なべて世はこともなし
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2002年09月19日(木) ひでかす洪水のチェコを逝く(その6)

ひでかすのチェコ旅行記、その6まできました。

ひできすがゆく--プラハ途中まで一人旅(6)--



―――3日目―――

 この長い物語も、いよいよ3日目に突入。ひできすも速く書き終えないと、記憶がどんどん曖昧になってきています。
 さて、9時すぎにチェックアウトした僕らは外に出て少し驚く。バスも路面電車も普通に動いている。洪水の話はどこへやら。天気も曇ってはいるが空は明るく雨は降っていない。何かいいことありそう(きゃぴっ)。
 階段を下り、地下鉄の駅へ。

…まだ全線閉鎖(だよ―ん)。

ひできす+S、ふにゃふにゃふにゃ…。
 駅員は「街に行くのなら26番の市電に乗りなさい」と言うので停留所へ。あー、ちょうど一本逃した。でも電車は超ド満員。次の電車も満員で来たが、数人降りたのでそこへ割り入る。電車はしばらく丘の上を走るとS字を描いて街へと下りていく。橋を渡り旧市街へ入ったので、僕らはブザーを押して電車を止め、道路へ降り立った。地図上では電車はその先まっすぐ進むはずなのに右へ曲がっていった。僕らの目指すのはこの先まっすぐ行くとあるFlorenc駅横の国際バスターミナル。
 高速道路の陸橋が見える。ひできす対策本部推奨のバスルートはあれを通る筈だ。橋をくぐった先のひろばがFlorenc駅のある広場。路面電車の線路はここから左へカーブし…

 …水の中へ

 ここはベニスか、バングラデシュか?広場から左側方向は全て水、水。そりゃあ右に曲がりたい路面電車の気持ちもわかるというもの。今もボートで救出された老人が到着したところ。そして右側を見るとそこはまだ全線閉鎖中の地下鉄の駅入口。バスセンターはその先の道を一本入るとある。ここであまりぶらぶらしているわけにはいかないので、先を急ごうとした時、さらに僕らは信じられない光景を目の当たりにした。(写真)

 地下鉄に下りる階段は、2,3段下りるともう水。そこには注意書きも何も無く、ぼーっとしてると水の中へぼちゃん、ということになる。全線不通は当たり前だぁ。駅も電線も全て水の中。これにはひできすおったまげてしまった。こういうときは防水シャッターかなにかがあって、地下区間は守られるんじゃないかと勝手に思っていた。迷い込んだ魚もいい迷惑だろう。どうやって復旧するんだろう。別の観光客も[オー、マイガッ!]とかいって集まってくる。
 僕らは先を急がねばならない。この先を右に曲がって、バスセンターはこの道…


Welcome to Venice. あかん、バス、のれへん…(ため息)。関西弁の分からないSにも状況はよく飲み込めたようだ。対策本部推奨の国際バスというアイデアはいまくずれた。

 へこんでいるひまの無い僕らは、きびすを返しプラハ中央駅に向かった。駅及び路線は丘の上にあり、列車が出入りしているのが見える。ひできす本部長はSを外渉部長に任命。駅前の旅行会社で列車の状況を聞いてもらう。
 国際列車のベルリン行きはドレスデンが閉鎖のためBad Schandauまで。そこからはドイツ国鉄がバスを出しているそうだ。さすがドイツ。しかし、列車の状況は刻時変わるので駅の案内で聞いたほうがいいという。別ルートのニュルンベルグ経由はやはりとんでもなく高い。「あの、バスは走っていますか」と聞いてみた。
「走ってませんよ。バスセンターは水の中だし、営業所もみんな避難してしまっているし。」はい、聞いてみただけです。
 駅の案内へ。「Bad Schandauからは、ドイツ国鉄のバスでベルリンまで行けます。」と、さっきと同じ事を言われたので、とりあえずチケットを国境まで購入。列車は40分遅れで出発すると書いてある。ああ、でもよかった。帰れる。

(次回、さよならプラハをお楽しみに。)

