なべて世はこともなし
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|アイルランド真実紀行へ
| 2002年08月28日(水) |
アホな上司はどこにでもいるようで... |
北アイルランド出身の私の直属の上司が昨日の夕方にこにこしながらやってきました。私の中で「キケンアラーム」がピコピコ鳴ります。案の定…
「悪いけど、明日とあさってコールセンターねっ」
というわけで本日は再びコールセンター。最近コールセンターに回される頻度が高くなってきた気がする。「どっちにも使える便利要員」の地位を本人はまったく望んでいないのに確実に手に入れようとしている気がする。
今日は最悪でした。電話を待っている人がいつもよりはるかに多い。そんな中お客様のひとりの女性は泣き出す騒ぎになるし。で、なぜ私が忙しいかは、この泣き出したお客様を何とかしてあげようと別室のコールセンターのスーパーバイザーのところに行った時にすべてが分かりました。
上司:「だから!そんなばかなことがあって良いの!私はマネージャーと話したいわ。マネージャーを出してちょうだい!」
何やらおっそろしい剣幕で叫んでます。どうやらコールセンターのマネージャーが私用電話で相手の会社のコールセンターのマネージャーを出せと叫んでいるようです。なんともこっけいな風景。あんた、いつもお客が「マネージャーを出せ」って言うのを嫌っているくせに…。
数分後そのマネージャーがコールセンターの専用室から出てきて、
「あったま来たわ!タバコ吸ってくる!」
と私の前を駆け抜けていきます。…とても話ができる状況でなし。
で、数分後の泣いているお客様の話をしたものの、私の判断はやはり正しく、「できんもんはできん」との冷たいお言葉。詳しく書けないのがなんとももどかしいですが、確かに無理な相談だったのです。とはいえお客様の過失でもないし私としては何とかしてあげたかったのですが、百万円近いお金が動く話で私の力ではなんともできませんでした。
で、数時間後、今度はクレーム電話。どうしたもんかとコールセンターの別室に行くとマネージャー氏、
「だから、そうじゃないって言ってるでしょう!OOOがXXXしたのは私のせいじゃないのよ!」
…おーい、まださっきの私用クレーム電話の続きをしてるよ。あんたが私用クレーム電話をするのは勝手だけど、電話を待っている人がたくさんいることに気がついているのかねえ?このお方は。あんたが電話を取らないだけで私はパニクってるよ。
で、あと1時間で仕事も終わりという段階になってそのマネージャー氏が私のところにやってきて、
「ちょっと。今日は仕事の効率が悪いわよ(=電話の待ち時間が長い)。もっとしっかりやってちょうだい」
…Dilbert(アメリカのマンガ。どの新聞にも掲載されている)のアホ上司をふっと思い浮かべました。こんなアホ上司には付合ってられんと午後4時の退社時間の時点で電話を待っている人がいましたが、私は見なかったことにして早々とコンピュータの電源を切りました。知ったことかい。
で、まあ、嫌なことはいろいろまとめて起こるもので。昨日インターネットで自分の口座の残高を調べたら、会社の給与振り込みが先月に比べて数万円多い。「やったー。日本行きのチケットもこれで何とか償還の目処が立つかもしれない」と思っていたのもつかの間、総務のマネージャーから直メールが来て
「給料過払いあり。至急返金されたし」
ふ…ふざけんな!
