なべて世はこともなし
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|アイルランド真実紀行へ
| 2002年06月18日(火) |
バスの中に閉じ込められる...毎日の通勤はとても刺激的 |
もう、本当にくされAlan Martin coaches社は人知を超越した素晴らしいバス会社です。よくもまあここまで新鮮なネタを連日提供してくれるものだと思います。
今朝のバスは7時15分の定刻に対し5分遅れで到着。5分はこの会社にとって遅れたうちには入らない。この時間のバスはお客も少ないので、バスも当然の帰結として小さ目(推定定員25名)のミニバスを運行。このミニバス、99年式(つまり3年落ち)という比較的新しいものにも拘らず、角がないくらいにあちこちぶつけているし、エンジン音はあからさまにメンテナンスが行き届いていない今にもエンストしそうな不健全な音。中はいつ掃除したんだかわからないくらい汚れ、禁煙のはずの床にはたばこの吸い殻が散乱し、あちこち穴があいているのだろう、ガムテープで目張りしている。…まあ、この辺は十年一日のごときいつもと同じ話。
で、バスが到着し、私がドアを開けようとすると…開かない。このバスは前方運転席側と助手席側に、普通の乗用車と変わらない外からだと手前に手動で開けるドアが着いている。つまり、自動じゃないので、普通の乗用車同様自分で開けねばならない。…開かない。推定ながらたぶんフレームにおよぶような事故を起こして車体が歪んでいるのではないかと思う。で、ドアが壊れんばかりの勢いで思い切り引っ張るとドアは開いた。
で、運転手がドアを閉めようとすると、今度は閉まらない。半ドアのような音がしてちゃんと閉まった感じがしない。で、バスはそれでも発車。
途中のバス停でも数人が乗り込む。で、バスはしばらく今にも止まりそうなエンジン音と主に何とか走っていたのだが、結構なスピードで走行中、突然助手席側のドアが勢いよく開く。…もし二輪車が並走していたら間違いなく死亡事故もの。慌ててバスの運転手は止まろうとするが、止まろうとする過程で開いたドアを思い切り街灯に激突させる。まあ、このバスなら凹みがひとつくらい増えても誰も気がつかないだろうけど。で、バスの運転手はこれまた壊れんばかりの勢いでドアを閉める。
バスは20分後無事に会社に到着。で、私はいの一番に降りようとバスのドアを開けようとするが
開かない。
ドアノブはすかすかと空しい音を立てるだけ。開かない。運転手がイギリスの列車よろしく窓を開けて外からドアを開けようとするが、なんと窓を開けるハンドルは取れてなくなってしまっている。
で、運転手は運転席側のドアを開けようとするがこれまた開かない。「事実は小説より奇なり」とはポーの名言。「事実は小説よりお笑い」アイルランドでの生活はこの一言ですべて言い表すことができる。ともあれ、私たちはバスの中に閉じ込められる。考えてみたら、これが事故かなんかでバスに火がついてたら私たちは間違いなく死んでるな。
で、どうなったと思います?幸いといえば幸いこのバスには後部に「非常口」があったので、そこから運転手が脱出し、外からドアを開けましたとさ。
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| 2002年06月17日(月) |
ちょっとこのおげれつ写真は反則だろう?アイルランドの夕刊紙より |
下の写真。アイルランド一の夕刊紙(というかダブリン近辺でしか売っていないような気もするが何故かアイルランド一)Evening Heraldの一ページの1/3を占めた写真。Robby Keanがシュートを決めた瞬間をパブで喜ぶ人々。で、みんな手を上げてシュートが決まった瞬間を喜ぶ。まあ、これだけなら私もこの日記を使ってぐだぐだ言おうとは思わないわけで。
が、写真中央上部緑色の矢印がついたおっさんにはい注目ー。右手を上げてシュートが決まった瞬間を喜ぶのはいいが、ちょっと待った。おっさんの左手はどこ?探してみてください。

…アイルランドの男のすべてを写真一枚で表現した素晴らしい写真です。キャパキャパ賞(そんなもんあったっけ?)を進呈したいところ。
話はころっと変わりますが、私、ただいま花粉症に悩まされています。まさに今更ですが、目がかゆくて仕方がない。まあ、日本では死にそうな思いをしていたのでそれに比べればまさに屁でもないですが。実はこの花粉症、まずはドイツで気がつきました。で、アイルランドに戻ってくれば平気だろうと思いきや、目はしょぼしょぼしたまんま。つらい。
最後に(なんだか今日はまったく話に脈略がないですが)。読者さんからこんな質問を頂きました。
アイルランドの片田舎で伝説の指輪があるとTVでやっていたのですが、、、天使が象ってある指輪なのですが、聞いた事ありませんか?教えて下さい!!
