なべて世はこともなし
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2002年02月07日(木) ちょいと教えてくれると嬉しい…

ちょいとアイルランド・海外にお住まいの方に質問です。

全く脈略がないのですが、車をゲットしようと思っています。で、海外特にアイルランドで万が一車を日本から輸入したと言う方、大変恐れ入りますが、メールまたは掲示板でお知らせ願えればと思います。いったいどうやったら送れるのか想像もつきませんが、ウワサでは過去に日本から個人で自分の車を持ってきたつわものがいるとか…。

さらに、アイルランドで車を買った方の情報も募集。どこでどうやって買われましたか?また、帰国予定等で車を売ろうとお考えの方、こちらもお知らせくださいませ。

以上、作者からのお願いでした。なお、昨日の続きの日記はこちら時間の明日の午後までに更新するよう努力しますです。
*


2002年02月06日(水) 人生の縮図?洪水に見舞われた就職の大事な大事な面接の日(前編)

日記を毎日チェックされているありがたい常連さんはご存知でしょうが、先週の金曜日、私は仕事を休みました。実は就職の面接なるものがあったのだ。そう、日記には一切書いてきませんでしたが、「Snigel転職プロジェクト」が水面下で着々と進行しているのです。


で、紆余曲折の末、ようやく辿り着いた某社の最終面接。先方の会社と私の間を取り持ってくれたリクルートメントエージェンシーの「Snigelは仕事もあるだろうから面接は都合のいい日でいいよ、と先方が言っているよ」というお言葉に甘え、一番休みが取りやすい金曜日の午後3時に面接をお願いした。それが今にして思えば悲劇の始まりでした。


で、金曜日。「最終面接に行く前にちょっと会おうよ」というリクルートエージェンシーの兄ちゃんとStephens Green近くにある彼の事務所で会うことに。私は、「街から面接先の会社まで大方バスで30分というところだろうから、1時30分に街でバスに乗れば、余裕を持って面接に臨めるだろう」と踏んで、12時30分という時間を指定したのでした。


この日は前の晩からの激しい雨と風が止まないまま。「まあ、よりによってこんな日に面接なんて自分の今後の人生を暗示しているなあ」なんて考えつつ、久々にスーツに袖を通す。


で、家を出て、Stephens Green近くにあるリクルートメントエージェンシーに着く頃には、案の定スーツのズボンの裾は雨でびしょびしょ。担当の兄ちゃんとちょっとした話をして、面接に遅れないようにと早々とおいとまして、午後1時30分前にはAston QuayのVirgin Megastoreの前のバス停に来た。


Liffey川沿いにあるN4(国道4号線)、川の北側は上り、川の南側は下りで片側2-3車線ある。で、ダブリン港からアイルランドの西部・南部に向かう車は、北に大回りしない限りすべてここを通ることになるのでいつも混んでいる。トラックからの排気ガスなんかもひどい。


で、この日も当然混んでいたんだけど、その混み方が尋常ではないのだ。全く車が動いていない。「まあ、事故でもあったんだべえ」なんて思っているとバスレーンを巧みに使ってバスが到着。乗り込む。


乗り込んだバスはダブリンにしては珍しく2階建てではないふつうのバス。バスは立ち客が出るくらい混んでいる。バスに乗りふとLiffey川を見ると…わ、増水してる。


Millenium橋からO'Conneel橋まで最近川の上に川に沿って橋を架け遊歩道にしているのだが、その遊歩道が水没してる。で、1メートルくらいあると思われる堤防ぎりぎりまで水位が上がっている。まあ、この時点で、この水位とこの渋滞が関係しているなんて夢にも思わなかったけど。


で、N4が河原を離れるHeuston駅までおよそ2.5キロ。駅まであと500メートルの地点までの所要時間は何と50分。つまり時刻は2時20分。普段なら10分とかから内と思われるこの区間の渋滞。歩いてもこんなにはかからない。この時点で3時の面接に遅れる可能性があることを予知した私はとりあえずリクルートメントエージェンシーに電話。やはりケータイはこういう時に便利。すると、担当の兄ちゃんは、


「15分前になったらどこにいるか知らせて。それにしてもなんでそんなに渋滞しているの?」
「こっちが聞きたいがな!」



で、その兄ちゃんの質問への答えはその後すぐに分かりました。Heuston駅まであと500メートルの地点の橋のたもとにGarda(警察)と書かれたジープが止まって道路を封鎖しています。ついでに消防車まで来ています。


