なべて世はこともなし
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2005年11月07日(月) Bank of IrelandはBank of Idiotという読者さんは正しい

ようやくアイルランドでも、「チップアンドピン」のクレジットカード・キャッシュカードへの移行が進んでいるようです。


「チップアンドピン」のクレジットカード・キャッシュカードとは、買い物のたびにいちいちサインをするのではなしに、レジに備えつけの機械に暗証番号を打ち込んで本人確認をしようという新しい方法。セキリュティが強化されて詐欺などへの対策になる…んだそうな。ま、暗証番号を盗み見られたらハイそれまでよ…なんですが。


ともあれ、現在通常のカードから、「チップアンドピン」のカードへの移行が進んでます。ただし、本人が希望すれば、暗証番号の入力ではなく、サインでの決済もできるらしい。



(Googleで画像検索したらこのカードが出てきた。
要は、この画像のように、前面にチップがついているカードのことね)



かくして、ある日、A5サイズの茶封筒が私宛てに届きまして…


お客様各位:
BOIはこのように会社名を書いていない封筒でカードを送ってます。これでセキュリティは強化されています(えっへん)。



中には、新しいLaser Card(デビットカード)が入っていた。


なんだかおげれつビデオを「家族にはわからないように個人名でこっそりお送りします」とかいうのと次元は変わらんな。だいたいセキュリティ強化うんぬんをほざくなら、書留とかで送ればいいだろうに。


とか思っていたら、案の定、読者さんの中でひとりやられたという報告が入ってます。


あるダブリンにお住まいの読者さん、2ヶ月ほど前に、アホアホBOI(Bank of Irelandの略だが、その読者さんいわくBank of Idiotの略だそうな)から一枚の手紙が来て…


10日以内に新しいクレジットカードを送ります。暗証番号は1234(架空)です。古いカードは60日以内に無効になります。


と言われたそうな。


ところが、10日経ち、待てど暮らせど新しいカードは来ない。2週間後しびれを切らせてBOIに電話すると…


係:「なら新しいカードを送るから、最寄りの支店名を教えて」


と言われたそうな。市内で働くこの読者さんは、市内の支店で新しいカードを手に入れたそうな。


…とまあ、ここまでなら、いい加減王国アイルランドのこと。カードを送り損ねたんだろうなあというわけで話は片付く。ところが、そのおよそ一月後に事件発生。件の読者さんがクレジットカードの利用明細を見ると、覚えのない請求が数件。しかも、市内のTescoなどからの請求。覚えのない請求額およそ300ユーロ。


読者さんはすぐさまBOIに電話。


係:「そうですか。いや、こちらの記録によりますと、古いカードと新しいカードが両方使われていたので、古いほうは2週間前にキャンセルしました」


…どうもカードが郵送中・あるいはポストから盗まれたらしい。


このかわいそうな読者さん、ダブリンになんぞいもしない同居家族がカードを盗んだなどと疑われて、結局、警察からの盗難証明と引き換えにこの300ユーロは払わなくていいということになったらしい。考えてみると、サインをしてないカードを盗まれるってものすごく危険なことだと思う。何せ、本人確認のすべがないからね。


あのー、突っ込んでいいですか。


アホか、このbank of idiot。てめーらが普通郵便でクレジットカードを送るからこういうことになるんだろうが。だいたい、この読者さんの手許にはカードが届いてないのに盗難もクソもあるか。なんで、読者さんがケーサツくんだりまで行って盗難届けを取らなきゃいけないんだよ。


で、うちの同居人のひでかす。日本に行く日(つまり先週の木曜日)、空港でお金を下ろそうとしたら、どうも使っているカードがキャンセルされてたらしく、お金を下ろせなかったんだそうな。


…あんたもカードを盗まれたクチ?


で、私は私で、「新しいクレジットカードを送ります。暗証番号は1234(架空)です。10日以内に新しいカーを送ります」と書かれた手紙がこの2週間に(同じカードに対して)二通届いたが、未だにカードそのものは届かず。


おーい、わしのカードはどこよ?


