なべて世はこともなし
日記アーカイブ(インデックス)へ前日の日記はこちら翌日の日記はこちらアイルランド真実紀行へ


2007年02月11日(日) Snigel的アキバ日記…現金求めて湯島まで

本日、ひでかすはインフルエンザで寝込んでおります。狭い家の中の話、私に伝染するのも時間の問題かと。そうなったら逆に日記の更新が増えたりして。…って冗談抜きで40度近い高熱になりシャレになってません。種無しスイカになるー(←意味不明)。ひでかすの会社および関係者の皆さま。明日、ひでかすは会社を休みます(ちゅうか休ませます)のであしからず…誰も見てないだろうけど。


かくして、福岡空港から羽田空港に向かった私。そのまま渋谷に飲みに行きました。で、翌日は土曜日。今回の日本での滞在で唯一24時間フリーになれた貴重な時間。この時間を無駄にするわけにはいきません。かくして昼前から向かったはうちのじーさんばーさんの家の近所のブックオフ(私にとっての「イナカのおじいちゃんおばあちゃん」は東京の下町に住んでいるのです)。


このブックオフ。行くたびに背中にうすら寒いものを感じる。コンビニとかと同様従業員はたぶん店長など数名以外は全部バイト。それ自体は一向に構わないのだが、このバイト君たちの徹底的にマニュアル化された動きが怖いのだ。


まず、レジに行くと、前できちんと手を揃えて45度の角度まで頭を下げて「いらっしゃいませ」と言う。最初はたまたまレジで当たったバイト君が新人か何かでマニュアルを真に受けているのかと思いきやどうやらそうじゃなくて、そうするように徹底的に教え込まれているようなのだ。その先の対応も確かに丁寧であることは認める。だけど、完全にマニュアル化された動きをみていると「お前には主体性がないのか!」と叫びたくなる。


たぶん、これはブックオフに限った話じゃないし、日本にずっと住んでいたらそんなことは思わないのだろうけど、ウェイターが注文を取りにきて自分の隣の椅子にどっかと座って世間話を始めるような国に住んでいると、どうもこのマニュアル通りというのが気持ち悪く感じられてならない。


ともあれ。ブックオフではあまりいい本が目に付かなかったので、そのまま地下鉄で上野に出てそこから神田神保町へ。三省堂書店や書泉グランテなどで目についた本を買う。


そのまま徒歩で向かったは秋葉原。神保町から秋葉原は実に不便で電車や地下鉄で行くことはほぼ不可能。強いて言えば御茶ノ水駅まで歩いて総武線などに乗ることも可能ながら、丘の上の駅まで歩くくらいなら、ずっと歩いて行ったほうがむしろ楽。


かくして15分ほど歩いてアキバに着(つまり歩いてもたいした距離じゃないということ)。去年の日記にも書いたとおり、アキバにヨドバシという黒船がやってきてアキバの勢力地図が一気に塗り替わってしまった気がする。そして、オタク文化に関しては私にはもはさっぱりわからない話になってしまった。駅近辺でメイド服を着たお姉さんが客寄せをやっていて「ああ、これが冥土喫茶のお姉さんか」と感心してしまう始末。


私がアキバに来た理由はもちろん冥土喫茶(単に言葉遊びをしているだけなので「メイド喫茶」「冥土喫茶」はちがうとかオタク文化の解説は謹んでご遠慮いたします。ましては「ノーパン喫茶」などと言い出すあなたは間違いなくおじさんです)に行くためじゃなく、ノートパソコンを買うため。ちょうど数日前に新OSのWindows Vistaが発売されたので、今ならばWindows XP搭載のノートパソコンが投げ売りされているのではないかと期待していったわけ。


で、最初はまったく知識がないままに店を回り始める。お店の店員さんたちと雑談をしてうるちにだんだん知識がついてきて、今の最新のプロセッサは何かとか、メモリはどのくらい必要かとかがわかってくる。アキバを一通り回ると、自分がどのPCを買いたいかがわかってきた。それは


Windows Vista Home Premium搭載でインテルのCore2 Duoが入っていて、メモリは増設して2GB。ハードディスクは100GB以上あること。


