なべて世はこともなし
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|アイルランド真実紀行へ
2006年02月28日(火) |
意外に近くにいた。土曜日のRiotsの被害者。 |
私が、辞める辞めると大騒ぎしてるくされ会社。大ボスのひとりにアイルランド人ではない女性がいます。この女性、身長は190センチ近くあるのではないかというかなり目立つ女性。ただ、社員の多くに彼女の存在は恐れられています。その武勇伝たるや数知れずですが、その中のひとつ。
うちの会社、ごく一部の上司は自分の駐車スペースがあります。私たちヒラは駐車場はあるけど別にどこに停めようと勝手。実際上司の「指定席」とヒラの「自由席」はほとんど隣り合わせなのであまり意味はないのです。ですが、この大ボス、自分の駐車スペースに誰かが駐車すると烈火のごとく怒ります。ほんの5台分向こうの自由スペースに車を停めることができないようです。
で、私とほぼ同じに入社した(そしてすでに退社した)アイルランド人の女の子。結構スレンダーでかわいかったなー(遠い目)...という話ではなく、彼女が初めて出社した日。初めて出勤した日です。そんな駐車場に上司用のスペースがあるなんて知りっこないです。彼女はこともあろうにこの大ボスの指定位置に停めてしまったのです。
で、大ボスが午前10時くらいに出勤してきて大騒ぎ。会社中に「02D12345(仮名の登録番号)の持ち主は今すぐ車を移動せよ」と一斉メールを送信。かわいそうな新人社員が表に出ていると、この大ボスが彼女の車の前に仁王立ちしてまして、
ボス:「あんた、ここ、誰の駐車スペースか知ってるの?」 新人:「え?ここ、指定スペースだったのですか。私、今日から仕事を始めたもの…」 ボス:「言い訳はしなくていい!さっさとあんたの車をどけて私の車を停めなさい!」
と、自分の超大型車のキーを彼女に投げつける。とことん同情に絶えないのがこの新人。自分の車はマーチサイズの超小型車。いきなり、メルセデスクラスの車を駐車しろと言われても困りますよね。
新人:「え?すいませんでした。今すぐ私の車をどけますので(だからあなたの車は自分でやって)」 ボス:「いいから私の車も動かしなさい!」
この新人社員、入社一日目にして泣いちゃったそうな(かわいそう)。
なんで、こんな話を始めたかと言うと、この大ボス自慢の大型車、土曜日に市内のNassau Streetに停めていたそうな。そこに起こった動乱。彼女の車は…(以下、想像がつくと思うので略)。
やはりダブリンは狭いと思った事件でした。
おまけ。出回っている画像つきメール。「これが土曜日の動乱の真実」

2006年02月26日(日) |
知らぬがホトケのOpportunities 2006 |
土曜日の昼下がり、FASのOpportunities 2006へ行ってきました。
うちからバスで行こうと思ったのですが、バスが来ない来ない。時刻表によれば3台のバスが来てもいいはずなのにバスが来ない。こうまで遅れると次にやってきたバスは満員と相場が決まっているのですが、30分後に来たバスはほとんどすっからかん。土曜日の午後1時といういちばん街が混みあう時間にしてヘンです。
ほんで、街に程近いCroke Park Stadiumが今回のOpportunities 2006の会場。そもそもOpportunities 2006とは、アイルランド版の職安FASが年に一度催す就職や、スキルアップのためのショーケースです(カタカナばかりで申し訳ないけどうまく訳せなかったので失礼)。
 初めて入ったCroke Park Stadiumは割ときれい。 試合なんかがあると汚れるんでしょうが。
あまり期待はしないで行ったのですが、まあ、大した会社も来てなきゃ、興味のあるコースがあるわけでもなし、ひでばかすとふたりで30分ほどで早々と退散。そのままうちの近所のパブへ。
このパブで信じられないものを見ました。
ちょっと隠し撮り
バーのシェフと客がカウンター越しに賭けポーカーをしている。ちなみに掛け金は5ユーロ。
