なべて世はこともなし
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2008年03月09日(日) バルセロナ、48時間耐久戦(前編)

先週末、ちょっと出かけてきました。バルセロナに。というわけで、旅行記なのですが、どっかの別館みたいに、半年前の旅行記を10回近くに小出しにするつもりはありません。前編後編の2回のみ。次回も数日中に更新します。


バルセロナといえば、この日記の古い読者さんなら2006年9月に私の愛人(妄想)みねまいこと一緒に48時間の旅に出たことをご記憶かと(読んでない方は必読)。今回は、私の彼女であるMausi(仮名)と一緒に行きましたよ。


また48時間35分ほど。


なんでこんな懲りもせずにアホなことをしたかというと、話は去年の12月にさかのぼる。彼女へのクリスマスプレゼントを探しまわったのだが、何も見つからず。そんな時にエアリンガスがバルセロナまで金曜日の夕方から日曜日の夜までといういい日取りもかかわらず、往復税込み一人90ユーロ(14,000円)でチケットを売っていたのだ。


あ、「バルセロナで週末」というクリスマスプレゼントでお茶を濁せるってとってもステキだ!と判断した私はその場でチケットを予約。スペインまで往復90ユーロ(しかも週末)ってのはありえないほど安いのだが、その翌日にエアリンガスはセールを始め、往復60ユーロ(9000円)まで下がった…というのは実に口惜しい事実。


ま、そんなわけで、あくまでクリスマスプレゼントなんだから…というわけで、わざわざダブリン市内のMiki Travelさんにホテルの手配をお願いしまして、4つ星ホテル二泊朝食付きでおおよそ300ユーロ(47,000円)で手配をお願いしました。ヒコーキの運賃を入れて総計480ユーロというのは確かにビンボー人の私からしたら破格のクリスマスプレゼントですが、なんのこたーない、自分も楽しむんだから、まさにお為ごかし。


2月29日。4年に一度しかないこの日、いつもより1時間早く午後3時に会社を早退した私は、5時50分のフライトに間に合わせるために車で空港へ。そう、2泊2日程度なら、空港の一日7.5ユーロ(1100円)の駐車場に車を置いた方がバスより楽だしタクシーより安い。かくして、1時間かけて空港付近の長期駐車場へ。


自動チェックイン機で搭乗券を受け取り、手荷物検査を受けて搭乗口へ。が、そこにはヒコーキは1時間遅れるという案内。48時間35分しかいないのに1時間遅れると…滞在時間が大分少なくなるよな。


かくして、ゲートBエリアで時間潰しをすることになった私たちはパブへ。いつもほぼ例外なくゲートCエリアから発着するスタアラのヒコーキばかりを使う私にとってゲートBエリアはちょっと懐かしい感じがする。このゲートBエリアには行ったことのないゲートDエリアは知らんが、他にはないいいものがある。それがこれ。






まったくの蛇足ですが、この写真を撮ろうとしてカメラを取り出したら、「メモリーカードがありません」との表示。そう、前日の日記をアップして、カードをラップトップにさしっぱなしにしてきたらしい。慌てて1ギガのカードを11ユーロで買いました…何でもいいけど、メモリーカード、だんだん安くなってるよね。



パブ。


他のゲートにもパブはもちろんある。だけど、このゲートBエリアにあるパブだけが、改装されることなく放置されてダブリン市内の昔からあるパブのようないい雰囲気を醸し出しているのだ。普段は居心地のいいパブなのだが、どうやら強風のため、出発のヒコーキが軒並み1時間以上遅れているらしく、パブはかなり混み合っている。ま、みんな考えることは同じというわけ。


このパブで、ほかのパブでは見たことのない光景を目にする。なんと、パブが混み合っており、飲み物を買うためにパブの外まで行列ができているのだ。フツー、パブがどんなに混んでいて、カウンターの周りに人だかりができていてもそこに行列を目にすることはない。が、このパブではなぜかカウンターからパブの外に向かい実に整然とした行列ができているのだ。