…ってこれのどこが投げ売り商品なんですか。最新モデルじゃないかい。いつの間にか予定ががらっと変わってた。


で、ある機種に目をつけた私はそれを目当てに2周目に突入。上にも書いたけど、アキバのヨドバシの客の入りがすごい。コンピュータの売り場は土曜日とはいえ身動きができないほど。それなのにほかの店は店員が暇そうに立っている始末。昔のアキバの賑わいが全部ヨドバシに吸収されてしまった感じ。こりゃヨドバシの一人勝ちというやつだな。その昔、某社某店に勤めていた私にはこの賑わいがちょっと懐かしかったりする。反面もう人混みはうんざりとも思うけど。


ヨドバシではその私が目をつけていた商品は売り切れで、ヨドバシモデルというハードディスクが20GBほど少ないモデルが5000円ほど安く価格設定されて売られている。ただ、最新モデルということもあってかポイント還元は10%と控えめ。それでも良かったのだが、実はヨドバシには私のとっては致命的な欠陥がある。つまり、免税をしてくれないのだ。


いや、正式にはしてくれる。だけど、免税とポイントカードの併用は不可。で、免税は5%でポイントカードは10%だからどちらが得だかは自明の理。20万円もする買い物だから消費税は1万円となり決して無視できない数字。


で、私は価格交渉をして歩こうとするのだが、まず、この商品はなぜかほとんどの店で品切れになるほどの人気商品。つまり、私の目のつけどころは非常に正しいと言えると思うのだが、反面商品がないものの価格交渉などできるはずもなく。結局、20万円の商品に3万7000円分の増設メモリを免税分も入れてタダでつけさせて、ついでにメモリ取付無料、ついでにスカイプ用のヘッドフォンもつけてニコニコ現金20万円ぽっきしで交渉妥結。新製品にしては悪くないかな…と思う反面、もう少し頑張ればあと5000円くらい安くなったかなとも思うが(←それは欲張りすぎ)。


で、ここからが大変だったのです。財布の中に20万円も入れて持ち歩くアホタレではないどちらかというと小心者の私。まずはお金をおろさなければいけない。アキバの外れにある銀行のATMへ。…降ろせない。日本の某銀行のカードを入れるも機械は「このカードはお取り扱いできません」との冷たい表示。


そこで思い出した。そうだ。このカードは不正防止のためにカードでの出金を停止してるんだった。その出金停止を解除するためにはインターネット上から解除しなくてはいけない。


で、探すんだけどないんだ。インターネットカフェ。ようやく見つかったのはマンガ喫茶(間違っても冥土喫茶ではない)。たかだかネットを数分するために例によってのマニュアル店員に会員証を作らされて、個室に案内される。1畳ほどの個室にはフットレスト付きの椅子。なるほど。最近の若者はこんなところで夜を明かすのか…と「お前いくつのオッサンだよ」と突っ込まれそうなことを考える。


で、たった数分ネットに行っただけで入会金を含め500円も取られて(損した気分)、そしてさっきの銀行のATMへ。…まだ降ろせない。この時点ではまだ気がついていなかったのだが、バカな私は郵便局と某行以外ではお金をおろせない設定にしてしまっていたのだ。


気は焦り始める。何せ明日の朝には成田に行ってそのままダブリンに戻る。で、もう夕方の6時を回っている。つまり、ノートパソコンを買うのは今が最後のチャンス。アキバを2周も回ったので自分の中ではすっかりノートパソコンを買う気になっている。いまさら買わないで帰るというテはない。


仕方ないからBank of Irelandのカードでお金をおろすべく郵便局のATMを探すが、これがまた見つからない(今にして思えば、あったとしてもたぶん限度額はかなり低めに設定されていたと思われるが)。アキバをとっくに離れて湯島の駅のあたりを焦りながらさまよっていると見つかったのは某行のATM。ダメもとでカードを突っ込んでみたら、おーい、もはや神様にも見離されたよ。「カードの1日の引き出しの限度額を超えます」との表示。


ん?待て。


落ち着いて考えると、「引き出しの限度額を超える」ということは金額を変えればお金をおろせるのか?試してみると、お金が出てきた。で、財布の中の金をはたくと…なんとかあったよ20万円。それを持って某家電量販店に戻る。


で、実に小心者の私は本当はちょっと歩いて湯島の駅に戻るのが一番便利なのに20万円のノートパソコンを抱えて暗い道を歩くことができずに(←どうもアキバとParnell Streetをいっしょにしてるような気が…)秋葉原の駅から帰宅。そのあと、さらにお菓子だ食料品だサランラップだを買いに近所の店に。今日買いこんだ本も入れて30キロほどの荷物をスーツケースに詰めて翌日成田に向かったのでした。