「だれかがこの増水した川に飛び込んだのか!」


ととっさに思います。バスの中の乗客全員が身を乗り出して右側の川を見つめます。


バスの運ちゃんが左折しようとしたところ、警察官が「真っ直ぐ行け」と手で指示。どうやらバスだけは通行止めの規制対象外のようです。


何にせよ、このままばか面をしてバスに乗っていては面接に遅刻しますので運ちゃんに頼んで降ろしてもらうことにしました。で、運転席の方に歩いていくと…そこには信じられない光景が。


Heuston駅の近くの河原は南側がギネスの工場なので、その高い塀以外は何もありません。ちょうど府中刑務所の外側を歩いているような感覚になります。で、今まで気にも留めなかったのですが、その関係でか、道路が他のところよりも若干低いようなのです。もうお分かりですね、道路が冠水していたのです。


で、バスのフロントガラスから見るこの風景は圧巻でした。どうしてカメラを持っていないのか悔やまれました。川沿いに縦列駐車した車はみんなボンネットまで完全に水没しています。


で、バスはその水没した道路の手前で立ち往生。運ちゃんに「降ろして」と言うと、「ここじゃなんだからHeuston駅で降ろしてあげるよ」と一言。ま、あんたが正しい。こんなとこでお客を降ろせるわけがない。


で、バスが意を決したように水没した道路に入っていきます。バスが立てた波が縦列駐車をしてお気の毒に水没した車を洗い、それだけでなくその波のおかげで車がふわっと浮かび、前後の車にぶつかります


…車って浮くんだ…


この日の新発見でした。で、そんなバカなことを考えていると次の瞬間に更に信じられないことが起こったのです。


バスの中まで浸水してきたーーー!


そう、地面より2段高いバスの車内の床まで水が来たのです。運転手は運転席脇でばか面をしてたっていた私に向かい


「下がってろ」


と一言。確かにこのバス、後ろに向かってだんだん床が高くなっています。まあ、浸水した量は多分高さにして1センチ程度でしたが、見せたかった…バスの中の乗客がみんなで足を上げているマヌケな光景を…。


バスはそろりそろりと水没地点を進みます。これでエンジンが止まった日にはレスキュー隊のお世話になりそうです。まあ、何とかバスは止まらずに何とか水没地点を通過。私が煽るつもりで拍手をするとバスの中は拍手喝采


そんなバカなことをやっている場合じゃありません。すっかり忘れかけていましたが、私は面接に行く途中なのです。どうせブレーキが利かなくなり立ち往生するに決まっているバスに早々と見切りをつけて私はHeuston駅でバスを降りました。


時刻は2時30分。面接まであと30分。さあ、Snigelは面接に間に合うのか?後半に続く。




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2002年02月05日(火) 日本人として誇れること…暗算力の高さ

さてさて、どうやら明日は先週の金曜日の「大ネタ」を含め、大ニュースを発表できそうです。ちょっと今日はまだ書けないのでもう少し待ってください(…引っ張りたい放題引っ張ってるなあ)。


私が日本人として誇れることの一つは「計算力」です。確かに「やってて良かった公文式」で、その昔算数は得意だった(でも高校の時に数学の授業をボイコットしてそれ以来駄目になった)のですが、まあそれを引き算に入れても、日本人の計算力の高さは称賛に値すると思います。


割に多くの人がご存知とは思いますが、こっちの人はお釣の計算を足し算でします。例えば140円の買物をして500円払った場合、日本人は500-140=360で360円のお釣と計算しますよね。こっちの人は、


「商品が140円で、50円、10円で200円。あと100円3枚で500円」


と足し算をするわけです。


で、今日の夕方郵便局に行き、41セントの切手10枚と、2.5ユーロのロト1枚を買いました。簡単です。0.41x10+2.5=6.6 計6.6ユーロですよね。この計算が郵便局のおばさんにはできない。このおばさんの場合、


「まず切手代をちょうだい。5ユーロと10セントコインある?」


で、私が合計の6.6ユーロを出すと、


「私は5ユーロ10セントちょうだいって言ったのよ!」


とひとりで怒っている。…こういうふうに少しでも自分の想定したシナリオと違うことをされるとパニくるのがアイルランド人の特徴だと思うのですが…。それにしても、もう少し応用力をつけてくれ。


そうかと思えばうちのマネージャーさん。キツネ目のドイツ人女性なのだが、彼女のもとに、例のパーティの予算を承認してもらうべく彼女の小部屋を訪ねた。


で、私は、


「某所の食事と1ドリンクを含む入場料25ユーロx40人で1000ユーロ。それからもう1ドリンクが別料金で4.5ユーロx40人で180ユーロ。計1180ユーロになります。予算内ですので問題ないと思いますが…」


と言ったところ、計算機で


「25x40+4.5x40=1180、それから1180÷40=29.5。ああ、ひとり29.5ユーロね」


…おい、どうしてそんな複雑な計算をしなくてはいかんのだ?25+4.5でいいじゃないか?


