なべて世はこともなし
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2002年05月14日(火) 2泊2日イギリス旅行(前編)

金曜日の午後。うちにダッシュで帰って、替えの下着をバックに押し込んでそのままダブリン港行きのバスが出ているセントラルバスステーションに。


セントラルバスステーションには発車時間ぎりぎりに到着。そのままバスに飛び乗りダブリン港へ。


私が乗った船は、Ulyssesという自称世界最大のフェリー。なるほど、たった3時間30分の船旅のくせして、たくさんの個室がありついでに映画館まである。パブは二つに、レストランその他。新造船ということもあり、なかなか美しくていい感じの船。


が、たったひとつ、たった一つながらものすごい大問題があった。


中に乗っている人が品がない。


そう、中に乗っているのはジャージ姿のダブ軍団、さらにサッカーだかラグビーだかの応援に行く一行や、粗製濫造のガキども(すごい表現だなあと自分で思う)。何といえばいいのか、立派なホテルが品のない連中に占拠された状態。


船首部分のパブのテーブルに陣取った私。ビールを飲みながら船旅を楽しもうとしたのだが、まあ、午後10時を過ぎようかというのに、元気に走りまわるジャージ姿のガキ。走り回るのはまだ許すとしても、どうしておまえは食べかけのアイスクリームをテーブルの上に放置できるんだ?ごみ箱というのを知らんのか?


それから隣のジャージ姿のたばこをふかすおばさん、「禁煙席」というどでかい表示が見えんのか?世界最大の船も、お客を間違えると悲劇的な状況になるようで。


で、3時間30分の船旅の後対岸のHolyshitじゃなかったHolyheadに着。ここからは列車の旅。フェリーの中で知ったのだが、この日、またイギリスで大きな列車事故が起こったらしい。この事故ではなぜだか4両目の車両が大きなダメージを受けたらしいが、一般論として、一番前と一番後ろの車両が危ないような気がする。というわけで、なるべく真ん中の車両に乗ろうと考えつつ駅に着くとそこにあったのは、…


2両編成の列車(コメディーの定石)


1時間待ちで午後2時発の列車に乗る。前か後ろかという究極の2択は後ろの方がいいだろうと思い後ろに乗る。で1時間待った後にようやくおんぼろ列車は発車。


夜中の2時。眠ろうとするのだが眠れない。ようやくうとうとしてきたと思うといきなり大声でアナウンス。が、とんでもない訛りのおかげで何を言っているか私にはわからない。訛ってなかったとしても、脳みそは完全休止状態だったからわからなかっただろうけど。


のそのそと起きてきた隣の親子にどうしたのかと聞くと


「列車が壊れたから乗り換えろって」


世界に冠たる大英帝国も列車から見る限りでは完全に斜陽の国…というかどうしようもないぞ。これ。


で、同じホームの反対側の果てに止まっていた列車に乗り換えCreweという駅へ。ここで1時間待った後バスに乗り換えマンチェスター空港駅へ。で、そこから今度はマンチェスター中央駅へ。この時点で午前6時。乗り換えの連続で眠ったのかどうかもよくわからない。というか、バスの中でうとうとした挙げ句にガラスに頭を強打してしまい目が醒めてしまった。


ここから急行列車でマンチェスター郊外の某町に行く予定だったのだが、列車はいつになっても来ない。待てども待てども来ない。来たのは発車予定のちょうど1時間後。


「車両故障のため遅れました、ごみんなさい」


と車掌はアナウンス。


もう一度言わせてくれい。鉄道に関していえばイギリスは本当に処置無しの国だぞ。


で、ぴったし1時間遅れでマンチェスター郊外の某町へ。マークちゃん宅に着くなり私はあいさつもそこそこに眠ってしまったのでした。(この話後編に続く)




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2002年05月13日(月) ダブリンでの家探し必勝法

質問:ダブリンに日本より引越しすることになりました。ダブリンで住むべきではない危険な場所を教えてください。


ええと、まずはお返事が遅れて申し訳ありません。またダブリンにお住まいになられるとのこと衷心よりお悔やみ申し上げます(←こらこら)。何も知らない場所での家探しはなかなかにして大変だと思います。以下の一般論が参考になれば幸いです。


