なべて世はこともなし
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2001年06月20日(水) 警察詣で

昨日の日記で予告していた通り、今日の日記はこの作者にしては珍しく愚痴です。掲示板にカキコして作者の「癒し」にご協力くださいませ。

「警察に出頭してきました」なんて書くと、えらく刺激的だが、アイルランドでEU外から来たガイジンとして暮らす以上、少なくとも年に1回は警察に出頭しなければならない。理由は…ビザの更新のため。

詳しい説明をし始めるときりがないので、詳細はカットするけど、おいらは今日、警察に行き、来年5月末日までのビザをもらってきた。…こう書くと一瞬だが、毎年のことながら、本当に骨折りな仕事なのだ。

手元にデータがないからはっきりとした数字はわからないけど、アイルランドに住むEU外のガイジンの数は年々再々増加の一途をたどっている。で、当然、彼らは(合法的に滞在しようとする限り)当局にビザを取りに行かねばならない。ダブリンの場合、市南部にある警察署に”Alien Office”(外国人管理事務所)があるのでそこに行きビザを得たり更新したりする。当然ながら、ガイジンの数が増えるにつれ、この事務所はだんだん忙しくなり…。

去年あたりから、とんでもない噂を聞き始めた。ビザと取るために「4時間待った」とか、「朝6時から並んでようやくビザが取れた」とか。その話はにわかには信じられなかった。おいらが学生としてアイルランドにいた頃、つまり古き良き1996年は、このAlien Officeで、1時間以上待たされることはまずなかったのだ。ところが、去年同僚がおいらのビザの更新直前に「6時から並んで、昼までかかった」なんて話を始めたのでおいらもその話を信じざるを得なくなった。何でも、一日に200枚しか配らないチケットを巡り(枚数は確証はないが、おそらくそんなもの)、朝からそのチケットを巡り熾烈な争奪戦が繰り広げられているというのだ。何でも8時から配り始めるチケットをゲットしたかったら、朝の7時前から並ぶ必要があるとか…。有名人のコンサートのチケットでもあるまいし…。

そんなばかなことには付き合ってられないとこのとき(2000年の5月)のおいらは一計を案じた。たまにずる賢いおいらはAlien Officeに電話をしたのだ。

おいら:「あのねー、おいらねー、今日ねー、そっちに朝の9時に行ったんだけど、チケットがなかったんだけど」
係のおばさん:「今忙しいからねえ」
おいら:「(怒り気味の声を出す)あのねー、忙しいのはそちらだけじゃあないのよ。おいらもねえ、就労許可証を持って行ったんだけど、今、すごく忙しくて、シャレで休みが取れる状況じゃあないの。今日も仕事をやりくりして何とか行ったのに…(以下省略)」
係のおばさん:「わかりました。今回だけ特別にアポを取りましょう。明日の10時に来れますか?」
おいら:「(ほくそえみつつ)…10時?何とかしましょう」


…というわけで、去年は超インチキ反則技で、そのおばかなチケット争奪戦をまんまとパスしたのだ。

で、話は今年。今年も柳の下ののドジョウを狙い、同じことにチャレンジする。

おいら:「(去年と同じ口上)…てな訳だから、何とかならない?」
係の男:「できません」
おいら:「ぶつぶつぶつぶつ」
係の男:「ちゃんと朝並んでください」


この電話口の係の男、横山ノック元大阪府知事がセクハラ疑惑をマスコミに問われた時と同じくらい不機嫌な声で「できません」と言う。おいらは玉砕。世の中そんなに甘くないね。

折りしも同僚のKさんがビザの更新ということで、一緒に行くことに。まあ、朝の7時に行けばいいだろうと言うことで、朝の7時にAlien Officeの前で会うという約束をして、昨日は別れた。

朝の7時にAlien Officeに行くというのはなかなか容易な話ではない。ほとんどのバスは朝の7時ごろにならないと運行を開始しない。てな訳で、おいらはチャリで市南部のAlien Officeへ。着いたのは予定より30分も早い6時30分。これなら、まだ誰も並んじゃいまい…と思ってAlien Officeのところの角を曲がると…。



絶句。


朝の6時30分だというのにもう40人を超える人が並んでいる。ぱっと見た感じでは、中国人が圧倒的に多く、それから、東欧系・中東系・アフリカ系黒人の順だろうか。とにかく、朝の6時30分の時点でそれだけの人が並んでいるのだ。こりゃ、朝の8時なんかに来た日には、チケットは手に入らなかっただろう。

Kさんは約束たがわず朝の7時着。「おいらのガールフレンド」という大ウソをついて、おいらの後ろに割り込ませる。その後も列は時々刻々と伸びてゆき、午前8時を回ろうかという頃には、間違いなく200人以上の行列がAlien Officeの前に伸びていた。

