両極端に・・・ - 2011年03月19日(土) 震災後、なんとなくそういう気分にはなれず外食を控えていたのだが、誰か知っている人に会いたい、声を聞きたい、話しがしたい・・・という気持ちになり、仕事帰りに馴染みのお店へと向った。本当は一杯だけ飲んで帰る心算ではあったのだが、久し振りに友人達と会い、会話を楽しみ、心が和らいで来たのでもうちょっと、もうちょっと・・・という感じで、結局結構遅くまで飲んでしまった。 そういう中でも街の状況を探ることも忘れてはいない。私が行った3軒は普段から固定客をしっかりと掴んでいるので、こういう状況下でも然程影響はなく繁盛していた。しかし、一見客がメインのお店はどこもガラガラという感じで、チェーン店の居酒屋等は必死になって呼び込みをしていた。その中間に位置するお店は混んでいたり、ガラガラだったり・・・。 今、消費者は外で飲みたいという気分になれない。そういう中で外食しよう!今こそ外食だ!と叫ぶ人達が大勢いるが、もう少し時間は掛かるのではないかと思う。そりゃしょうがないよ・・・。私も今日までそういう気分にはなれずにいたし、決して外食=不謹慎とは思わないもののちょっと控えるべきなのかなという思いも。 でも、実際に久し振りに外で飲んでみて普段通りの楽しいひとときを過ごすことが出来たのであるが、ただそういう時間を過ごせる店って結構限られて来るんだろうなとも思った。ここ数日ずっと思っている「今こそ個人店!」という考え。これまで大手やチェーン店に苦しめられていた小さな個人店がチャンスだと。 大きな箱のお店は集客に苦しんでいる。それは消費者が飲食に関して今までとは違った捉え方をし始めていることにも繋がると思う。普段から客としっかり密着した商いをしている店はやっぱりこういう時に強いし、飲食店のあるべき姿を世間に示して欲しい・・・と。 しかし、大手やチェーン店も全体的なことを考えたらこういう状況が続けば経済的にも問題が出てくる。だからそういうお店も必死になって大声で呼び込みをするだけではなく、自分のお店に入ってもらえるような客引きをして欲しいし、もっと大きな視点では店の在り方自体を今一度見直すべきなのではなかろうか? - 今、試される飲食店 - 2011年03月18日(金) 何処のお店も客足が減っていることだろうと思う。 特に大きな箱のお店は大変だろう。維持費が高いからね・・・。逆に維持費が少ない小さなお店もギリギリでやっているところも多いだろうからかなりキツいかもしれない。そういう中で生き残って行かなければならない訳だけど、ちゃんとしたファンを掴んでいるお店は一時的に離れても何れ戻って来てくれると思うが、そうじゃないお店には戻っては来ないだろう・・・。 これは規模の大小関係なく言えることだと思う。 でも、小規模なお店はいろいろと試すことが出来る柔軟さを持っていることも忘れてはならない。大き過ぎて身動きの取れない店とは違ったメリットである。また、Twitterとかでもつぶやいたが、こういう時には小さな個人店に客が流れるような気がしている。 そこには今人々が求めている温かいものがあるから・・・。 「人」「言葉」「料理」・・・更に相手に合わせた接客が出来るのもこういうお店。全てマニュアルで管理され一律の接客しか出来ないようなところとは異なる良さがある。今まで厳しかったお店も大きなチャンスだし、これまで通りにそういう仕事が出来る店は沢山の人々の心を癒して欲しいと思う。 - 頑張れ!小さな個人店 - 2011年03月17日(木) 震災後、外食を控えている人はかなりの数に上ると思われる。 そういう中でTwitterとかで「このままでは外食産業がダメになる!」とかと叫んでいる人達がいるが、当面はこういう状況が続くのは必定で、外食=不謹慎だなんて思っている人は彼らが考えている以上に少ないはず。しかし、心情的にちょっと控えなければ・・・と思っている。 また、外食産業がダメになる!問屋もダメになる!生産者もダメにある!という書き込みも何度も見たが、当然連鎖反応でそうなることも予測される。でも、こういう状況が一ヶ月も二ヶ月も続いている訳ではないし、まだ一週間だよ。少しの間はこのまま推移していき、次第に客足も戻ってくる。 ただ、思うのは以前のように大手やチェーン店に行っていた客が小さな個人店に流れるのではないかと思っている。やれクーポンだ、飲み放題だ!なにがサービスだ!って飲食店本来の立ち位置から外れてしまったところでの集客ばかり。それに釣られて客はそういう店に流れるようになってしまって久しいが、ここでもう一度原点に返って考えてみることも必要なのではなかろうか? 誤解して欲しくないのは、何も大手やチェーン店がなくなれと言っている訳ではない。これまでそういう店に押され気味で元気のない小さなお店に立ち直って欲しいという思いからのことである。 個人店の良さは沢山あるんだよね。 絶対に大手には出来ないことが沢山ありながらそれを忘れてしまい、大手の競合店が出来たからダメになった・・・とか、勝てる訳のない価格競争に走ってしまったり・・・。でも、そんなことで争わなくても十分に勝てる要素を沢山持っていることに気付いて欲しい。 それはお客様との距離感。 店と客との距離はそういう店に比べたら断然に近いのである。そして客同士の距離感も然り。こういう時だから誰かと話したい・・・、人の温もりが欲しい・・・そう思っている人は多いはず。そういう時に小さな個人店がその役割を果たせるのではと思う。 昔からこういう店では人生を学んだり、酒の嗜み方なんかも学んだりすることが出来た。直接的に役立つことは少なくても、何かの時に間接的に役立ったことは多かった。また、仕事帰りにその店の暖簾を潜ると一日の疲れが吹っ飛んでしまうくらいの女将の笑顔や、美味しい料理があった。プロの料理人が良い食材を使って作ったものは美味しくて当たり前。でも、こういう店の家庭料理っぽい味は心を癒すものを持っている。 正直言ってチェーン店の居酒屋とかで不必要なくらいに飾り付けられた創作料理なんて美味しいと感じたことはない。でも、店のオバちゃんが作った芋の煮っ転がしや温かいご飯と味噌汁に何度癒されたことか。大手の定食屋で同じものを食べてもそういう気持ちにはなれない。 そこには「心」や「温もり」がないから・・・。 そして、上っ面の薄っぺらい言葉ではなく、心の奥底から発せられる言葉があるから・・・。 「いらっしゃいませ」のひと言を採ってみても同じで、耳から同じ言葉が入ってきても頭の中に響くものが全く違うんだよね。片方は直ぐに消えて行き、もう片方はいつまでも消えずに残っている。 私は個人経営の店しか引き受けないのには訳がある。 会議室でのプレゼンではなく、ビジネスライクに片付ける打合せではなく、膝と膝がくっ付くくらいの距離感で、互いに喜怒哀楽を出しながら話しをしたいから・・・。事務的処理ではなく人間対人間のお付き合いをしていきたいからである。 そういうお店って絶対にこういう時に求められるんだと思う。 だから頑張って欲しいと願うメッセージなんです。 -
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