なべて世はこともなし
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2006年05月16日(火) アイルランドのタチの悪い迷惑電話について

同じ仕事を4年もやってると、いい加減、体が仕事を覚えてきます。頭は完全に停止しているのに手が勝手に仕事をしている状態…むろん医学的にはそういうことはありえないのでしょうが、感覚的には、そんな感じで仕事が進んでいきます。


そんな、「オートマチックモード」の時にケータイが鳴りました。マナーモードにするのを忘れていたので思い切り呼び出し音が鳴ってしまいました。


そもそも、私のケータイなんてほとんど鳴りません。とにもかくにも万一にもスケジュールの変更があると困るヒコーキ関係などはともかく、スーパーだとかいろんな会社関係にはケータイの番号は極力開示しないようにしてます。だって、鳴るとうざいじゃないですか(じゃあなんでケータイを持ってんだって)。それに対し、どうせ誰もでない家の電話番号は、必要なときに限っては開示してますが。


そんなわけで、私のケータイが鳴るときは、たいがい私の彼女か、ひでばかすか、ごくごく一部の友人と相場が決まっているわけです。そんな人たちは、余ほどのことがない限り仕事中に電話してこないし、もし仕事中に電話をしてきても、私の会社の直通番号を知ってますから、仕事中にケータイが鳴るというのは私にとってはかなり珍しいことなのです。


で、鳴ったケータイの画面を見て一瞬凍ってしまう。


なにこの番号?国番号357?どこだよ。それ?


ごくごく親しい友人に約一名、神出鬼没で世界中どっから電話をかけてくるか想像もつかないアホタレがいるので、そいつかと思い電話に出る。


私:「もしもし」
相手:「Snigelさんはいらっしゃいますか」



…思わずケータイを耳から話したくなるような元気のいいオヤジ。こりゃろくでもない電話だろうなと一瞬で想像がついた。私は思い切り冷たい声


私:「私ですが。どちら様でしょう」
相手:「何とか社のDavidでーす。あなた日本人ですか?」
私:「はあ」
相手:(日本語で)
「コンニチハ」


ぶちっ。自分の頭のどっかでキレた音がした。このくされセールスマン、片言の日本語を話したら、こっちの機嫌が良くなると思ったか。日本人だったら何か買うとでも思ったか?このハゲ。


もう、相手ははげたセールスマンだと決めてしまった私(決めつけがひどいし、ハゲだったら何だというのかという疑問が残る)。ともあれ、私はさらに冷たい声で…


私:「何の御用でしょう」
相手:「Snigelさんのお金を増やす特別な方法を…」



ぶちっ。


会社で怒り出すのも大人気ないので、静かに電話を切りました。


電話を切ったあと、腹が立ってきました。セールスコールがケータイにかかってきたということは、どっかで私の個人情報が漏れたに違いない。家の番号はともかく、ケータイにかかってきたというのが気に入りません。何せ、上にも書いたとおり、航空会社以外では、ほとんどどこにも電話番号を教えてないのに、どっから私の個人情報が漏れ出たんだ?まさか日本大使館…のはずはないしなあ(だとすればゆゆしき大問題ですが)。


例の国番号を調べたところ、出てきた地名は


キプロス。


いやー、地球は狭くなりました。キプロスから迷惑電話かよ。


この私のケータイの番号の情報漏洩、意外なところでその原因がわかりました。その日の夕方家に帰るとうちの同居人のひとりが…


同居人:「今日、Davidさんから電話あった?」


はぁ?なんでこいつそのこと知ってるの?


私:「なんで?」
同居人:「朝、電話がかかってきて、緊急な感じだったから、ケータイの番号教えたよ」



ハァ?お前、バカ?どこのアンポンタンがセールスマンに人のケータイの番号を教えるんだ?あのセールスマンのどこに緊急性を感じるんだ?


こうして、ケータイ番号の漏洩元は以外と簡単にわかってしまったのですが、それでも疑問に残るのは、家のどこから家の番号が漏洩したかということ。ケータイほどではないにせよ、なるべく家の電話番号は人には教えないようにしてます。もちろん電話帳にも載せてません。


ところが、この家のオーナーが私たちが引っ越す前に同じ番号を使っており、かつ、電話帳にも番号を載せていたので、前のオーナーあてにくだらぬ電話がかかってきます。
まだ、家のオーナーの番号を知っているのはいいほうで、下手すると、