で、帰りのヒコーキの話は…続く。


2007年02月10日(土) 週末・博多スペシャル。みねまいと会う。天才と何かは紙一重。

無事にダブリンに戻ってきました。…そして1週間が経ちました。


ごくごく正直に書くと、現状の生活パターンからいくと、週末以外の更新はかなり難しいです。こんな状況がたぶん4月のイースターあたりまで続きそうです。申し訳ない。今回の日記は、例によって週末スペシャル、日ごろの2−3倍の分量でお届けします。今回は、「週末・博多スペシャル」





やたらと忙しい自宅での滞在を終えて、向かったのは博多。


この日は雪が降るとの予報でしたが、私が家を出た時点ではまだ晴れ。


別府のコスモピア前のバス停に着くも次のバスは30分後。ちなみにコスモピアとはO分市内で堅実な経営をしていた某地元百貨店が地元の要請で専門店街とともに出店するも、専門店街は倒産して、百貨店自体も閑古鳥が鳴いているかわいそうなバブルの遺物…とか書いたら怒られるかな。で、別府市は今度は性懲りもなくそこからたった数百メートルしか離れていないとこに別のショッピングセンターを出直し市長選まで起こして誘致したとか書いたらもっと怒られるかな。ともあれ、乗車券はコスモピア内の案内所で買えるというので行ってみると、


案内所:「乗車券の販売は通常発車45分前に終了させていただいておりますが、本日はお席に余裕がありますので販売させていただきます」


と、「特別」であることを強調。


なーにたかが路線バスで偉そうなことをと思いつつ、さて、どのくらいバスが混んでるのかと思ってバスを待っていると、乗ったのは、私を含めてたったの3人(運転手含む)。こんな人数なら、乗用車でも十分こと足りたじゃないか。ちなみに、途中の温泉街の鉄輪口バス停より一人乗ってきたので結局バスのお客は3人でした。ちなみに「鉄輪」って読めますか。地元民、あるいは行ったことのある人以外にはおそらく読むことはできないと思います。お暇な方はググってみてくだされ。





別府というのは鶴見山の山の斜面にへばりついたような街で、大分(自動車)道のインターはその山の中腹。ローギアじゃないと上れないような激坂をバスはお客がほとんどいないせいもあってか結構らくらくと上っていきます。で、インターに入る前から雪が舞い始めまして、別府インターから湯布院インターの間の高度700メートル超の場所では外はこんな有様。





雪に慣れていないQ州のこと、雪の多い地域の読者さんは笑い出すでしょうが、このくらいの雪でも大分道は時速50キロの速度制限が出され、それでなくとも一般の車両はスピードを落として走ってます。なのに!この某鉄道会社が母体のバス会社のバスは80から90キロのスピードで追い越し車線から乗用車を片っ端から追い抜いていきます。むろん、この程度の雪ならそんなに神経質になる必要もないのですが、でもさー、運転手さん





(運転席側のフロンドグラスの様子)。
…前、見えてなかったでしょ?


たとえ3人しかお客が乗っていないバスの中でもお約束のビデオ放映が始まりまして、ビデオもお約束の釣りバカ日誌。そういえば添乗員のバイトをやっていた頃、バスの中では男はつらいよか釣りバカ日誌だったなーなどと思いつつ、ついと見入ってしまう。ビデオがちょうど終わったときバスは天神バスターミナルに着いた。雪も速度規制も何のその、定刻より5分早着。JRと熾烈な顧客獲得争いをしているとはいえ、大したもんだよ。このバスは。


今回博多に向かった理由は、私がプロモーション担当を努める博多在住の天才歌手、みねまいこと会うため。しかし、なんと言いますか、「天才」ってのは紙一重で何かにも近いわけでして。やっぱり彼女はいい意味でフツーじゃありません。だから私は彼女が天才だと思うし、今後ビッグになると思うし(「ピッグ」じゃありません「ビッグ」です。バ行とパ行はことパソコンのディスプレイでは見分けがつきませんな)、大好きなのですが。


そんな彼女と向かったのは、某すし屋。私がビンボーなのを知っている彼女は不憫に思ってかどうかは知らんが、特上寿司をおごってもらう。そして、某デパートのカフェに行き(この時点で私はお疲れモード)、そのあと、某ホテルのカクテルバーへ。なにやら、私に会わせたい人がいるらしい。