同じ手紙が日付を変えて二階届くというのがすでに変だが、だいたい、普通郵便で暗証番号を送るというのも信じられない。怖いから暗証番号は今度ATMを使ったときに変えようと思ってます…って、新しいカードが着かないとにっちもさっちも行かないんだけどね。


結論:Bank of IrelandはBank of Idiotという読者さんは正しい


2005年11月03日(木) 運だけで生きている?やたらと悪運の強い私

トップページからお情けでリンクしているうちの同居人ひでかすのブログ、「別冊アイルランド真実紀行」人がリンクしてあげてるにも拘らず(居丈高)更新が滞ってます。2週間ほどインドに行って、ようやく月曜日に帰ってきたと思ったら、今日、「弟の結婚式だ」とやらで日本に行ってしまい、来週の水曜日まで帰ってこない。ちなみにアメリカ経由でダブリンに戻ってくる彼は、実質4日しか日本にいない計算になる。で、ダブリンに帰ってきたと思ったら、翌日またインドに行くらしい。ほんで、1ヵ月後にインドから帰ってきたら、その足で日本に行き…。


インド=日本=アイルランドをまたにかける国際派ひでかす


…ってさあ、うちの家賃払ってるだけ無駄じゃないのか?と突っ込みたい。こうやって書いてるだけで疲れ果ててしまいました。


そんなひでかすに朝の5時にたたき起こされたのは私。


ひでかす:「空港まで乗っけていって」


てめー甘えんじゃねえ。路線バスで行け!


と言わずに空港まで送った私は偉いですよね。偉いと言ってくれ。ひでかすは


ひでかす:「今からどこに行くんだっけ」


と本気とも冗談ともつかないことを言ってましたが。


人のことばかり言ってますが、私もひでかすに負けず劣らずのアホアホぶりです。


10/14の日記で書いたとおり、私、5月か6月に安さに釣られてデュッセルドルフ行きの航空券を買ってすっかりと忘れていたつける薬のない私。しかも、夕方の便を予約したつもりが、朝の便を予約している。すなわち、エアリンガスのデュッセルドルフ行きは毎日2便。朝の7時ごろ出るやつと夕方の5時くらいに出るやつ。で、いつも夕方の便に乗って、午後9時に空港を出る最終のICE(特急)でハノーバーに向かうわけ。この方法だと会社で通常どおり仕事をした後に移動ができるから時間に無駄がない。かくして私はこの夕方のデュッセルドルフ行きの常連客なわけ。


で、6月の時点ではどうやら、安さだけに目が行って、間違って朝の便に予約をしてしまうという大ボケをかましてしまったわけ。「木曜日と金曜日の休みをちょうだい」とマネージャーに言ったら、マネージャー、見事におかんむりだし…無理もない。先週まるまる1週間休んだばかりだもんね。


やむなし、風邪でもひくか(ズル休みができるという点ではアイルランドは本当にいい国)と決めて、ドイツ国鉄のチケットをオンラインで買うことに。そのために正確なヒコーキの到着時刻を知ろうとエアリンガスから届いた「スケジュール変更のお知らせ」を見てみた。


ちゃんと朝ではなく夕方の便に予約されている。


なんだ、オレはそこまでアホじゃなかったんだと思い、ドイツ国鉄の午後9時発の最終の新幹線を行きにする往復券を購入。


ここまでは今週の初めの話。昨日になって何か変だと思い航空券の再確認をしてみる。


手元に残っている予約時のプリントアウトによると6月の時点では間違って朝の便を予約している。で、エアリンガスから来たスケジュール変更のメールは夕方の便の予約になっている。





狐につままれたような気分になり、エアリンガスのサイトに行って気がついた。


朝の便がキャンセルされている。


そう、もともと大ボケで間違って予約していた朝の便がキャンセルされて、その代わりに夕方の便に振り替えられたわけです。


何たる運のよさ。私の人生運だけで生きてるってホントだな。


…ただ、この事実にもっと早く気がついていたら、このチケットキャンセルできてたな。ドイツ国鉄のチケットを買ってしまった以上もう変更はできない。それにしてもそういう重要な変更なら、もっとちゃんとわかりやすいメールを送ってほしいと思う、自分がちゃんとメールを読まないことを棚に上げて人のせいに使用とする私。


