なべて世はこともなし
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|アイルランド真実紀行へ
| 2002年04月24日(水) |
後ろから前から、くされAlan martin Coachesは今日もかましてくれる。 |
毎日この日記に新鮮なネタを提供してくださっている(←大イヤミ)Alan Martin Coaches社ですが、今日もやってくれました。まずはこの話から始めましょう。それにしてもAlan Martin Coaches社。まさか(そんなに大した人数ではないとしても)大陸のはるか果ての日本で笑い者になっているなんて思いもよらないんだろうなあ。
先週ケンカして以来、ほぼ定刻通りに運行されるようになった朝のバス。今日も定刻通りに来ました。で、今日も再び、道を知らない運転手を投入してくださいました。で、途中、「ト」の字型の交差点を右折するところがあるんだけど、この交差点が曲者で、道を知らない運転手はここを右折せずに直進してしまう。で、乗客のひとりが、「次右折だよ」と教える。本を読んでいた私はその声でふと顔を上げる。
バスは右折しようと減速する。「ト」の字型の交差点、大型のバスはかなり減速しないと曲がれない。で、対向車が来ているので止まると思いきや、止まらない。止まらない。おいおい、ぶつかるよ。おい!
…運転手は、白昼夢でも見ていたのか対向車に気がつかず、右折しようとして、まさにすんでのところで急ブレーキ。バスの車内の乗客の頭が思いっきり振れる。スピードが出ていなかったから良かったけど、今のブレーキはないだろ。
と思ったら、エンストしてる。で、エンジンがかからない。
バスは朝のラッシュの交差点のど真ん中で立ち往生。エンジンかからない。道はふさがれている。エンジンかからない。後続の車がイライラしはじめる。まだエンジンかからない。…というかセルモーターの音がしない。後ろの車がクラクションを鳴らしはじめる。
ちなみにこちらの乗用車はほぼ全部がミッション車。つまりギア車。それに対し、なぜか大部分のバスはオートマ。で、今日乗ったバスもオートマ車。
閑話休題。お、ようやくエンジン音がした。で、次の瞬間、誰しもが予測できなかったことが起こったのです。…バスがものすごい勢いでバックしたのです。これは不意をつかれました。カタパルトのように…とまで言うと大袈裟ですが、結構な勢いでバスが後ろに下がりはじめます。慌てて運転手がブレーキをかけます。
後ろは見えませんでしたが、後続車の怒りようからして、多分数センチのところで衝突を免れたのだと思います。まあ、ぶつかってくれた方が、いい日記のネタになったのですが(←こらこら)。
で、もう一つ書きたいネタがあったのですが、…完全にお疲れモードのため、本日はここで打ちきりとさせていただきます。すいません。
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| 2002年04月23日(火) |
幻滅!お気にのクリスティーンが品のない女性に変わった理由 |
こんばんわ。ご飯を食べたばっかりなのにお腹が空いているSnigelです。出かけていた関係でたった今(午後10時)帰ってきて、今から何か食べると大変だということで、食べたのはトースト一枚。朝はコーンフレーク。昼もコーンフレーク。で、夜はトースト一枚。…誰かどうして私がデブなのか教えてください。今、Chimayを飲んでいることは、……とりあえず忘れよう。
ちなみにこのChimayというビール、ベルギー産で日本でも売っているらしいが全然売れない…と知り合いの酒屋のご主人が言っていた。ビールのくせにアルコール分が9%と高い。しかも値段もフツーのビールの倍以上するという代物。というわけでめったに飲まない。…というか高くて飲めない。
昨日は、私のとなりの席のアイリッシュの解雇という騒動がありましたが、実はもう一つ騒動があったのです。…私のお気に入りの新人(というか自分も新人なんだから「同期」という方が正しいのか)のフランス人クリスティーン(仮名)についての騒動。彼女、「妹にしたい女の子ナンバー1」という人気投票があれば私は迷わず彼女に1票入れる。かわいいし、明るいし、いい声してるし、すべすべの肌してるし(…以下略)。