というわけで今日は私は飲んできます。明日起きれなくて遅刻しても私の知ったことじゃあないね。
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| 2002年08月27日(火) |
ひでかす洪水のチェコを逝く(その1) |
本日よりひでかすのチェコ旅行記をお送りします。ひでかす大先生におきましては、会社の隣のパブに行ったり、訳のわからんコンピューターのプログラムの制作に忙しい中、玉稿を賜り感謝をいたしております。ひでかす大先生はただいま続きを鋭意執筆中につき、続きは不定期連載になることをご承知おきください。なお、本文中に自分の名前を「ひできす」と呼ぶなどのあからさまな誤字脱字が見うけられますが、私も人のことは言えないくらい誤字脱字が多いですし、ひでかす大先生の意向を尊重するという意味でもあえて添削はせずにそのまま掲載させていただきます。
ひできすがゆく--プラハ途中まで一人旅--
| ...違います。何度も言いますが、僕の名前はひでかすではなくて、ひできすです。ちょっと気の利いたかわいい子から、ちょっとこうつまって「ひできっす」なあんて呼ばれちったら、もうなんちゅうか...(でれれ)。 何の話でしたかね?..そうです、このごろはSnigelに「ひでかすう」とか呼ばれると、「なあにー」なんて返事までしてしまっていたりする。いけません、親しき仲にも礼儀ありです。けじめはつけなければいけません。〔その時階下から〕「おーい、ひでかすう。ビール飲まない?」「うん、飲むう。」...
わかってますよ、プラハでしょう。行ってきましたよ。何度も延期に延期を重ねたプラハ旅行。会社の同僚の誰に聞いても「あんた、そら一度は行かなあかんでー」と言われるプラハ旅行。うまいことに同居人のチェコ人が帰省中で、「プラハで会おう」なんておいしい話もあるプラハ旅行。今回は延期は絶対はさせまいと、旅行は完全に僕主体で計画されました。と言うことは、つまり旅行は行き当たりばったり。だいたい宿の予約なぞしていくのは僕の性にあわない(めんどうくさいんですね、つまり)。
お茶の間のみなさんの何人かは知っているひできすは、某航空会社に勤めており、旅行はいつも社員割引のきくスタンバイ(つまり空席待ち、でも安い)。そもそも、旅行が延期に延期を重ねたのは、僕の彼女Sの都合が原因。Sはシュヌーキ(これも仮名)の略。Sは卒論真っ只中で、金も時間もないかわいそうなドイツの学生。今回「足りない分は俺が出す」(日本では当たり前という噂もある)とのたまったはいいが、何せスタンバイの身分、飛行機に乗れる保証が無い。だからSには、「プラハに着いたら電話するから、荷造りだけしといてすぐ列車に飛び乗れるようにしておけ。あの例の橋の上で会おう」なあんてかっこいいことを言って、旅行は始まったのでした。 ----------------------------------------
--まずは一人旅--
今回は僕とSnigelが共に愛するSAS;スカンジナビア航空でコペンハーゲン経由プラハという旅程。SASが好きな理由はサービスのレベルの高さ、食事のおいしさ、非常にリラックスしていて笑顔を惜しまないデンマーク人の気質、そしてカーストラップ(コペンハーゲン)空港は世界一の空港だと思うからです。
特にSASの食事の質の高さは、多くの航空会社が財政難で食事の質を落としたり、カットしたりしているなかで、もう意固地になっているとしか言いようの無いほどのもので、まあこの話はおいおいしましょう。
朝6:30テイクオフという、定期便ではダブリンで一番朝早い(だから滑走路が渋滞しないのがいい)便で飛ぶというと、Snigelが「車で送ったげる」と何と嬉しい事を言ってくれるではありませんか。
8月12日、月曜日です。いつもぎりぎりまで荷造りが出来ないひでかすは今日も寝不足で、お目目半開き能面状態。5時に起こされてそのまま車に乗り込み、何で自分がここにいるのかよく分かってないような顔をして、しかしとりあえず車を運転しているSnigelと共に朝のダブリン空港へ。このくそ朝早いのに空港はいつもどうり混んでいる。チェックインカウンターで出発の15分前まで待たされて、ゲートに着いたのは出発5分前。いつも僕には...{乗れないかもしれない}...というリスクが付きまとうので空港ではいつもドキドキです。
ダブリンは今日はいい天気。何かいい事ありそう(うふっ)。飛行機は定刻に出発。西向きに離陸したボーイング(旧ダグラス)MD83は、上空数百メートルに達すると機体を大きく右に傾けてUターン。あとはコペンハーゲンまでほぼ直線コースで東へ。
そのまま死んだように眠ってしまいたかったけど、何しろ腹が減っている。お待ちかねの朝食はSASにもかかわらず.....シケている。そこでひできすは気がついた。この便はダブリンに着いて一泊し、朝一でコペンハーゲン(ホーム)に戻る便。当然デンマーク発の便のようなすばらしい食材は積んでないのでした(えーん)。腹3分くらいの朝食後、ひできすは完全に夢の中の人。気づいたら着陸のアナウンス。あ、時計の針を1時間進めなければ。...あ、もうやってあった。ひできすは時差のある国へ飛ぶ場合は飛行機に乗ったらすぐ時計を合わせる。なぜかはよく知らないがそうする。ここで気づいた........飛行機が遅れている。へ?なじぇ?