で、話はここで終わらない。


このデュッセルドルフ9時発のハノーバー行きの最終のICE。この列車以上に乗り心地のいい列車はないと言い切れます。なにせ、がーらがら。すーかすか。1両に2人とか3人しか乗ってないんじゃないだろうか。いつも、食堂車で軽く食事して、そのあとコンパートメントで長くなって寝るというのが定番。おかげでこの3時間近い旅はまったく苦にならない。


で、すでにクリスマスも全く同じ旅程(つまり夕方のデュッセルドルフ行きのヒコーキに乗る)でチケットを買ってます。で、来週のチケットを買ったついでにクリスマスのチケットも買おうと思ったのだが思わぬ問題発生。


このICEの運行終了。


ええと、注意深く読まれた方はお気づきかもしれませんが、私、このICEが最終と書きました。そう、夜デュッセルドルフに着いてもその先の列車がないのです。


…どうしよう。


ヒコーキの変更はもはや無理。私、この往復券を100ユーロで買ったのですが、現在同じ旅程は350ユーロするようです(つまり、値段が跳ね上がった)。夜行列車もあるにはあるが朝の3時発。まあ、ヒコーキと列車には何のつながりもないのだからこうなっても文句のいいようがないけど…ああ、その昔、ロンドン経由でハノーバーまで一気に飛んでいた頃が懐かしい。「point to point」(単純にA地点からB地点に移動するチケット)が主流になった今、乗り継ぎのチケットは高くなって実用的じゃなくなってしまったのだ。


ま、なんとかなるべ…と、また、運だけで解決を狙う能天気な私。


2005年11月01日(火) 業務連絡

数日前の日記で初めて満足した美容師さんの話をしましたが、何とまあかなりの数の反響(というか「その美容師さんを教えて」)という数のメールが届きました。これらの方には本日一部コピペのメールを送らせていただいたのでご確認ください。万一お返事が届いていない方はご一報を。また、溜まっていたメールのお返事を終えたつもりなので、返事が来てない方はこれまたご一報を。

今日の夕方、会社からの帰宅途中、これでもかというくらいの交通取締の白バイを見ましたが、「秋の交通安全運動」でもやってるんですか?

以上業務連絡でした。


2005年10月30日(日) 体験、ドイツのハードコアサウナ

ご無沙汰なので日ごろの3−4倍の分量です。情景を想像してもらえるように状況説明に力を入れて書いてますので、状況を想像しながら読んでいただけるとうれしいです。


ごぶさたしてます。ただいま私はドイツ国鉄が誇る特急ICEの中です。素朴にほめてもいいと思うことは、この特急電車、テーブル席(3−4人がけで真ん中にテーブルのある席)はコンピュータ用の電源がついてるんですよね。というわけで、バッテリー残量を気にしなくてこうやって日記の更新なんぞができるわけです(って実はこの原稿の半分以上は結局自宅で書いたんだけど)。


まあいつものことなんですが、このドイツ国鉄には泣かされます。誰が言ったかドイツ国鉄は時間に正確。これ、まったくのウソだと私はここに言って憚らないわけです。Mausi宅近所の無人駅からいつも列車に乗るのですが、こいつが10分遅れました。ハノーバー駅でののりかえ時間は9分。つまり間に合わないわけですよ。


で、列車は2分遅れを取り戻しまして、ハノーバー駅に8分遅れで到着。私はこのラップトップを含む荷物を持って1分で階段を駆け下り、コンコースを走り、階段を駆け上がり特急の待つホームに行き、さらにこの特急は途中で分割されるもんだからホームを走って列車に乗り込みましたよ。


結果、特急は5分遅れてまったく走る必要はなかったとさ。






そんなことはどーだっていいんです。本日のお題はドイツの誇る(?)ハードコアサウナについてです。


Mausiの住む村の村外れにあやしいフェンスに囲まれた「スポーツプラザ」があります。ここ、森の奥にあるようで通りからは中をうかがい知ることができず、ありていに言ってフツーの運動公園の趣ではありません。よく見ると看板にはFKK Sportsplatzと書いてます。ふむ、このFKKとやらがキーワードに違いない。


Mausi:「ああ、それ、ヌーディストクラブの運動公園よ」


なんですと?