言わずもがな違法です。良くは知らんけど、これが当局にバレたら、多分パブは罰金とか悪くすると営業停止とかまずいことにあるのではないかと思う。パブでバーマンにトランプをして怒られている人は見たことはあるけど、パブの内部の人間が堂々と昼日中に賭けポーカーをやっていると言うことにはさすがの私もびっくりしました。
で、翌日の日曜版の新聞を見て唖然。
なにこれ?某掲示板で拾ってきた動画リンク
どうもダブリンで北アイルランドから来たオレンジ党グループがデモ行進をしようとして、それに一部の人間が乗じて暴力で対応して一部が暴徒化した模様。
人の話や新聞を総合すると、なにやらこの暴徒化はかなりの確信犯で行われたらしいです。こういう言い方はどうかと思うけど、この暴徒なんて政治的な背景があるというよりはむしろただ騒ぎを起こしたかっただけではないかと。で、群集心理で車を燃やして、ついでNikeのランニングシューズがほしいもんだから目についた靴屋を襲ったのではないか。あえて、はっきり言えばアホですよ。こいつら。
で、もっとアホなのは、こんな暴動があったことすらつゆ知らずに、なんで今年のOpportunities 2006の人出が少ないなあと思っていた私かと。私より気づくのが遅かったひでばかすはもっとアホタレですが。
遠く日本にいるうちの親ですら、このニュースを知っていたので、アイルランドに対する印象の悪化は避けられないような気がします。観光がかなりの外貨収入の源となっている国ですから、この影響はあとでボディーブローのようにじわじわと聞いてきそうな気もします。ま、自業自得といえばそれまでですが。
2006年02月24日(金) |
すいません。また会社の愚痴です。 |
あと1ヶ月で会社から勤続ボーナス(ン十万円)をもらい、その日に辞表提出を狙っている私ですが、今勤めてる会社、状況は時々刻々ひどくなってます。よくもここまで社員をトホホな気分にできるもんだと、ある意味感心します。
トホホその(1)ズル休み事件
月曜日、火曜日と2本づつ歯を抜いたことはすでに報告済み。まあ、何だかんだで歯が痛かった。火曜日なんか本人には自覚はなかったものの死にそうな顔をしていたらしく、同僚みんなから早退を勧められる始末。
で、水曜日の朝、歯は痛いし、ひでー顔をしてたので(いつものこととか言うな)会社を休ませてもらうことにした。ま、ずる休みといえばそうなんだけどね。
そして木曜日。私の上司がやってきた。
上司:「診断書持って来た?」 私:「ハァ?何の話ですか」 上司:「昨日休んだでしょ。だから医師の診断書がいる」 私:「医者になんか行ってませんが。あんた、私のこの歯を見てないの?」 上司:「いや、今年から医師の診断書なしでの病欠は『ズル休み』と扱うことになったから。これ、勤務評定に響くからね」 私:「どうせ最低の評価しかくれないんでしょ。勝手にしてください」(←もう投げやりなのでホントにこう言った)
…実際この通りなんですよ。もう勝手にしてください。どうせあと1ヶ月でさよならなんだから。
トホホその(2)デスクトップの背景事件
皆様がお勤めの会社、デスクトップの壁紙には何らかの制約があるでしょうか。このくされ会社の場合、コンピュータウィルスの入り込む可能性のあるスクリーンセイバーは禁止、だけど背景は基本的に自由…でした。かくして、人によっては美しい風景写真を入れたりとか、有名人の写真を入れたりとかささやかにコンピュータを飾っていたわけ。ちなみに私の壁紙は、会社へのアンチテーゼでDilbert’sでした。
で、「病欠」のあと会社に行ってみると、壁紙が会社のロゴとスローガンの書かれたセンスがないだけでなく、気分的に凹む壁紙に強制変更されてました。冗談抜きで反吐が出そうなひでー壁紙です。なんで、こんなことまでして社員を落ち込ませたいのか私には謎です。できることならこの壁紙をここで公開してやりたい気分ですが。
かくして、もう完全に愛想の尽きたこの会社、金曜日なんていつも以上にやる気なしなので、アイルランド系のブログを検索して遊んでました。親の転勤で来ている中学生と思われる人のブログとか、駐在員さんのニョーボのブログとかいろいろあるもんです。