ついに!ようやく!とうとう!(やっと)次回、感動の最終回です。




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2002年09月18日(水) ウソはやはりバレるもの...何が起こるか分かったもんじゃない

疲れ果てて家に帰ってくると、ポストにはあからさまに請求書かダイレクトメールとしか思えない私宛ての郵便物。たまには請求書以外の郵便物をどきどきしながら開けてみたいなあ…なんてわけの分からんことを考えながら封を切ると(その時は炭素菌に違いないとかいうツッコミは不要)案の定Bank of Irelandからのダイレクトメール。ただ、その内容に私は仰天してしまった。


「家建てませんか。お金貸しますよー」


…アイルランドに住みいつの間にか4年の月日が経った。で、ついにここまで来たのかという感じ。bank of Irelandは忘れたころにこういうダイレクトメールを送ってくる。最近では、「車買いませんか」(これはエッセイに詳しく書いているのでそちらを参考にしてください)から「アメックスカード持ちませんか」などなど。で、だんだん話のスケールが大きくなっているなあ…なんて感慨深げに思っていたらついに話は家まで来た。


買わんっつうの!


何度も何度もしつこく書きますが、私、アイルランドに骨を埋めるつもりはありません。ゆえに、家など買いません。


最近になってこういうダイレクトメールがとみに増えてきた。たぶん絶対の確率で、私の給料の額だとか支出額が通帳から全部ばれているからだろうなあ…と思う。たぶん日本のそれほどはあからさまでないにせよ。ただ、それなら私に貯蓄がないことくらい気がついてよ…。


で、まあ、この私の友人が住む地区の回覧板並の地元紙、これを読んでいただければ、なぜ私がアイルランドに骨を埋める気にならないかお分かりいただけるかと思います。すごい内容なので、ぜひオフラインにして読んでやってください。ただし、A4サイズの紙をスキャンしたので画像は330キロバイトと少し重めですので電話回線の方はご注意を。ちなみにこの地区、私が「ダブリン家がない!」でネタにしたEastwallのお隣りの地区です。読んでいて「よくもまあこんなとこに住んでいたなあ」と笑ってしまいました。


話は飛びますが、今日、会社で私は同僚の何気ないひとことでほとんど即死状態にされました。先週末、金曜日に病欠を使いドイツに行ったのですが、これ、思わぬところで思わぬ事態になってしまいました。コールセンターで、小忙しく働いてくると、隣りの班の主任(アイルランド人の女性)さんがやってきて、コールセンターのマネージャーの前で…


主任:「ねえねえSnigel、先週の日曜日の夜空港で何をしていたの?」


ぐふっ(即死)


私:「え?」
主任:「日曜日の夜、空港の到着口のところであなたを見かけたわよ。どこか行ってきたの?」
私:「…え?いつの日曜日?」(←完全にとぼけている)
主任:「先週。どこ行ってきたの?」
私:「え?え?あー、うー、いー、家にいたけど」(大ウソ)
主任:「ええ、あれ、Snigelだったわよ」
私:「ええ?中国人だったんじゃあないの?」(←都合のいい時だけ中国人のせいにしたりして)
主任:「ええ?あれは間違いなくSnigelだったわよ。グリーンのアーミーパンツをはいて



グリーンのアーミーパンツ?んな趣味の悪いもの私は履きません。軍隊とか規律とか協調とか言う言葉が私は大嫌いです。そう、この主任さん、肝心なところで記憶違いを起こしてくれたのです。私はここぞとばかりに逆襲。


私:「グリーンのアーミーパンツ?そんな趣味の悪いパンツボクは持ってないよ。それ、絶対人違いだよ。ほら、そんなの履いてるの見たことないでしょ?」
主任:「うん、いつもスーツだもんね」



轟沈


最後までしらばっくれましたが、いやー、どこで悪事がばれるか分かったもんじゃあありません。これでヒコーキの中で出張帰りの部長とかにあった日には目も当てられません。皆様もウソをつく時は十分に御注意を。




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2002年09月17日(火) 「無料航空券」を100万席乱発するとんでもない航空会社

