なべて世はこともなし
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|アイルランド真実紀行へ
2005年11月17日(木) |
うちの住人の母の揃い踏み |
ここ数日、帰宅するたびに事件が発生してます。
まず、おとといの夜のお話。うちの、ドイツ人の同居人(女)が私に言うのです。
同居人:「今、お母さんが遊びに来てるから(日曜日からうちに滞在してます)、一緒にウェストコークかケリーに行こうと思って」 私:「ふーん、いいんじゃない?そしたら車でも借りるの?」 同居人:「いや、バスで行こうと思ってるけど」 私:「あっそう、そしたらケリーは遠いからゴルウェイとかにした方がいいんじゃない?」
で、翌朝(つまり昨日の朝ねん)超のつく早朝にふたりは出かけていきました。
で、しがない勤め人の私はフツーに会社に行き、夕方帰ってきた。で、玄関前に一瞬立ち尽くす。
玄関のドアが少し開いている。
そう、施錠もされてなくて、ドアが開いてるんですよ。すわ、ドロボーにやられたのかと不安になります。で、中に入ると、このドイツ人の同居人のお母さんがやったのか、台所は荒らされてるどころかきれい。私の部屋は荒らされていたが、なんのことはない、自分で汚しただけだった…というわけで無事。そう、どうやら、このドイツ人母娘がドアを閉めずに出かけたらしいのだ(正確には母が忘れたらしいが...フツー忘れるか?)
こりゃ、ケリーだかゴルウェイだかから帰ってきたらとっちめなきゃいかんな…と思う。
で、その夜遅くにドイツ人母娘が帰ってきた。あれ、ケリーに行ったんじゃなかったっけか?
私:「お帰り。ケリーに行くんじゃなかったの?」 同居人:「ケリーは遠いからゴルウェイに行ってきた」
へっ?ゴルウェイ日帰り?
私:「え?日帰りで。Cliff of Moherとかは行ったの?」 同居人:「時間がなくて無理だった」
そりゃそうでしょう。ゴルウェイまで片道少なくとも3時間。往復6時間。ゴルウェイ日帰りを考えるというのはすごすぎる。
同居人:「ゴルウェイなんて何もなくてつまんなかった」
あーのーなー、何を言っとるのだ。あそこは、レストランだとかパブとかのナイトライフを楽しむ街でしょうが。昼下がりのEire Squareを見たところで何の意味があるというのか。まさに仁和寺の法師の話ですな。
ドアの件、文句は言いましたが、訳のわからん話の展開に怒りがそがれてしまったのであまり文句を言うことができなかった。
これが昨日の話。そして今日。
渋滞を抜けて帰ってきて、車を停めてドアを開ける。すると中には見慣れぬ女性。あ、ドイツ人同居人母だなと思う。良く見ると足元には荷物。あれ、ドイツ人同居人母、明後日帰るんじゃなかったけか?私は拙いドイツ語で「あれ、今から空港に行かれるんですか?」と聞いてみる。…通じない。私のドイツ語が駄目とかいう以前に何かが変だ。数秒考えてやっと気がついた。
この女性、君の瞳は星だらけのフランス人同居人の母だ。
なんでうちの同居人は同時に母親を家に連れてくるんだ?しかもひとりはドイツから、ひとりはフランスから。
困ったことには、この、フランス人母、まーったく英語を話さないのだ。とっさに私が取った方法。
指さし!
作者の特権でうちには指さしシリーズが「参考文献」という形でほぼ全巻揃ってます。フランスは「フランス編」と「食べるフランス」が揃っているという充実ぶり。これでなんとか急場をしのぎました。
それにしても君の瞳は星だらけのフランス人、訳のわからん口説き文句よりも、母親がくるなら事前になぜわしに言わん。
で、指さしで会話した結果、持ってきたボジョレーヌーボーを飲ませてくれるという話でしたが、もう午後11時になるのですが…(もうあきらめてベルギービールを飲んでる私)。
2005年11月16日(水) |
続:Bank of IrelandはBank of Idiotという読者さんは正しい |
私の会社の直属の上司、Derek(仮名)は私とほぼ同い年のアイルランド人男性。彼、最後に床屋に行ったのは10歳のときだそうな。信じてもらえるかどうか、それ以来、ずーっと自分で髪を切ってるんだそうな。
自分のことはさておき、どんな髪型をしてるかというと、前髪は揃えられたマコトちゃん、横は耳まで伸びており一言で言えば、ビートルズカットのどうしようもない出来損ない。頭頂部から耳まで一気に長い髪が伸びていて突然切られている様は一見の価値あり。写真を公開できないのが本気で残念。
今朝、彼を見ると、どうやらひさびさに髪を切った(「切りに行った」ではなく「切った」)模様。声をかけてみました。
私:「おはよう。髪切ったの?」 Derek:「おはよう。そう言われるの今日もう2回目なんだよね。昨夜髪を洗っただけなんだけど…」
なんですと?