最初一瞬何が起こっているか理解できなかったが、とりあえず列に並びギネスをゲット。ところが、私たちの乗るヒコーキは、ほかのヒコーキ同様に出発する気配なし。いつの間にかギネスを飲み干してしまった。カウンターを見ると、また外に向かって長い行列ができている。私はちょっとした実験をすることにした。


まず、行列ができているカウンターの反対の端に、飲み干したギネスのグラスを持って立つ。そこで数分待つ。


カウンターの中を通り過ぎようとした店員のおばさんに懇願するように聞いてみる。


私:「あそこに並ばなきゃだめ?」
おばさん:「へっ?」
私:「いや、追加の飲み物頼むのに、また、並ぶのかなーって思って」
おばさん:「あんた、ここ(カウンター)に座っているの?」
私:「いや、(数メートル先の)あそこのテーブル」
おばさん:「ちょっと待ってな(Stay right there)」



…数分後、おばさんはこっそりとギネスを持ってきてくれた。で、こっちもこっそりとあたかもクスリの取引みたいに10ユーロ札を彼女に握らせる。いや、こういうの、好きだわ。こういう人間臭いところ、好きです。


ともあれ、遅れに遅れ、ヒコーキが出たのは予定より1時間半以上遅れた午後7時半過ぎ。パブで出来上がってしまった私はヒコーキに乗るなり熟睡。何やら離陸時に強風のためシャレにならんくらい揺れたらしいのだが、私全く記憶にございません。


と、都合よく記憶が飛んだところで機内販売のまずい白ワイン(5ユーロなり)を消費しつつヒコーキはバルセロナに到着。1時間半遅れて離陸したヒコーキは当然の帰着として1時間半遅れて到着。もともと10時前に着くはずだったヒコーキが1時間半遅れ、さらに、空港から市中心部までバスで30分ほどかかるから、とどのつまりが市中心部のホテルに着いたころには日付が変わっていた。これが「二泊二日」たるゆえん。


ホテルはダブリンで言えばSt Stephens GreenにあたるCatalunya Plazaにあるホテル。中心部の超一等地で、かつ、空港からの急行バスはこのCatalunya Plazaに着くものだから、楽。ちょっと高めの値段を払った価値はあったかも。




窓からCatalunya Plazaを望む。…って別に大した風景じゃあねえな。



金曜日の夜。バルセロナの夜。そのまま寝るのは惜しいと、ダブリンで言えばGrafton StreetにあたるLa Ramblaへ。すでに日付が変わったにもかかわらず、金曜日の夜ということも手伝ってか、まー、通りはすげー人の数。それよりも何よりも、暖かい。ダブリンからは厚手のセーターを着てやってきたのだが、そんなものはホテルに放置。





で、通りを歩いていて目についたカフェに。入った瞬間にミョーな既視感(フランス語で言うとこのDéjà vu)を感じた…ってよく見たら、みねまいと一緒に来たカフェじゃないか。そこで、なぜかChimay(ベルギービール)を飲んでこの日は終了。


翌朝。一人22ユーロ(3000円)という信じられない金額の朝食を食べる(宿泊代300ユーロに含まれてます)。朝食のビュッフェは焼きたてのパンからシャンペンに至るまで至れり尽くせり(だからと言って朝から調子こいてシャンペンを飲む私もどうかと思うが)。ともあれ、普段は朝ご飯など食べない私ながら、おなか一杯になり、いざ、戦闘観光開始。





まず、最初に向かったのは、Gaudiの最高傑作とも言える桜田家教会(サグラダファミリア)。建設開始から130年も経っているのに未だに建設中の教会。世の中広しといえども建築中の建物に8ユーロ(1200円)の入場料を課すのはここだけじゃあないだろうか。挙句の果てに、高さ100メートル超の尖塔がありエレベーターで昇れるらしい(別料金というのがせこいが)。が、土曜日ということもあってかエレベーターはなんと90分待ち。まったく、浦安のネズミ園じゃあるまいしと並んでいる人を横目に見つつ、スルー。