外を見ると、ダブリンとはうってかわってどんより雲が空を覆っている。天気最悪。ひできす、へなへなへな。そう言えば今までここに来た時は決まっていい天気。雨のコペンハーゲンなど僕の脳みそには受け入れがたい事実なのでした。
ひえー。なぜ「ひえー」かと言うと、実はこの便の到着予定は9:35で、次のプラハ行きが10:10発。コペンハーゲンの最低乗り継ぎ所要時間はたしか1時間。何度も来たことのあるひできっすは、空港をよく知っているのと、客室用手荷物しか持っていないということもあて、あえてこの不法乗り継ぎを敢行しようとしたのでした。
で、ひえーの続きはどうなったかというと、着いてほぼ一番で出てきた僕は、いつもの乗り換えデスクへ。預け荷物がないのはいいものです。航空会社職員のスタンバイ旅行は、乗り換えのたびにいちいち荷物を再チェックインしなければならず、一度入国して荷物を取り、また出国という、もうパスポートのページがいくらあっても足りなくなりそうな事を繰り返さねばならないんです。結局、荷物の無いひできすの乗り換えにかかった時間は、
10分。
ははは、心配無用でした。
プラハ行きの飛行機はMD83よりちょっと小さいボーイング737。ダブリン―コペンハーゲン間の約半分の1時間のフライト。10:10発という朝食とも昼食とも言いがたいビミョーな時間。なのにSASはやってくれます。始めの便より百倍はおいしいサーモンの食事がどーんと出ました。ここが僕が「SASは意固地になっている」と言う所以です。この時間帯、しかもこの短いフライト、食事なんぞ言ってみれば不要なんです。そう思いませんか? もちろん文句を言っているのではありません。うーん、北欧産のおいしいサーモン。なにかいい事ありそうな...(えへ)。
ここで機内アナウンス。「えー機長のなにがしです。プラハの天候は雨。東ヨーロッパはひどい天気で、この低気圧はしばらく停滞しそうです。あ、ところでこの飛行機は到着時間が20分ほど遅れます。」...ひできす、へにゃへにゃへにゃ。 |
私の現在の予定では、明日は私の通常の日記にしようかなと思っていますがまだ未定。この連載、評判が悪かったら打ち切ります(笑)。ちなみにコペンハーゲンの空港は、私は世界一だと信じて疑っておりません。なお、コペンハーゲンの最低乗り継ぎ所要時間は確か国際線間で40分だったような...。
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| 2002年08月26日(月) |
アイリッシュの狂暴新人教育係を仰せつかる |
先週4日にもわたって日記をおサボりしてしまったわけは、実は私の会社にあります。先先週から数週間前に辞めたイタリア人の代わりにイタリア語の話せるアイリッシュ女性が入社してきたのです。まあこれ自体はいい。問題は彼女の席が私のとなりになったこと。
先週末に北アイルランド出身の上司がにこにこしながらやってきた。彼がにこにこしてやってくるとろくなことがないということは私は経験上知っている。案の定…
「Snigel、悪いんだけど、新人の教育係をやってくれる?」
…あーのーなー。私だってまだ6ヶ月しか働いてないんですけど。それで新人の教育係?おまえ、トレーニングセッションをオーガナイズするのがめんどくさいだけだろ?(あまりカタカナ英語を使いたくないのですがどうしても日本語が浮かばなかった。すいません)そう思った瞬間…
