なべて世はこともなし
日記アーカイブ(インデックス)へ前日の日記はこちら翌日の日記はこちらアイルランド真実紀行へ


2003年02月11日(火) コメディ菌保菌者の2泊3日ドイツ旅行(3=完)

続きです。その1、。その2をお読みでない方はまずはそちらから。


パスポートが本物であることを証明するために使える身分証明書なんて思いつきませんよね。普通。私がその時持っていた唯一の写真付の身分証明書はアイルランドの威厳のかけらもないペラペラの運転免許証。こちらは数年間財布の中で不自然に折り曲げられているのでさらに胡散臭いことこの上ない。


私:「運転免許証は?」
審査官:「Maybe…」



何がMaybeだ、おまえは中島みゆきかと暴れだしそうになりましたが、Snigelもいちおうオトナ。電車に乗り遅れてはかなわないと、ポーカーフェイスで運転免許証を提出。するとこの入国審査官氏、今度は私の免許証を逆さにしたり透かしてみたり。


ちなみに私の後ろには未だに数十人の人がこのくだらない茶番劇が終わるのを待ってます。後ろの人がイライラしているのが背中から感じ取れます。他方私の唯一の心配ごとは9時発の最終のICE(特急列車)に間に合うかどうか。後ろのことなど構っている暇はありません。


入国審査官氏、私の後ろの人の怒りのオーラを遅れ馳せながら感じたのか、私のパスポートと免許証を私の顔を見ずに投げてよこす。ちなみに今までただの一度もドイツでスタンプを押されなかったことなどなかったのに、この入国審査官氏、スタンプを押さず


スタンプを押されなかったこと自体は嬉しい。なにせ私のパスポート、あと数年有効なのに、もうスタンプを押せるスペースがほとんど残っていない(しかも再発行のパスポートなのに)。いえいえ自慢でもなんでもありません。何せ、そのスタンプのほとんどはヨーロッパので、言ってみりゃ県境を超すたびにスタンプを押されてるだけの話ですので。


ともあれ、私が推察するにこの入国審査官氏の頭の中では…


「なんだかなー。うぜーパスポートだなー。ホンモノかどうかわかんねーけどもうめんどくさいしみんな後ろでイライラしながら待ってるから行かせちまえ。ま、オレのスタンプ押さなきゃオレの責任にはならねーしな」


なんて考えていたんだと思う。たぶん当たらずしも遠からずな推論だと自分では思うのですが。


かくしてたかが入国審査に並んだ時間も合わせて30分も費やしようやく解放される。時刻は8時40分。あと20分。まあ何とかなるというタイミング。私は小走りで勝手知りたるデュッセルドルフ空港のモノレール駅へ向かう。が、そこに待ち構えていたものは…




(超意訳:モノレール故障中。階上のモノレール駅には行かずに階下に行って臨時のバスを使ってね)


自分のコメディ菌を怨みました。本気で。(言うまでもなく写真は帰りに撮ったものです)


この世に神も仏もあるものか…と恨み言をひとりで言いつつ階下に行って外を見るとおお、臨時のシャトルバスのバス停がある。で、バスも待機中。あと15分あるので、もしこのバスがすぐに発車してかつ、どこにも寄らなければ多分間に合う。ただ、モノレールも途中に駅があるのでさあどこにも寄らないという保証はない。


で、永遠とも思える数分が経ちバスはようやくエンジンをかけ発車。バスは幸いどこにも寄らず空港駅に着いたのは午後9時10分前。間に合った


で、ホームに行ってみると案内板には…


「今度の発車のハノーバー行きのICEは10分遅れます」


だ、脱力。



で、ドイツが誇る新幹線ICEは15分遅れで到着。中は最終電車ということもあってか見たこともないくらいガラガラ。私は席を確保するとそのままビュッフェに行き


「ビール!」


この時に飲んだビールのおいしかったことおいしかったこと。で、座席でうとうとしていると2時間30分が経ったとは思えないくらいの早さでハノーバー着。むかし横浜線で通勤していた時のよう。いつも私の中では大口の次の駅は橋本か八王子みなみ野(ローカルですいませんね)と途中駅の記憶がすっぽり抜け落ちている。今回もハノーバーの一つ手前のMindenという駅までの記憶がきれいさっぱり抜け落ちている。