相手:「この家のオーナーさんはいらっしゃいますか」


とか


相手:「この電話の名義人さんはいらっしゃいますか」


なんて、誰がどう聞いてもセールスまるばれで電話をかけてくるアホタレがけっこういます。それならまだいいほうで、一度、血管が本当にキレそうになったのが…


私:「もしもし」
相手:「おめでとうございます。あなたは、たった今、懸賞に当選しました。当選品を受け取るために9番をダイヤルしてください」



と、テープに言われたとき。自動のダイヤラーか何かを使っていると思われるこの迷惑電話。違法じゃないのか?このときは、本気でオペレーターを引っ張り出して怒鳴ろうかと思いましたが、9番を押したことでどうのこうのといちゃもんをつけられると嫌だと思い、そのまま泣く泣く切りました。


これ以来、私、家の電話に出たときは相手が何か言うまで何も言わなくなりました。


今後、くだらぬセールス電話がかかってきたら、とことん意地悪してやろうと、いろいろ悪だくみをしてます。実際にかかってきたら報告します。


2006年05月14日(日) 古き良きダブリンの生き残り、Screen

その昔、語学留学なるものをしていた頃は、それこそ毎日のように映画を見てました。何せ、学割で昼間だったらたった3ポンド(400円くらい)でしたからね。


それから10年。いつの間にやら、映画館に行くのもおっくうになり、たまにDVDを買っては見もせずに部屋の片隅にほっぽり投げて見もしないという変わりよう。そんな私がホントに数年ぶりに土曜日に市内のScreenという映画館へ行きました。


この映画館、どうもSavoyの補完的役割をしているらしく、SavoyでやらないいわばB級の映画をやる感じです。じゃあつまらん映画ばかりをやるのかというと実はその反対で、当時この映画館で見た映画は、Life is Beautiful(イタリア映画)やCentral Station(ブラジル映画)、Breaking the Waves(イギリス映画=邦題「奇跡の海」)など、忘れられないものが多いです。もしかすると、館長さんがこだわりの人なのかもしれません。上に挙げた3本は、機会があればぜひ見てほしい私が自信を持ってオススメする映画です。


ほんで、数年ぶりに行ったScreen。土曜日の昼間の一般料金は8.5ユーロ(1150円)。そりゃ、学生の平日割引と土曜の一般料金を比べるのが悪いのかもしれませんが、ほぼ3倍になってます。その上がった値段を使ってかどうかは知りませんが、小汚かったトイレが新しくなり、館内の座席も新調されてました。


そんな中、昔から変わらないいい味をした注意書きが未だにあったので思わず記念撮影。10年前からこの掲示はずーっとあります。




フラッシュを使わなかったのでちょっとピンボケ。スマソ。



(意訳)衛生のため、チケットを口に入れないでください。


…だそうです。どうか、皆様におかれましてもこのお願いを守るようにしましょう。


それにしても昼間だからか、Tsotsiを見ていた人は一桁。軽く150人くらい入りそうな劇場は悲しいくらいガーラガラ。生まれて初めて南アフリカ映画を見ましたが、うーん、悲しいなかにもすべてが良く練られたいい映画でした(…なんだけど、ダブリンでこの映画を上映してるのはここだけでしかもガーラガラ)。






話は変わってこちら、ダブリンのSCR(South Circular Road=ぜんぜん環状になってないのに環状を名乗るまるで東京の環七のような道。ただし、環七に比べるとそのしょぼさは(以下自主規制))と旧国道4号線(日本の日光街道と比べそのしょぼさは(以下自主規制))がぶつかるT字路の写真をご覧ください。






こっちが青信号なのに右折車が来てる…これって信号無視じゃあ…とかいう突っ込みはとりあえずおいておいて、見ての通り、ここ、T字路です。それがどーした…という方、はい、下の写真に注目。






路面の表示に注意。右レーンは直進車と右折車用。


まっずぐ壁にダイブしろってか?


その昔、どっちやねんというシリーズでも書きましたが、


アイルランドで矢印を見たら、まず、疑いましょう。壁にダイブしてからじゃ、遅いです。


写真をあぷしたおまけのおまけ。


ダブリンバスの計画性のなさの証明。






いつもゲロ混みの16をダブルデッカーでなくダブルデッカーの半分も運べないMidiバスで夕方のラッシュアワーに運行するな!アホダブリンバス。

<追記>
読者さんからのツッコミ...。ご参考まで。

あの映画館の見解は間違っています。あそこだって立派なチェーンで、館長にこだわりなどない。。。。Tsotsi 私は旧UGCで観たよ。



2006年05月09日(火) たかが右折。されど右折。

ダブリンの交通信号機、意外や意外、面制御です。


…と言っても、なんのことかわからん人がほとんどだと思います。解説すると、信号の制御方法には、点制御、線制御、面制御の三種類があるのです。


つまり、山奥にひとつだけある信号機、これ、他の信号機と連動してないので、点制御。で、今度は、幹線道路などで、信号が1本の道について(例えば国道に沿って)連動してるというのが線制御。面制御は都市部で線ではなく面で制御しているという方法です。あ、私、交通評論家じゃないので話半分で読んでくださいね。