あーた一体どれくらいの割で髪を切ってるのよ?とのどの先まででかかったけど怖くて聞けなかった。
11月7日の日記に書いた、アホアホBank of Ireland。ネタにされた読者さんから抗議の電話が入りました。
読者さん:「口座から金が引き落とされたことを書いてないじゃないか!」
そうなのです。使ってもいない300ユーロ、「心配しなくても大丈夫」と言われたのに、しっかり金が口座から落とされているという罠。ここでも「アイルランド人のいう大丈夫ほど大丈夫じゃないものはない」という法則が成り立っている(詳しくは拙書、「指さし」をご参照くだされ)。
で、かくいう私のとこにも、新しいカードがきましたよ。
上が銀行の社用封筒を使った暗証番号を書いた手紙、下がクレジットカードが入った自称「社用封筒を使ってないセキリュティに配慮した手紙」
はい。ちゃんと着いたから良い。結果オーライ。でもさ、郵便局のスト紛いのおかげでこの二つが同じ日についたというのも事実。万一にも盗まれてたら、新しいカードはあるわ、暗証番号はあるわで、犯罪者にとっては願ったり叶ったりな状況になっていたはず。
11月7日と同じ結末で申し訳ないけどいわずにはおれない。
Bank of Idiotお前救いようのないバカだろう。
2005年11月15日(火) |
目からウロコのドンマイ |
紀宮さまと黒田さんが結婚されたとのニュース。はい。結婚はおめでたいことです。で、それ自体は別にこの日記で書くようなことでもないのですが、このニュースを読んで、目からウロコが落ちました。
ドンマイ
コドモのときからこの言葉の意味を知っていて、たまに使ったような記憶がありますが、この言葉が、don't mindだとはこの記事を読むまでぜーんぜん気がつきませんでした。言われて見りゃそうだけど、英語から来てる言葉とは気がつかなかったなあ。
大丈夫なのか?指さし作者。
言い訳をさせてもらうと、アイルランドではどちらかと言うとdon't mindじゃなくて、never mindという気がします。ゆえに、ドンマイではなく、ネバマイならさすがの私も気がついていた…と…思う。でもさ、少年野球のコドモが「ドンマイ」なんて言ってるけど(少なくともわしの時代は言ってたんだい)果たしてどれだけの人が意味をわかって言ってるやら。
まあ、そんなことはドンマイで、本題に入りましょう。
ただいま、うちの会社の部の主任さん職に空きが出まして、主任さんを公募してます。以前、私のとこにお鉢が回ってきかけて断ったとこでして、今回は公募。野心ある同僚数名がすでに応募したらしいです。私は…応募しません。
今のマネージメントは完全におかしくて間違ってると思います。ところが、それをおおっぴらに批判できる雰囲気ではないのです。で、この主任さんになるにはマネージメントのありがたいお言葉を下々にあまねく伝えるということが重要な任務になるわけですな。きれいごと以外の何物でもないですが、自分が間違ってると思うことを人に押しつけるなんてできませんから、主任さんになどなれません。
しかも、以前にお鉢が回ってきたときとはマネージメント連中が完全に入れ替わってまして、仮に私が応募しても間違いなく主任さんにはなれません。勤続年数とか経験から言えば私がなるのが一番自然という気がするのですが。これは、ドイツ人の同僚がいみじくも言ってたこと。
「私より経験の浅い彼女のほうが主任さんになる可能性が高いわね。だって、彼女、アイリッシュだもん」
うーん、残念ながら彼女は正しい。最近は昇進できるのはみんなアイリッシュだけになったもんなあ。証拠はないけど、上がそういう方針であることを強く感じる。
そろそろこの会社も潮時な気がするけど、なかなか別のいい仕事も見つからない。たぶん、このままで年を越しそうな雰囲気です。
そうそう、9月5日の日記に書いた「各国の伝統料理を持参して昼食会を開く」というトホホ企画、ほんとうにやりやがったんですよ。このアホアホ会社。「毎月」でなく「単発イベント」としてですが。