ハノーバーでの乗換えは乗換え時間が30分程度あったのでまったく問題なく乗り換えることができる。最終の推定6両編成の列車はまさにすかすか。私以外に乗っている人がいない。長くなって寝て過ごす。途中で車掌が検札に来て起こされましたが。


で、Mausi(私の彼女=仮名)が迎えに来てくれた某駅についたのは日付などとっくに変わった午前1時。疲れました


帰りは帰りでこれまた大変でした。一分一秒でも長く滞在したい私は、デュッセルドルフでヒコーキに乗れる最後のICEを予約。ドイツ国鉄、私が知る限り多くのところは1時間ごとのパターンダイヤです。つまりハノーバー発の私が予約したICEに乗り遅れると、ヒコーキにも自動的に乗り遅れるという算段。


問題はハノーバーでして、彼女の住む町の最寄り駅からハノーバーまではこれまた毎時1本しか列車がない。で、ハノーバーでの乗換え時間は9分。ハノーバー駅は私、Connolly駅(ダブリンのいちおう中央駅と思われる駅)よりよく知ってるので、9分の乗換え時間があれば余裕。かくしてこれで行こうと思ったら、Mausiが私に言うのだ。


Mausi:「もしハノーバー行きの列車が遅れたらどうするの?9分しかないんだからICEに乗り遅れるよ。もしICEに乗り遅れたらどうなるの?」
私:「ヒコーキに乗り遅れる。ゲームオーバー」
Mausi:「ヒコーキに乗り遅れたらどうなるの?」
私:「安いチケットだし、たぶん、ジ・エンド、新しいチケットを正規料金で買うことになるだろうね。たぶん200ユーロくらいじゃない?」
Mausi: 「1本早い電車にしなさい!」



女性には逆らえません。仕方なく、1本早い電車で行くことに。


で、1本早い電車にのるべく駅に着いた私たち。むろんMausiは見送りに来ただけで、列車には乗りません。で、電光掲示版を見ると…


「ハノーバー行き、15分遅れます」


かれこれ3年目にしてMausiに初めて後光が差しているのが見えました。もし私が何の心配もせずに次の列車に乗ろうとしてたら、たぶん次の列車も遅れるでしょうから、当然ICEに乗り遅れ、結果的にはヒコーキにも乗り遅れていたはず。親と彼女の意見となすびの花は千にひとつも無駄はありません(←ホントかよ)。彼女に素朴に感謝いたしました。


と同時にひとつの事実に気がつきました。


私の中にコメディ菌が住みついているのではなく、私が勝手にコメディ菌を作り出しているだけである。


そう、フツーの人はフツーの感覚で、空港には早く行くのです。乗り遅れる可能性があるならより早目に行くのです。それをしないで私は自分をリスクに晒して、でコメディ菌だなんだと文句を言っているのです。そう、私はある意味治療が必要なのです。そして私がこんな性格をしている限り、この日記は永遠に続きます


さてさて。数行上に「ハノーバーから某駅までの列車は6両編成」と書きましたが、何だか知りませんが、一日に数便例外があります。なぜかたまにHarz Express(名前はかっこいい)と書かれた赤いディーゼル車がやってくるのです。これ、ふだん3両編成でこの列車、例外なくいつも混んでます。いつもこの列車が来るたびに、なんでまたこの列車は編成を長くしないのだろうかと疑問に思います。


で、15分遅れでやってきたこのHarz Express、ドアーが開くと穴のあいたダンボール箱からイモが転がり落ちるかのように、数人の人が降りてきます。「ん?」と思ってみると、いつも3両編成で満席なのに日曜日の今日はなんと2両編成