このへたれなホムペを運営してほぼ1年半が経ちました。このホムペをやっていて一番ありがたいことは、読者の皆様からの掲示板への書き込み、さらにはメールですね。このおかげでアイルランド国内はもとより、日本、さらには世界中にまさに「薄く広い」ネットワークができつつあります。本当にありがたいことです。

昨日も仕事中にこんなメールが舞い込んできました。


「Ryanairがまた『無料』キャンペーンをやっているよ日記のネタになるかもよ。」


…読者さん、ネタの心配までしてくださっています。ありがたいことです。


で、行って見ました。Ryanairのサイト。…繋がらない。アクセス殺到中。


で、なんとかアクセスに成功しフライトをチェックしてみると、…なんとまあ、本当に片道1セント(1円)で売っている。


ちなみに私Ryanair、嫌いです。いくらか余計払ってでも、古き良きサービスのある航空会社で飛びたい。だけど、そんな願望も「1円」の前にはなす術もないわけで。


で。結局、10月の半ばの土・日にマンチェスターに行くことにしました。税金等は自分で払うので結局往復36ユーロ。…フェリーより安い。どうなってんだか。


で、別の読者様の報告によると、どうも昨日はインターネット自体が繋がりにくかったそうな。原因は…Ryanairのサイトにアクセスが集中したから以外には考えられないわけで。


昼休みが終わったので、途中ですが今日はここまで。




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2002年09月16日(月) 今さらながらドイツ人の几帳面さを語る

ドイツ。土曜日から急に寒くなりまして、ドイツでも秋の訪れを感じました(アイルランドは8月の頭から秋ですが)。それにしてもドイツ人のあの几帳面さはもう日本人の私ですらびっくりです。Hannoverの中央駅からいつも某駅に向かって1時間に1本の各駅停車に乗るのですが、この電車、本当に定刻通りです。15時36分発なら15時36分00秒を時計の秒針が指した瞬間にぴったしドアが閉まります。最初は偶然かと思っていたのですがいつもなのでたぶんそういうことなんでしょう。


そういえば前の会社のマネージャーがこんなことを言ってました。


マネ:「ハンブルグで特急に乗り遅れちゃったわ」
私:「着くのが遅かったんですか?」
マネ:「定刻通りにホームに行ったのに列車が30秒早く出ちゃったのよ」



…んなばかなと思いますが、実話です。世界広しと言えど、定刻より早く列車が出るのはドイツだけではないかと思います。


で、今日の帰り道、同僚のドイツ人の車の後ろを間に一台はさんで走っていたのだが、私は信じられないものを見てしまった。


彼女が窓を開けて右手をまっすぐ伸ばすのだ。最初はたばこでも吸っているのかと思ったがそうではない。次の交差点でもやはり右手をまっすぐ伸ばす。


手信号。


…確かに「交通の教則」には手信号のやり方が書いてあるけど本当にやる人は洋の東西を問わず初めて見た。旧東のベルリン出身だそうだが、…いったいどんな人生を送ってきたんだ?


話はぶっ飛びますが(いつものこと)、今週、私はついにコールセンターに拉致されてしまいました。いつもコールセンターの仕事を仰せつかっても自分の机で電話を取っていたのですが、今週はなぜかコールセンターの専用室でやるように命令されてしまいました。行ったはいいが…ダメですね。自分の机でないと。自分の机、特にコンピュータは自分がやりやすいようにデザインされています。デスクトップのショートカットやドキュメントの履歴機能その他。で、コールセンターのマネージャーは、日本のお局OLのような方でして。「机をきれいにしろ」だの「今の答え方はおかしい」だの正しいだけにあまり強くは言えませんが、疲れます。ついでに日本語をサポートしていないので仕事中に掲示板のお返事すらできない(できなくて当然言うな)。


追突記、続きはまだありますのでよろしく。ひでかす大先生もチェコの旅行記を鋭意執筆中ですのでこちらもよろしくです。




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2002年09月12日(木) 計算機...あれこれ

アイルランド人女性の新人教育係を仰せつかった…というのは先先週くらいの日記でのお話でしたが、その後彼女もようやくひとりで仕事ができるようになってきました。が、たまに人知を超越した質問をしてきてあごが外れそうになります。