で、私が彼女の気に入っているもう一つのポイントは、髪型。きれいなライトブラウンの髪を惜しげもなくばっさりショートにしている。彼女のうなじに(…以下自主規制)。
で、月曜日。いつものように遅刻をしてきた彼女。元気がない。のみならず何かが違う。その理由はすぐに分かった。髪型。わずかとはいえ髪を切ってきたようなのだ。前と比べて何が違うのか、「なんとなく」という以外説明がつかない。そこで私は彼女が私の机に「おはよう」といいに来るなり、私は開口一番、「ちょっとそこでくるっと一周してごらん」と言う。すると彼女は、 「分かってるわよ。何が言いたいのか!」と本気でないにせよ怒る。
それにしても、何と言ったらいいのだろう、今まであった彼女のかわいらしさをすべて打ち消すような、そりゃあもう、品のない髪型になっているのだ。なぜ品がないと感じるのか自分でも不思議。何せ長さ自体はほとんど変わっていないのだから。けれども髪全体が品がないのだ。なんとなく長さが揃っていない気もする。
私:「いったいどうしたの?」 彼女:「髪切ってきた」 私:「見りゃ分かる。どこで?」
彼女が挙げた美容室の名前は、ダブリン中、たぶんアイルランド中にある某大手チェーン美容室の名前、ちなみにこのホムペのほかのページに写真入りで紹介されています。
私:「で?なんでこうなっちゃったわけ?」 彼女:「とにかく下手で下手で。途中で『もうこれ以上触らないで』って言って出てきちゃった」 私:「はあ…」
私、自慢じゃありませんが、あまりセンスのある人間じゃあありません。その私をして、「何じゃあこりゃあ」と思わせる彼女の髪。いや、前からこうなら気にならなかったろうけど、それまでの彼女は本当にかわいかったのだ。このページに写真を載せたいくらいです。彼女には悪いけど、本当にひどい。
で、こんな話をしていると、例の解雇されたアイルランド女性(この時点では彼女はマネージャー室に呼ばれておらずこの日解雇されるなど誰しもが思ってもいなかった)が会話に割り込んできて、「その美容室に行ったの?私はひどい経験をしたわよ」
そのアイリッシュの彼女によると、彼女はある日パーマを緩いウェーブパーマをかけに行ったのだそうな。すると、まず、パーマの機械で髪を焦がされ、(…つまりドリフターズのコントで研究所で爆発が起こった後のいかりや長介のような髪になり…あるいはパパイヤ鈴木といえばもっとわかりやすいかな)しかも、パーマ液が顔に大量に垂れてきて、それで彼女の顔がかぶれてしまったのだそうな。…まさに「恐怖の美容室」ですが、事実です。
アイルランドに長期滞在の女性の皆様、お越しの際は出来るだけ髪を伸ばし、さらに自分で切って、なるべく美容室のお世話にならないようにいたしましょう。それにしても、クリスティーンの髪、幻滅だあ。
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| 2002年04月22日(月) |
良すぎず、悪すぎず。彼女の解雇 |
昨日の日記にもちらっと書きましたが、うちの会社の私の所属する課、30人弱が在籍してます。国籍は多種多様。これら30人が、6つのチーム(「班」とも言えるかな)に分かれて仕事をしています。
で、私のチームは、チームリーダーの女性とその下に、アイリッシュの男一名、女性も一名、そして私自身。で、アイルランド人の女性、私よりやや年上なのですが、気さくな人物で、私も彼女に対して話しやすいいい印象を抱いていました。
そんな彼女が、今朝、突然マネージャー室に呼び出されました。そして、解雇されました。みんなの前でスピーチをするわけでもなければ、記念品をもらうわけでもなく、静かに去っていきました。彼女の机の上は、やりかけの仕事を含めて、あたかも彼女が食事に行っているだけのような印象を受けます。しかし、もう彼女がこの机に座ることはないのです。
彼女の解雇は私にとって後味の悪いものとなりました。というのも、彼女の解雇の原因は、仕事への不適応…早い話が、仕事が出来なかったのです。私が25(ユニット)の仕事をし、課の平均が15くらいの中で、彼女の平均は10かそれ以下。しかも仕上げた仕事も間違いだらけ。何も知らない入社したばかりの私から見ても、「使えない」人間でした。
彼女が冗談めかしてとはいえ、最後に言った言葉が私の心に残ります。