頭悪いだろう。ドイツ国鉄。


で、ホームには相当の人が待ってます。私としては最後に列車に乗って、ドアーのガラスに額をつけて彼女が見えなくなるまで見ていたい(BGMの伊勢正三の「なごり雪」は恐縮ですが各自でご用意ください)。が、この状態でそんな悠長なことを言っている暇はありません。


で、私が満員の列車に乗ろうとすると、ステップに立っている若い女性が(当然ドイツ語なので推察。こう言っていたという自信はありますが)


「もう満員よ。次の電車を待たなきゃだめよ」


私はこの瞬間にこの国には住みたくないなと思った。何度も繰り返しますが、次の列車は1時間後です。銀座線の3分後の地下鉄を待つのとは次元が違うのです。なのに、まだ数人が乗れるスペースがあるにも拘らず、この女性は自分が乗れたことをいいことに「もう乗れない」とほざくわけです。これまた何度も繰り返しますが、この列車が15分遅れていることからして次の列車も遅れます。もしICEに乗り遅れると、ヒコーキにも乗り遅れます。つまり私にはこの女性が何と言おうと選択の余地はないのです。


…言うまでもなく乗りましたよ。文句を言っていたので、私は英語でかなり口汚ないことを言ったような気もしますがたぶん気のせいです。


と、まあMausiの有意義な助言もあって、ハノーバーではICEに無事乗れました。彼女が助言してくれなかったら、私はまず間違いなく乗り遅れてました。


以上がドイツの旅行記でした。滞在中は何をしていたかというと、彼女とGöslarという町に行ったり、友人の誕生パーティーに行ったりしましたがネタにするほどでないので省略。ひでかすにこの日記に書く前にこの話をしたら、「一つもなんでこんなにネタになるの?」と呆れられてしまった。そして、次のドイツ行きはたった2週間後です。乞うご期待。...いや期待しないで。


日記才人の投票ボタンです(ご協力感謝)


2003年02月09日(日) オフ会報告

土曜日、ダブリン北部の私のお気に入りのパブ、「The Yacht」にてオフ会を開催いたしました。いい加減な性格の私は何人の人が集まってくださるか全く掌握しておりませんでしたが、いざフタを開けてみると


15人


もの人が集まってくださいました。


考えてみるとちょっと異様な集団だったと思います。ちょっとそこのあなた、アイルランドのパブで15人もの日本人が集まってるのを見たことありますか?パブ以外なら、ほら、土曜日にIrac Centreの図書館でやってる、Language Exchangeくらいじゃないですか?(行ったことないけど)もっとも日本人「だけ」の集団というのは非常に珍しかったのではないかと思います。気がついたら、後ろの席にいたアイリッシュのおばちゃん数人消えてたもんなあ…。


で、15人の方、力ずくでひとつの絵にまとめるとこういう人たちです。




とにかく濃い!


そこ、「類は友を呼ぶ」なんて言わなくてよろしい。


基本的には、私と同類の(「同類」にはされたくないでしょうが)こっちで仕事をしている現地採用組が一番多かった気がします。で、それから日本から数年単位の契約で来てる方、家族まで連行いっしょに赴任してこられた方、アイリッシュのダンナがいる方その他、かなりの方がいらっしゃったので驚きました。


参加者の皆様にお願いです。


ネタを提供してください。


はっきり言って、聞き流すにはもったいなすぎたネタが多すぎました。どうかどうかメールにして送ってくださいませ。よほどのこと(あまりに掲載すると問題がある等) がない限り必ず掲載します。


それにしても私も久しぶりにパブで楽しみました。気がつきゃ午後2時から始まったオフ会、四次会までいって、夜の11時でしたもんね(さすがに最後はへばってました)。で、主催者冥利に尽きるようなメールも頂いたりして。


Snigelさんありがとう。あなたの努力は無駄になってません。本当に私はSnigelさんのホームページに救われています。あんまりお話できませんでしたけど、私こっちにきてから、本当にろくな事なくて、何度もくじけそうになってるんですけど、日記読ませてもらって、一人でくすくす笑ったり、とにかく異国で同郷の人ががんばって生活してるって思えるだけで、勇気が湧いてきます。
また近いうちにお会いできるのを楽しみにしてます。では。



