なべて世はこともなし
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2002年12月12日(木) クリスマスシーズン。飲みすぎには御用心

昨夜自宅で日記を書いて、その日記をフロッピーに保存して会社に持ってきた…つもりだったのですが、見事に忘れてきました。で、会社に来てみると、さすがアイルランド、ネタはどこにでも転がっております。


本日。13日の金曜日。…ということとは一切無関係に社内には遅刻者が出ております。クリスマスパーティーのシーズン。盛り上がっているようです。


12月になるやいなや、社内の人間のケータイの呼出音が一斉に変わる。例の小学生が指一本で弾いたような単調なメロディーで、みんなそろってジングルベル。アイルランド人が本当にクリスマスを楽しみにしているのが分かります。


で、クリスマスといえばなぜか飲み会…というわけで、昨夜は木曜日にもかかわらず、たくさんの人が飲みに出かけたようです。


…どうやら私の主任さん(女性)も例外ではないらしい。


まず、電話がかかってきて「30分遅れる」とのこと。9時ちょっと前に出勤してきた彼女はまさに仮死状態。「おはよう」と言ったきり、机に突っ伏してしまった。


その10分後、ようやく顔を上げたものの、完全に目はうつろ、頬杖を突いたままあからさまに何もしていない。仕事にならない様子。


うちの主任さん、きわめて温厚な方で、仕事も丁寧だし、私は非常に評価しているのですが、こんなひとでもこの状態。クリスマスの時期は本当に人を狂わせますね。うん。


ちゅうわけでつなぎ更新でした。今日持ってくるのを忘れた日記は12時間以内にあぷするように努力します。はい。



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2002年12月10日(火) ダブの英語とインド人と間違えられる英語

今週は、コールセンターからオーバーフローしてきたコールをピックアップしつつノーマルなタスクもこなしています。ああ、カタカナばかりだとなんでこんなに反感を買うんだろう。


この日記を書きつつ、いつも上のような必要以上にカタカナを使わないよう心がけています。実際、英語圏に住んでいる、あるいはガイコクに住んでいるものの日記としてはカタカナを使った方が楽な時が多いのですが、そこをなんとか頑張って日本語で表記するようにしています。はい。それでもカタカナ交じりの表現が多いことは承知しておりますが。


いつだったか日本で政治家の討論番組を見ていました。すると誰だか忘れましたが参加者のひとりがこんなことを言ったのです。


「この問題についてはアズスーンアズポッシブルに対応しなければならない」


…うーん、ここまで来たか。と正直思いました。未だにカタカナを使った方が賢く見えると思っている人がいるのでしょうか。そういう目で見ると話題になっていた「道路民営化推進委員会」の最終報告「アライアンス」だの「インハウス」だのよーわからんカタカナ英語が並んでいます。


…最初から話がそれましたが、そうそう、私、今週は通常業務兼電話番(と漢字ばかりでもあまり良くないなあ)という役割分担です。前にも書いたとおり、電話はスーパーのレジと同様に波があり、ある瞬間にどっとまとまった数の電話が来てその後しばらく来なくなる…ということの繰り返しです。どっと来た電話に私が対応しているわけです。


それにしても世の中にはPA(パーキングエリアではなくパーソナルアシスタント=つまりは秘書ね)というお仕事がありますが、このPAもピンからキリまでです。たった今も、「このPAを雇っている人はさぞ大変だろうなあ」ととことん同情してしまいました。何せ話が通じない。人が何回同じことを言っても同じことを聞いてくる。私も同じことを別の角度で何度も説明したのにまだわかってくれない。具体的に書くのもあほらしいので省略しますが、まあ、一を聞いて十を知る人と十を聞いて一を知る人の両方がいますね。かく言う私もたぶん後者なのですが。


で、私のはす向かいに座る女性。年齢不祥ながら推定30代前半。地元、このオフィスのすぐ近所の出身、生っ粋のダブです。…つまりどういうことかというと、


彼女の言っていること、私、未だに半分もわかりません。


とりあえず、ふたこと目にはf**king・f**kingと言っているわけですが、それ以外の話のポイントをつかむのに私は未だに相当苦労しています。で、電話に出ても超強いダブリンアクセントでなんだかああだこうだ言ってます。