工事中なんだってば。でも入場料は8ユーロなんだってば



が、実は、本当は塔に昇りたかった。莫迦と煙と言われようと、私は高いところが好き。かくして、バルセロナが一望できる小高い丘にある公園Park Güellグエル公園へ。








この公園も実はGaudiの作品。さらには実は世界遺産に登録されているらしい。この公園の中にはGaudiの家もある。





負け惜しみと言われれば返す言葉もありませんが、たぶん桜田家の塔よりも眺めも気分もよかったと思う。それにしても一度行ったら忘れられないというくらい強いインパクトを持つ公園だと思った。


それにしてもバルセロナの温かいこと。この日の気温は20度超。それからバルセロナの港のあたりを散歩してるともう夕方に。ホテルに戻り、コンシェルジュにフラメンコが見たいと要望。いかにもよくある観光客からのリクエストだったのか、さっさとカウンターからチケットを出して売ってくれた。一人35ユーロ。高えよ。高いと知りつつ払ってしまうのは観光客が莫迦であるゆえんか。


で、午後7時過ぎに町に出てみたが、未だにレストランには客の姿はない。そう、夕飯の時間は8時過ぎから。考えてみると不思議。アイルランドにこの文化はない。ぼぼ6時くらいにレストランに行くとEarly Bird Menuというのがあって、ランチタイムとディナータイムの中間くらいのお得な値段で食事ができる。


で、ドイツに行くとこちらも午後6時くらいにレストランに行く人は多い気がする。で、アイルランドとドイツの中間にある(というにはちょっと無理があるが)フランスとかスペイン、イタリアでは午後6時にレストランに行く人はいない。この文化の断絶はどこから来ているのか調べてみると面白いかも。


かくして、裏通りの店を冷やかしたり、気がついたらいかにもアヤシゲなオスタル(アイルランドで言えばB&B…だと思う)が立ち並び、その前に所在なげに立つ女性(その目的はボクにはちょっとわからない)や、何かを売ろうとしているように見える男性(その目的は…以下略)が立つ通りなどを歩く。


いや、もちろん、狙ってここに行ったわけじゃあなくて、歩いていたらいつの間にかそこにいたわけで。引き返すのも癪だからそのまま悠然と歩いていった。観光客であふれる通りから一本はずれただけでまったく別世界が広がる。ちょっと不謹慎な言い方だけど面白いなあと思った。


そして、裏通りで見つけたレストランで夕食。もう、とことんシロートの観光客を地で行くことを決めた私たちの頼んだものは「パエリア」。その前にスペイン語で何か書かれていたのだが、たぶん、「前菜」と書かれていたのだろうと思いテキトーに注文。結果出てきたものがこれ。





これだけでも結構な食いであるというかなんというか。


で、手前左の貝の左にある物体。見栄を張ってもしょうがないから正直に言うが、初めて見るもの。何か植物のようで、果たしてどうやって食べていいかわからない。Mausiいわく、葉っぱを一枚一枚とって中のものを歯でこそぎ落とす…ってうめえもんじゃねえな。この食べ物の名前・物体の名前をご存知の方は後学のためにぜひ作者に教えてあげてください。


【追記】この物体、アーティーチョーク(朝鮮アザミ)と読者さんが教えてくださいました。「ドイツだと結構見かける」と突っ込まれましたが、私は見たことがありませんでした。地域性があるのか、私がビンボーなのでこれが出るようなレストランに行かないだけなのか…。





パエリアは…鍋に入っている段階で写真に撮ろうと思ったが、親切なウェイトレスさんがさっさと取りわけてくれたので皿からの写真となります。ちなみにMausiはあまりパエリアが気に入らなかったそうな。どうも、「肉と魚が一緒の皿に入っている」ということに抵抗感を感じるらしい。そういえば、アイルランドにもそういう人が多い気がする。この辺もいい比較文化論のネタになりそうな気がする。


で、食事のあとは件のフラメンコへ。


「飲み物代が含まれています」というから何が出てくるかと思いきや、サングリア一杯。この飲み物、飲みやすいのだが、過去に飲みやすいからとぐびぐび飲んでひでー目に遭っているので注意しながら飲む。