「Snigelの顔が恥ずかしくて見れない」
入社したばかりの人間より仕事のできない自分。彼女がある意味卑屈な目線で私を見ていたことは否定できないと思います。
数行上で私は彼女を「使えない」人間と書きましたが、これはこの特定の分野の仕事に対してだけの話で、彼女の人間的な厚みや、あるいは他の分野の才能に何らの影響を及ぼすものではありません。たぶん彼女はコンピュータを使っての仕事が不得手だった。しかし彼女が、人とふれあう仕事をしたら、私は彼女の足元にも及ばないだろうと思っています。それくらい彼女は人当たりのいい人でした。
彼女はダブリンを離れ出身の田舎に帰るそうです。どうか私が、隣に座った同じチームの新人の私が、彼女に引導を渡したのではないと願うばかりです。
悪すぎるとクビが飛び、良すぎると後味の悪い結果となる。軋轢を生む。社会の難しさを考えさせられた日でした。彼女が、彼女の出身の田舎で彼女にあった仕事で活躍されることを祈っています。
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| 2002年04月21日(日) |
目指せボーナス!目指せ最優秀新人賞!その意外な結末とは? |
まだ金曜日の話だったりします。
一度うちに帰ってドレスダウンしてから向かったTemple Bar。私は金曜日の夜に街に行くなどあまり考えたくもないくらい好きではないのだが、まあ、会社の私が所属する課主催の食事会ということで、行かざるをえなかったわけでして。
で、待ち合わせ指定場所として向かったのはTemple Barの中のThe Temple Barというパブ。誰が決めたか知らないが、こんなどのガイドブックにも載っかっている大混雑パブ、私が幹事なら絶対に指定しない。「混んでいるパブの方がいい」という連中は、ある意味サディスティックなのではないかとすら思えてくる。
案の定といえば案の定、パブの中は前に進めないくらい混んでいる。その人波をかき分け進むと、突然右手の平に激痛が。タバコ。…あやうく根性焼きを作られるところだった。というか、このくそ混んだパブでたばこなんか吸ってんじゃねえよ(ってみんな吸ってるけどさ)。
で、この大混雑パブで少し過ごした後、向かったのはTemple Bar Squareにあるレストラン。この時点で午後10時前。こんな時間にレストランの予約をする会社もすごいといえばすごい。スペインじゃあるまいし。なんでも「(課全体で)30人の大型予約だったからどうしてもこの時間になった」とこのと。だったらパブかどこかにすればよかったのに。
…いかん、いかん文句ばっかりになってきた。
で、今日のこの会社主催の食事会の目的は、ここ数週間で奇跡的に片付いたバックログに対する感謝の意味をこめてのもので、先週の初めに突然企画されたものらしい。…なんていい会社なんだろう。
で、お酒も程々にしつつ(その方が私は楽しめる)、楽しい時間を過ごす。食事も終わったところで、マネージャーさんが立ち上がり、グラスをちんちん叩きつつスピーチを始める。
「この数週間来のみなさんの働きに本当に感謝しています。おかげで溜まっていた仕事にもメドがつきました。今回初めてこのような席(食事会)を設けたわけですが、これもひとえにみなさんの頑張りによるものです。本当にありがとう。というわけで、皆さん全員が頑張ってくれた中で、とりわけ頑張って仕事を処理してくれた方に、ささやかなプレゼントがあります」
来た!私が少し期待していた「臨時ボーナス」。これのために私は少なからず頑張ってきた。「最優秀新人賞」があればそれは私のものさ!
「言うまでもなく、今回は(仕事の)処理件数で決めさせたもらいました。まずは新人の第2位の人。Aliciaさん!」
…よいよい、私が狙うのは、最優秀賞。
「続いて、最優秀新人賞は…」
…ワシだ、ワシなんでしょ?頭の中で、どんなリアクションをしようか考える。
「Brigitさん!」
え?え?え?え?え?
こうして、私の臨時ボーナスへの夢ははかなく潰えたのでした。…頑張ったのになあ。
「さらに、総合の第2位はDerekさん!」
…はいはいはい、勝手にやってくれ。Derekは同じチームだけどカンケーねえや。
「最後に、この2週間で最も仕事の処理数が多かった人は…Snigelさん、あなたです」
え?