言い出しっぺのスーパーアホバイザーは当然、この企画を別の平社員に丸投げ。この結構仲のいいヒラ社員が私のとこに泣きついてきまして、「お願いだから何か日本食を作って」と言ってくる。で、調べたら、戸棚の中に賞味期限が2年切れたフリーズドライ赤飯があったので、それをおにぎりにして持って行った。自分で言うとなんだけど、塩味が効いてておいしかった。賞味期限は2年切れてたけど。
でもねえ、全然売れなかったですね。不人気。ほとんど売れ残ったので冷凍してうちのガレージにあるしたいも保存できる巨大冷凍庫に放り込みました。うーん、赤飯って確かに色も毒々しい気がするし、こっちの人にとっては気味悪いたべものなんですかねえ。ま、義理は果たしたし、しばらくご飯を炊かなくていいので異論はありませんけど。
2005年11月13日(日) |
ドイツの国鉄から更新 |
注:オチもくそもないだらだら日記です。
さてふたたびドイツ国鉄の車内からの更新です。今日乗っている列車はドイツの誇る新幹線ICEではなくIC(InterCity)です。で、旧型だからかなんだか知りませんが、コンピュータ用の電源コンセントがない。さあ電源がなくなるか、更新が終わるかどっちが先か。
今日の車内はっきり言って最悪です。まさかICまで混んでないだろうという予測の甘さで予約なしで乗ってみたら見事にゲロ込み。ようやく見つかった席は喫煙席。この列車、一両ごとに禁煙席と喫煙席に分けられているらしく、薄い壁の向こうは禁煙席。仕方ないから乗ってますが、煙たい。
この日記の長い読者さんならご存知でしょうが、私は別に嫌煙派の人間じゃあありません。むしろ、吸いたかったらどうぞ吸ってちょうだいといういわば容認派です。というか容認派でした。…ところが、慣れというのは怖いもの。アイルランドで煙のない生活を一年以上していると、煙がないのが当たり前に思えてくるから不思議です。考えてみれば、たった一年半前まで、パブなどで当たり前にタバコがすえていたのに、公共の場での禁煙が実施されて、この短い間に私の考えが根本から変わったというのは素朴に驚きです。とはいえ、逆に今度喫煙が公共の場で認められることになったときにそれを認めることができるかどうかは疑問ですが。
現在のところ、ドイツは日本同様愛煙家にとっては肩身は狭くなってきたとはいえ、まだまだマシです。タバコは一箱5ユーロ程度とアイルランドよりはるかに安い。値段だけじゃあない。パブでもタバコは吸えるし、昨日行ったレストランでも隣の席でタバコを何気なく吸っていた(この時もちょっとした違和感を覚えたことは事実)。駅も未だに喫煙エリアがあるし、列車も今書いたとおり喫煙席がある。言ってみれば、未だに喫煙者に対し人権が認められた国といえそうです。
ほんで時間は飛んでただいまエアリンガスの機内。オーバーブックされていたせいでか、機材が変更されてます。おかげで隣に誰もいないのがいい。が、しかし、いつものことながら、品のないアホな一部のアイリッシュが私の席の後ろで大騒ぎしてます。窓が開くならつまみ出したい気分。まあ、乗ったときからずーっと騒ぎっぱなし…だったのですが、乱気流のせいでヒコーキが揺れ始めた瞬間に借りてきた猫のように静かになりました。
で、今回のフライトオーバーブッキングをしていることはわかっていたので興味本位で、もし乗れないときはどうなるか調べてみました。EUの規則によると、オーバーブッキングで予約されたヒコーキに乗れずに2時間以上の遅れが出る場合は、航空会社は150ユーロのコンペンセーション(日本語でなんていうの?「免責金」「お詫び金」?)プラス、必要ならホテル代・食事代、および、通信費をなど払わなきゃいけないんだそうな(注:飛ぶ距離などによって違うそうな)。
まあ、150ユーロしか払われずに、デュッセルドルフに一泊して明日会社に遅刻して…なんてまったく割に合わないのですが、よく読むとこんなことを書いてました。
「コンペンセーションはチケット代を超える必要はない」