で、感想としては…うーん、歌っていた男性の声量がすごいなとか、踊っていた人たちも力強いなとか思ったけど、また行きたいかと言われると…もういいや。特に35ユーロを払ってまでは。


その後も飲んでたような気がするが、記憶にないので省略。話は翌朝日曜日へ。続く。




後編はすぐに更新するつもりですが、ご感想がないようなら書きません(脅迫)。というわけでご感想はこちらへ(掲示板へのリンクです)。


2008年03月07日(金) 【ミニ更新】夢破れて温泉あり…地元の新聞ネタ

ただいま別の日記を書いていたのですが、なんだかとことんアホらしい地元のニュースが目に入ったので呆れついでに緊急更新。まずは、こちらの記事をお読みください。

(以下、転載記事ですが、大分合同新聞の記事は写真つきですので是非そちらもご参照ください)。

オープンから3ヵ月 ゆめタウン別府店 苦戦

 別府市の複合商業施設「ゆめタウン別府」が楠港跡地にオープンして三カ月がたった。既存店が地域密着で対抗していることもあり、イズミ(本社・広島市)は「予想以上に苦戦している」。市が期待した地元商店街への集客・回遊効果も薄く、泉都の経済界は「今のところ、中心市街地の活性化にはつながっていない」とシビアな見方だ。

 市内十一の通り会で組織する市商店街連合会。「イズミには多くが車で行くため、地元商店街への波及効果は全くない。今まで以上に閑散としている」と話す。

 同店によると、プレオープンした昨年十一月二十七日から四日間で二十三万人が来店。その後▽十二月 八十万人▽一月 五十三万人▽二月 四十三万人―と推移し、三カ月で計約二百万人が足を運んだ。

 この数字は物品購入者数に「二―二・五」を乗じた”想定数”。佐古達彦支配人は「来店者数は見込み通りだが、レジを通る人が少なく、客単価も低い。売上額は目標を下回る約三十二億円。開店特需を考えれば、四十億円はほしかった」。

 背景の一つには、出店前に「最大の特長」とうたった生鮮食品の売り上げ不振がある。

 地元スーパーは安値で徹底抗戦し、顧客流出を阻止。イズミの”割高感”や国道10号で市街地と分断された地理的ハンディも影響し、「敷居が高い印象が市民にあるようだ」(同店)という。

 原油高で物価が上がり、消費者の購買意欲も低下傾向。「十二月以降、客足は減った。同様にイズミも伸び悩んでいる。この状態が続けば共倒れする」と話すトキハ別府店の従業員もいる。

 別府商工会議所は分析する。「スーパー、ショッピングモール、デパート。市民は購入品目に応じて冷静に選択している。イズミ出店で交通量は増えたが、依然として地域経済は冷え込んだまま。明るい兆しはない」

 佐古支配人は「開店半年をめどにテナントのてこ入れを検討し、生鮮などの価格戦争を徹底的に仕掛けたい」としているのだが…。

(転載ここまで。大分合同新聞サイトより)



この記事自体が批判的なトーンなのですが、それを差し引いても、もうアホらしくて呆れかえるというかなんというか。


実はこのゆめタウンの出店は、かなりいわくつきなのです。この土地、もともと地の中心部にある港だったのですが、別の場所に港ができ休遊地となる。全国ほかの都市のご多聞にもれず、市の中心部の商店街はシャッター通りになり空洞化が進んでおり、この港を埋め立てて街の活性化を図ろうと、県と別府市がバブル末期に計およそ30億円をかけて埋め立て。


で、大規模ホテルなどを誘致しようとするもバブル後の不景気のために失敗。白羽の矢がったったのが、このゆめタウン。ところが、市の商工会などから反対運動が起きてなんとまあ、たかが一企業の誘致の是非を問うて市長は辞職、再出馬、再当選という経緯を経て誘致決定。かくして、「市中心の活性化の切り札」として市長選までして出店してきたのがこのゆめタウンなわけ。


そこまで大騒ぎして上の新聞記事のような惨状。


「イズミには多くが車で行くため、地元商店街への波及効果は全くない。今まで以上に閑散としている」…ってイナカの人はみんな車で移動するって知らなかったの?車でわざわざ来店して、シャッター通りまでなんで散歩しなきゃいけないんだ?