やはりみねまいには場所を選ぶセンスがある。前回連れて行ってくれたところといい、今回といい、私の知らない世界ばかり。…ちゅうか、大学生だった頃、飲みに行くといえば、オヤジくさくもキープボトルまであった某飲み屋をはじめとして、あとはチェーン店の居酒屋ばかり。彼女もいなかった寂しい私はホテルのバーだとか、そういうおしゃれなところとは一切無縁な生活をしてまして。以下、書いてて凹んできたので省略。


で、その某ホテルのカクテルバーに着いたのは午後10時。私に会わせたい人は待てど暮らせど来ない。電話をすると、「別のところで飲んでるからもうちょっと待ってて」とのこと。で、いい加減待ちくたびれて帰ろうと決めたのが4時間後の日付の変わった午前2時(待ちすぎ)。お会計を頼むと、紙の上に7340円(推定)と書かれた紙を渡される。一体全体どこからこの数字が出てきたのかさっぱりわからない不明朗会計。もっとも、ボラれたとかではないとは思うが。「きっとこういうところはこういうもの」と自分で自分を納得させる。


で、バーを出たところでタイミングを見計らったかのごとく、みねまいのケータイが鳴る。


みねまい:「会わせたい人が別のバーに来いって」


はいはいはい。毒を食らわば皿まで。2時まで待ったんだ。この際どこでも行きましょ。


木曜日の深夜(あるいは金曜日の早朝)開いてる店があるんかいなと思いきや、さすが博多、あるんですね。こちらは表通りからほんの少し引っ込んだところにある別のカクテルバー。10人くらい座れるカウンターがあるだけの狭い店はバーマンが一人いるだけで他には誰もいない。私に会わせたいという人も来ていない。


必要以上に口は利かないけれども人のよさそうな私よりほんのちょい年上と思われるバーマンとおしゃべり開始。しばらくすると、50くらいのおじさんがいかにもどっかのお店の若いお姉さんをお持ち帰り…といった風情でやってくる。男性が結構酔っているのに対し、女性はあからさまにしらふ。見ていると面白い。


で、待つことさらに45分。私に会わせたい人はほぼ5時間遅れで、やってきた。私よりも若干若いお兄さんは…酔っている。やたらとゆっくりした話し方で


お兄さん:「みねまいは、すごいんです」
私:「そうですよね。で、どうすごいと思われるんですか」
おにいさん:「みねまいは………すごいんです」



…ダメだ。会話になってない。こりゃ困ったと、ひでかすに教わった酔っ払いへの秘策、トマトジュースに塩たっぷりを入れて飲ませる。が、二杯飲ませるも彼はカウンターに撃沈。…寝ちゃいました。




(彼の名誉と素性の保護のためにモザイクをかけております)


そのあとは、揺すっても叩いてもまったく動じない。完全に寝てしまった模様。どうやら彼はこの店の常連らしく、バーマンも彼のことをよく知っているらしい。みねまいとバーマンと私の3人で一計を案じ、彼のポケットから財布を取り出す。そう、財布の中には何か住所が書いてあるものがあると思ったわけ。案の定、住所が記載された運転免許証が出てきた。


それにしても彼、完全に寝入ってます。その昔、「鉄道警察密着24時。鉄道スリ団を追え」といった感じの番組で、完全に鉄道の車内や駅で完全に寝入った酔っ払いから介抱をしているフリをして財布を盗むというのを見たことがある。あんなに寝入るなんてありえるのかねえ…と当時は思ったが、なるほど、ありえるわ。財布をポケットから取り出し、さらにジーンズの前ポケットに入っていた家の鍵を取り出しても、まだ彼、気がつかない。


で、バーマンにタクシーを呼んでもらい、タクシーが来たところで彼を運び出そうとするが、お、重い。あとで聞いたのだが、彼、なにやらスポーツマンらしく、身体を相当鍛えているらしいのだ。例によっての不明朗会計のあと、そんな彼をバーマンと二人で両肩を抱えてタクシーに乗せる。


で、ひとりだと間違いなく乗車拒否されるのは目に見えているので、みねまいと私もタクシーに乗り込む。タクシーの運転手さん、私たち二人が完全にシラフのせいか、嫌な顔ひとつせずに、彼の住んでいると思われるマンション前にわざわざUターンして社長づけしてくれる。