午前8時。開門。で、昔中国人がチケットを大量に取っていったらしく(結構確かな情報筋から聞いた話)その対策かチケットは係の人から一枚一枚手配りで渡された。おいらたちがもらったチケットは先頭から数えて80枚目くらいのもの。「?」おいらが朝6時30分の時点で軽く数えた限りでは、おいらは先頭から40番目か、悪くとも50番目くらいだった。それなのに、80番目のチケット。いぶかしく思うが、とりあえずチケットをゲットしたので、Kさんとふたりで近くのコーヒーショップへ。(実際に行かれる方への役立ち情報として、Harcourt St をSt. Stepens Green方面へ200メートルほど歩いた左手にある Montague Stの郵便局の並びにある2軒のコーヒーショップは、安くてボリュームのある朝ご飯が食べられるのでおすすめ)

で、そのコーヒーショップで朝食を取り、9時過ぎにAlien Officeに戻ってみれば、まだ20人も進んでいない。単純計算すれば、あと4時間は優にかかることになる。おいらたちは、そりゃたまらんとべつのコーヒーショップへハシゴ。おいしいカフェラッテを飲んで、10時過ぎに戻ってみれば、おーい何とかしてくれよー、まだ30人ちょいしか進んでいないじゃないかー。

さすがにそれ以上コーヒーショップをハシゴする気にはならなかったので、仕方なくAlien Officeの待合室で待つことに。

この待合室、おいらがダブリン一嫌っている場所と言い切ることに何らのためらいもない。いつ行っても、待合室にいる人の顔は疲れきっており、お通夜のような重苦しい空気が漂っている。人いきれのせいもあるだろうがその待合室にいると心なしか息苦しくなるのだ。

その待合室で待つこと数時間、おいらたちの順番がやって来たのは午後1時30分。実に並び始めてから7時間後のことだった。

皮肉なことには、就労許可証の更新の場合、学生ビザと違い、更新は5分とかからない。今回もご多分に漏れず、おいらたちの新しいビザは、5分待つことなく交付されたのだった。7時間待って所要時間5分。これをフェアな扱いと思う人がいるなら、おいらは一度医者にかかることをお奨めする。

なぜこんなに時間がかかるかは素人目にも明らかで、このAlien Office、おいらの個人情報のファイルをいちいち手作業で膨大なファイルの中から見つけてくるのだ。それに費やす時間が実に長い。コンピュータを使えば、数秒でできることだろうに…。

この待ってる間に、Kさんは目ざとくいろんなことを発見。その発見のおかげで今回の警察詣でがものすごく後味の悪いものになってしまった。Kさんが言うには、おいらたちよりも後に並んでいた人が、おいらたちよりも先にことを終えて帰って行ったというのだ。言われてみると、おいらたちの直前に並んでいた人たちの姿はもうない。

おいらは仮説として、券を配る人が順番を若干違えてしまった(そう考えれば、なぜおいらたちが80番目だったか説明がつく)としたのだが、世の中に擦れてしまったKさんは「チケットが売買されているに違いない」と言い切って疑わない。何にせよ、ものすごく理不尽かつ不平等感を感じた無意味な1日だった。その後、会社にいってちゃんと仕事をしたおいらは自分で言うのもなんだが偉かったと思う。



2001年06月19日(火) 作者の風邪、悪化中

作者謹告:世界一周その2は6/17の日記として掲載してます。その1は6/18です。親切心のつもりでしたのですが、かえってややこしくしてしまって申し訳なく思っています。かなりの大ネタだと思いますので、ぜひ昨日の日記→おとといの日記の順でお読みくださいませ。


作者の風邪ですが、悪化の一歩をたどっています。昨日は喉が痛かったのですが、今日は鼻水が止まらない。事務所の机の脇のごみ箱は白いティッシュの山。まったく、資源の無駄遣いこの上ない。

どこかで聞いた方もいらっしゃるかと思いますが、どうも日本人ほどティッシュを使う国民はいないようです。アイルランドのティッシュは実に高い。一箱150円はする。5箱セットで298円で売ってたりはしないのだ。ほかの物価の安さから考えれば、ティッシュは高級品とすらいえる。

で、会社から家に帰る頃には、鼻の下は真っ赤。仕方ないので、近所の薬局で薬を買う。薬の代金は10.58ポンド。おいらの財布には狙ったようにぴったし10.58ポンドしか入ってなかった。恥をかかずにすんだ。

予告ですが、明日、ビザを取りに警察に行ってきます。これが一日ががりの作業になるのだ。明日の日記は、たぶんアイルランド政府に対する罵詈雑言になりますので、あらかじめご了承くださいませ。


2001年06月18日(月) 世界一周(その1)