面白いなあと感じたのはここ。


この数字は物品購入者数に「二―二・五」を乗じた”想定数”。佐古達彦支配人は「来店者数は見込み通りだが、レジを通る人が少なく、客単価も低い。


…って、ショッピングセンターにいる人の半分は何も買わずに出ていくの?


それにしても、「地元商店街への波及効果は全くな」く、既存店は「共倒れの危機」を感じ、出店した当人は「売上額は目標を下回る」と嘆く。さて、得をしたのは誰なんでしょうね?確かに公営ではない一私企業ではあるけれども、市長の肝いりで発足したという点では税金の無駄遣いの箱もの行政の典型といえるのではないかという気がします。


だいたいが、ですよ、バブル期にできたデパートとその専門店街は件のゆめタウンから徒歩数分の距離。で、そのデパートは万年赤字を垂れ流し、閑古鳥が鳴いているという事実。専門店側は実はもともとは元市長が代表を務めた3セク。こちらにも多額の税金を垂れ流したというのにそれに懲りもせずに別の企業を誘致。ホントに得をしたのは誰なのか真顔で聞いてみたいです。


ちなみにね、別府という街、せっかく世界有数の温泉地であるにもかかわらず、それをうま使いきれずになんだかぱっとしない状況が続いています(唯一の成功は留学生が学生の半分とかを占める大学誘致くらいか)。


以上、ご興味などないであろう地元○分県の話題でした。次の更新は24時間以内です。





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2008年03月04日(火) 【書きかけ項目】ダブリンでの家探し

よく質問されるので、まとめてみました。まだ、現在は校正もしてなければ、全体の半分も書いていない「書きかけ項目」です。あと数日のうちには書きあげたいと思っています。書き忘れていること、間違っていることなどがあれば、どんどん掲示板での指摘をお願いします。




家・アパート

相場はまさにピンからキリまでだが、日本的に言えば、1LDKマンションに当たるようなものは月1000ユーロ超。ワンルームアパートになると600ユーロ程度からか。家探し(シェア含む)の決定サイトはwww.daft.ie

まず、電話(または所定の方法)で内見の予約を入れる。英語にいまいち自信のない人はSMSという便利な方法もある。

できれば、現地への往復にバスに乗ってみる。バスが他のルートに比べて信じられないくらい汚れていたり、後ろのほうでタバコを吸っているようなアホタレがいたら要注意。

内見をしたら、その日の夜に再訪すること。特に、バス停から安心して歩けるかどうか徹底的に確認。これが出来ない場合は、例えば、バス停や電話ボックスが破壊されたりしていないかを確認。されている場合は周辺環境に注意。
大家も確認。ちゃんと問題を解決してくれそうな人か、契約書を作ってまっとうなことをしてくれそうかなど。「口先大家」(「やるやる」といって何もやらないやつ)が多いので注意。

市の中心部から半径1キロくらいにドーナツ状に広がるエリアは治安が悪いので注意。 また、郊外にも治安の悪いエリアが点在する。これを見極めるのに一番いい方法はバスに乗ること。現地の人にも聞いてみる。ただし、どんなに治安が悪いと言っても、昼間ならさほどの心配がなく歩ける程度。

ハウスシェア

相場はシングルルームで400ユーロ、ダブルルームで600ユーロといったところか。むろん、場所・質により変動。

家そのものにも注意する必要があるが、それと同じくらい、同居する住人の人となりに注意する必要がある。例えば、かわいいところでは冷蔵庫に入れてあった牛乳が勝手に使われるとか、深刻なところでは、お金に対してルーズで光熱費が滞納されたりするなど。

夜勤の人が同居していると、例えば昼間でも静かにしなければいけないとか気を使う可能性あり。

トイレ・バスルームの数にも注意。朝のラッシュはもちろん、何かしらトイレに関して「急を要する」事態になったときに、同居人がのんびり風呂に入っていたりしたらヒサンです(←経験者は語る)。

