老舗にて感じたこと・・・ - 2004年10月10日(日) 夕方からの用事まで少し時間が空いてしまったので、とある有名老舗へ行って来た。近所のもう一軒には数回行ったことはあるが、こういう仕事ししていながら何故か初めてである。あまり興味を感じなかったというのもあったが、二軒を対比した時にどうしてもあちらの方が相性的に良かったのかな? 混んでいて入れないというイメージがあったが、半分以上の席が空いており、聊か拍子抜けした感はあったが、老舗にしかない独特の空気や感性が伝わってくるいい雰囲気であった。店内をぐるりと見渡しながらメニューを眺めて、手始めに「板わさ」と「ぬる燗」をオーダーした。やはり殆どの客は酒を呑んでいるね。こりゃあどう考えても「昼酒」がピッタリというイメージだよな・・・な〜んて思いながら老舗しか存在ない「歴史」と「時間」も味わっていた。 「焼き海苔」にしようか?「天ぬき」にしようか?迷った挙句に何故か「天たね」にし、待つこと暫し。ついでに二本目のお銚子も頼みながらも、ついつい仕事モードになっている心から「昼酒」を堪能しつつ酔えない自分がそこにいた。やっぱりいろいろなところに目が行ってしまうんだよね。特にオペレーションが独特のスタイルであり、これをピーク時にも同じように出来るのだろうか?とか、どう考えても無理だよなぁ・・・とか、目で追う動きが素人じゃないから帳場の人には同業者とかに見られていたかもしれない。 そんなことをしているうちに「天たね」が運ばれて来たが、天ぷらの盛り合わせではなくて「かき揚げ」で、目の前に出された代物を見て思わず原価計算をしてしまった。それと共に期待感も大きかったので箸で崩して天つゆに浸して口へ。サクサク感と香ばしさを感じる筈が何故かドロ〜リとした妙な食感。えっ?嘘だろ!1260円も取っていてこれかよ!折角のこれまで感じていた満足感が一遍に吹っ飛んでしまった。かき揚げって本当に難しいけど、ここでこれが出て来るとは思いも由らなかったな。 まあ、仕方がないか・・・って温厚になったもんだ!全部がその状態になっているのではないし、折角の昼酒だからね。猪口が小さいので何度も注がなければならないから意外と酒が減らない。まだこんなに残っているよと思いながらも、また仕事モードに入っている自分がそこにはいた。ホールスタッフはそつなく動いているのも流石に老舗の成せる業であり、安心感が漂っているのも事実。しかし、お客様がいる時とそうじゃない時の動きが明らかに違っているのと、ちょっとしたところの野暮ったさというか雑さを感じてしまった。 お客様がまだテーブルにいる時と、帰られた後のバッシングの時とでは気の使いようが違う。そのテーブルのお客様は帰ったけど、まだ他には沢山のお客様がいるということを忘れてしまっているのか。勿体ないなぁ・・・。ほんのちょっとしたことなんだけど、そういう些細な動きまで本当は見られているんだよね。〆にせいろを手繰って店を出たが、そこに流れてきた「歴史」と「時間」を感じることが出来て満足でした。蕎麦を含めた商品レベルとしては正直言って大したことはないと思うけど、やはりこういう店ってそれを求めて行くんじゃないからいいんだよね、それで。 - 三軒茶屋のお店 - 2004年10月09日(土) 今日は午後から三軒茶屋のお店の基本設計の打合せを行った。生憎の台風襲来の日!出掛ける時は本当にこれから台風が来るの?と言うほど穏やかな天候だったが、現地に着いた頃から次第に雨脚が速くなり、夕刻頃はこれぞ台風!?という凄い状況になっていた。ガラスを突き破って雨が入って来そうな勢いの中、打合せは進められていった。 前置きが長くなってしまったが、クライアントの方からイメージして欲しいという事例を参考にしながらも、そのままつくったのではつまらないから少しづつスパイスを入れたものに仕上ていった。全体的なイメージとしては「クラシカルモダン」で、シンプルでありながらも主張はしっかりとしている存在感のある店。無機質なコンクリート打ちっ放しのビルの中にある「自然」と「温もり」そして、「粋」。今回のデザインテーマの中で何処までこの「粋」を表現出来るか?これはデザイナーに課せられた大きく立ちはだかる問題でもある。 あまりにモダンになり過ぎては「蕎麦屋」そしての存在感が失われるし、冷たさだけを感じてしまいかねない。木を使うにしてもコンクリートの持つ素材感を消すことは出来ないからどうしても難しくなってくる。これから実施設計に入るがディティールと最終的な質感で何処までそれを打ち消しながら表現していけるか・・・ かなり悩みそうである・・・ - メニュー構成に於ける理想と現実のギャップ - 2004年10月08日(金) これから開業しようとする人は夢と希望を抱いて商売を始めようとしている。殆どのケースに於いて言えることだけど現実というものをもう少し理解と把握をして欲しいと思っている。例えばメニュー構成。いろいろやってみたいという気持ちは充分にわかるけど、本当に出来るの?と言わざるを得ないことが殆どである。単品で見ていけば何とかなると思うけど、実際に商売が始まれば何がどういう状況下で、どういう風にオーダーされるかなんて分かる筈はない。 オーダーはお客様が考えて発注する訳だから、こちらとしてはいろいろなケースを想定して最終的なメニュー構成を決定している。何とかなるかな?レベルではなく、もう少し確実なラインでのものでなければオープニング当初は中々上手くはいかない。やりたいという気持ちは分かるけど、自分自身の力量やオープニング時の極度の緊張感などを考えた場合、無理のないラインでの構成が求められることになる。 増やすのはいつでも出来ること。でも、最初はあったけど次に行ったらなくなっていたというのはマイナスイメージに繋がる。まずはある程度確実なラインを引いてスタートし、実力と体力を養ってから本格的なメニュー構成に替えれば良いのではなかろうか? -
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