった事を突き止め、 自分は母のために光をはこぶ 存在であった事を知るというもの。 ケルト人は現代でも妖精を信じ、 先祖が妖精であった事を示す名前を持っている ダーナの姓はフウェイラン、オオカミだという。 そのためか、彼女が現実世界で困難に会ったとき、 オオカミが現れて助けてくれる。 「影が王国を横切る、闇に光をかける光はいずこ」 というメッセージを彼女に託した妖精の上王の妃がなんと 前作「夏の王」で双子の妹として出てきたオナーだった。
闇というのは、アイルランドの自然破壊、森林伐採で、 光をはこぶというのは家族の絆を固めるという事なのかもしれない。 母を知り自分を知り、父との関係が元の戻ったときの ダーナの姿がいい。
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