家賃

家賃は通常一か月分を先払い。「昔ながら」のところでは、大家が2週間に一度とか現金で徴収するところもあるが(こういうところは賭けてもいいが大家は脱税している)銀行からの自動引き落としが普通。こと最初の月は、銀行からの自動引き落としが問題なくなされたか確認。

敷金は一か月分が通常。礼金なるシステムは存在しない。敷金はよほど家を壊したりしない限り還ってくる。敷金は100%返金がアイルランドの常識。

物価

高い。高い。シャレにならん。


2008年02月27日(水) 覆面調査員が行く(2)Melody編

私の同僚が出産・子育てのため退職することになった。妊娠するなり彼氏と別れてシングルマザーになる道を選んだなど、いろいろツッコミどころはあるのだが、本編とは無関係なので省略。


ともあれ、彼女のお別れ会を行うことになった。同僚の中国人が選んだ場所は、Capel StreetのMelodyというレストラン。例のJadeの数軒隣にあるらしい。なにやら出来てまだ日が浅いから認知度は低く、ちょっとした穴場らしい。そりゃ面白そうだ。


というわけで、Liffey川から日が暮れたCapel Streetを歩き始める。それにしてもこの通りにはおそらく5軒以上のsex shop(大人のためのお店)がある。ちょっと日が暮れた後には子供を連れて歩きたくない通りではある。


Mary Streetとの交差点にあるAIB銀行をすぐたところに会ったのが中華料理の食べ放題店。…え?ここかよ。


小食の私(当社比)、食べ放題というものを心底バカにしている。ちゅうか不平等だよ。底なしの胃をもった相撲取りも、一口食べただけで満足する小食の人間も一緒の値段ってのは人をバカにしているとしか言いようがない。それに食べ放題の店の品質は悪いと決まっている。


大学在籍時、友人からよく「ひこバンバン」なるどーゆーネーミングのセンスをしているのか思わず疑いたくなる食べ放題の焼き肉店に連行されていた。今はどうか知らんけど、私が連行されていた店では、凍ったままのカルビなどが平気な顔をして出されていた。別に私はグルメぶるつもりはないけど、でもさ、凍ったままの肉を出す店の料簡はいかに。


話がそれた。ともあれ、実はMelodyは食べ放題の店でなく、その隣の店と判明。中は…あれま、きれいだわ。私のお気に入りのJade、料理は間違いなくおいしいのだが、トイレとその周りの廊下が致命的に汚いのだ。他人に勧めるのに、この点がどうしても躊躇せざるを得ない点。が、しかし、このMelodyはきれい。


地上階は通常のレストラン、地下は推定5つくらいの個室が並んでいる。個室はそのままカラオケボックスにある造り。ただし、カラオケは、機械そのものはタッチパネル式の比較的新しい機械ながら、私にはまったくの知識のない中国の歌手と、一部の英語の歌手のみ。つまり、日本の曲はなし。もっとも、Jadeのように、間違いだらけの日本語の歌があるのとどっちがいいかはにわかには断じかねるけど。





で、この場所を選んだ同僚の中国人が仕切る仕切る。


同僚:「ダメよ。そっちの英語のメニューから選んだら。私がテキトーに頼むから。あのね、英語のメニューと中国語のメニューは値段が全然違うのよ」


そうなのだ。Jadeもそうなのだが、中国語で書かれたメニューと英語で書かれたメニューは値段が違うのだ。


同僚:「英語のメニューはアイルランド人向けにアレンジされているから値段が違うのよ」


…ならば、コーラが中国語のメニューには1.5欧州元、英語のには€2と書かれてあるのはどう説明するんだ?別のコーラが出てくるのか?