「いやさ、Snigelは本当に優秀だからさ。頼むよひとつ」
承諾。…ブタもおだてりゃ木に登るの典型的な例。この上司も私がおだてに弱いことをすでに掌握している模様。おそるべし。
で、引き受けた彼女のトレーニング、ドイツから帰ってきた火曜日、休みボケが全然直らないうちから始まりました。
私:「んじゃあ、一番基本になるこのデータ入力から始めましょうか。これ、他のセクションの人がやってくれるけど、まあ最初だし、一番簡単な仕事から始めましょう、ほい、まず日付ね。そこにこの日付、七月十日と入れて…」 彼女:「6月10日…」 私:「七月十日だってば…」 彼女:「あはははは、JunとJulって似てるもんね」 私:「あんたネィティブじゃあないの?」 彼女:「そんなことよりさあ、私の彼ったらさあ、OOOでXXXで…」
一時が万事こんな感じ。何度教えても同じとこでつまづくし、まじめに教えようとしてもすぐに世間話を始めるし。まあ、上司もこれに輪をかけて困った人で…
私:「今から1時間会議に行かねばならないんですが、その間彼女、どうしましょう?まだひとりで仕事はできないかと思うんですが」 上司:「んじゃあ、インターネットでもやってもらえば?」
で、週の終わりになって、
上司:「おう、Snigel、新人の彼女はどうだ?使えるだろう?」
…あんたどこ見てそんなこと言ってんだよ?それともアイリッシュの新人ってこの程度なの?
というわけで先週は、彼女につきっきりだったので日記の更新ができなかったわけです。もっとも、これでは土曜日にサボったわけの説明にはならないわけですが。しかも、会社で更新するなよ(今も会社だったりするのだが)。
で、今週になって彼女のトレーニングをしなくていいと喜んでいたのもつかの間、彼女は5分毎に質問に来る。いえいえ、新人なので分からないのは当たり前。聞いてくれるのは大歓迎。でもねえ、お願いだから、同じことばかり何度も聞かないで。
明日はちょっといつもとだいぶ違う日記です。お題は「洪水」。ご期待くださいませ。
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| 2002年08月25日(日) |
女性の腋毛について考える(その2) |
あーあーあー、気がつけば4日も日記をサボってしまいました。もし期待されていた奇特な方がいらっしゃったならお詫び致します。いえ別に病気だったわけでもどこかに行っていたわけでもありません。なんとなく他のことが忙しかったんですよね。まあこの話はおいおいのちほど。取り合えず今日はドイツのお話の続きを。
で、無くされた荷物はルフトハンサの職員によってちゃんと翌朝届けられました。土曜日の朝7時に。これを「ドイツ人的まじめな気質」と言うかどうかは意見の分かれるところかと。
で、アイルランド以外の北半球では8月は夏です。暑いです。というわけで、Mausiと私は湖へ湖水浴へ行く。ハノーバー近郊の村のMausiの家から南に速度無制限の高速道路Autobahnを南に走ること小1時間。そこには、それは美しいHarz Mountainという山があります。そこの湖。
駐車場から歩くこと15分。林の中から急に視界が開けたと思うとそこには美しい湖。その脇の芝生の上には日光浴をしている人多数。
うーん、トップレス。
そう、アイルランドでは見ることのできない(もっとも生ハムなど見たくもないが)トップレスの女性もちらほら。
おーおーおー!