たいがいの質問は私でも答えられるのですが、これに関してはちょいとお手上げ。ご存知の方は、メールまたは掲示板でご報告をお願いいたします。
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| 2002年06月16日(日) |
こら!British Midland!これで客が満足すると思うのか! |
ただいまドイツから帰ってきました。来週も早番(=8時出勤)なので朝の5時30分に起きなければいけません。日記の更新なんかしてないでさっさと寝ろ…という感じですが、一文にもならないこの日記の更新をしないと眠れないような気がする私。偉いんだかバカなんだか。
私かなりBritish Midlandに失望いたしました。というのも彼ら、なんと機内食を廃止しやがったんです。えーえーえー、そりゃただのサンドイッチでしたよ。でもねえ、例えただのサンドイッチでも機内食が出るかでないかで大きな違いが出ることは言うまでもないかと。
航空会社ウォッチングもホームページの大きな柱としていると今決めた当アイルランド真実紀行管理人としてはこの背景を追求する必要があると思い、ロンドン=ハノーバー間の機内で機内後部のギャレイ(台所)で一休みする一目でゲイと分かるスッチードさんに突撃インタビューを敢行いたしました。
私:「あのー、単なる好奇心でお伺いいたしますが、機内食は廃止されたんですか?」 スッチード:「うーん、申し訳ないんだけど先週から廃止されたんだよね。うちの会社のロンドン=マドリッドのような中距離線はコールドミールからサンドイッチになって、このロンドン=ハノーバー(あるいはロンドン=ダブリン)のような短距離線では食事は廃止されたんだよね」 私:「そうなんですか。やはり客としてはがっかりですよね」 スッチード:「だろうねえ。『お客様の声カード』あげるから書く?」 私:「そうですね。会社に手紙を書きますよ。でもこれってやはりRyanairとかEasy Jetのような格安航空界者が台頭してきたせいですか?」 スッチード:「会社の経営方針は分からないけど、たぶんそうだと思うよ。そう、Lufthansaも同時に機内食を廃止したんだよね。ちなみに航空運賃も去年に比べて大幅に下落しているらしいし」
そう、結局はRyanairを代表とする格安航空会社に押されて、British Midlandもついに機内食を廃止するに至ったらしい。ただ、もし純粋に運賃で比較するなら私は先日の日記でも書いた通り3倍の運賃を出してまでBritish Midlandに乗ろうとはしないわけで。やはり3倍の運賃を出すからには当然、それなりのサービスを期待するわけで。
気になったのでこんな質問もしてみました。
私:「ちなみにサンドイッチってみんな食べてます?もし誰も食べてないようならあまり意味はないかと思うんだけど」 スッチード:「うん、たいがいの人は食べてるねえ」
…British Midlandさん、やはり機内食は廃止するべきではないと思います。まあいいや、とりあえず疲れたので寝ます。
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| 2002年06月11日(火) |
最初で最後?!アイルランドをホメる |
会社帰り、バスに乗っていると急に雨が降り出したので近所のパブに定石通り緊急避難。
すんげえ人だかり。
火曜の夕方の地元のパブなんて人がいないというのが当たり前なのに、空席一つない状態で立って飲んでいる人も多数。良く見ると、みんな今日の昼間のテレビで見た人たちと同じ格好をしている。
祝 アイルランドチームW杯予選突破パーティー
というわけ。
みーんな本当に例外なく嬉しそうな顔をしておりまして。そんな中でカウンター席の一番端に座る私は中島みゆきの歌に出てくる悪女の趣。
♪メッキだらけのケバいサテンの隅っこは、雨宿りの女のための席ね
(Made in Tears) まあ、私が男か女か、サテンかパブかの違いはあれど、お祭りムードのパブの中で、たったひとり朝買ったIrish Independent(新聞) を読んでいる姿は、十分浮いていたのではないかと。
で、まあ、ひとりでパブの片隅でつげ義春の世界にはまっているのもなんだし(…って中島みゆきの世界じゃなかったのかな)ケータイで徒歩5分のところにある家の同居人ひでかすに電話。
「地元のパブにいるからすぐ来い。ガチャ」
ひどいやつだと自分で思う。だって、雨が降っているからパブに避難したのに人を雨の中に呼び立てるというのは…。さすがに来ないかなと思ったら、5分後に彼はやってきた。本当にヒマ人だと友達がいのあるやつだと思った。
で、ひでかすはアイルランド人でもないくせに嬉しそうな顔をして、アイルランドが放ったシュートがいかにすごいものだったか実演を始める。
「この体勢から体をひねってすごいシュートを放ったんだよ。いやーすごかったー」
こんなことを人ごみの中でやっていたら目立ちそうなものだが、バウロンを持ち込んで叩いているやつ、セクシーの対極にあるへそを出して踊るおねえさん、そんな人ばかりの状況下では全く目立つはずもなく。
「カールズバーグ追加ねー」