で、彼を車から降ろして支えようとするが、すいません。私のか弱き身体では無理です。彼を支えることはできません。何とかタクシーから降ろして、運転手さんに「もう行ってください」と言ったまではいいが、彼をマンションの部屋まで連れて行くことは絶望的に不可能。重すぎる。もう道に一緒に座り込もうと思ったら、その時、奇跡が起きた。もう、テレビドラマなら感動的な音楽をバックにスローモーションにするところ。


彼がー、立ち上がったのだー。


…と言っても、私の肩に完全に寄りかかったままながら、なんとか歩こうとしている。こうして、彼を何とかエレベーターに乗せ、彼の住む階へ。で、みねまいが家のドアーの鍵を開ける。


家の入口はマンションにありがちな人一人が立つのが精一杯の狭いところ。さあこりゃどうしたもんだと思ったら、いやー、私は人間の本能を見ましたよ。今まで酔っ払ってまともに歩けなかった人が、入口脇のトイレに一人で入っていったのです。


私:「おーい、みねまい、彼、トイレにいけるんだから大丈夫だよ。撤収するぞ」


というわけで、私にとっては見ず知らずの彼をトイレに残して撤収。朝の5時過ぎにホテルに戻る(こんな時間まで外にいるならホテルなんかとらなくてもよかった気がする)。


そうそう。今日の日記はみねまいを引き合いに出して「天才と何とかは紙一重」という話をしようと思っていたのだった。いつの間にか「ヨッパー介抱日記」になってた。


翌日…というか数時間後、みねまいと天神地下街のインフォメーションセンター前で待ち合わせる。昼飯を一緒に食べて、福岡空港まで送ってもらおうという算段。ところが、待ち合わせ時間になってもみねまいは来ない。外はご覧の通り、雪模様(Q州では珍しいと思う)。陸上の交通機関は大幅に乱れている模様。





こういうときに困ることは、私がケータイを持っていないこと。もちろんアイルランドではケータイを持っているが、次世代ケータイとは無縁の私、私の旧世代のケータイは日本では使えない。こりゃ、おとなしく待つしかないと思っていると、天神地下街にアナウンスが流れる。


アナウンス:「アイルランドからお越しのSnigel様(無論本名で)、アイルランドからお越しのSnigel様、おことづけがございますので、インフォメーションカウンターまでお越しください」


あ、ありえねー。今時、どっかで呼び出しの館内放送があること自体珍しいのに、いくら事実でも「アイルランドからお越し」はねーだろ。みねまい。こらっ。いったい偶然通行していたり買い物をしていた人の何人がその放送に気がついたか知らないが、かなり恥ずかしい放送だったことは間違いない。


さすがにインフォメーションカウンターに行くことは憚られ、公衆電話からみねまいに電話をするも、留守電サービスに直行。ううっ。恥ずかしいがインフォメーションカウンターに行くしかないのか。目の前にあるインフォメーションカウンターながら、足が重い。


私:「あのー、今恥ずかしい放送があったSnigelと申しますが」


すると、おねえさんは営業スマイルで


おねえさん:「みねさまからご伝言がありまして今福岡空港にいるので10-15分遅れるとのことです」


ああ、そうですか。ん?待て。なんでみねまいは福岡空港にいるんだ。ちなみに、あとから聞いたところ、電話の向こうで呼び出しを頼まれたおねえさんは「アイルランド」と聞いて一瞬固まったそうな。こんなページ読んじゃいないだろうけど、ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。


15分後にみねまいはやってきた。そして、彼女の一言は、私をして頭上に?が5個以上並ぶこととなった。


みねまい:「ごめん。Snigelのことを忘れて福岡空港に行ってた」


聞けば、私を忘れて一人で福岡空港に行き、福岡空港の駅で私がいないことに気がついたんだそうな。


ウソだろ。おいっ。


これがネタであれば面白くも何ともないのですが、本人は大真面目なのだから始末に終えない。ね、天才と何かは紙一重でしょ。


で、昼飯を終え今度はちゃんと私もついて福岡空港へ。ヒコーキの時間まで若干の余裕があった私たちはレストランへ。みねまいが飲み物を買ってくるというので私はテーブルで待つ。何を飲みたいか特に言わなかったけど、まあいいや。何が来ても。ビールだったらいいけど、昨日から飲み続けてるし、今晩も渋谷で飲み会だからお茶でもいいな…などと思っていると、そこに出てきたものは、人智を超越した飲み物だった。