ダメだよ。おじさん最近涙腺緩いんだから。こんなふうに書いて頂くと、さらに頑張って更新しようという気になりますです。ありがとね。


次回もご希望があればアレンジしますのでご希望の方は掲示板によろしくです。という訳でオチはありませんがあしからず。


日記才人の投票ボタンです(ご協力感謝)


2003年02月07日(金) コメディ菌保菌者の2泊3日ドイツ旅行(2)

2/4の日記の続きです。今回のデュッセルドルフへのフライト、私はエアリンガスに何らの文句も言う権利も資格もありません。見てくださいこのチケット。片道28ユーロしか払ってない。





日本も含めてそうですが、航空会社のここ数年の価格破壊は目を見張るばかりのものがあります。1999年にTesco(イギリス系の大手スーパー)が10ポンド使うと1枚クーポンがもらえて、30枚だかを集めるとエアリンガスのチケットが格安で手に入るという企画を立てた。私は血相を変えてクーポンを集めたのだが、その時のダブリン=デュッセルドルフの運賃は120ポンドだったと思う。ユーロに換算して152ユーロ。で、今回の運賃は税金を含んで89ユーロ。確かにこれは破格の安さだが、現状冬なら150ユーロ出せば、たいがいデュッセルドルフまで行ける。


で、B737の1席・1キロ当たりの燃料消費は0.045リットルだそうな(←SASの機内誌に書いてあった。厳密に言うと機材が違いますが、そういうマニアさんのツッコミはこの際放置させていただきます)。でデュッセルドルフまでよくは知らんがたぶん1000キロ程度。つまり私のために45リットルの燃料が消費される計算になる。それから機長およびスッチーさん、地上職員の人件費。んなもんを考え合わせると、28ユーロという運賃で「メシを出せ!」「酒をくれ!」と威張るのには無理がある。


かくしてブリティッシュミッドランドは機内食のサービスを止めてしまった。半面酒は飲み放題。考えてみたら、日本の国内線は機内食は出ず、かつ酒は有料とサービスのレベルは低い。すでに低コスト体勢は出来上がっていたのかな...とも思う。


で、くだんのエアリンガス。45分という「わずかな」遅れのあと、ヒコーキは順調に高度を上げ、機内サービスが始まる。まず配られたのはサンドイッチ


そして数分後に、お茶用の小さなマグとクリームが配られる。


実は私、乗る前からオチは知っていました。読者さんからの報告によると、エアリンガスは機内食を残す代わりに、アルコール類のサービスを止めてしまったそうな。「うーん、さすがはアイルランド」という考えが一瞬頭をもたげましたが。なんだかさもありなんという気がしません?サンドイッチを止めるより、ビールを止めた方がコストがかからない…アイリッシュならあり得ないとも言い切れない話です。


で、お局スッチーさん(私が言ったんじゃありません。そう名札に書いてあった)がお茶を配りに来た時に聞いてみた。


私:「のどがすんごく渇いてるんだけど、何か冷たい飲み物はないの?」
スッチーさん:「水かオレンジジュースならあるわ(=アルコールはない)」



ああ、読者さんの報告は本当だったんだ。


私:「うーん、ほら、水に似て透明なウォッカとかそういうのはないの?」(←私は英語でオヤジギャグの飛ばせる数少ない日本人…だと思う)
スッチーさん:「アルコールはサービスしてないのよ」
私:「ええ?
(←テレフォンショッピングのサクラ並みのわざとらしい驚き)いつもエアリンガスで飛んでるけど(←ウソ。スタアラで飛んでる)いつからアルコールのサービスやめちゃったの?」
スッチーさん:「これがいろいろごたごたがあって、数週間前までは機内食を止めて、ドリンクのみのサービスをしてたんだけど、いろいろごたごたがあって数週間前からは…おっと、こんなことをバラしたらクビになっちゃうわ



しっかりバラしとるやんけ!(それをここでばらす私も私だが)