そんな中でひとつのブログを読んで、けたけた笑ってました。誰がどう見ても関西系の方でして、おもしろい。で、最初はけたけた笑い転げてたのですが、途中で気がついてしまいました。…この人、間違いなく私の知り合いの知り合いだ。
私の知り合いに連れて行ってもらったレストランのことを勧めてるし、友達の家にあったやたらとマイナーなDVDのことをネタにしてる。ああ、ダブリンの日本人社会の狭さを再確認させられました。たぶん、これを読んでいる人数人は、私がどのページをネタにして、どの友人のことを言っているかバレているんだろうなあ。
2006年02月23日(木) |
ダブリンのありがたみ0の無料新聞 |
うちからBrayの歯医者さんまでは片道30キロと結構な距離です。朝8時のアポに間に合うためには、朝の7時に家を出て、30分くらいかけて市内までの渋滞を抜け、さらに30分で、郊外に向けて込みに混んだ対向車線を横目にすっ飛ばしていくわけです。…実はすっ飛ばしたくても片側2車線のN11(国道11号線)は信号の連続で、しかも、必ず信号に捕まるようにできているというイライラ道路ですが(日本でもよくありますよね。こういう無意味にイライラさせる道路)。
今日は歯医者ネタじゃないのです。その途中で無料でもらったものの話です。
そう。新聞。
去年のいつ頃だったか、ロンドンとかでもおなじみの無料新聞Metroがダブリンに殴り込みをかけてきました。で、それでシマを荒らされたのかどうだかは知りませんが、Irish Independ社がHerald AMなどという無料誌を発行するようになり、現在、ダブリン市内ではこの2誌が無料で読める新聞ということになってます。
渋滞する大きな交差点で信号待ちをしていると、たいがい中国系か東欧系か色の黒い系かの人がこのどちらかの新聞をウィンドウごしに配りに来ます。ただ、注意すべきは、他の有料のStarなんかもたまに売られているのでうっかり手を出すと実は有料だった...というオチがあることでしょうか(断ればいいだけの話ですが)。
普段の私はダブリン市内を片道15キロも運転しているにも拘らず、この無料新聞をもらうことはまずありません。渋滞する大きな交差点はなるべく避けるようにしているからなのですが。で、唯一、新聞を配っている交差点、なぜかこの信号だけはいつも私には青でもらえずに通過してしまうわけです。
この「無料」の新聞。私は基本的に反対です。何せ、「無料」なのでありがたみがまったくといっていいほどありません。つまり
もらう→表紙を眺める→ポイ
という人が結構いそうなのです。車通勤の会社の同僚の机の上にもよくこの無料誌が置いてありますが、どう見ても開いた形跡なし。
道路では、車以外にも歩行者むけに配っているところもあります。例えば駅とか。これはこれでまた問題でして、まあ、DARTやバスの車内に新聞を置いてゆく人多数。日本だったら網棚の上とかにちゃんと折りたたんでおいていきそうですが、こっちはシートの上に置きっぱなしにして、それを後の人が床に放り投げて、床で新聞が散乱して車内が見るに耐えない状況になるというのはほとんど定番コースです。かくして両方の新聞には
PLEASE DO NOT LITTER. TAKE YOUR METRO WITH YOU OR DISPOSE OF IT THOUGHTFULLY
KEEP DUBLIN TIDY: When you are finished reading today, please recycle this copy of Herald AM
…と、トップページに書かれてますが、効果のほどは…。効果のほどといえば、果たして広告主に費用に対する効果が出ているのか、ひいてはこの新聞がうまくいってるのか非常に疑問です。
新聞の内容は、どうもMetroのほうが芸能ネタなどのやわからめが好きのような印象を受けました。かくして、芸能に全くついていけない私はどちらかと言えばHerald AMの方が好きかな。ただ、どっちも無料ということだけあって、Irish TimesやIrish Independentのようなアイルランドの政治について切り込んだような記事…というのはあまり見かけない印象を受けます。もっとも私は興味がないのでそれはそれでいいんですけどね。