青汁。


繰り返すけど、これがネタなら面白くも何ともなかった。でも、みねまいという天才はこれを素でやってのけるのだ。只者ではありません。本人いわく、「お茶は機械のインスタントだからやめた」とのこと。こいつ。絶対ビッグになると確信を持って思う。冗談抜きで、私はこんなみねまいが大好きです。で、ヒコーキの中で500円払ってエビスビールで口直ししたことはヒミツです。


ちなみに昨日撃沈して話ができなかった方、青汁を飲む私たちの元にわざわざ会社を抜け出して空港まで来てくださいました。謝りに。ただし、私たちと会ったことまではご記憶にあったそうですが、それ以降はどうやって自宅に帰りつき、布団の上で寝ていたのかなどご記憶にない模様でしたが。空港で会ったその方はまったくの別人の好青年でした。私も酔うと寝てしまうけど、少なくともあそこまでは酔わないなあ。というか、酔ったことがない。


ほんで、その日の夜は某出版社の編集者さんと渋谷で飲み、翌日の日記は怒涛の秋葉原編へと続く。今から連続して書くのでなんとか日曜日の更新に間に合わせたいところ。


2007年01月30日(火) Q州に帰省中。恐ろしく忙しい…。

成田から京成→都営浅草線→京急線と乗り継いで羽田に行きました。わずかの差で京成線の特急を逃したので、私は試しにスカイライナーに乗ってみました。今回はじめて気がついたのですが、スカイライナーは船橋に止まるらしい。かくして船橋までの特急券500円を購入。


いやー、日本ってすごい国だわ。車掌がなにやらポケット版のコンピュータを持っていて、指定された席に座っている限り検札も来ない。で、船橋の駅到着前には車掌が私の席にすっとやってきて、


車掌:「船橋で降車ですね。後ろ2両目の扉のみ開きますのでご注意くださいませ。ご利用ありがとうございました」


と言って去っていった。すごいね。日本は。でもさ、船橋で降りた人乗った人は私だけだったってどういうことよ?意味ないじゃん。京成の方、これ、船橋に止まるより、高砂か青戸に止めたほうが賢いんでね?だいたい、「エアポート快特」を名乗るくらいなら、成田から直通で羽田に行く電車を設定しろよ。(前はあったとか、リムジンバスを使えとかそういうツッコミが聞こえてきそうですが)。


さらに言えば、一国の首都の空港が成田と羽田に分かれていて、国内線の乗り継ぎがいちいちこんな長い時間を使って乗換えをしなきゃいけないってのはどうよ?ソウルとかほかのハブ空港にお客取られるよ。実際ダブリンからアムステルダム・ソウルを経由してO分に着くという方法のほうが早く着いたりするのだ。


かくして、ドアからドアで考えるとぴったし24時間かけてO分に到着。


………


それから一気に10日の時間が流れる。今回の帰省は親が新しい事業を始めたのでそれを助けに行く、ホームページの立ち上げにいく…という話でした。確かにひでかすの助けもあってホムペは立ち上がりました。だけどさー、朝の8時から夜の8時9時まで土日を含めてずっと仕事をし続けで疲れ果てました。最初の予定にはなかったレジの立ち上げ、コンピュータのセットアップ、果ては受付、接遇に至るまで思いつく限りのすべての雑用をやってました。


オープニングイベントをやった5日間はえらい騒動でした。お客様が途切れることなく来られて、果ては地元ラジオ局のレポートの車「トピッカー」までやってきてラジオの生放送まで行われ、大変でした。いやー、トピッカーのおねえさんはかわいくて声がきれいだったなー。






明日の夕方福岡に行き、あさってに東京に飛びます。そして、日曜日にはダブリンに…(欝)。


2007年01月21日(日) SASで日本に飛ぶ

ただいま私はSASのヒコーキで成田に向かってます。ヒコーキは2時間遅れ。


ちょっと時計の針を戻して話はダブリン空港。感心にも2時間前に空港に着いた私。SASのチェックインカウンターは、早く着すぎたのか、がらがらーすかすかー(©ひでかす)。そこで予告していた通りマイルを使ってのビジネスクラスへのアップグレードをお願いしました。いや、コペンハーゲンでやるべきだということはもちろん判ってましたよ。だけどおそらく申し込みのリストがあると思ったわけ。そのことを言うとチェックインカウンターの女性に「ハア、この莫迦何を言ってるの」といった感じで見られまして、だけど私はちゃんと説明しましたよ。そしたら内線電話で別の係に聞いてくれまして、