と、隣にMausiがいるのに無節操に興奮する私。が、その興奮は…。
ええ、ええ、確かにトップレスの女性はおられました。間違いありません。が、ねえ、下手をしたら私の母くらいの年齢や、下手をすると私の娘くらいの女性のトップレスを見ても何も興奮する要素はないわけで。そう、興奮は幻滅へと変わりました。まあ、世の中そんなもんですよね。
で、このトップレスの人々を見つつ、私はドイツでは暮らせないなあとつくづく思う。だってトップレスのご婦人の隣ではそのダンナと思しき人が着替えをしている。タオルで局部を隠すこともせずに堂々とナマコをぶらぶらさせながら。これって日本のビーチで同じことをしたらそのままケーサツ直行だと思うのだが。このおっさんがナマコをぶらぶらさせていても誰も気に留めるでなし。よく言えばオープンな社会。悪く言えば恥知らずな社会。
で、ドイツ女性。化粧をしないすっぴんの女性が多い他よりはるかに多い気がする。足も腋も剃らない女性も珍しくない。トップレスのご婦人にはたいそうご立派な脛毛が生えているが本人気に留めるご様子もなく。
まあ考えてみるとなぜ女性だけ足や腋を剃らなければいけないか…と言う質問に答えられる人はいるのだろうか。「その方が見栄えがいい」…確かにそのとおり。でもそれは男性も同じはずで。なぜ女性ばかりが痛い思いをして脱毛クリームだなんだを使わねばならないか…という答えにはならないような。
さらに「なぜ女性は足は剃っても腕は剃らないのか」というのも私の素朴な疑問。これに対しては私の友人のフランス人の女の子が非常に単純明快説得力のある答えをくれた。
「だって男の人は足は見ても腕は見ないでしょ」
…そのとおりでございます。はい。
ちなみに湖の水は少し冷たかったものの、泳ぎはじめると快適そのものでした。
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| 2002年08月20日(火) |
女性の脇毛について考える(その1) |
SASのダブリン発コペンハーゲン行きは一日3便。第一便は朝の6時30分というスーパー早朝にダブリンを出る。で、今回私が乗ったのはこの朝一便のコペンハーゲン行き。
この日はハイシーズンということもあって早朝にもかかわらずほぼ満席。チェックインカウンターでは
「あいにくお客様のご希望の席は窓際も通路側も空いておりませんで、中央の席になります」
と言われる。文句は言えない。何せチェックインカウンターが閉まる数分前駆け込みでチェックインしているのだから。で、いざ搭乗すると
うわっ!両側に巨漢!
まあ相撲取りのような…とまでは言いませんが、それに近い体の隅々まで栄養の行き届いた中年男性が通路際に、窓際にはそこまでいかないまでもこちたもなかなかの女性が一名。私の席はその間。すかさず私は肘掛けの下をチェック。
肘掛けの下から男性の脂肪がこちらの席にはみ出してきている
人の肉体的特徴をぐだぐだいうのはあまりフェアじゃあないことは分かってます。が、私だって安くない運賃を払っているわけだし、ついでに言うと確かアメリカのどこかの航空会社は肘掛けのしたから肉がはみ出す場合は二席分チャージするんじゃなかったっけ?
私はあたかもその席が自分の席ではないかのように通り過ごし、そのまま一番後ろのギャレイのスッチーさんに泣き付く。するとスッチーさんはご親切にも
「ここならいいわよ」
と別の通路際の席を教えてくれる。なるほど、窓際と通路際にはカップルと思しき男女。中央席の女性は小柄でついでにけっこうかわいい。で、通路側の席は確かに空いている。
でそこに座ったのだが、実はこの席、確かに肘掛けの下からの脂肪攻撃はなかったものの、その代わりに、「いちゃいちゃカップル早朝キス攻撃」に遭ってしまう。どうもこのカップル新婚さんらしく、もうその愛の力はどうにも止まらない。二人で見つめあい、熱いディープキス(推定)をし、…いつまでも止めない。「まあまあ半年もすれば顔もみたくなるから」と言いたいのをじっとこらえ、ようやく着いたコペンハーゲン。実際この二人、食事の時以外はずっとキスしていた(30分くらい私は寝ていたのでその間は定かではないが)。
ようやく着いたコペンハーゲン。入国審査は相変わらずパスポートの表紙を見るだけでやる気なし。どうやら日本のパスポートを持ってさえいれば、犬でも入国できそうな趣。
