なべて世はこともなし
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|アイルランド真実紀行へ
| 2002年01月24日(木) |
就職フェアーがやってくる。3年前を思い出す。 |
ご存知かも知れませんがダブリン在住の方のためにちょっとおせっかいなお知らせです。
アイルランド最大の恒例の就職フェアー(就職合同説明会と訳せるかな)がもうすぐRDSでありますです。2/1から2/4までの4日間。去年は13万人の人が参加したとか。で、たまにメールを頂くアイルランドで就職活動をしている方、それからこれから就職活動をしようと思っている方、いろんな企業や人材派遣会社の人間と直接話のできるいい機会ですので、ぜひ足を運んでみましょう。
かく言う私も3年前のこのフェアーにリュックサックいっぱいの履歴書を持って参加したりもしました。その後、いくつかの企業から引き合いが来たりもしたので、行かない手はありません。いろんな無料の講座もあったりとかするし、無料でボールペンなどももらえます(こらこら)。
この件に関しての詳しいお話はオフィシャルウェブサイトへどぞ。
いやー、懐かしいなーと思います。もうあれから3年がたったのだなーって。バブル真っ直中のアイルランドで就職活動をして何を血迷ったのか、この会社が私を採用してはや3年です。結局、このフェアーの後にあった、別の小規模のフェアーの時にばらまいた履歴書がこの会社の人事の目に触れたわけです。
で、私にとってラッキーだったのは、この会社の人事に履歴書を渡したこと。この会社のパビリオン、はっきり言って私の記憶に残っていません。見た感じ、何の変哲もなく、とても日本人なんか雇う雰囲気ではなかったから覚えていないのだと思うのです。でも、私は本気で必死でしたから(あんなに何かに一生懸命になったのは、人生において後にも先にもあの時だけです)、そんな目立たない会社にまでじゅうたん爆撃で履歴書を置いていき、結果、どうも他の日本人はこの会社に履歴書を置いていかなかったようで。実はそれが私がこの会社に間違って採用された理由という説も…。ま、いずれにせよ、私が言いたいのは、どこにチャンスが転がってるか分かりませんから、就職活動中の方はぜひRDSに足を運んで、いろんな人と話をして自分を売り込んで、がんばって欲しいなということです。特にアイルランドのバブルが弾けた今、就職は前にも増して大変なようですから…。
ちなみに私も見物がてら行くかもしれません。もう履歴書を全部の会社においてゆく若さはありませんので単に見物です。会場で見かけたら声をかけてください。
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| 2002年01月23日(水) |
アイルランド人には商才もないのではないか…という仮説 |
こういう書き方をすると、私がどこで働いているかバレそうですが(…って言うかもう手遅れ?)私が勤めている会社は、某ビジネスパークの中にあります。日本語でもビジネスパークって言いましたっけ?まあ、「商業団地」とでも訳すのが適当かと。
で、この某ビジネスパーク、街から歩ける範囲にあるにもかかわらず、とんでもない陸の孤島にあったりする。DARTの駅からこのビジネスパークまでは歩いて10分程度ながら、この間には民家1軒ないので、夜女性ひとりで歩くのにはちょっと勇気がいる…というか、過去に強盗から強姦事件まで発生している。ちょっとキケンがアブない。
で、このビジネスパーク、テナントにそうそうたる企業名が並んでまして(うちの会社のような例外もあり)数千人の人間が働いているそうな。ところが、このビジネスパーク内にはコンビニが一軒あるだけ。
最近になって、コーヒーショップと銀行が相次いでオープンしたが、テナント会社の中には社員食堂を持っていない会社もあり、お昼になるとコンビニには、サンドイッチを求める人の行列がコンビニの外にまで溢れんばかりになっている。まさに独占状態。まあ、考えてみたら、丸の内のオフィス街に状況が似ていないともいえなくもない。コンビニのオーナーはさぞかし笑いが止まらないに違いない。
で、サンドイッチバーと銀行がオープンしたのと時を同じくして、コンビニのあるビルの2階にパブがオープンした。このパブ、このビジネスパークがオープンして三代目のパブになるらしい。
このビジネスパークがオープンした当初、パブも同時にオープンしたらしいのだが、しばらくして、共同経営者のひとりが売上をネコババしてとんずらしてしまい、その後しばらく空家となっていたらしい。
で、私が何を血迷ったかいまの会社に採用されてしばらくして、この空家だったパブにレストランがオープンした。上にも書いた通り、お昼には昼食難民が発生するようなとこだから、さぞかし大儲けができるだろうなと思っていた。
ところが、このレストラン、オープンして1ヶ月も経たないうちに撤退した。撤退の理由は、「お客がいないから」待て待て待て。こんな独占状態でどうしてお客がいないとかほざけるんだ?私がオーナーだったら、たった一か所しかないビジネスパークの入口で100円引きのクーポンのついたチラシをがんがん配って固定客をつかんで一気に安定経営を狙うけどなあ。ある程度の値ごろ感を出せば経営は安定すると思うのだが。どうもアイルランド人にはそういう商才というものが根本的に欠けているような気がする。