ちなみにうちのひでかすも、Herald AMの方が好きだそうです。理由は「Sudokuがついてるから」だそうです。…ってMetroにもSudokuはついてますが、Herald AMの方が3つついていておトクだとか…。
写真の新聞、緑のリサイクルボックスにポイしますが、果たしてリサイクルされるのかどうかも疑問です。ああ、資源の無駄。
2006年02月20日(月) |
いまさら歯の矯正を始めました(4) |
ついにその日はやってきました。
抜歯。
1回2本。2回で4本という無理があるんだかないんだかさっぱりわからない予定。掲示板では「歯を抜くのは指を落とすのと同じだからね〜」と脅されて(ご意見、あまりにごもっとも)、最初はなんとも思ってなかったのにだんだん怖くなってきた。
かかりつけの歯医者さんは、こともあろうにダブリン北部にある私の家から30キロほど離れたBray。ここまで鬱な気分で朝早くに車を走らせる。
そしてアポの時間の5分前という理想的な時間に到着。歯医者さんの前の通りはパーキングチケットを事前に購入してそれをフロントガラスに貼る方式。さて、一体どのくらいいるんだろうと考えた挙げ句、二本も歯を抜くんだから2時間くらいはいるんじゃないかとにらんで、2時間分のチケットを購入。
受付で名前を言うと、待合室で待つまでもなく、そのまま診察室へ。いつも愛想の良いセンセイは月曜日の朝の8時だというのに元気そのもの。一通りのあいさつのあと、さっそく麻酔をぶすぶす打ち始める。
数分後。ペンチのようなもんを持ってきたと思ったら、一気に左側の4番目の下の歯を抜いた…みたい。そりゃ麻酔が効いてるから痛くなかったよ。それにしても、なんでたった数秒で20数年寄り添ってきた健康な歯が抜けるのよ?その真上の歯も同様。所要はわずか数秒。そのあまりの呆気なさに私は呆然としてしまう。そりゃ痛くなくて良かった。歯医者さんは慣れているんだろう。だけどさ、自分の親と一緒にいた期間以上の期間一緒に過ごした、言ってみりゃ親子以上の関係の歯をあっという間に抜いてしまうというのはなんだかひどい行為のような気がする。
で、抜いた部分に止血も兼ねてガーゼをかぶせ、それを噛むようにしておしまい。所要15分。…そう、たったの15分。おーい、2時間分のパーキングチケットを買った私はただのアホ?
で、センセイは、「じゃあまた明日ね。こういうことはさっさとすませてしまおう」
…へ、あ、あ、明日?
会社に着いて壁にかけたカレンダーを見て気がついた。
今日だと思っていた予約は実は明日だったということに。
そう、今日は、アポもないのに歯医者に行ってしまったわけ。そのことをひとことも言わずに黙って歯を抜いてくれたこのセンセイは偉大なのか、それとも私以上のおマヌケで私が日付を間違ったことに気がついてないのか。
で、そのまま大渋滞中の高速を使って会社へ。途中で、たぶん麻酔が切れたときに必要になると思われる鎮痛剤を購入。
会社では、まあ、いろんな意見が出まして。いわく、今日は乳製品を食べちゃ駄目とか、鎮痛剤を飲む前には牛乳を飲まなきゃだけとか(矛盾してますが)、あとで顔が腫れるから氷で冷やせとか。一番嬉しかったのは、ゲイの同僚がハーブティーを持ってきて、「これを飲めば殺菌作用があるよ」と言ってくれたこと。この細やかな気配りは本当に見習うべきだと思いました。
で、たぶん日本のそれよりはるかに強烈な、麻酔が切れたのは抜歯後4時間以上が経った昼過ぎ。そのあと、確かに鎮痛剤を飲んだものの、心配したほど痛みはなく、顔が腫れることもなく現在に至ります。ただ、歯を抜いた後のクレーターのような穴が物悲しい。…ちゅうか、こんな大穴、一体どうやって今ある歯を移動させて埋めるのか本気で疑問です。
明日さらに2本右側の歯を抜きます。これをやられると、いよいよ噛むことができなくなるので、Snigel断食の危機です。続く。
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