で、お局このスッチーさん、数分後「はい。ご希望のウォッカ」と言いつつ、氷入りの水を私の席までわざわざ持ってきてくれた。


私はアイリッシュのこういうジョークのセンスが大好きです。


で、さらに数分後、私が水を飲み干したのを見計らって、お局スッチーさんは「はい、もう1杯」と言いつつ水を持ってきれくれた。


私はアイリッシュのこういうジョークが本当に大好きです。このお局スッチーさんもきっとこの仕事が大好きなんだろうなあと思う。こうやってにこにこしているとこっちまでシアワセな気分になってしまう。エアリンガスのスッチーさんがいい感じというのはきっとこのへんから来ているのだと思う。


話は前後しますが、このあと私は電車でハノーバーに向かいます。で、道中、ビュッフェに行き、ビールを買いました。ここのウェイトレスさん、バイツェンビールをそりゃもうプロとしか思えない慣れた手つき(←ってプロなんだけどさ)で注いでくれ、カンペキなビールを作ってくれました。私はいつもの調子で「うまいねえ」なんて言ったのですが、ウェイトレスさんは愛想笑いを浮かべるばかり。


この時にふっと気がついたこと。アイリッシュは見知らぬ人にも平気で話し掛ける。私はまったく気がついていなかったが、どうやら私も見知らぬ人に平気で話し掛けれるようになった。アイリッシュは表面上のつきあいのうまい人種なんだろうなあ。


とりあえずヒコーキの中に話を戻しまして。ヒコーキは結局定刻よりちょうど30分遅れでデュッセルドルフ着。駅までの移動時間に55分取れることになる。預託荷物のない私は余裕だと踏む。が、次の瞬間…


絶句。


パスポートコントロールに2人かいなくて、その前には最低でも50メートルはあろうかという行列。行列は蛇行して、枝わかれして、いったいどこが一番後ろなんだかよく分からない。ここを通過するのに30分はかかりそうな気配。


仮にここを通過するのに30分かかったとしてもまだ25分の余裕があるなあと思いつつ並ぶ。列は進まない。15分くらい待ったところで、別の窓口が開きそこに人が殺到。私はすばやく列のかなり前の方に陣取る。


で、いよいよ次ぎは私の番という段階に。時刻は午後8時30分。あと30分ある。で、パスポートをカバンから出し、準備万端になったところで、私は前の推定イギリス人乗客が信じられないことをいっているのを耳にする。


イギリス人乗客:「パスポート、どうもヒコーキの中に無くしたみたい。えへっ」


…いいから退け。ボケッ。


で、それで数分のロス。そしてついに私の番に。


審査官:「どこから来たの?」
私:「アイルランド」
審査官:「いつまでいるの?」
私:「日曜まで」
審査官:「何しに来たの?」
私:「友達に会いに」
審査官:「どこに行くの?」
私:「ハノーバー。電車乗り遅れそうなんだから早くしろよ。



どうやらこの入国審査官氏、私のパスポートがニセモノだと思ったらしいのだ。


私のパスポート、限りなくニセモノくさいのです。私の名誉のために言っておきますが、ニセモノくさいだけで決してニセモノじゃあありません。このニセモノ臭いパスポート、以前パスポートをなくした時に某在愛日本国大使間で再発行してもらった代物なのです。


まず、写真が皆さんのパスポートのように特殊印刷されたものではなく、直接貼り付けてます。サインも印刷でなく自分でボールペンで書き込みました(ホントだって)。さらに駄目押しは、パスポートの一番下にある機械で読み取るための番号欄、私のは


THIS JAPANESE PASSPORT IS NOT MACHINE READABLE


と書いてあります。かくして私のパスポート、他の人に比べ倍は大げさですが他の人よりもイミグレーション通過に時間がかかります。


で、この入国審査官氏、私のパスポートを文字通り逆さにしたり透かしてみたり。側面に不正の跡がないか調べたり。で、ひとこと。


審査官:「他に身分証明署ある?」


生まれて初めて聞かれました。この質問。パスポート以上に信用性のある身分証明書なんてこの世に存在しないような。


さて、私はこの問題をどう解決したか。次回に続く。


オフ会、いよいよ本日です。「詳細聞いてないよー」という方は1/28の日記をご覧ください。No showの方にはペナルティがあります(←ウソ)