まず。かなり乱暴ですがダブリンは町を中心に三重のドーナッツになっていると思ってください。で、町にいちばん近い、一番内側のドーナッツ、町から半径1-2キロの地域、ここは一言で言って避けた方がいいです。具体的にはSummerhill、Thomas Street、Dolphins Barn、これらの地域は、確かに距離的には町から歩けますが、治安という点からは最悪です。


で、2番目に内側のドーナッツ。町から半径3-6キロ程度のところ。ここにはけっこうな中・高級住宅地があったりします。具体的にはBallsbridge、Castleknock、Clontarfなどです。当然家賃も高いですが、おすすめです。


で、3番目のドーナッツ。つまり一番外側、町から半径7-8キロの地域、ここは再びタチが悪くなります。具体的にはTallight(「タラ」と読みます)、Ballyfermot、Finglas、Ballymun、Coolockなど。


で、一般論として、ダブリンはLiver Liefeyそ境に北と南に二分出来ます。で、最近発展してきた西を入れるとダブリンはおおよそ3つのエリアに分割できます。乱暴に言ってしまえば、南がいちばん高級、ついで北、西となります。つまり、南部の方が外れが少ないといえるでしょう。


ただ上の二つはあくまで一般論です。ダブリンは通り一つを挟むだけで状況が一変します。たとえば私が住んでいる住宅地は結構高級ですが、通り1本、たった200メートル離れるとタチの悪い通りになります。こればっかりは行かないとわからないのですが、実際に物件を見に行った時には以下のことに気をつけるといいと思います。


まずは家の大きさ。非常に単純な図式ですが、家が大きいところの方が治安はいいです。理由は簡単。大きな家を買えるような家は金持ちなので、教育にも力をいれており、子供の質が変わってきます。言い方はすごく悪いですが、貧乏人の子沢山とはよく言ったもので、貧乏で子供がいっぱいいたりすると、子供のことに構っていられないので子供が路上で一晩中過ごすということになるようです。


で、物件を見に行く時には例え車を持っていてもバスで行くことをおすすめします。まずはバスを見てみましょう。ダブリンでは基本的に一台のバスは一つのルートに使われるようなので、シートに落書きが多かったり汚いバスの沿線はあまり良くないといえます。


これはバス停にも言えます。バス停のシェルターがガラスではなくプラスチックの場所はガラスがしょっちゅう割られていることを意味します。バス停に落書きが多いのも要注意。落書きがあるというとこは夜中にガキどもが徘徊してるという何よりの証拠です。


まあ一般論としてはこれくらいだと思います。また何かあったらいつでも質問してください。


PS イギリスネタ、チェコ人ネタは明日以降お届けします。




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2002年05月09日(木) アイルランド人不信。電話2回に徒歩1時間半かけての結論とは?

同居のチェコ人はまだ見ぬ女性を追いチェコへ。同じく同居のドイツ人は今週末からベルリンへ帰省。ひでかすはひでかすでドイツへ。


はっ、もしかして、この腐れダブリンで今週末ぼーっとしてるのは私だけ?


そんなことを思っていたら、マンチェスター近郊の街にマークちゃんと結婚した挙げ句に引っ越してしまった元同僚のKさんからメールが届いた。


「今週末、地元で『ビールフェスティバル』があるけど来ない?」


ビールフェスティバル。そそられる響きです。が、マンチェスターまでの週末の航空券なんて高いに決まっている。期待せずにRyanairのサイトに行くと、案の定往復で150ユーロ(2万円)以上する。この会社は、ヒコーキが空のときに破格の運賃を提示して、「安い」というイメージ付けをするのがうまいが、実はいつもは高かったりする。

で、British Midlandの子会社Bmibabyもしかり。もちろんAer lingusも高い。で、諦めかけたところにふっと浮かんだアイディア。バス。


「バスエーラン事件簿」に詳述の通り、私はこのイギリスへのバスへのサービスで散々な経験をしている。だいたいヒコーキで1時間のところをばか面をして、半日フェリーとバスに乗るというのがあほらしくて仕方ない。で、まあ調べるだけ調べようと思い、Eurolinesのサイトに行くと、時間がかかるのみならず、往復で60ユーロ(8000円)もする。


今度こそ諦め仕事に戻る(そう、仕事中にこんなことをしていたのです)。数分後、ふっと頭にある考えがよぎる。


電車はどうだろう。


そう思って、HSSという高速船を運行しているStena Linesに電話をしてみると、運賃は60ユーロとバスと同じ。まあ、バスよりは楽だとは思うが、60ユーロも出す気はしない。今度こそ諦めたつもりだったが、次の瞬間、Irish Ferriesはどうよ?と思いIrish Ferriesに電話。


私:「マンチェスター近郊のXXという町までの往復はいくらですか?」
電話の向こうのおねえさん:「36ユーロ(5000円)ですね」



へ?36ユーロ?


