2004年02月09日(月) |
死ぬまでにしたい10のこと |
という本を読んだ。 昨年公開された映画のタイトルを元に女性達が 自分の死を想定して、死ぬまでにしたいことを10個挙げる。 この人たち本気で死ぬことをリアルに感じられたの? そんなの無理でしょ。 私が宇宙から見た地球の美しさをいくら想像したところで 実感できるはずがない。 元気な人たちががん患者の気持ちを想像して 泣いてくれるのはまだありがたいが、 死を語るのはやめてくれと言いたい。
死ぬまでにしたいことと、やらなくてはいけないことも違う。 そして死ぬまでにやれないことの方がはるかに多いのだと思うし、 実際私がいよいよ一週間後に死ぬとなれば、 一年前に作成したリストとは全く違う内容になるのだろう。 例えば世界一周という項目が、芝生の上で風を感じながら 眠るというものに取って代わるのではないだろうか?
私自身今死を考えることはあっても、 それをリアルに思うことはできないだろう。 私が「いつ何があってもいいように後悔のないよう生きている」 と言って再発した友人から叱られたことがあった。 彼女はこう言った。 「そんな覚悟は私が言う台詞よ。 あなたはまだまだ元気。毎日をただ楽しく生きて。」 今本当にその意味が分かった。
ただ・・今死ぬまでにしたいことを10挙げなさいと 言われても決められない。 やりたいことが多すぎる。 と思っているうちは、まだまだ死ぬことを本気で考えて いないからだろう。 今はこれでいいのだ。 きっと。
2004年02月08日(日) |
実は検診を受けました |
定期健診・・正直しばらく受けていなかった私。 というのも忙しさにかまけて、病院内にある患者会で働いていて 毎日ドクターの顔は見ていたのに、なぜか逃げていた定期健診。
先日、風邪をひいたこともあって、久しぶりに『患者』として 診察室へ入った。ほんと、久しぶりに(笑)。 そのまま逃れようと思っていたのだが、看護師さんにつかまった。 「うずさん、定期健診そろそろじゃないですか?」 は・・・やられた。今しらを切って逃げようとしたところだったのに。 結局、ドクターに自己申告をして検診がはいった。 肝臓と肺のCT(造影剤なし)検査。
これまた久しぶりに患者さんとして、検査室へ・・ はあ、嫌だなあ。 検査自体はいいのだけれど、結果を待つ間の時間が嫌い。 ふう・・
そして結果発表。 診察室へ入ると、たくさんのCTの写真が貼ってある。 ん??嫌な予感。
「そうやねぇ、肺は異常ないんだけどね。肝臓がね」 きた・・・ 「ほらここに影がうっすらあるやろ?」 じっとそこを見つめると、本当に良くみないと分からないくらいに 色がついているところがある。 先生がはっきりおっしゃらないところが、ますます怪しい・・ 「で、前の検査結果を見ると、よーーーく目を凝らしてみるとね、 同じ場所に影があるんよね」 じーーーーっと見る。うん。うっすら本当にうっすらある。 「ただね、これだけ前に撮ったものだから、転移やったら、 また大きくなってるはずなんよね。おそらく血管が写っている ていう結論なんだけどね。」 「心配やったら造影剤をいれて、もう一回検査してみる?」 と言われたが・・私の答えはNOだった。
NYからの友人が言っていたが、あちらでは術後の検診って ほとんどないそうだ。調子が悪くなったら調べるという感じらしい。 そのことが私の頭をかすめ・・・ 正直言って、もしも転移だったとしても、はっきりと断定されたく なかったんだ。不思議だけど・・ 前は余命ははっきり聞いておきたいって希望があったんだけどね。 今は、はっきりされたくなかった。 いろんなことが頭をよぎり、今治療が始まることがとても嫌だった。 私は今、走り始めたばかりなんだ。 もう少し・・・待って欲しい。お願いだから。
結局、造影剤の検査は予約をいれず、3月頭に超音波だけを入れた。 それすら本当は逃げ出したいのだが・・ ま、信頼する私の先生が、 「僕的にはクリアだよ」と言ってくれたので それを全面的に信用して、今回の検診もクリアってことで。
その日の夕方は、自分を納得させるために ケーキをたくさん買って帰り、みんなでお祝いをした。 そう、大丈夫。大丈夫。
今日も患者会のお仕事へ。 朝から怖い思いをした・・訳の分からない車にあおられて、怖かった。 鹿児島では珍しいことなのだ(笑)
1月から患者会のスタッフとして常勤で働いている。 平日4日顔を出すことで、入院患者さんの顔もだいぶ覚えることができた。 毎日、新しい患者さんがやってくる。
友達が泣いていた。 「私と同じような思いを、他の人にさせたくない」って。 いつも明るく振舞う人ほど、心に秘めている悲しみは大きい。 同じようなことを、高校生の頃、男友達に言われたことがあった。 あの頃から、私も自分を隠して、明るく振舞う癖があった。 親の気持ち・・・傷を見て涙が流れること。 どれもこれも、私が2年前に思ったこと。 私も泣いた。たくさん泣いた。
どこかで誰かが今日も泣いているのかもしれない。 悲しくなって、不安になって・・・ 今日はいっぱい泣いていいよ。 私もいっぱい泣いたんだよ。
人間だから、涙が出て当たり前! 明日になったら、笑えることがきっと待っている!
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