で、そんなことを考えていると、数ヶ月前に例の3代目のパブがオープンした。今度のパブは前のレストランと違い、アルコールの販売免許を持っている(アイルランドではなぜかワインを除いて、アルコールの販売は免許制)。で、今度のパブのオーナーはなかなかやり手と見えて、例えばビールもほかのパブでは見ないような、ドイツ産やチェコ産のビール、ついでに地ビールまで置いてお客を集めようとして、これが結構うまくいっている。お昼時になると、パブ内はお客で溢れている。
なんでこんな話を始めたかというと、今そのパブに行って帰ってきたところなんです。…オチは何かって?…ないっす。すんません。何にせよ、会社から徒歩1分にあるパブは便利。潰れないで欲しいなあ。
ところで。ブリティッシュミッドランドから手紙が来ました。帰ってきたら、真っ青のブリティッシュミッドランドのロゴの書かれた郵便物を見つけたので色めき立ったのですが、内容は、
「手紙受け取りました。4週間以内に返事するから待っててね」
というもの。要するに何の進展もないわけで。まあ、こんな手紙まで出すその姿勢には素朴に感心します。さすがはイギリスの会社、アイルランドの会社ではこうもいかないに違いない。
ま、この返事が来たら、「ドイツへの長い道」完結編として、メインページまたはエッセイのページに更新します。ブリティッシュミッドランドさん、ここまで誉めてるんだからちゃんと返事書いてね。
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| 2002年01月22日(火) |
首相が近所で酒を飲んでいたら、そりゃあびっくりするだろうなあ…というお話 |
アイルランドの首相の名前はアハーン首相です。Snigel得意のうち間違いではありません。アハーン(Ahern)首相です。こうなると、山本晋也監督ならずとも、じゃあ、次の首相は、イヤーン首相かとか、ウフフーンさんが副首相になったらアイルランドの外交がどうなるのか…なんて寒いことを考えたりするわけです。
で、昨日(月曜日)の朝、会社で繰り広げられていた、AとBの会話。この会社ではアイルランド人は少数派ですから(なんちゅう会社やねん)、AもBもアイルランド人ではありません。
A:「土曜日街でアハーン首相見ちゃった」 B:「えー?どこでー?」 A:「オコンネル通りのカフェにいたら外をてくてく歩いてるんだもん」 B:「えー、どんな感じだった?」 A:「うーん、テレビで見た時みたいにあまりカリスマ性を感じなかった。フツーの人って感じ」 B:「ええー、じゃあ、フツーに歩いてたんだ」 A:「うん、SPとか連れてなかったし…」
うーん、考えてみると、小泉首相が新宿の紀伊国屋の前をてくてくふつうに歩いていたらまあびびりますよね。いくらアイルランドは小国とはいえ首相が市内をてくてく警備もつけずに歩いてていいものか。そんなことを考えていると、アイルランド人のCがこの会話に割り込んできました。
C:「アハーン首相ならねえ、うちの近所のパブでいつも飲んでるよ。珍しくもない」
…ホントかウソかは知りませんよ。だけどCが言うには、某Dublin5区にあるパブでしょっちゅう飲んでいるそうな。で、この国には「首相公邸」なるものはなく、アハーン首相はフツーの家にフツーに住んでいるそうな。で、フツーに近所のパブに行って飲むという…フツーの人らしい。
これがホントなら少しアイルランドの首相に親近感を覚えるなあ。
で、そんな折りも折り、昨日のRTE(国営放送)の6時1分のニュースでこんなニュースがあったらしい。「らしい」というのは、私は自慢ではないが、アイルランドでは全くテレビを見ないから。
「アイルランドの成人女性の20%はアル中、または、依存症の兆候がある」
…「男性」ではありません。「女性」です。うーん、データの上からもアイルランド人が深刻な酒飲みであることが分かるようです。…とすると、アハーン首相が飲みに行くと、そのパブにいる5人にひとりの女性はアル中またはその予備軍で、アハーン首相は…やめた、考えるの。
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| 2002年01月21日(月) |
Snigelのギャグのセンスはアイルランド人に近づいている? |
髪を切ったことに誰も気がついてくれず、少しいじけ気味です。まあ、男の髪になんて気をつけているやつの方が珍しいでしょうから…(と自分に言い聞かせる)。
髪を切ったのが土曜日。土曜日に行きつけの美容室に行ってきました。実はひでかすと一緒に出かけたのですが(注意:ひでかすは格安の床屋に行っているので単に街に一緒に行っただけです)、バスに乗り、2階席に腰掛けた瞬間ひでかすが叫ぶのです。
ひでかす:「あーあーあーあーあー。これ…」
といいつつ、床から何かを拾い上げる。ばばっちいなあと思いつつひでかすの拾い上げたものを見ると…