ともあれ、同僚に頼んで出てきた料理は以下の通り。慌てて写真を撮ったのでひどい写真が多いですがご勘弁を。














この魚はマジ絶品。


これ以外にもスープなどいろんなもんが出てきて食べきれないほどの量が出てきた。正直に言ってホントにおいしかった。他の同僚たちも大満足。


これで、一人あたま20ユーロは格安だと言ってもよかったと思う(ただし、飲み物別)。よし、また来よう。


…で終わっていれば、話は単純だった。が、しかし…翌朝…。



イメージ画像。



いや、これは適当は表現じゃない。おなかは壊さなかった。だけど、なんか胃の調子がおかしくなって気分が悪かったことは事実。ま、これは私にとってはよくある話で、辛いものを食べた翌日は必ずこうなるのだ。上の写真の中に、辛かった料理が一品混ざっていたのだ。じゃあ、食べなきゃいいのに…ってことになるのだが、決して辛いものは嫌いじゃないので食べている瞬間はそれはそれでいいのだ。要はあとで必ず後悔するだけ。


ところが、会社に行って驚いた。同僚の数人が同症状を訴えている。とはいえ、何が悪かったのかはわからない。平気だった同僚もいるし。が、「何か」がヒットしたことはどうも疑いの余地がなさそうだ。ともあれ、Jadeに強力なライバルができたことは間違いなさそう。


講評:料理は激うま。設備も良好。問題点として、その立地、および、食中毒の疑い(証拠不十分)。結論としては、オススメしたいのだけど、なんとなく心配。消化能力に自信のある方は是非どうぞ。




このレストランに行ったことがあり感想をお持ちのかた、その他のレストランでも一言居士な方、その他御用の方はこちらへ(掲示板へのリンクです)。


2008年02月23日(土) 眠れないから更新してみる【ジムに復活】

私のキトクな彼女Mausi(仮名)が言うのだ。


「ジムに行く!」


…。


その昔、私もジムのメンバーだったことがある。だけど、いつの間にかやめてしまっており、最近は文句なしの運動不足のオッサン体になり下がっていた。確かに、ふたりでジムに行けば、なんとなく一人で行くよりも行く気になるかもしれない。うん、そうするべか。


実は、うちのアパートから徒歩数分のところにジムがある。家から歩いていけるジムというのは間違いなく便利。しかも、自宅から会社が徒歩5分という私にとって、家から徒歩圏のジムというのは会社から徒歩圏のジムであるという三段論法が成り立つのだ。ただ、賢い消費者になるべく私たちは、まずは家から二番目に近い、でも歩いてはいけないジムに行ってみた。そう、価格比較をしようという魂胆。


そのジムの受付には爪をやすりで磨いているどことなく無気力感の漂う女性が一人。で、今イチ乗り気でないさまで会費の説明をしてくれる。


係:「今なら年会費は450ユーロ。入会金は29ユーロのキャンペーン中です。もし月ごとに払いたいなら毎月55ユーロ(=年間660ユーロ)」
私:「ええと、ここにペア割引年会費950ユーロって書いてるけど…」



誰がどう考えてもおかしい。ペアのほうが一人よりも安くないと。


係:「…今、キャンペーン中ですので」


…だったらペア割引の方もキャンペーン価格にしろよと思ったが、この国でそのような論理を持ち出すこと自体時間の無駄。ジムを見せてもらうことに。


35メートルのプールにジャグジー、それにかなり数の多いジムの器械、設備は悪くない…いや、むしろいいと言ってもいいだろう。これで年間450ユーロは実に安いと心が動きかけるが、やはり自宅から徒歩圏にあるジムが本命であることには変わりがない。とりあえず、そっちに向かってみますか。


というわけで、年間450ユーロというかなり魅力的な価格を提示された私たちは本命の家から徒歩5分のジムに。受付で「説明のものがすぐに来ます」というので待つ。そこにやってきたのは、どうやらそれ専用に雇われているらしい、もう地球上にこれ以上友好的な人はいないというくらい友好的な女性。…こういう調子のいい女性に限って裏で何を言っているかわからないものだ…と、私は話しやすい女性だとは思いつつも調子のいい女性と判断。ちゅうかさ、ジムの説明をする人にしてはお身体にちょっとばかし余計なお肉がついてませんか?


その女性についてジムを見せてもらう。こちらも決して悪くない。25メートルのプールにいろんな器具のあるジム等々。で、その女性に連れられて受付わきのテーブルへ。


女性:「本日は、どのくらいまでお決めになる予定で?」


…ってお前は日本の車のセールスパーソンか?