どうやら私はしでかしてしまったようです。頑張りすぎたらしい。ボーナス、バウチャー(商品券)を確かに頂きました。はい、自慢していますが、それ以上に「しでかした」とも思っています。入社してたった1ヶ月いきなりこういうことになると、今後に過度の期待をされそうですし、数年勤めている社員を越えてしまったというのもあまりいただけない。妬まれそうな気がする。今後は少し目立たないように自重しようと思います。
で、そのあともさらにワインを空け、気がつけば2時を過ぎてました。それから自分が千鳥足なのを自覚しつつ、バス停に。そう、例えボーナスをもらったとしても、しょせんスズメの涙。私がマルビなことに何の変化はないのです。来月Mausiの誕生日だしさ。タクシーに乗る金などありません。
で、私の大嫌いなナイトバスへ。このバス、いつもヨッパーが騒いでいたり、下手をするとゲロを吐くようなアホタレまで出てくるので私は大嫌い。いつもならタクシーに乗るのだが、タクシーに乗る金がないのでいつも町に遅くまでいないようにしている。が、まあ、今日は仕方がない。
で、バスに乗り、1階の一番後ろのお気に入りの席に座る。
… … …
ふと窓の外を見ると、「ここどこ?」
そう、また寝過ごしてしまいました(治療が必要)。すぐにバスを降り周りを見ると、ああ、なんだ、うちからそんなに遠くないところだわ。さいわい徒歩20分程度の距離だったので何とか歩いて帰りました。
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| 2002年04月20日(土) |
アノ事件再来!ダブリンバス事件簿その...いくつだっけ? |
金曜日。午後6時。この時間の利用するバスは結構混みます。満員で途中のバス停をすっ飛ばすこともしばしば。が、たまに前のバスか運行されて間もなく運行されたりして、夕方のラッシュ時にも拘らずバスがすかすかということもあります。この日もそうでした。
私がバス停に着くと、バス停で待ったいるのは15人程度。で、私が着くやいならバスがやってきました。で、私は空いていたので運転席のすぐ脇の席に座り、読みかけの文庫本を開く。
で、お客が乗ってくるのだが、なんだか40代半ばかそれ以上のごっつい運転手の言うことが心もとない。
お客:「XXには行きますか?」 運転手:「え?XX?どこだっけ?」 お客:「OO通りのとこ」 運転手:「え?えーっとたぶん行く」 お客:「いくら?」 運転手:「え?」
思わず私は口を挟んでしまう。
私:「行くよ。1.05」(1ユーロ5セント)
別のお客登場。
お客:「XX病院には行く?」 運転手:「ちょっと自信がないなあ。実はボクこのルートの運転手じゃないんだよね」
私の頭の中にさっと過ぎる思い出。それは忘れもしない………だいぶ前。スパニッシュ系の運ちゃんが道を知らないままバスを運転し、ついでに観光客をはねるという事件(拙ページ「ダブリンバス事件簿」をご参照くださいませ)、あの事件の再来か?
で、バスはたぶん30人か40人くらいの乗客を乗せて発車。発車時刻から推察して、どうもこれは臨時便らしい。私は文庫本に視線を落としたのだが、すぐにいつもの風景と何かが違うことに気がついた。ん?なんでこのバスは右側のレーンを走っているんだ?
見ると確かに左側のレーンの流れが悪い。でもねえ、それだけの理由で左側のレーンに入らず、途中のバス停で手を上げているお客を拾わずに行ってしまうというのはいかがなものかと。しかもバスは満員じゃあないのに。
で、走ること数キロ。文庫本から目線を上げると、なぜか信号待ちで止まった運転手がこっちを見ている。で、このひとこと
運転手:「ここ、左(に曲がるん)だよね?」
やはり…この運転手は道を知らなかった。
それ以降、交差点が来るたびに私の顔を見る運転手。私は…
私…「次の大きな交差点を左ね。それから4つめの信号を右。……わかった、終点まで一緒に行くわ」
というわけで、うちから数キロ離れた終点までドライブしてきました。途中、XX病院の場所を案内したり、自分でも何をやってんだか。
で、終点到着。
私:「町に帰るの?」 運転手:「いいや、今日はこれでおしまい。車庫に帰る」 私:「あんた、Summerhill(営業所)の人じゃないでしょ?」(言うまでもなく、Summerhill営業所がこの系統の担当) 運転手:「よく分かったね。ボク、Donnybrookなんだよね。」
…そうですか。数年前とまったく同じパターンだわ。
私:「じゃ、とりあえず、XXまでのっけってって」
というわけで、回送のバスでうちの近所まで送ってもらうことに。たぶん、外国人としては私がダブリンバスの回送バスに最も頻繁に乗ったことのある人間だと思う(威張れた話じゃない)。で、私は運転席の脇に立ち雑談開始。
私:「良く、道がわかんなくて運転できるねえ」 運転手:「いやー、だって、ボク、このルートの担当じゃあないし。でも、だいたいのところは分かるよ。だいたいの。でもやはり細かいところまではわからないねえ。これは恥ずかしいよ。道がわかんないなんて」 私:「こういうことはたまにあるの」 運転手:「うん。たまにね。でも、お客さんのなかには必ず親切な人がいて、道を教えてくれる人がいるんだよね。いやー、キミはジェントルマンだ。助かったよ。ありがとう」
ダブリンご在住の皆様、ダブリンバスは皆様の善意によって運行されております。協力してあげてくださいませ。
で、このあと、会社主催の飲み会に参加するのだが、その話はさらに明日の日記に続く。
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