そんな彼女が電話を取りました。しばらくして…


彼女:「Snigel、OOがXXして##だというお客さんが電話してきてる。電話代わってもらっていい?」

「OOがXXして##」と表現していますが、実はこれ、内容を書くのが面倒くさいのみならず、いまいち何を言っているのか分からない…というのも実は隠された意味に含まれていたりします。で、私が電話に出るというと


彼女:「彼、英語をあまりよく話さないから気をつけてね」


ほいほい。英語がネィティブではない人もしょっちゅう電話をかけてくる。それ自体驚くには値しないし、彼女もいちいちそんなこと言わなくてもいいのにと思いつつ電話に出ると…


電話の向こうのお客さん:「あー、もしもし、OOがXXして##なんだけど…」


ん?なんじゃい?実にきれいな英語を話すじゃん。確かにドイツ訛りがあるけど、私の英語なんかより100倍はきれい。


この事実から推察できること。この電話の向こうの彼、同僚の彼女の英語に四苦八苦してたんだろうなあ。日本以外で生活されている人、はたまたしたことのある人なら同意してもらえると思うけど、相手の英語を理解することに力を入れると、自分のいいたいことをまとめる暇がなくなったりしませんか?聞くのに手いっぱいになって、話せない。きっと彼にとってもそういう状況だったんだろうなあと思う。


で、この状況を自分に置き換えてみると、よくあるんだよね。ダブリンでも何か言われてよくわからない時。そういう時、相手はややもすると「これだからガイジンは…」といった感じの目で、いわば見下した目で見たりするけど、そういう人は自分がいかにひどい英語を話しているか気がついていない。そう、ネィティブでない私たちがいつでも悪いのです。彼らにとって。


「じゃあ、お前の英語はどうなんだ?」という方。今日、インドネシア人の兄ちゃんから言われた次の一言がすべてを物語ります。


「ん?キミ、インド人?」


フランス人だドイツ人だ言われたことはありますが、インド人は初めてです。


最後に追伸。昨日の世界石油ネタの中で写真のスタンドが3-4セント安いと書きましたが、実際は2-3セント程度です。個人的には「世界石油」という受ける人には大受けするネタだと思ったのですが…無反応のとこを見るとたぶんマニアックすぎたのでしょうね。



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2002年12月09日(月) 「世界石油」をダブリンにて発見?

ユナイテッド潰れてしまいました。そういう噂は確かに9・11のあとからちらほらと聞こえていましたが。私が勝手に日記「潰れます」と予告したエアリンガスは今日も元気で私の予想大ハズレ。まさかと思っていたユナイテッドは倒産。


まあ、9・11が原因には違いないんでしょうが、そのほかにもミョーに組合が強い会社組織、そして何よりもサウスウェストをはじめとした格安の航空会社の台頭も挙げられるんでしょうねえ。そう、価格破壊は世界中で起こっていることなのかもしれません。


価格破壊といえば(はい、ここから今日のネタに入ってます)、町中のDorset Streetにちょっと不思議なガソリンスタンドがあります。



…写真で見る限り小汚いことを除けばきわめてフツーです。このガソリンスタンドをロングでとればよかったのですが、この界隈、ちょっと夜は歩きたくないガラの悪そうなエリアです。向かいには近寄りがたいオーラを漂わせたダブリン県営住宅があります。


で、このガソリンスタンド、そういう立地の悪さにもかかわらず、いつもお客でにぎわってます。まあ、ガラが悪いというのを除けば、実はN1(国道1号線)の延長というのは好立地でしょうし、なにより町中には他にあまりガソリンスタンドがない。そういう利点もあります。


で、私がしばしばこのガソリンスタンドの前を通りながらナゾに思っていたのです。


なんでここ、こんなにガソリンが安いの?