…ってことは私の場合、万が一にオーバーブッキングで乗れなかったら、5ユーロしか払ってない私は5ユーロのコンペンセーションしかもらえないわけですか。仮に、ホテル代が出たとしても5ユーロですよ。5ユーロ。
…冗談じゃあないわ。
何せ、自分が予約した客の中で一番最低限の運賃しか払ってない自信があるので(どういう自信やねん)、いの一番にほっぽり出されるのは自分という自信があったので、ほんの少しだけ不安でしたが、フタを開けてみると機材変更というわけですが。まあ、エアリンガスさんのこと、まさか5ユーロのコンペンセーションでことを済ませようとしていたとは思いませんが、Ryanairならやりかねんな…と密かに思った次第。
電池がなくなってきたので今日の更新はここまで。明日からまたフツーどおり仕事だと思うと死ぬほど欝です。
2005年11月09日(水) |
ミニ更新:ロンドンバスの行く末とは |
ロンドン名物の旧型2階建てバス、老朽化などで引退
12月で引退することになったロンドンの名物バス=中村光一撮影 【ロンドン=中村宏之】ロンドン名物のドアなし旧型2階建てバスが、12月9日を最後に一般路線から引退する。
半世紀にわたって街を駆け抜け、優美な姿と乗り降りが自由な開放感からロンドン市民に慕われたが、車体の老朽化や車イスへの対応を理由に新型バスに代わるからだ。姿を消しつつある「ロンドンの象徴」に、市民の間ではお別れムードが高まっている。
「ルートマスター」と呼ばれるこの旧型バスは、1956年に運行を開始。車内では車掌が、検札業務のほか、行き先案内をしたり、混雑時にお年寄りや子供連れに席を譲るよう協力を求めたりするなど、人情味あふれる乗り物だった。
乗客は、停留所でなくても、自由に乗り降りできた。危険な飛び乗りに、車掌が大声で注意する姿もロンドンらしい光景だった。
68年の製造終了まで、ロンドン向けだけで2760台が作られた。第2次大戦中の航空機製造技術を活用した屋根やボディーは、女性的な曲線で、石造りの堅牢(けんろう)な建物が多いロンドンでは際だって見えた。
これまで、さまざまな映画のシーンに使われたほか、エリザベス英女王が在位25周年を迎えた77年には、銀色に塗装した25台の特別仕様車が、バッキンガム宮殿の周囲を走って祝福したことでも知られる。
ただ、車イスでは乗り込むことができず、障害者に配慮した公共交通機関を2016年までに整備するよう求めた欧州連合(EU)統一基準はクリアできない。車両故障や、飛び乗り・飛び降りの事故も多く、「年間1人は死者が出る」(市交通局)点も、時代にそぐわなくなっていた。
今月14日からは、「遺産ルート」と銘打った観光用路線での運行が始まるが、一般路線を走る姿を見る機会は残り少なくなり、バス停で写真を撮ったり、車掌と思い出話に花を咲かせる乗客が増えている。
子供のころからバスに親しみ、「私たちの愛したバス」の著書があるフリージャーナリスト、トラビス・エルボローさんは、「ルートマスターはロンドンの街の魅力を宣伝するために生まれてきた」と振り返り、ドア付きで乗り降りが自由にできない新型バスについては、「街の中で思いがけない発見をする楽しみが減る」と惜しむ。
一般路線を走るルートマスターは現在、市中心部を通る「159番線」の25台を残すのみ。ラストランの当日は、マラソン中継のようにテレビカメラでバスを追いかける計画もある。ロンドン市民の哀愁を乗せて、ルートマスターは半世紀の運行に幕を閉じる。
(2005年11月8日23時31分 読売新聞)
だそうです。そんな中でダブリンで発見したもの。

...そう、なぜかロンドンバス。
空港近くで走っているのを偶然発見しました。理由は不明ですが、マニアが買い取ってきたんですかね。
おまけ。

M1が通行止めで大渋滞中に突如路地裏から出てきたAircoach。 なんでこんなとこから出てくるの?という裏路地から出てきました。迷ってたのかな?
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