そう。FKKとはヌーディストクラブのこと。そういうもんが存在することは確かに知ってましたよ。でも、こんなに身近にあるとは夢にも思わなんだ。


(FKKのオフィシャルサイトにリンクを貼ろうかと思ったけど、ドイツ語だしどきつくないにせよ裸の写真も出てくるのでやめときます。興味のある方はFKKでググると一番上に出てきます)。


で、ここまではだいぶ前の話になります。で、今回Mausiが突然


Mausi:「サウナに行こう」


と言い出した。


サウナねえ。決して好きなことじゃあないけど嫌いなことでもない。でも、サウナ、男女別なんでしょ?


Mausi:「いや、毎週月曜日と水曜日は混浴よ」


なんですと?


何でも日によって、男性専用・女性専用になったり、男女混浴になるんだそうな。


ふーむ。男女混浴ねえ。まあ、どうせ、ジイ様とバア様しかいないだろうからいいんだけど、それにしてもどういう文化やねん。ま、行ってみましょうとなったわけ。それにしても、近所のヌーディスト運動公園といい、男女混浴サウナといい、この国はいったいどーなってんだ?


かくして、ある日の昼下がり、Mausiと私は某街にあるサウナの前に立つ。多分学校の体育館の6つくらいはあるのではないかという広大な建物。ここ、プールも併設(正確には逆でプールにサウナが併設されている)らしく、チューブ型の滑り台やプールもあり子供たちの歓声であふれている。


私たちは12ユーロ払ってサウナとプールが両方使える一日券を購入。で、「サウナ入り口」と書かれたドアーを開けるとそこは更衣室。あれ、男性更衣室と女性更衣室の入り口がなくていきなり更衣室の中に入ったけど、これって男性用、女性用どっちの更衣室なの?


Mausi:「何言ってるの?更衣室も共用よ」


(・д・)キョトーン。


じゃあなんですか?老若男女みーんな仲良くここで着替えるんですかね?いくらサウナは混浴でも、更衣室くらいはなどと思っていた私の前をオッサンが恥じらいもなく全裸で通過。


♪たんたんたぬきの(自主規制)はー、かーぜもないのにぶーらぶらー


早くもぎょっとした気分を切り替えて、とりあえず、受付で借りたバスローブに着替える。あ、ちなみにフツーの人はマイバスローブ持参か、そんなものは使わないらしい。ちなみにバスローブの使用は無料だけど20ユーロのデポジットが必要。


で、どこか日本の温泉を思わせる、リストバンドになった鍵を腕につけ、ロッカーの鍵を閉めようとすると、


Mausi:「ダメよかばんは持ってくのよ」


はあ。じゃあ、何のためのロッカーなんだか。財布は別の貴重品箱に入れたし。ちなみに、このバッグを持っていった理由は中にタオルが数枚入っているから。一枚は腰に巻く用、もう一枚は体を拭く用、もう一枚は最後に足を拭く用、そして休憩室で足を冷やさないように巻くようなんだそうな。なんでもサウナに入った後は足を暖かくしなきゃいけないんだと(真偽のほどは知りません)。


というわけで、更衣室の奥のサウナへ…と思ったら、そこにあるのはロビー。日本の「スーパー銭湯」と呼ばれている施設のロビーに近い感じ。フツーのサウナにミストサウナ、低温サウナなどのサウナはあるわ、レストランはあるは、足湯はあるは、ないのは風呂だけ(水風呂はある)。


さらにはレストランの奥は屋外につながっており、外にも数種類のサウナがあるとのこと。施設は近代的で清潔感もあり、とてもいい感じ。そう、繰り返すけど、きれいなスーパー銭湯から湯船を取っ払った感じなのだ。


湯船以外にも日本のスーパー銭湯との大きな違いが。つまり…


男女の別を問わず皆様平気で全裸で歩かれてますが…。


人によってはバスローブを着てたり、人によってはバスタオルを巻いてたりする。だけど、全裸で平気で歩いている人も多いのだ。当然、そこには女性もいる。だけど、その前を無神経でたんたんたぬきが歩いていく。それに対し、女性は顔色一つ変えないどころかきわめて平気。…信じられん。


で、6畳くらいはありそうなけっこう広いサウナに入る。サウナの中ではバスローブを着ていけないから、バスローブを外にあるハンガーにかけタオルを腰に巻いてはいる(このへん、写真付で解説したかったけど、このサウナの中で写真をとってたらそりゃケーサツ沙汰になりそうな気がするし無理なので何とか情景を想像してくだされ)。