このガソリンスタンド、他のスタンドに比べ、実に3-4セント安い。日本でも地域のほかのガソリンスタンドに比べて3-4セント安ければ十分話題になるでしょ。


いきなり神奈川(および首都圏)のローカルネタになりますが、「世界石油」というガソリンスタンドをご存知でしょうか。ガソリンがリッター100円以上した頃、他よりもはるかに安い値段を引っさげて売っていたガソリンスタンド。個人的には相模原市は古淵の駅界隈にあった世界石油が印象に残ってますが。


ここのアヤシサと安さは他のどのガソリンスタンドとも比べようがありませんでした。まず聞いたことのないブランド「世界石油」。で、スタンド自体も営業しているかどうかよくわからないような小汚さ。とはいえ営業していることは良く分かります。なにせ当時行列ができてましたから。そう、値段を正確には覚えていませんが、確か他に比べてリッター5円とか安かったような気がします。


で、ここに入ると初めての人はまず言葉を失います。


なぜか店員アラブ系の人


なぜアラブ系か良く分かりません。「生産者直売」がコンセプトだったのか(野菜じゃないっつうの)。で、ガソリンを入れるとフツー伝票をもらえますが、ここは違う。そのアラブ系のおじさんが計算機を持ってきて「4200円ね」というわけ。


信じてないでしょ?ホントなんだって。証拠にこんなサイト(このリンクを開いてますは読んで見てください)。


で、これはちょっと行ってみたいという奇特な方。世界石油は現状こうなってます(このリンクもぜひ開いてください)。


…と結局ナゾがナゾを呼んで良く分からないままの世界石油ですが(調べたところ某アングラ系掲示板によれば古淵の世界石油の跡地には一時右系の方の車が駐車してあり、そのあとコンビニになったとのこと)、気を取り直して話は戻ってダブリン。


さすがに世界石油ほどのオーラを漂わせてはいませんが、怪しさ満点。というわけでSnigel、勇気を出して行ってみました。このガソリンスタンドに。


午後7時。4時過ぎには暗くなるアイルランドではもはや当然真っ暗。そんな中このスタンドは薄暗く目立ってません。日本のように煌煌と輝いていません。しかしタクシーはじめ客多数。私の車の給油口の反対側にポンプがある一か所しか空いていなかったので、そこに無理矢理止め車を降りる。


後悔しました。


なんだか知りませんが、ガキがうじゃうじゃいます。ガキだけならいいですが、何ともいえない怪しげ、危険なオーラを感じます。とりあえずドアをしっかりロックして、給油のホースを無理矢理伸ばして反対側へ。


給油完了。


で、お金を払おうと店へ向かいましたが、店はおそらく万引対策で閉まっています。その代わりに小さい窓が開いておりそこで金を払う模様。


たむろしている子供をかき分けその窓へ。


私はいつもエッソでガソリンを入れます。せこい話で恐縮ですが、エッソでTesco(スーパー)のポイントカードを提示すると、1%のポイントバックが受けれます。


さらにせこい話で恐縮ですが、私はいつもアメックスでガソリン代を払います。アメックスで払うと1%のポイントバックが受けれるのです。そう、つまり2%のポイントバック。というわけで、アメックス+Tescoのカードはエッソでのガソリン代の支払いの王道です。


で窓の向こうの店員は定石通り中国人。彼にアメックスを渡そうとすると


「^#$RT@!(^$53)」


何を言っているのかわかりません。どうやらアメックスは受け付けないといっている模様。これが英語だったかそれとも私を中国人と勘違いしての中国語だったかはなぞ。


で、仕方ないので、マスターカードで払い、Tescoのカードを出そうとすると


「^#$RT@!(^$53)」


と再び言われ、受け取ろうとしない。背後になにやら待っている人もいれば、ガキどもも暇そうにこっちを見てるので、小心者の私はまあいいやと思いそのまま退散。


いえ、オチはないんです。すいません。


数日前にタバコ他の税金が上がるというニュースを紹介しましたが、どうやらトラックの運ちゃん等がディーゼルの値上げに反対して、近々幹線道路をトラックで封鎖してストをやるとのこと。運転手さん、できたらうちの前の道でやって私が会社にいけないようにしてくださると嬉しいのですが…。


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2002年12月08日(日) ConnollyまでのつもりがなぜかDundalkまで...