と心の中で思った。無論命が惜しいから口には出さなかったけど。


で、何だかんだで企画を練ったパーティですが、結局、某コメディショーに確定しました。この企画、大体の人に喜んでもらえたのですが、Howthに住むアイルランド女性から、


「私、そんな品のないところに行かない!」


とボイコットされてしまいました。まあ、みんながみんなを喜ばせることは不可能なんでしょうが、…アイルランド人に嫌われるアイリッシュジョークって何?と考えてしまいました。




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2002年02月04日(月) 学生必見。物理のテストで0点を免れる方法

このページの古い読者さんならご記憶にあるかもしれませんが、私は去年の夏、「ドイツ語夏季集中コース」なるものを酔狂に受講し、仕事の後に毎日4時間、3週間にわたってドイツ語の集中レッスンを受けたことがありました。で、それっきりになっていたのですが、これじゃあいかんというわけで、月曜日から再びドイツ語のコースに通い始めました。今回は週に2回、1回2時間と前回3週間で終わらせた半年分の内容を今回は半年かけてゆっくり終わらせようという計画。言うまでもなく、前回の続きです。


で、久しぶりにFitzsimons Squareにある学校の教室へ。行ってみると、クラスにいる10人弱の生徒のほとんどは昨年9月に始まったコースからそのまま受講を続けている模様。つまり、私は転校生状態


転校生状態なのはいいとして、何だか先生、ドイツ語で言うとそれに対し生徒は何の苦なくドイツ語で答えている。


コース間違えたんじゃあないだろうか?


そんな不安を打ち消すように、私が持っているテキストから講義を始める先生。…やば、いきなり落ちこぼれ状態。まあ、「こんなコース簡単すぎる」と思うよりいいんだろうけどねえ…。


で、久しぶりに学校なんかに行ったせいか、自分が塾の先生をしている夢を見た。ちなみに学生時代に場末の個人経営塾で塾の先生なぞをやっていた経験がある。で、教室なんか狭くて生徒も少ないのに、大きな声を出して授業してたなあ。…で、よく声がかれていた。


で、夢の中で声がかれてきたなあ、喉が痛いなあと思ったら、目が覚めた。…風邪をひいて喉が痛かった


ちなみに、塾の先生になりたかった時期があった。なぜ学校の先生ではないかと言えば理由は簡単で、中学そして特に高校の時に学校という名の監獄にとことん嫌気が差したから。学校が本気で嫌いだった。まあ、この話をすれば長いから書かないのだけど、私の通っていたイナカの学校、所詮片田舎の学校に過ぎないのに、やれ進学率がいいだの何だので毎日7時間の授業などをやっていた。で、私はとある事件を契機に全く学校の勉強をやめてしまった。その代わり、塾の勉強だけはしっかりやって、何とか某私大に滑り込んだ。


そんな高校時代の小話の一つ。理科に全く興味のない私は特に物理など全く興味がなかった。しかも高校一年の時に物理を選択せねばならず、さらに悪いことにはこの物理の教諭はただ黒板にぶつぶつ言っているだけ。で、私は当然何も聞いていない。


季節は流れ期末試験がやってきた。全く勉強をしないで臨んだ試験。案の定何も分からない。特に物理の試験はなんとかキログラム重とか良くは知らんがやたらと難しい単位をつけたがる。その単位が何になるかとんと想像がつかない。で、仕方がないので、25問くらいあった問題のすべての答えを


0(ゼロ)


にして提出した。すると、おそらくサービス問題だったのだろう


「ボールを投げ上げた時、最高点にあるボールの速度は何か」


とかいう問題があり、見事に0点だけは免れましたとさ。で、科学の方で若干の点を稼ぎ、赤点だけは免れたという実話があります。これ以外にも、とにかく学校の試験は一切無視しておりまして、しまいにゃあ学年末試験で進学コース90人中89番ブービー賞とも言う)という香ばしい記録を残し、進学コースから追い出されましたとさ。それでいて、業者テストはいつでもかなり上の方だったのだから本気で嫌な生徒だったと思います。ま、過去の話ですけどね。




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2002年02月02日(土) アイルランドのパブの前に立ちはばかるBouncerに対する傾向と対策

週末です。まあ、飲みに行ったりいろいろです。今回は、ダブリン一の高級デパートBrown Thomasの裏手にあるAkaというパブに行ってきました。


まずはこの日聞いた信じられない笑い話を一つ。本人いわく「知人から聞いた絶対に実話」だそうで、私も「さもありなん」という気がします。


場所は夏の暑い盛りのドイツ。とある女の子(話し手の友人)が彼と一緒に新しいアパートに移ったそうな。新しいアパートはまあこっちでよく見かける半地下室のアパート。つまり、窓が地面の高さくらいの位置にあるのだ。で、暑い盛りのこと、窓を閉めずにブラインドだけ下ろして過ごしていたそうな。