私:「ずいぶん安いですねえ。本当に36ユーロなんですか?」


アイルランドに来て覚えたことの一つは人を疑うこと。いい加減なことをほざくアイリッシュに何度騙されたことか。


おねえさん:「XXまでですよね。36ユーロです」
私:「往復で、かつ電車と船の運賃を含んだ値段ですか?」
おねえさん:「はい。間違いなくそうです」



ホントかよ?この町までHolyhead(対岸のWalesにある町。何もない)からManchesterまで200キロあるんだよ。なのにそんな値段でいいのか?今まで何度アイリッシュのうまい話に騙されたかわからない私は半信半疑…というかまったく信じてなかった。


で数時間後にふたたびIrish Ferriesのコールセンターに電話。やはり返ってくる返事は同じ。うーん、そんなうまい話があっていいのだろうか?


しつこいけど私は何度アイルランド人に騙されたかわからない。この期におよんで信じない私は、なんと会社の帰りにダブリン港まで行ってチケットを買ってきた。


こう書くとたった2行だけど、ダブリン港まで行くのは実に難儀でして。バスのサービスはないし、歩くにしても最寄りのバス停から港まで寂れた倉庫街を30分以上歩く羽目になる。で、歩きました。徒歩で往復1時間30分かけて。正直に白状するとまさかそんなに遠いとは思っていなかったのです。とにかく真っ直ぐの道が本当に果てしなく続いていました。周りにあるのは倉庫のみ。とんでもないところでした。


で、片道45分歩いた挙げ句にたどり着いたダブリン港。やはりチケットは36ユーロでした。というわけでチケットを買ってきました。明日(金曜日)の夜、出発です。ちなみに日曜日の夜帰ってくるという強行スケジュールです。金曜日の夜も何とか更新するように努力しますが、更新なき場合は以上のような理由ですので察してくださいませ。またアイリッシュ海でフェリーが沈んだというニュースがあった場合は、タイタニックのテーマでもバックに私のことを偲んでくださいませ。では。




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2002年05月08日(水) 上には上がいる!驚愕の遠距離ネット恋愛の鉄人

うちに帰ってみると、おとといネットで買ったドイツ行きのチケットが届いてました。チケットを目の前におき「んなもんに350ユーロ(4万円)も出すなんて俺も酔狂だなあ」なんて考えつつ、夕食のサラダをつついていると、台所に入ってきたのはうちのもう一人の住人のチェコ人。なんだか地に足がつかなそうな感じ。トリニティで博士号を取ろうとかいう秀才肌の彼にしては、この浮かれかたは変。というか、玄関前に自転車を鍵もかけずにおいておくこと自体もはやアイルランドでは自殺行為なのに、置きっぱなし。何かあからさまに浮かれている。


私:「どうしたの?」
彼:「明日ボクチェコに行くんだ」



へ?そんなこと言ってたっけ?


私:「え?そんな話知らなかったんだけど」
彼:「うん、今日決めた」



は???なんじゃそりゃ?


私:「どのくらい行くの?」
彼:「4日間」



は?????いったいどうしたの?


彼は一通り説明してくれたのだが、これがまた信じられない話でして。自分の彼女が誕生日だからと350ユーロも払ってドイツに行く私がアホタレとすれば、彼は最バカ。どうか私と一緒に呆れてやってください。


信じていただけるかどうか、彼、ネットで知り合った女の子に会いたくなって、居ても立ってもいられなくなって、私と同様350ユーロも払って明日チェコくんだりまで行くんだそうな。


私:「で、彼女と知り合ってどのくらい経つの?」
彼:「1週間か10日」



絶句。つまりなんですか、ネットで出会って1週間の女の子のためにチェコくんだりまで行くんですか?