ひでかすと私の分のカールズバーグを頼む。ひでかすはおごってやったにも拘らず「今日ボク1杯しか飲まないからね」とつれない。
しばらくすると私が2杯目のカールズバーグを飲み終わる。ひでかすは私のカールズバーグを頼もうと
「カールズバーグちょうだーい」
次の瞬間、目の前に2杯のカールズバーグが置かれていた。バーマンがわざとやったのか、それとも単なる勘違いなのかは不明。たぶんだけどよく行くバーでの話だから、シャレでわざとやったという可能性も排除できないわけで。まあ、バーマン良くやった!と私は言いたい。
しばらくしてカウンターのとなりの席に座っていた中年カップルと話しはじめ、サッカーの話から始まり、身の上話(彼はエアリンガスから早期退職したそうな)から、アイルランド人とガイジンの関係について熱く議論を始める。うるさいパブの中でのこと、しまいにゃ声が枯れてしまった。
一つ言えることは、久々にパブに行って楽しみました。見知らぬ人と気軽に話が出来るというのはアイリッシュパブのすごくいいとこだと思うのだが。そう、こういういい経験ばかりなら、アイルランドは人が素朴で優しいエメラルドアイランドだとかいうどうしようもない発言にも同意できるのだが…。
明日からドイツに行きますので、日記は日曜日までお休みです。あしからず。
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| 2002年06月10日(月) |
せっかく乗ったんだから今日もダブリンのタクシーをネタにしよう |
日付は月曜日ですが、ネタ自体は昨日、日曜日のお話でございます。
昨日、日曜日といえば、テレビの瞬間視聴率が80%を越えた越えないというとんでもないことになったワールドカップの日本対ロシア戦。どうせどこの日記もそのことしか書いていないだろうなあと思いあえて無視。もっともその時間帯も仕事をきちっとしていたので、試合も見ていないし、オフサイドとかルールも分からない私のことだから下手なコメントをしてもばれるだけだし。まあ試合を見なかったこと自体十分非国民と呼ばれるにふさわしいかも。
話は脱線しますが、瞬間最大視聴率が80%を越えたということは、サンプル家庭の10人に8人はその頃テレビを見ていたということになるわけで。これってアイルランドではまずあり得ない事態だと思う。こっちの人間はテレビで観戦するにせパブかどこかに行ってみんなとビールを片手に観戦。自宅でひとりで見てもつまらない…と言うと思う。まあ確かにそうだと思う。みんなでああだこうだ言いながら見る方がより楽しいに決まっている。文化の違いってやつですね。
昨日うちにとある日本人の女の子が遊びに来る(注:不倫の関係だとか、いかがわしい関係ではありません…って誰もそう思わないか)。で、彼女がひとこと。
「ワールドカップ、日本でやってくれて本当によかった!」
彼女はダンナさんはアイリッシュサポーターに紛れて3試合すべてを現地で見るほどの熱狂的なファンだが、彼女自体は私までとはいかないまでも結構冷めた味方をしていたと思っていた。そんな彼女からこんな発言が飛び出すんだから、何があったのか突っ込まずにはいられない。彼女は、
「今まで道で子供たちに『ニーハオ』って言われるのが何よりも嫌いだったの」
うんうん。激しく同意。それ以上にむかつくことはない。が、それがどうしたの?
「だけどね、さっき子供たちが『コンニチハ』って言ったの。アイリッシュが『コンニチハ』を覚えてくれただけで、日本でワールドカップをやったかいがあるというものよ」
彼女の発言は核心をついている。アイリッシュの耳目が日本に向いたことで、アイルランドには中国人以外のアジア人がいるということに人々が気づいたのではないかと思うのだ。私だって、何だかんだ言っても日本が勝ったことは誇りに思う。昨日もタクシーに乗るなり
「勝ったねえ」
と言ってしまった。サッカーの「さ」の字にも興味がないくせに調子のいい男だと自分で思う。がそのタクシーの運転手さんは、ばりばりのイナカのアクセントを持つおっさんだったが(つまり言ってることの半分くらいしかわからなかった)彼の言うことを半分理解したところによると、何でも彼はタクシーの運転手以外にも少年サッカーのコーチという肩書きがあるらしい。しかも複数のチームを指導しているそうな。つまりサッカーに対する造詣が深い。その彼をして、
「いやー、日本の試合は素晴らしかった!あんだけずっと最初から最後まできびきび動いてスタミナが切れなかった。ベルギーの試合も今度の試合も勝って当然だったね。よくやったよ」
と絶賛。ふーん、どうやらいい試合だったのね(←見てないものですから)。調子がいいことは百も承知だが、日本が決勝トーナメントでも例え敗退してもいい試合をすれば私たち外国に住む日本人を含め日本人が日本人であることに胸を張れるというもの。という意味では日本チームを応援したい…でもルールが分かんないんだよね。まあ、勝てとはいわないからみんなに私が胸を張って「私は日本人だ!」と言える試合をしてくださいませ。
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