ここ数日日記の更新がおろそかになってます。


忙しかったんです!


…と書いてしまえば一行で話が片付くのですが、それではあんまりなので詳細をレポートさせていただきます。


まず、水曜日。ドイツ語のコースがありました。これはいつものこと。


木曜日。この日記に何度か登場しているアイリッシュのプロサッカー選手Andrewが私に聞くのです。


Andrew:「今日会社終わったらすぐ帰る?」
私:「んにゃ、ジムに行くつもりだけど」
Andrew:(とことん落ち込んだ顔で)「じゃあいい…」
私:「どうしたの?」



何でも聞けば、この日の夜、Dublinから北に80キロほど行った北アイルランドとの国境の町Dundalkにて試合があるそうで、その試合に間に合うためにはConnolly駅から出る列車に乗らねば間に合わない。列車に乗るにはバスでは到底間に合わない。で、誰かそこまで行く人を探しているんだそうな。


彼の話、聞けば聞くほど気の毒です。先日キルケニーまでタクシーをつかった話をしたと思いますが、先週末は先週末で、Sligoで試合があったそうな。で、時間を有効に使うためにSligoまでヒコーキで行くことにしたAndrew。


(土曜日の朝。ダブリン空港の某社のカウンターにて)


Andrew:「Sligo行きにチェックインしたいんだけどここでいいの?」
おねえさん:「Sligo行きはキャンセルになりました」
Andrew:「なんで?」
おねえさん:「機長が病欠です」



…んなことでヒコーキをキャンセルするんじゃない。全日空みたいに自分のとこのホーム空港ではないタイで機長(副機長だっけ?)が酔っ払って他の乗員がいないから出発が遅れた…というのはまだわかる。だけど、あんたダブリンはあんたのとこのホーム空港でしょう?代わりの乗務員くらい用意できんのか


Andrewいわく「いや、あれはきっと客があまりに少なかったから機長が急病ということでキャンセルしたんだよ」とのこと。確かに説得力がありますが。


で、かわいそうなAndrew、駅までタクシーで行ったところ次のSligo行きは午後1時30分。Sligo到着は午後5時前。試合前に疲れ果ててしまったかわいそうなAndrew。「二足のわらじ」を履くのはそうそう簡単ではありません。


で、話は木曜日に戻ります。上のようなかわいそうな事情をよく知る私、彼はなによりいいやつですし放置はできません。というわけでマンネリ化しているジムは延期することにし、彼を送っていくことにしました。で、どうせジムをサボるならということで


Dundalkまで行ってきました。


行きはM50経由で2時間。帰りはうちまで1時間15分。Dundalkくんだりまで行ったんだからそのまま北アイルランドに突入して、Newryでビールを買って帰る(ビールは北アイルランドの方がはるかに安い)のもいい考えと思いましたが、7時にうちの住人(ひでかす含む)をLidlにお連れ申す約束になっていたためDundalk滞在2分でそのままとんぼ返り。


ちなみに、Dublin=DundalkのN1(国道1号線)はアイルランドにしては最高にいい道です。というのもドロヘダの近辺とダブリン郊外のSword近辺を除いてほぼ全線が高速道路になってます。残りの区間も高速道路開通まであとわずかです。


で、この道、オービス(速度自動取締機)が道中数箇所に仕掛けられてあります。私もNewryにたまに行くのでオービスの位置をだいたいうる覚えに覚えています。


帰り道の高速で、「ん?確かこの辺にオービスがあったべえ」と思いスピードを緩めると(名誉のために言っておきますが、そんなに飛ばしてませんよ)後ろから北アイルランドナンバーの車が私をすかさず抜いていきます。次の瞬間


閃光


あ、やっぱりあった。オービス。


今更スピードを落としても遅いのに北アイルランドナンバーの車はスピードを落とし、その横を私は抜いていきましたとさ。嫌なタイプの人間だと自分で思います。ははは。



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2002年12月06日(金) ヨーロッパでは食器用洗剤はすすぐのか??