で、サウナの中には数人の人。日本と同じく3段のひな壇になっており、そこに数人の男女が横たわっている。それはいいんだけど、全員タオルを床にひいているので完全全裸。女性の胸も太ももも、男性の♪たんたんたぬきもあけすけに見えてます。これで横に威勢のいい兄ちゃんがセリをやってたら、築地のマグロ市場といった感じにも見えてしまいそう。


この情景のおかげでサウナに入った瞬間にくらくらする私。


バスタオルを腰に巻いたまま座る私。


Mausi:「あれ、(腰に巻いたタオルをしいて)横にならないの?」


なるか、アフォ!


Mausi:「Snigelって意外とシャイね」


話の次元が違いすぎる。


このサウナの中で満員の混雑した電車で痴漢と間違われるんじゃないか…そんな不安を持っている人の気分が判った気がした。何せ、あっちを向いても全裸!こっちを向いても全裸!どこを見ても裸が目に入ってくる。目を閉じるしかない。


で、別のサウナに行ってみる。こちらも6畳くらいの広さで結構混んでいる。とりあえず座る。すると、人がぞろぞろ入ってくるのだ。ついに、座るスペースがないの混み具合になる。後から入ってきた人はあきらめて出て行く。


Mausi:「今から、サウナに水を足すのよ」


それがどーしたというのだ?


そう思っていると、バスタオルと、水桶を持ったふくよかなおばさん(古いが「めぞん一刻の一の瀬さん」の体型)が登場。なんだなんだと思っていると、入り口のドアを開け放ち、手に持ったバスタオルをドアのところで振り回し始める。ちょうど、野球少年が三塁のところで味方の選手に「まわれまわれ」とジェスチャーしてる感じ。あれをバスタオルを持たせてやらせた感じ。中に外からの涼しい風が入ってくる。


で、ドアを閉めて、外に、「立ち入り禁止」の札が出される。で、おもむろにひしゃくで水を差し入れ、今度はストーブの上でタオルを横方向に振り回す。すでに、ふくよかなおばさんは汗びっしょり。タオルを振るたび三段に見事に割れたお腹が揺れる。


…ちゅうかあんたこんな仕事をしてて何で痩せないのよ?


で、どこから取り出したか、今度は巨大な扇子をひな壇に座った私たちに向かってあおぎ始める。熱風がやってくる。ふと見ると、中にいる人のほとんど全員が目を閉じてやってくる熱風を心地よさそうに受けている。はっきり言ってかなりキモい。ありていに言ってイキ顔をされているわけですな。


で、もう一度水をまき、タオルで仰ぎ、扇子で扇いで終了。所要15分。おばさんは拍手で送られる。


うーん、これってドイツ版の茶道なのか?(ちがう)。


その後プールに泳ぎに行ったり(こちらは水着着用)、仮眠室で昼寝したりして半日過ごす。後のほうになると、全裸の人を見ても無視してしまえるようになるから不思議。所詮は裸じゃないか!という開き直り。とはいえ、まだまだ自分を捨てきれない未熟な自分自身はとても♪たんたんたぬき状態で歩けるようにはならなかったけどね。


このハードコアサウナ、行ったことはないけど、北欧系の国にも割とフツーにあるようです。ドイツ国内どこにでもあります。若い(男)女性もいます。だけど、その多くは♪あのころ君は若かったお昼のお兄様・お嬢様です。しかも、若い(男)女性はちゃんとタオルを巻いてたりしてます。それに対し、年をとればとるほどあけすけになっていきます。つまり、


見たくない人ほどよく見える、見えすぎちゃって困るわマスプロアンテナ!