係:「アップグレードはコペンハーゲンで承ります。ダブリンでは承れません」
私:「本当なの。コペンハーゲンでやれば大丈夫なんだね?」
係:「はい。大丈夫です



またいつもどおりしつこいですが、やはり言いたい。


このホムペの主題:アイリッシュの言う大丈夫ほど大丈夫じゃないものはない。


その後どうなったかは後で話すとして、そのままうちのおかんに頼まれていたエステー化学(そんな名前の会社じゃなかったっけ?)の香水(銘柄はあまりに恥ずかしくて書けない)を買い、おみやげにウィスキーを買い、ゲート近くのカフェでぼーっと過ごす。コペンハーゲンからのヒコーキは20分遅れ。当然の帰結として折り返し便も20分ほど遅れる。


ヒコーキの中もがらがらー、すかすかー。さあ、6割くらいの搭乗率だろうか。非常口座席の窓際をしっかり占拠し、真ん中には誰もいない。非常に快適な状況。離陸前に貴重から遅れの侘びの説明の放送が入る。


アイルランドにお住まいの方はもちろん、日本でもニュースになっているらしいからご存知の方も多いと思いますが、ここ数日のヨーロッパは突風が吹きまくってます。ごく正直に言うと、別にこのくらいの風ならアイルランドではよくあるんじゃないかと思ったけど、おととい(木曜日)は「ダブリン港が史上初めて閉鎖された」というくらいだから本当に強かったようだ。


で、この風がコペンハーゲンからダブリンでは向かい風になるらしく、到着が遅れたとのこと。で、この機長の言い分は正しかった。何せ、20分遅れで出発したくせにコペンハーゲン到着は10分早着でしたから。


で、コペンハーゲンの空港はシェンゲン条約加盟国(早い話がイギリスとアイルランドを除くEUの各国)以外同士の乗り継ぎには私が知る限り入国審査は必要がない。(保安検査が必要な場合もあるけど)ゲートからゲートに移ればいいだけで単純明快。だけどそうすると免税店とかがある待合室に行けないのだ(これを構造欠陥といわず何という)。とはいえ早着の分を入れて100分の余裕があった私は入国審査を経てデンマークへ入国。


この日記でだいぶ以前に書いた記憶があるけど、日本のパスポートを持っている限り、デンマークへの入国は犬でも大丈夫。入国審査はパスポートの表紙を見てハンコを押すだけ。EUの人とほとんど所要時間は変わりません。で、急ぎ目に店を回ってさらにお土産を買い足す。日本人に受けそうな「キャビア」などを買う。とかいうとえらい高級品のようだが、実は(お土産を渡す人がここを見ている可能性があるので削除)なんですよね。


で、定刻30分前に登場口に行ってみると、ほとんど誰もいない。それもそのはず。「技術的理由により」出発は30分遅れ。それでも搭乗口に早く行きたかったのはそうビジネスクラスへアップグレードしてもらいたかったから。ところがゲートには係は誰もおらず、20分ほど待つとようやくやってきた。マイルを使ってビジネスクラスにアップグレードしてもらいたい旨を言うと


係:「お客様、ビジネスクラスの空席待ちリストに登録されてますか?」
私:「へ?されてないよ。だってダブリンでそういうことはできないって言われたもん」
係:「それでしたら申し訳
ありませんが、アップグレードは無理です。すでに多くのお客様がアップグレードを申し込まれてまして」


はい。ここで話は今日の日記の最初につながります。もうしつこいくらい何度でも書きます。


アイリッシュの言う大丈夫ほど大丈夫じゃないものはない。


そう。せっかくアップグレード券まで事前に用意していたのに結局ビジネスクラスでは飛べず。この日記を今ヘルシンキ上空で書いてる私はエコノミーエクストラ席におります。そりゃエコノミー席よりマシですが、ビジネスに比べると…ねえ。


で、上のやり取りの後でエコノミーエクストラの搭乗券をもらった私は多少キレてました。またアイリッシュにだまされた。挙句の果てにヒコーキはさらに1時間遅れ(つまり定刻より90分遅れ)。これは仕方ないけどもらった搭乗券は窓際。