あれま、ユーロスターターパックの袋。
そう、誰からユーロスターターパックの封を開けて使ったらしいのです。…物の価値を知らぬということは恐ろしい。…もっとも、ダブリンバスでのことですから、そのゴミが1ヶ月前からずっと床にあったという可能性も否定できないですがねえ…。
で、Temple Barのいつもの美容室へ行くと、土曜日だというのになぜかヒマそう(ちなみに給料日前は土曜日でも割とヒマらしい)。ここの美容室の良いところは私の顔を覚えていてくれていること。入るなりに、「Hi, Snigel!」と言ってくれると、「ぼく常連なんだけんね」という何の意味のない優越感に浸ることができる(←カクテルバーで、女の子を連れて、「いつもの」とバーマンに頼み「なんですか?」と聞き返されるアホ男に通じるところがある)。腕がいいとは決して思わないが(まあ日本を規準に考える私がアホタレなんでしょうが)この点だけで、私は4週間に1回大枚25ユーロを払っている。
で、私の担当のKerryさん(…あ、本名書いちゃったよ)は9月の末に赤ん坊が生まれて、とにかく未だに嬉しくてたまらないらしい。そのことをとにかく話しつづける。
Kerry:「もう4ヵ月…っていうか16週間になるんだけど、さいきんちょっとぽっちゃりしてきてねえ」 私:「離乳食にソーセージ食べさせてるの?」(←って4ヵ月で離乳食はないだろうが) Kerry:「私のママも同じこといってたわ。わっはっはっ」
…私のギャグはアイルランド人並みになってきたのでしょうか。はああああ。
最近どうも面倒くさがりやになってしまった感が否めません。昔ならそれこそ週に2-3回はパブに行って飲んでいたものですが、最近は週に1回も行っていないのではないでしょうか。今日も映画に誘われたのに断る始末。外に出て日記のネタを見つけ出さねばならないと思いつつ、結局出かけない…そんなちょっとだれた空気の中に生きています。いかんなあ。
ところで。メールのお返事がかなり遅れておりますです。現状先週頂いたメールのお返事が済んでおりません。頂いたメールにはお返事をすることをモットーとしておりますので、お返事がきとらん!とお怒りの方、今しばらくお待ちくださいませ。
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| 2002年01月20日(日) |
日本だけじゃあない。ダブリンにもいるぞ、放火魔。 |
日本の冬の風物詩といえば放火ですが…って、それじゃああまりに問題のある表現だな。
ま、何にせよ、冬になると増えるのが放火。これは事実ですよね。考えてみたらなんでなんでしょうねえ。寒いから暖をとるため?んなわけないですよね。やはり気候が人を落ち込ませて、人の気を狂わせたりするところがあるのでしょうか。ともあれ、何の罪のない人の家財や命を奪う卑劣で憎むべき犯罪であることは議論の余地のないところだと思います。
で、なんとなく、放火って日本特有のもの、あるいは特に日本で多く発生していることのような気がしていたのですが、実際はそうでもないようです。というのも、今日(日曜日)、こんなチラシがうちのポストに投げ込まれていたのです。
 WARNING
DUE TO THE BURNING OF MANY REFUSE BINS OVER THE LAST FEW WEEKENDS AND AN ATTAMPTED ARSON ATTACK ON THE HOUSE INVOLVING A REFUSE BIN, RESIDENTS ARE WARNED NOT TO PUT OUT BINS BEFORE 8am ON THE MORNING OF COLLECTION.
THIS MATTER IS NOW IN THE HANDS OF THE GARDAI. FURTHER INFORMATION WILL BE PROVIDED IN OUR FORTHCOMING NEWSLETTER.
ええと、言葉の解説。 まず、arsonとは放火。Arsonistはご賢察の通り放火魔。Gardaiは警察。警察官はGarda。英語ではなくアイルランド語です。
<去年からほかの国に遅れること数十年、ダブリンでもようやくゴミの分別回収が始まりまして、写真ようなごみ箱を使っての回収が始まっています。ちなみに右の緑のごみ箱は資源ゴミ用。で、これに火をつける輩がいるらしい。
で、まあ、「この事件は警察当局により調査中」なんて言われても、この国の警察なんて全然信用できないし(1/7の日記参照)、消防だって怪しいもの(1/14の日記参照)。結局自衛するしかないわけで。仕方がないので、いつもは前庭に置いてあった二つのごみ箱を今裏庭に持って行ったところ。
何にせよ、ロクな事件じゃないことは確かです。
全然関係ないのですが、今、これを書いてたら、突然玄関に誰かがたずねてきた。行ってみると、「タクシーでーす」…って呼んでねえよ。お前なんか。
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