このホムペ初めていらい初の「インタビューもの」を書いてみました。私の名誉のために言っておきますが、これホントにちゃんとインタビューしたものをまとめたんですよ。結構大変な作業でした。いつもと毛色の違う日記になりましたが、ま、いっか。


「素朴などうでもいい疑問なんですけど、アイリッシュは未だに食器を洗った後の泡流さないでいるのでしょうか?ほんとどうでもよいことですね(汗)アイリッシュの家庭にホームステイしてた時(6ヶ月)病気に
ならないかと心配でした。泡ついたままそのまま乾かして使っちゃう
んですよ!?」



掲示板でのラファさんの発言。確かに、アイルランドでお茶を飲むと、しばしば洗剤が浮いていることがあるような気がする。体に入るものだけに、本当に大丈夫なのかに気になるところ。


「これ、アイルランドだけじゃなく、イギリスもそうみたいですね〜私も最初なれなくて、皿が鈍い輝きを放ってるとき、たべものがつがれる前に、こっそり袖でぬぐってました。。(これも考えると汚い。。)人に聞くとこれらの洗剤は食べても大丈夫なようにデザインされている、と口をそろえますが、どの洗剤を使っても私はしっかり手荒れしてしまい、信用できません。」


こちらはEmikoさんの発言。そう言われてみると、知り合いのドイツ人も食器は洗剤につけおき洗いをしてすすがない。では果たしてヨーロッパでは食器用洗いの洗剤で洗ってすすがないのが常識なのだろうか?そんな素朴な疑問を会社で同じフロアーにいる30人弱に思い切りぶつけてみた。


案の定といえば案の定、「冷たい水に浸けといて、さっと全体に水をかけておしまい。でももし洗剤が食器に残ってたら気になるかな」と言うアイルランド人女性のLaora。イギリス人のSuzyも「コップとかのガラス製品はすすぐけど後はすすがないわ。でも洗剤をそんなに使わないから洗剤はそんなに残らないわ」と証言。アイルランド人の男3人とアパートをシェアしているというスペイン人のBegona は…「アイリッシュの男のフラットメイトが3人いるけどすすがなかったわ。私が文句を言ったので変わったけど」


ただし、これらの発言で気をつけたいことは、「洗剤が残っていたら気になる」という趣旨の発言をしていること。同じくアイルランド人女性のMoraは「最近は大多数のアイリッシュは食器洗い機を使っていると思うわ。私?もちろん手洗いの時はすすぐわよ。洗剤ってガンの原因になるんでしょ?」と言う。アイルランド人も洗剤が残っていると良くない、ということに気がついているのだと思う。


「私がパリで働いていた頃ある店では洗剤で鍋などを洗って・・そのまま拭いていました。洗い場担当の人がいるわけですが・・。もうそれを見てビックリ仰天。その店はすぐに辞めました。それ以外のパリのレストランはちゃんとすすいでいましたよ。」(掲示板シェフさんの発言)に見られるように、実はフランスでも洗剤をすすがない店・家というものがあるようだ。


ただ、現在自分の店を持ちばりばり仕事をされているシェフさんの見習い時代はけっこう昔のことかもしれないので、現在はこの状況は結構変わっているかもしれない。その証拠に、この日記に数度登場しているプロサッカー選手Andrewは、「すすぐに決まってんじゃん。レストランとかプロは間違いなくみんなすすいでるさ。すすいでなかったら下痢の原因になるじゃん」と言います。


ただ、私の記憶が正しければ一部のB&Bなどでは洗剤の残ったマグにお茶をいれてくれた気がするのですが。これは私の記憶違いか、それとも一部のB&Bは彼の言う「プロ」の範疇に入らないのか。


ちなみに私の知る限り、どこのパブもコーヒーショップも食器洗い機を使っています。パブのカウンターでバーマンの動きを見ているとよく分かりますが、プロ用の食器洗い機は強力です。わずか数分でお湯と洗剤を使い汚れを一気に落としてしまいます。