ダブリンの信号、私が見たところ面制御です。結構高度なシステムを10年程前にオーストラリアから買ったらしいです。だけどねえ、運用がなってないのです。運用が。


混んでないはずの時間帯に突然プチ渋滞に巻き込まれて、気がつくと、100メートル先にある信号が1分以上赤が続いて5秒しか青にならない…そんな経験がアイルランドで車を運転したことがある人ならあると思います。信号の制御パターンを祭日なのに平日にしてたりとかそういうことが多々あるようです。


さらに、使う側にも問題があるということがよくあります。例えば今日の話(どうやらようやくここから本題が始まるらしい)。よい天気に誘われて、昼休みに外に食事に行った私と同僚。もう昼休みが終わる…ということで、しぶしぶ車に乗って会社に戻ることにしました。


その店から会社へは、あるT字形の交差点を本線から右折します。この交差点、平日の昼間はたいがい対向車が途切れることなく来ます。つまり、右折信号なしでは右折は困難。右折信号が出ない限り信号の変わり目を狙って1-2台が右折できれば御の字かなという感じ。


そこで出番となるのは右折信号。これが出ればいいのですが、出ないのよ。出ないというのは正確じゃない。ある条件を満たせば出ます。それは、右折車が交差点内で待機すること。


今度交差点をよく観察してみてください。右折車が待機する場所の路面になにやらマットが仕込まれてます。このマットが車を感知すると右折信号が出るようになっている交差点が結構な数あります。だけど、このマットを踏んでないと右折信号は出ません。この方法は、効果的に見えて実は致命的な欠陥があります。


一部のドライバーは運転がとことんヘタで、右折時に交差点内で待機しなければいけないことを知らない。


日本だったら、右折するなら信号が青になった交差点の中心部まで出て、対向車が途切れるのを待ちますよね。ところが、アイルランドでは信号が青になっても停止線から動かないで、ただひたすらに対向車が途切れるか、はたまた右折信号が出るのを待っているアホタレがいるのです。しかも結構な数。


で、昼休みが終わろうと言うときに、差しかかったこの交差点。目の前に右折車がいるだけなので、前から2台目。フツーならすぐに右折できる状況です。


ところが。目の前にいるドライバーは青信号になっても停止線から全く動こうともせず、ひたすらに対向車が途切れるか、はたまた右折信号が出るのを待ってます。上に書いたとおり、右折信号は交差点内で待機してないと出ません。で、右折信号が出ることなしに信号が赤になります。この運転手、実に実にヘタクソでして、交差点内で待機してないから、信号が赤になった一瞬をついて右折することもできません。


二度目の青信号。…停止線から動きません。また赤になります。


三度目の青信号。それでも停止線から動きません。そこにいたら右折信号が出ると思っていたら大間違いなのですが。そろそろ後ろからクラクションが聞こえてきました。後ろの運転手さん、かなりイラついてます(当たり前か)。


四度目の青信号。呆れたことに、まだ動かない!私が運転手だったら、今ごろ後ろからクラクションからパッシングからありとあらゆる方法で怒ってますが、助手席に座っている私はおとなしくしてました。私たちの直後の車はついに諦めて直進してしまいました。


五度目の青信号。ついにキレた後ろの運転手が、直進レーンから交差点内に割り込んで右折。ただ、センサーのマットを踏んでくれなかったので右折信号は出ず。


六度目の青信号。再び後ろから車が割り込んできました。この車がセンサーのマットを踏んでくれたおかげでようやく右折信号が出て右折することができました。


たかが右折するだけで所要時間8分(しかもぜんぜん混んでなかったのに)。


確かに、交差点内のセンサーのマットを踏めば右折信号が出る…なんてしってる必要はないけど、右折のときは交差点内で待機することくらい知っててほしい。また、こういうアホタレが結構な数いるのだから、右折信号が出る方法を変えればいいのだけど…たぶんそういうことはしないだろうなあ。この国は。


笑ったのは運転してた同僚の女性。口汚い言葉で、「そこのババー、交差点に入らないと右折信号が出ないんだよ。ヴォケ」なんて言ってますが、そういうあんただって、先月までずっと停止線で待ってる人だったでしょうが(そう、私が教えたのです)。これからも私が誰かの車に乗るたびにこの右折信号の法則を教えつづけますが、この法則がアイルランドじゅうに知れ渡るまでにあと50年はかかりそうな気配です。


2006年05月05日(金) 目撃!ダブリンバスの接触事故(解決法はアイルランド的)

午後4時前、私はO’Connell Bridgeを右折してEden Quayに入り、そこからBeresford Placeへ左折すべく信号待ちをしてました。…ってどこじゃという方、要はオコンネル橋を南から北に向かって渡って川沿いの道に入り、次の橋の交差点を左折しようと思ったわけ。…それでもわからんという方、要はダブリンの中心の中心での出来事です。