私:「もし魅力的な値段ならすぐ決めますよ」


…ってオレは車を買いに来た客か?


女性:「もし、今決めてくださるなら、とびっきりの特別価格をお出しします」


…こいつ、絶対前世は日本で車のセールスをしてたに違いない


女性:「通常でしたら、入会金各150ユーロ、年会費948ユーロのところ、ホントに特別に入会金おふたりで35ユーロ、年会費720ユーロで結構です。あ、今、すぐ、決めてくださるならですよー」


…ちゅうか、こんな商売熱心なアイルランド人に今まで出会ったことがないよ。もしかしたら歩合制なのかもしれないが、ある意味新鮮な体験だわ。


ともあれ、私をバカにしちゃいけません。某大手カメラ店などでの勤務でセールストークを鍛えた私、ここからが出番です。


私:「いや、実はね、別のジムで年会費450ユーロって聞いてきたんだよね。年会費720ユーロなんて論外だわ。だから、申し訳ないけど、別のジムに行くわ」
女性:「ちょ、ちょ、ちょっとお待ち下さい」
私:「え?」
女性:「申し訳ないですが、年間450ユーロは無理です。ですが、もし、今、決めてくださるなら、できるだけ近い値段をお出しします。今、マネージャーに電話して聞いてきます」



…ますます車のセールスだよ。


数分後、戻ってきた彼女…


彼女:「マネージャーとは連絡つきませんでした。だけどホントに特別ですよ。私の責任で月々49ユーロ、年間588ユーロで結構です。その代わり入会金はおひとり35ユーロづついただきます」


…おーい、一気に一人あたま132ユーロ下がったよ。言ってはみるもんだな。とか言っているうちにも、この女夏木ゆたかは話し続けます。


彼女:「もしかしたら私、こんな値段を出してクビになるかもしれないわ」


…お前、実はマネージャーになんか電話してなかったろう。天気予報でも聞いてたんじゃねえのか?


そうは言っても月々49ユーロはかなりお得。数年前に払っていた金額と同じ。何せ、年間5パーセントのインフレが起こっている国。数年前と同じ値段が出たというのは戦果だわ。確かに別のジムのほうが安いとはいえ、やはりジムまで歩いていけるというのはおいしい話。こーゆー話は、引き際も肝心。よろしい、まとめましょう。


女性:「ありがとう。じゃ、お名前を教えていただけますか。はい、MausiさんとSnigelさんね。Mausiさん、お誕生日は?ええ?さんじゅうンさい?えええ?お若く見えますね。23歳くらいかと思いましたよ。えええ?Snigelさんは32歳?いやー、ホントにお若いカップルだと思いましたよ」


…本性見たり。27-28歳と言われればちょっと気を良くした可能性はあるけど、23歳はないでしょう。23歳は!


その後、形から入る私はスポーツ用品店へ。投げ売りジャージとシャワーで使うサンダルついでに事務用のリュックサックを買う。


サンダルで投げ売り品を発見。半額の7.5ユーロ。よし、これにしようとレジに持って行く。


レジ:「このサンダルの部門コードがわからないわ。ちょっと待ってて」


で、別の係を読んでコードを訊ねるが見つからず。少々お待ち下さいと言って裏に消える。数分後…


係:「マネージャーが部門コードが見つからないからXXと同じコードでいいって」


と言って打ち込んだコードから出てきた値段は1.5ユーロ。レジ係は別段驚いた様子もなくその値段で売ってくれた。…得した気分。てか、いつものことながら、ビバ、いい加減王国。


その後、ジムに戻って運動をする。いやー、久しぶりに体を動かして、自分の身体がオッサン体になっていることに気がつかされました。こりゃがんばって運動しないと。





ただいまアイルランドは朝の5時。眠れないSnigel(しかもなぜか知らんが、ひでかすまでのそのそと起きてきた!)に愛のメッセージあるいはご感想はこちらへ(掲示板へのリンクです)。




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