というドイツハードコアサウナの法則が成り立つわけです。


で、あとでMausiに聞いてみました。


私:「スケベそうな目で見る奴とか、変態っぽいのっていないの?」
Mausi:「たまにいる。だから、ふだん私は女性専用のときしか来ない。やっぱり更衣室なんかも男女共用だといい感じはしない」



そうですか。それにしては(見つかると殺されるので自主規制)でしたがねえ。そういえば、私の昔の北欧系の彼女といい、まったく山本晋也カントクが提唱する(のか?)チラリズムがわかってない奴ばかりと思いましたが、そっかー、サウナで見知らぬ人の前で裸になれるくらいだもん、プライベートな空間でチラリズムなんか提唱するだけ無駄なのね。


で、まあ、こんなあけっぴろげな社会だから、最初のヌーディストの運動公園なんかも村はずれに何気なく存在できたりするわけなのだな…と変に納得。ちなみにこのFKK、現在新規会員募集中だそうです。…好き好んで裸でスポーツしようなんて思わないので私は遠慮しときますが。


最後に、私がにわかには信じられなかった光景をひとつ。


ロビーに高校生くらいの男の子ふたりが歩いてました(バスタオルを腰に巻いてね)。そこに反対側からやってきたのは同い年くらいの骨太の女の子(こちらも胸からバスタオル巻いてね)。すると


男:「あ、Aliceひさしぶりじゃん」
女:「Alex、元気?」



…お知り合いですか。いやー、俺が高校生だったら、同性ならまだしも異性の同級生に会う可能性とか考えると決して混浴サウナに行こうとか思わないけどなあ。いや待て、高校生ならずとも、♪たんたんたぬきしてるところで知り合いに会うなんて嫌だ。


郷に入れば郷に従え…とは言いますが、この文化だけは私にはついていけないと正直思いました。



2005年10月21日(金) 6年目にして初めて満足できる美容師さんに会えました(感涙)

私は感激してます。モーレツに感激してます。アイルランド在住6年目にしてついに、とうとう、ようやく「文句なし」の美容師さんに出会うことができたのです。


会社に仲のいい同僚がいます。彼がゲイだからかなのか、彼、容姿には他の男たちとは比較にならないくらい気を使ってます。特に髪。彼自身、実は腰を痛めるまで美容師だったという過去を持つので髪に関してはほとんど病的と言っていいほどの気の使いようです。実際私が髪を切ると、やれ左右の長さが不釣り合いだのうるさい。そんな彼を満足させている美容師がダブリンはSouth George Streetにいるとのこと。ならば行ってみようじゃありませんか。


で、向かったのはつい2ヶ月前にオープンしたばかりというヘアサロン。なんでもこの美容師さんを中心として、3人で独立して新しいサロンを開いたんだそうな。中は白で統一されておりすっきりまとめられておりいい感じ。で、同僚が紹介してくれた美容師さんはたぶん私と同い年くらいの男性。まずは椅子に座ってどうしたいかを相談。


で、シャンプー。これがまたていねいなのだ。10分くらいかかったのではないだろうか。やさしくていねいに洗ってもらう。すでにこの時点でこの美容師さんを完全に信頼してしまった。


そして、椅子に座るとお茶が出てくる。これ自体驚くに値しないのだが、驚いたのがチョコレート。私のお気に入りのスイスチョコレート、リンツ(Lindt)が出てきたのだ。確かに上野のアメ横のチョコレートのたたき売りでも買えるけど(蛇足ながら、あそこの売り子さんのひとりは私の幼なじみです)、アイルランドで売ってるとは思わなかった。


この美容師さん、信じられないくらいていねいに髪を切ってくれる。所要時間シャンプーも含めて1時間超。今までの美容師さんの倍の時間を使ってくれている。信じてもらえるかどうか、今までの美容師さんは髪を切り終わった後リンス無しで終わらせようとしてたのだ。もちろん、そんなんじゃあ駄目だからいつも洗い流してもらってましたが。ともあれ、この新しい美容師さんは何も言わなくてもちゃんと髪をリンスしてくれた。


結果も大満足。男性カットは40ユーロ。今までの29ユーロより高いけど、間違いなくその分の価値はある。考えてみれば、今までの倍の時間を費やしてくれたのだから当たり前という気もする。ちなみに女性は70ユーロだったはず。もし読者さんの中で、アイルランドでまともな美容師さんに会ったことがなく、この美容師さんの詳細を知りたいという方がいらっしゃれば作者までメールをください。


ほんで業務連絡。あしたから10日ほどドイツに行ってます。今回はノートパソコン持参なのでネット環境が整ってたら、「ドイツ真実紀行」をお届けしますが、さもなければ10日後まで更新はありませんので悪しからず。




Snigel |MAILアイルランド真実紀行へ掲示板へ