日記才人の投票ボタンです(ご協力感謝)


2003年02月06日(木) 燃えるバス会社...ダブリンバス

未確認の情報で申し訳ないんですが、ダブリンバス、数日前にまた燃えたそうです。路線はウワサの(ってこのサイトでしかウワサになってないけど)マイナーバス76A。はい、まずはここからこの76Aについてお勉強しましょう。


(ここから先は上の過去日記をお読みになったという前提の上で話を進めます)で、このマイナーバス、なんとこともあろうに高速道路上で燃えてしまったらしい。聞いた話だからどこまで本当かは保証の限りでないが、おおよそこういう内容だったらしい。


高速道路を走っていると後ろの方に座っていた乗客が運転席にやってきて、


客:「運転手さん、エンジンから煙が出てるよ」


運転手さんはバスを停車させ乗客を降ろす。そののちバスは火に包まれた…。


で、私が調べたところによると、この話実はあまり驚くには値しないようです。というのも、なにやらダブリンバスの車両、2000年以降すでに3台のバス(今回を除く)がすでに火災により全損…つまり焼失しているらしい。


皆様、バスにお乗りの際は非常口の確認をお忘れなく。かばんの中にハンマーを忍ばせておくのもテかもしれません(←重いし犯罪者かと思われるのがオチだって)。


ところで、明日(土曜日)いよいよオフ会ですが、読者さんからの目撃情報によると、なんとダブリンバスの運転手さんに日本人の方がいらっしゃるそうです(驚愕)。もしこの日記を何かしら間違ってお読みでしたら、ぜひ明日のオフ会に参加してください。来てくだされば、むこう2ヶ月くらい日記のネタに困らない気がする。


はい。ドイツのネタは明日です。約束します。そして皆様にお会いできるのを楽しみにしております。



オフ会、いよいよ明日(土曜日)です。「詳細聞いてないよー」という方は1/28の日記をご覧ください。


日記才人の投票ボタンです(ご協力感謝)


2003年02月05日(水) 催眠商法がどうした?布団の押し売りもびっくりアイルランドの「合法」悪徳商法

家に帰ってくるとたまに郵便物に紛れ込んでスクラッチカードが紛れ込んでいることがあります。たいがいの場合、私はそのままごみ箱に捨てます。…というのもこのスクラッチカード、必ず当たるのです。


そもそも出所がはっきりしない。いったい郵便配達員のPaddyが一緒に配達したのかそれとも誰かが勝手にポストに投げ込んだのか。仮に出所がはっきりしても、毎回何かが当たるというのはあからさまにおかしい。何かの景品を得るためにうちの住所を教えたら、一発で、ダイレクトメールの山がポストに押し寄せ、ついでにセールス電話の攻勢が来るような気がする。実際、日本でケータイ電話を当てた後にそうなった。


で、まあ当たるものもなかなかすごい。


「現金1万ユーロ」だの「新車のローバー」などなど。


こういう商品の時にはこんな但し書きがある。


「当たりはこの賞品が当たることを保証するものではありません。最終の抽選者リストにお客様のお名前をお載せするものです」


…つまり当たってないんじゃねえか。


で、この前もやはりスクラッチカードが来て、私が捨てようとすると、例のダイエットバトルの敗者のドイツ人…うーん、めんどくさいから名前をつけよう。そう、ここから彼女の名前はSamantha(仮名)にします。で、Samanthaが私が捨てようとする2枚のカードを奪い取り、カードをこすると…