この日の私の楽しみはコペンハーゲンの街に行くこと。実は乗換えに5時間もあり、そんなに長い時間を空港でつぶすのはもったいないと思い、電車でわずか10分で着く街まで行ってみようと決めたわけ。
駅に行って私は大いに感動してしまった。
「10:05分発Malmö行き」
はいはいはい。これじゃあ何も分からないですね。
Malmöとはコペンハーゲンの対岸にあるスウェーデンの街。そこまで直通列車が走っている。前回来た時にはなかった東京湾アクアラインばりの橋が完成したらしい。私は何度も市内からフェリーでMalmöに行っていただけに、その便利になった状況に感慨もひとしお。
ついとその列車に乗って私の愛するスウェーデンに行ってしまいそうになる誘惑を押さえつつ、私は逆方向の列車でコペンハーゲンへ。考えてみれば、自分の彼女を取るか、愛するスウェーデンを取るかという究極の選択。おもわずスウェーデンを取りそうになる自分が恐い。
ここではガイドブックではないので、詳細は省くけど(詳細のご覧になりたい方はこちらへ。こちらのページは私も大いに参考にして本当に役に立ちました)、中央駅から目抜き通りを歩いていると何時の間にか海まで来てしまっていた。そこで目についたのは、観光バス三台に分乗した日本人観光客の軍団。彼らの行く先には観光客用のボート。時間もあるし、歩くのも面倒だし、というわけで乗りました。ボート。
このボート、物価が高いことでお馴染みの北欧諸国にしては信じられないくらい安いツアー。一時間のツアーでなんと300円程度。なるほど、乗ってみると、ガイドのおねえさんは冗談の一つも言わない脱力系ガイドで、手を伸ばした時にタンクトップの腕の下から見える剃っていない脇毛がそこはかとない脱力感を助長してくれる。
…蛇足ながら作者は足などを剃らない女性でもあまり気になりません。というかドイツやスウェーデンでは私の知る限りでもそらない人は結構いる。慣らされたというのが本当のところか。
閑話休題。ともあれ、この写真がすべてを物語る

日本の観光バスでバスガイドさんが、この脱力やる気なしポーズでガイドしてたら、…たぶん翌日以降の仕事はないでしょう。
この脱力ボートツアーのあと、私は表通りのパブへ。天気のよい外で私の愛するカールズバーグが飲めるとなると、これを飲まずしてコペンハーゲンを去ることは私の人生に大きな遺恨を残すことになる…って、実は、SASをしょっちゅう使ってる以上、来ようと思えばいつでも来れるのだが。
ビールを頼んで私は忘れかけていた事実に気がつかされた。
北欧では酒が高い!
たかがハーフリッターのビールが、700円もするのはいただけない。新宿のアイリッシュパブじゃあないんだから。
で、気持ちよく飲んでいたら自分の彼女ヒコーキのことを忘れかけ、あやうくヒコーキを逃しそうになりつつコペンハーゲン空港に戻る。
で、デハビラントとかいうプロペラ機(日本でも結構お目にかかれるらしいが)ハノーバーに。ヒコーキが70人乗りと小さいので荷物もすぐに届けられる。で、ベルトコンベアに私の荷物がいつまで経っても出てこない。係の人とおぼしきおっさんにドイツ語で、
「これで全部?」
と聞いたら、
「全部」
と言う冷たいお返事。
この一年間で3度目となる記念すべきロストラゲージ!
一年間に3回も荷物を無くされるともう怒る気力もなくなります。わたしももう完全に慣れてますから、荷物がなくなってもいいように、コンタクトレンズの用品などなくなると困るものはしっかり手荷物に入れているし、しかもある程度のものはMausiの家に置きっぱなしにしている(こうしてMausiの家にいることを既成事実化しようとしている…と自己分析)。
というわけで焦りも怒りもせずに、ルフトハンサのカウンターに、荷物の届け先を教えてそのままS-bahn(ドイツ国鉄の近郊列車)に乗り空港を離れ、ハノーバー中央駅へ。そこからKaufhofというドイツのあちこちにある面白味のないデパートに行き、普段は買ったこともないような高級おパンツ(1枚2000円)等を買う。知ったことかい。SASが払ってくれるというんだから(悪質)。
この後のことは翌日の日記に続く。
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