このEden QuayからBeresford Placeへの左折は、交通量が多いせいか左折レーンが2レーン用意されてます。で、私は左折後すぐの分岐をAmiens Streetに入るので右側の左折レーンの前から4番目くらいの場所で信号が変わるのを待ってました。


信号待ちの左折レーンの先頭には左車線には発車したばかりのダブリンバス、右側には、建築関係か何かと思われるワンボックスタイプの車が止まってます。


ところが、アイルランド名物、信号のサイクルを間違えた(いてっ)が起こってまして、信号が赤のうちは右から左への交通が流れるのに、どうやら次の信号が赤になるとこちらが青になるようで、要するに、こっちが青になったときは右からの交通が交差点を塞いでしまい、青になっても全く進めないわけ。


…説明の方法がヘタですか。平たく言えば信号が青になっても目の前に右からの車が並んでいるために出られないわけです。


3度目の青信号になったときに、ついに右側のワンボックスカーがキレました。左側にバスが止まっているのに関わらず、バスの前に開いた(と思われる)わずかなスペースから交差点内に突っ込もうとします。バスが、ブーブークラクションを鳴らすのに無視。で、バスのほうに思いきり寄ったと思ったら次の瞬間バスに思いっきり自分のドアミラーをかち当てます


大したことじゃない程度ですが、接触事故です。


すると、バスの運転手さんが多分怒ったのでしょう。そりゃそうだ。クラクションを鳴らしているのに、さらにバスが横にいるのを知っていながら突っ込んでくるなど愚の骨頂。怒ってしかるべきです。


バスの運転手さんは窓から手をにゅっと出してこっちに来いと合図します。「おお、ダブリンバスの運転手さんも怒るときは怒るな」わくわくしながら眺めていると、ワンボックスカーは果たしてバスの運転手の脇に止まります。すると、バスの運転手さんは窓から差し出した手をさらに伸ばして…


曲がったワンボックスカーのドアミラーを直してあげました。


えっ?怒るんじゃないの?


キョトーンと後ろから眺めている私のことを気づくはずもなく、バスの運転手さんはさし出した手で「行っていいよ」と合図。ワンボックスカーは走り去っていきました。


これだけのさやかな出来事でしたが、アイルランド的だなあと考えさせられました。これでいいんだろうなあ、アイルランド(ため息)。


2006年05月04日(木) くされAMCバスは、やっぱりくされバスだった。

本当にひさびさにくされAMCバスを使いました。ほとんどの読者さんはご存じないでしょうが、この日記開設間もない2002年の春あたりにこのくされバス会社の悪口を散々書き連ねました。この会社、陸の孤島であるうちの会社と市内を結ぶシャトルバスサービスを担っているのですが、まあ、定刻通りに運行なんてまさに夢の夢で、他のバス会社が捨てたポンコツバスで、ひどいサービスを提供してます。


実は、私が車を買ったのは、このくされAMCバスがあまりにひどくてとことんまでに愛想を尽かしたからに他ならないのです。


で、今朝、某修理工場に定期的な整備のために車を預けてきました。で、夕方車を取りに行くために本当に3年ぶりくらいにこのくされAMCバスに乗ったのです。


バス到着は意外にして定刻通り。バスがバス停に近づくといっしょにバスを待っていた同僚が言うのです。


同僚:「あ、この運転手、いちばん運転が荒い運転手だ」


…なるほど。濡れた路面にタイヤをロックさせながらバス停に入ってくるんだからただもんじゃないわ。


乗り込んだバスは、マニアックで恐縮ですが、元ダブリンバスでcityimpとして活躍していたミニバス。ダブリンバスがいい加減5年も昔に捨てた車体を未だにだましだまし使っている様子。見る人がみれば、そのくたびれぶりはごまかしようがないわけで。


私たちが乗り込んだ後、発車まで数分の余裕があった運転手は、おりしも到着した別のくされAMCバスの運転手とくっちゃべるためにバスを離れる。彼が運転席を離れた瞬間バスが後進を始める。そう、サイドブレーキを引き忘れていたんですね。このアンポンタン運転手は。私があっと思ったときはすでに遅く、後ろに停まっていた別のくされAMCバスに衝突。とてもプロの運転手とは思えないお粗末な事故。


結果、後ろのバスの樹脂バンパーは見事に割れてしまいました。なのに、この運転手はへらへら笑っているだけで意に介さない様子。


そんなことでいいのか?


そのあとも実に乱暴にバスを運転してくれまして、市中心部についた時には私はげっそりと疲れ果ててしまいました。これなら、自分で車を運転したほうがはるかに楽だと実感しました。




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