ある日。


「ねえ、Snigel。上海ってどこの国?」


まあこれくらいならいい。…というか、国名と首都は私の弱点でもあるのであまり偉そうなことを言うとあとで墓穴を掘るのが目に見えている。が、この発言はどうしたらいいでしょう。昨日のことですが、彼女が突如計算機を持ってきて


「ねえ、Snigel、450ユーロの20%引きって、どうやって計算すれば良いの」


…唖然。あんたそんなことも知らずにどうやって今まで仕事してきたの?


唖然としつつも平然を装い、


「それはね、450x0.8でいいんだよ」


と言うと、


「0.8ってどこから出てきたの?この%のマークを使って計算したいのよ!」


ここで私のばかさ加減が暴露されてしまうのだが、私はこの質問の前に凍りついてしまった。自慢にならないが%ボタンを使ったことがない。私は平静を装いつつ、


「450-20%だよ」


と言って実際にやってみると、…何のことはない、合っている。


ここまで書いていて思い出したのですが、過去の日記に単発的に書いていますが、私、その昔某大手家電量販店でお仕事をしていたことがあります。あそこで仕事をしていると、よく


「まけて」


というお客さんに出くわします。まあ人間の心理、少しでも安く買いたいと思うのは当然でして。で、値引き交渉をしたことのある人ならご存知でしょうが、そう言うと店員は困った顔をしつつ、かつ「いや、これでも頑張ってるんですよ」と言いつつ計算機をパチパチします。あの時、店員がどういう計算をしているかご存知ですか?他の人は知りませんが、私の場合単なるハッタリ(おい)。単に計算機で遊んでいるだけでした。…とまで言うと実際大げさですが、こんな感じです。例えば39800円の商品の場合。


39800x1.05x0.9=37611


(39800円の税込みの10%引き=37611円)をまず計算してそのあと


39800x1.05x0.85=35521


このあとは本当に計算機で遊んでました。たいがい検算してましたけどね。で、おもむろに、


「税込みで38000円でどうですか」


と言います。するとたいがいのお客さんは、


「ええ、ポイントカード使った方がいいじゃん」


と言います。その通りです。それがポイントカードのポイントカード足るゆえんです。家電量販店の多くがやっているあのポイントカード、今どの店がいくらの還元をしているか私は知りませんが、あのポイント値引き、その出所はここだけの話店ではないらしいです。実は、メーカーから「販売協賛金」とかいう名目で、半ばカツアゲのようにふんだくっている金らしいです。つまり店にとって痛くも痒くもない金。


メーカーは家電量販店の圧倒的な販売力の前にそういう金を出さざるを得ないらしいのです。…というわけで、10%のポイント還元と10%の値引きはお金の出所が違うのです。ほら、この一文を読んだだけで今日の日記を読んだ価値があろうというもの。


で、私のようなヒラ販売員に許された値引き幅なんて10%がいいところです。これ以上の値引きは責任者の承認がいります。ただ、仮に責任者の承認を得たとしても15%以上の値引きなんて商品にもよりますがまず考えられません。


というわけで、上の例だと37500円を砦にして交渉。それで決裂した場合は、上司に後で文句を言われるのを覚悟で最後の砦を35500円にしようと考えていたわけです。繰り返しますが、私が取り扱っていた商品で15%引きはまずまれのまれな事態です。


ただ、私の場合、値引き交渉はあまり好きではなかったので、ハナから支離滅裂な値引きを仕掛けてくるお客さんに対してははっきり「無理です」と言っていました。で、結構口がうまかったので、たいがい値引きなしで話をまとめていましたが。


「販売報奨金」の話はあくまで伝聞系です。さらに、現在どういう形態で家電量販店が商売をしているか私には一切分かりかねますのであしからず…と逃げを打っておきます。


最後に。明日からドイツに行ってきますので(またかよ)、次の更新は月曜日。メールのお返事大幅に遅れています。来週必ずお返事しますのでしばらくお待ちくださいませ。




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