で、夜が更けて、若い二人は恥じらいなど足蹴にして電気を点けたまま夜の生活(←(C)桂三枝)へと突入。で、ことを終えて二人はお幸せに眠りについたそうな。


で、翌朝、ブラインドを開けてみると…なんだと思います?彼女は窓の外に何かを発見して凍り付いてしまいます。そこにあったもの…


20マルク札(1200円くらい相当だと思う)が干してあった。


どういうことか分からない方へ。一言で言えば、田代●●しが昨夜窓の向こうにいて、ことを干渉した彼が彼がお金を置いていったんですね。タダで覗きはしないというドイツらしいといえばドイツらしい話なんですが…(それもちょっと違う気がする)。まあ、このあと、「夜の生活の時に電気はつけるのか」だの、「彼らの夜の生活は20マルクの価値しかないのか」というような真剣かつ白熱した会話が繰り広げられたことは言うまでもないかと…。


でもって、そんなバカなことを話していると、私のケータイが珍しく鳴る。声の主はどうも今日参加するはずの会社で隣りの席の陽気なイタリア人のようなのだが、なにせこのパブは地下でしかもうるさい。何も聞こえない。で、仕方なく、階段を上って外へ走って行くと、なぜか電話をかけている本人がそこにいる。で、彼の前にはでんとbouncerが立っている。


多分この日記には初登場の言葉bouncer。何となく柔軟仕上げ材を思い浮かべそうですが、それはあながち間違ってません。パブやナイトクラブの入口に立って怪しいお客の入店を拒否したり、問題行動を起こしたやつをつまみ出すのがお仕事。まあ、用心棒でいてくれるとありがたい…なんて考える人はダブリンに来たことのない人だと思う。まあ、この人たち、とにかく、いろんなへ理屈をつけて人の入店を拒否しようとする。やれ、

「23歳以上じゃないとダメ」

だとか

「ジーンズだからダメ」

だとか

「荷物が大きいからダメ」

だとか、果ては

「白い靴下を履いてるからダメ」

に至るまで、まあ、いろんなへ理屈を持ち出してくる。まあ、これがへ理屈なのは火を見るより明らかで、「23歳未満はダメ」と言ったかと思えば、その次に行ったら「21歳未満はダメ」と言ったり、一貫性がないのです。で、最近は年を取った落ち着いてきたせいか文句を言われることはほとんどなくなったのですが、語学学校に通ってた頃はこいつらのいい餌食になってました。


で、話は土曜日へ戻る。この、会社で私の隣りに座るイタリア人、タイヤのミシェランのキャラクターのようなおなかが妙にかわいいローマ出身の男。彼と彼女が一緒にやってきたのだが、なぜか彼は被攻撃誘発性があるらしく(早い話がいじめられっ子)いつもパブに入るのに苦労する。今日はどんな居ちゃもんをつけられたのかと、とりあえず彼の前に立ちふさがるBouncerに話しかける。


私:「なにか問題でも?」
男:「今日は『常連さんのみ』」(←やたらえらそげ)
私:「ってことは何ですか。私たちが常連じゃあないと言うわけ?」
男:「ここには2年働いてるけど、あんたたちを見たことなんかないね」
私:「おれもねえよ」


私がこのパブに着いた時このバカBouncerは居なかった。つまり、夜だけ働いていると思われるわけで…。

私:「おれらさあ、いつも昼間来るからあんたを見たことないんだけど…」
男:「昼間っていつ?」
私:「うーんと、朝7時に働き始めるから(←よくこんなウソがしゃあしゃあと出てくるもんだ)、夕方の4時から5時かなあ」
男:「そんな時間開いてねえよ」
私:「うそつけい(←と言いつつウソがばれたかと思いちょっとあせってる)。いつも開いてるよ。じゃあ何時に開くの?」
男:「4時」
私:「だから4時っていってるじゃん!!!」
男:「わかった。はいんな」



というわけで、大ウソの技ありで私の勝ち。パブに入れない十嘆きの語学留学中の皆さん。諦めないで話してみましょう。何とかなる時の方が多いです。で、帰るときは、下出に出て相手の名前を聞いて握手をしときましょう。次回問題なく入れてくれます。経験者は語るのです。


PS 実は、金曜日はとんでもない日だった。ちょっと今は書けない内容なので、多分今週末には書けるのではないかと思います。久々の大ネタですので乞うご期待。




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