食器洗い機は一般家庭にも結構普及しています。ちなみにうちにもあります。Derekは「食器洗い機を使うよ。手洗いの時はすすぐかな」と言い、私の直属の上司Christineは「食器洗い機を使ってるわ。手洗いの時は冷たい水ですすぐわ」と言います。食器洗い機の方が楽ですし、何より手洗いに比べて洗剤や水の使用料が少ないらしく、「ドイツでは日本のように流し洗いするのは環境汚染に貢献するようなものだとか」(掲示板H.Tさん)という考え方をしているようです。


じゃあいつも食器洗い機を使えばいい…と言うことになるわけですが、やはりそれだけと言うわけにもいかず結局実生活では食器洗い機と手洗いの併用と言うことになることが多いようです。つまり水を無駄にしないために食器洗い機を使い、手洗いをしなければいけない時は水を無駄にしないようにすすがないというわけ。


そうなるとすすがなかった時の洗剤の残りが気になるわけですが、これに対してはドイツ人のTaniaが答えをくれました。「食器洗い機を使うわ。手洗いの時は洗った後すぐに拭くわ。これで洗剤も拭い取れるでしょ」


…なるほど、言われてみるとドイツ人は食器を洗うとすぐに拭きます。確かに拭き取れば流水ですすぐほどではないにせよ、ある程度の洗剤は拭き取れそうです。


「泡ついたままそのまま乾かして使っちゃう」(前出ラファさん)ようなことをされるとお茶の表面に洗剤がぷかぷか浮かぶ事態になると思われますが、こうしてふいてもらったりする限りはたぶん気になるほどの洗剤は残らないのではないかと。


が、量に関わらず「ハッキリ言って体にいい訳がない。」(前出シェフさん)と思います。そこで私は知り合いの看護婦、Emmaに聞いてみました。Emmaは「ちゃんとすすいでいるわ。洗剤は確かに発癌性物質(Carcinogen)を含むからすすぐべきよ。」とのこと。


「人に聞くとこれらの洗剤は食べても大丈夫なようにデザインされている」(前出掲示板Emikoさん)というヨーロッパの一部の人間が言っていることは間違いで、「日本の洗剤でも(すすがないで放置することは)可能なのかしら?」(掲示板Rommyさんの発言)というのは実は「ヨーロッパの洗剤でも放置してはいけない」というのが答えになるようです。


さらに「日本の洗剤と外国の洗剤と大して違いはない」(前出シェフさん)。ちなみに日本では洗剤の代表的メーカーが「洗剤はすすぐように」とはっきりホームページで公表しています。


Emmaは続けます。「アイルランドでは未だにヨーロッパ大陸で発癌性を疑われて禁止されたMr Muscleという洗剤の使用を認めているわね。」


え?私先週末その洗剤を使って思いきりオーブンをごしごし磨きましたが…。確かにあの洗剤はそりゃもう強力で、オーブンの中の油汚れがおもしろいくらい良く取れること。考えてみると、それだけ強力ってことはその分の副作用もあるわけで。そういえば日本にもありますよね。そういう強力な洗剤。あれも私たちの体や環境に思わぬ負担をかけている可能性は否定できないわけで。


「どの洗剤を使っても私はしっかり手荒れしてしまい、信用できません。」(前出掲示板emikoさん)そういえば「洗剤は口から入るより皮膚から浸透するほうがより危険」(前出掲示板H.Tさん)という疑問もあります。この点をEmmaに聞いてみました。


「口に入ると消化器官から吸収されるし、手からは血管を通じて血液中に入る恐れがあるわ。でもどのくらいの量をどのくらいの期間使ったら影響が出るかは分からないわ。」


結局行き着くところ、洗剤の毒性は、私たちの体に今すぐ直接の影響があるほどの毒性はないものの、長い目で見た時に何らかの影響があるようです。


まあ、このページははしがない「アイルランド真実紀行」の日記で、決して「買ってはいけない」ではありませんのでこれ以上はツッコミませんが、たしかにこういう問題もたまには考えたいです。


身近なところでひでかす。頼むから洗剤、ちゃんとすすいでくれ…と大いなる環境問題を自分の家の問題にまで矮小してしまうのは、某ワイドショーの司会から降ろされた前田なんとかさんに近いものがあるような気が…。


以上です。編集長。



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