「おめでとうございます!宿泊無料招待券が当たりました!」


「おめでとうございます!ロンドンまでの無料航空券が当たりました!」



素朴に喜ぶ彼女。おめでたい人間。


「んなもん、なんか引っかけがあるに決まってるじゃん。チェックインタイムが午前2時とか、航空券は毎週水曜日の夜の最終便しか使えないとか…」


となだめる私に彼女は聞く耳持たず。で、彼女は当たり券を見て


「別にそんな引っかけないわよ。自分で住所を書いてスタンプを貼った封筒をこの住所に送るだけだって」


…ええまあ勝手にしてくださいと、その場はそれでおしまい。これが確か12月の初め頃の話。


で、今日、2/4。彼女のもとに2通の手紙がやってきた。中には…




無料宿泊券。そして




無料航空券。


嬉しそうにバウチャーを見つめる彼女を横目に、私はもくもくと夕飯のパスタを食べる。


ものを食べている時って、口と手は動いていますが、目は完全に遊んでいます。で、バウチャーの利用条件を読む彼女を見ていると、だんだん顔が曇ってくるのが分かる。


「ちょっと見せてごらん」




まずは、ホテルの無料宿泊券。有効期限は今年の11月までとまあ悪くない。問題はここ。


「宿泊客は、毎晩ディナーと毎朝朝食を買わなければならない。そして右に明記している各ホテルの『最低利用料金』を支払わなければならない。」


で、右の各ホテルの「最低利用料金」を見ると、やれ50ユーロ(注:部屋単位じゃありません。各自でです)だなんだって。


…そんだけ払えばフツーのホテルに朝食付で泊まれるじゃん。




床で笑い転げそうになるのを必死にこらえ、お次は「無料航空券」


「各種税金は各自の負担となります」


まあそうだろうなあ。航空会社のマイレージで飛ぶ時も税金は各自負担だもんなあ。これはまあいい。


「目的地に最低3泊しなければならない」


ふーん、格安航空券の時のよくあるお約束は「土曜日に目的地にステイすること」ってあるけどこれはさらに厳しいやね。


で、お次を見た瞬間に私は思いきり吹き出してしまった。


「予約は弊社指定の旅行代理店でのみ承ります。航空券の予約と同時にホテルも予約しなければなりません。一晩ひとり150ユーロからになります」


アホか!一晩150ユーロx3晩で450ユーロ使わないと無料航空券はもらえんのかい!おまえ、ANAとJTBなんかは共同で「北海道2泊3日19800円カニ食べ放題」とかやってるぞ!そのほうがよっぽど安いじゃねえか!


更なる駄目押しとして、「このバウチャーは表の日付より3ヶ月有効です」と書いてあり、その日付はなぜか12/13。あと1ヶ月しか残っていない。さらにさらに、「2週間前までに予約してください」...使う暇ないやん。


まあ私が当てたんじゃあないですから別に私が暴れる必然性は全くないわけですが。


Samanthaはふたたび


カナーリ(´・ω・`)ショボーン。


状態になりましたとさ。ちゃんちゃん。


実はここまで書いたのは2/4のお話。で、昨日2/5に私はインターネットから家の電話代の明細付の請求書をダウンロードしたのだが、私は呆れ返ってしまった。


「プレミアムダイヤル1580(日本のダイヤルQに相当)
1/19 XX時XX分 4分32秒 7.13ユーロ
1/19 XX時XX分 4分23秒 6.89ユーロ
1/19 XX時XX分 4分32秒 7.13ユーロ
計21.16ユーロ。」



ちなみに税金21%は含まれておりません。つまり、25.6ユーロ彼女はドブに捨てた使ったわけ。で、私は彼女が何をしたか知っている。「このダイヤルにかけると何かが当たる」という懸賞のサービスの番号なんだそうな。さあ、再び彼女に無料宿泊券が当たったのか、はたまたパリまでの無料航空券が当たったのか、それは...もうすぐ分かります。ねー、Samanthaさー、知ってる?私が前回マンチェスターに行ったとき、私は航空券に35ユーロしか払ってないよ。


結論:このスクラッチカードはやっぱりサギ。甘い話にはやはり裏がある。


オフ会、いよいよ明後日です。「詳細聞いてないよー」という方は1/28の日記をご覧ください。


日記才人の投票ボタンです(ご協力感謝)




Snigel |MAILアイルランド真実紀行へ掲示板へ