ところが、90分遅れで搭乗した私の機嫌は自分の席を見た瞬間に直りました。


あ、バルクヘッド♪


バルクヘッドとは正確な定義は知らんが私の言うところでは各クラスの最前列の席。つまり足元が広いのです。もともとエコノミー席に比べて足元に余裕のあるエコノミーエクストラの席でさらに足元に余裕のあるエコノミーエクストラの最前列の席をもらったわけ。目の前は金持ちとちょっと金持ちを分けるビジネスクラスとエコノミーエクストラの壁(私のようにビンボー人のくせしてエコノミーエクストラに乗っている例外もあるけど)。この壁に私の足は届かない。本気出して足を伸ばせば何とか届くけどそんなことをしても何の意味もないわけで。


かくして、そりゃフルフラット(正確には170度らしい)のビジネスクラスに未練がないわけじゃないけど、ま、これでよかったということにしておこう。ちゃんとラップトップコンピュータ用の電源があるのもなかなかいいことだ。これでインターネットがあれば多分9時間なんてあっという間だったろうけど。


そろそろメシが出てくる時間なのでとりあえず、続く。


2007年01月19日(金) ごめんなさい。実はウソついてました。

うーん。

本当にこれでいいんだろうか。



あ、どーも。一週間ぶりの更新です。Snigelです。こんばんは。前の日記にちらっと書いたのですが、実は明日から、2週間ほど日本に行ってきます。家業の手伝いです。具体的にはうちの親のやっている事業のホムペの立ち上げが目的。それはいいんですが、ホントにこれでいいんですかね…荷造り


今月は毎日例外なく朝の8時から夕方の6時、下手をすると7時まで仕事させられてまして、毎日家に帰ると疲れ果てて何もする気がしない毎日。そんな中、先週の土曜日に髪を切りに行くついでにO'Connell StreetのデパートClery'sにお土産を買いに行きました。





ここ、Clery'sの二階、街中のどーでもいいお土産屋とはちょっと違うお土産が買えます。それでも内容は…なのですが。で、今日までにやったことはそれだけ。で、今日、つまり、出発の前日になって慌てて荷造りをはじめたのですが、…あっという間に終わってしまいました。


スーツケースが二つ。大と機内持ち込み可の小。大のほうはお土産とこっちで着なくなったのでもって帰ろうと思った服と本で満杯(捨てりゃいいものを)。小のほうは現在まったく空。お気づきの方も多いと思いますが、そう、日本から本だ服だを買い込んで持ってこようという魂胆なのです。というわけで、空のスーツケースを無駄に持って行きます。


ほんで、あと、別にしておいた準備はSASのカスタマーサービスに電話して、マイルを使ったアップグレード券を申し込んでおきました。あくまで席が空いていたらの話なのですが、稼いだマイルを使って席をビジネスかエコノミーエクストラに変えてもらおうというわけ。席は空いてそうなので、明日は密かにビジネスクラスで帰ろうと画策してます。実際ビジネスとエコノミーじゃ疲れ方が比較にならないくらい違いますからね。


さてさて。12月16日の日記で、Bank of Irelandに両替に行ったら、10万円分の日本円をすべて1000円札で渡されそうになった…という話をしたのをご記憶でしょうか。実はあの話、最後に悪意のないウソを混ぜてます。


すなわち、あの日記では結局両替をせずに帰ったという話だったのですが、実は両替をしたのです。何でそんなウソをついたかと言うと、10万円をずっと家に保管してあるよとウェブ上で公開するのはいかがなものかと考えたからに他ならないのです。ま、小心者と言われればそれまでですが。





じゃじゃーん。Bank of Irelandの帯封つきの1000円札。


うーん。あまり大したものには見えないですね。そこで私は




床にテキトーに広げてみました(はいはいはい。どうせ私はアホです)。1000円札といえどなかなか壮観です。


ただねえ、野口英世さん、誰かがアイルランドに持ってきたばかりに思い切りご受難にあってます。





野口英世、おでこに落書きをされるの図。

正確に言うと落書きじゃないんですよね。おそらく銀行が、お札を数えるときにボールペンで数を書き込んだのだと思われます。日本じゃ考えられないですが、少なくともアイルランドでは数字を書き込んだお札に巡り会うことはまったく珍しいことじゃあありません。


だからと言ってどうして選んでおでこに書くのかは私にはわかりませんが。


というわけで行ってきます。日本ではサイト立ち上げの関係上おそらくコンピュータの前に座りっぱなしだと思います。かくして更新頻度は逆に上がるのではないかと思われるので請うご期待。




Snigel |MAILアイルランド真実紀行へ掲示板へ