私:「で、彼女とはどのサイトで知り合ったの?」
彼:「いや、アイルランドは退屈だから(素敵な女の子と知り合えない)、ネットにチェコ語で『夏にチェコで一緒に遊んでくれる人募集』って自分のホームページを立ち上げたらすぐ…」


くらくらしてきた。つまりナンパサイトを立ち上げたとたんに、女の子が連絡してきて、で、その女の子に会いに行くわけですか?ちなみに私、この「アイルランド真実紀行」を立ち上げて1年が経ちますが、女の子から告られたことなど一度もありません。ま、私の場合、そういう目的でやっているわけではないから当然といえば当然ですが。


彼は頼みもしないのに自分の部屋から嬉しそうに彼女の写真を持ってきた。なるほど、きれいな人だわ。私の趣味じゃないけど。


彼:「わかる?この写真を見てるだけじゃにっちもさっちもいかないんだよ。だから会いに行くの」


…ええい、もうチェコでもザンビアでもウルグアイでもどこでも行ってくれい。ただねえ、おじさんに一言だけ言わせておくれ。「遠距離恋愛なんてするもんじゃないよ」金ばっかりかかって仕方ない。


ちなみに。わたしとMausiがつきあい始める前の話ですが、ドイツで出逢った私たちは、しばらくの間メールとインスタントメッセージのやりとりをしていた時期がありました。で、別にどっちが惚れたとか、クサい言葉のやり取りをしたとかそんなことはなくて、ただ単にその日あったこととかそんな他愛のないことを話していたことを思い出します。


実は彼女とその次に逢った時にはそういう関係になっていたという事実からすると、ネット上での恋愛は可能だと思います。が、ねえ、あのー、私の場合は、一度直に会った人との関係を深めるのにネットという手段を使っただけで、会ったこともない、しかも知り合って1週間しか経たない、1000キロも離れた人のところに会いに行くというのはすごい話だと思います。もし、写真はまったく別人で、ネカマに騙されているだけだったりしたら彼はどうするんだろう?


彼、来週の月曜日に帰ってくるそうです。彼がどんな顔をして帰ってくるか楽しみです。


もうお気づきと思いますが、アイルランドの女性はそれほど私たちにとって魅力がないのです。彼は1年間、私は4年の長きにわたって住んでおりますが、アイルランド女性とつきあったことはございません。イタリア人だベルギー人だスウェーデン人だデンマーク人だとつきあってもアイルランド人とはつきあったことがないのです。すいません。国籍はちょっと水増しして書きました(←こらこら)。




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2002年05月07日(火) ゲイという生き方...トクだと思うのは私だけ?

会社の同僚にオープンゲイ(自分がゲイであることを隠さなくてあからさまにしてる人)が約一名います。スペイン人なのですが、ゲイの一般的なイメージに違わず、明るくて、いつもにこにこしており、みんなの人気者です。かく言う私も(決して変な意味ではなく)彼のことが好きです。


私はかなり真剣に彼のことをうらやましく思います。というのも、同僚の女性の刈れに対する警戒感は私に対するそれの1/100ではないかと思うのです。彼は「おはよう」といいながら女性のお尻をひっぱたいたりしてますが、女性の中で起こる人はただひとりを除いていません。ちなみにそのただひとりの例外は驚くまでもなくドイツ人。たぶん私が同じことをしたら顔にでっかいもみじマークが出来ることは疑いのないところかと。


よくよく考えてみると、バイセクシャルという人種はおトクです。私は女性にしか興味がないのですが、これって、自分の選択の余地を半分にしてしまっているのですよね。男性も女性もどっちもオッケーという人は私よりも単純計算で2倍の選択の余地があるわけで。


今日トイレでお仕事をしていると(用を足すともいう)例のオープンゲイの彼が入ってきました。なんだか不思議な違和感を感じました。彼が女性用トイレに入れるわけはないので、男性用に入っているのは当然ですが、なんとなくの違和感を感じました。この意味では彼は男性としても女性としても受け容れられない、考えてみると中途半端な存在なのかもしれません。


それにしても彼の言葉づかいはきわどいです。女性社員にたいして、私が言ったらやはりこれまたほっぺたに紅葉マークの発言をしてます。うーん、うらやましい。彼の人徳とゲイという生き方の相乗効果で、彼は相当トクをしていると思います。




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