注意:今回の日記には航空会社の専門用語がたくさん出てきますが、おいらはその業界の人間ではないので、それらの用語を正しく使っているかどうか保証の限りではありません。話半分で聞いてくださるようにお願いします。

先月の末にアイルランドを離れ、半月ほどかけて、ドイツと日本に行ってきました。いやー、忙しかったです。特に日本では、限られて時間でいろんな人に会おうと駆けずり回ってきました。時間的な制約もあったので、ほとんどの人には日本行きを知らせませんでした(ホームページではしっかり告知してたけど)。というわけで、不義理のあった皆様にはこの場を借りて心からお詫びいたします。

実は、今回の日本行きで人生初の「世界一周」をしちゃったんです。

ダブリン

フランクフルト(ドイツ)

関空(大阪…あれ、和歌山なのかな??)

九州の某ローカル空港

羽田(東京)・成田(千葉)

ニューヨーク(アメリカ)

ロンドン(イギリス)

ダブリン


ね?ちゃんと、地球を西から東に一周してるでしょ?何でこんなばかなことをしたのか、話せば長くなるのですが、まあ、お付き合いください。

前にも数回書いた通り、うちのアパートには数人の住人がいます。で、その中の一人が、ひでかす(仮名)という名の日本人なんです。で、彼、実は某アメリカの航空会社に勤めており、偶然この時期に本に帰省してアメリカ経由でダブリンに戻る彼と一緒に飛べば、私もかなり破格の値段で旅行ができるというわけ。

とはいえ、この話に最初おいらは乗り気ではなかった。彼と一緒に飛ぶと確かにキロ当たりの運賃は安いが、アメリカ経由となる。つまりシベリア回りに比べて距離が倍近くなるため、実は結局シベリア回りの格安航空券と値段は変わらなくなる。で、距離がになれば当然時間もかかる。シベリアまわりの12時間も閉口するには充分なのに、その倍となったら、もはや生死にかかわる問題。ところが、ひでかすは、とんでもない殺し文句でおいらを誘惑したのだ。



「ボクと飛べば、ファーストクラスで旅ができるかもよ」

ファーストクラス!ああ、なんて甘美な響き。おいらの一生のうちでは決して乗れないであろう別世界。エコノミーとは雲泥の差のすばらしいシートと、贅を尽くした食事、ついでに美しいスッチーさんのスペシャルサービス(←何か激しく誤解してますね)。そんな体験ができるなら、アメリカだろうとインドだろうと行ってやろう!と、USITに行きダブリン−関空の格安片道航空券を購入。日本からダブリンの帰りはひでかすとアメリカ経由で飛ぶことにしたのです。

ダブリン−フランクフルト間、およびフランクフルト−関空間は言うまでもなくエコノミークラス。ひでかすが、わざわざおいらのためにベジタリアンミールを注文してくださった(嫌がらせか?)以外は取り立てて書くことはなし。というわけで、話は一気に帰りに飛ぶ。

今回のように、航空会社に勤める人間の家族や知人等が、格安で旅行するチケットを「コンパニオンチケット」というらしい。で、この、コンパニオンチケット、安いだけの理由があって、予約は一切できない。当日、席が空いていれば乗れる。そりゃそうだ。航空会社だって、まともな運賃を払うお客の方が大事に決まっている。ま、考えてみれば、国内線の「スカイメイト運賃」みたいなもんだね。

で、日暮里でひでかすと待ち合わせをして、京成線の特急で一路成田へ。道々ひでかすが言うには、この日(金曜日)のフライトは実に混んでおり、乗れるかどうかわからないとのこと。かなりの数のオーバーブックがあるというのだ。なんだか空港到着前にして、おいらのファーストクラスの夢に暗雲が漂う。

オーバーブックについて説明したい。世界中のどこの航空会社も、実際のキャパシティ(定員)以上の数のチケットを販売する。というのも、われわれ貧乏旅行者の(一緒にするなって?)チケットの多くは、予約の変更はできない。それに対し、ビジネスクラスやファーストクラスの多くのチケットは、他の便への振替や、また、返金すらできるものもある。ま、高い金を払えばそれだけの利点があるということでしょう。

こうなると、当然予約をしながら空港にやってこない客というのが必ず存在する(専門用語でNo Showというそうな)。で航空会社としてはこの空港に来ないであろう客の数を見越して、定員よりも多い数のチケットを売る。空で飛ばすよりはいいもんね。ところが、まれにNo Showの客が少なく、定員以上の客が空港に来たりする。そうすると、航空会社はホテルなどを用意して次の便に一部の客を振り替えるか、または他社の便に振り替えたりする。このような状況で一番先にあぶれるのはコンパニオンチケットで飛ぼうとしてるおいらのような人間。

閑話休題。話を成田に着いたおいらたちに戻そう。で、ひでかすの事前の調査では、アメリカ行きの飛行機は軒並みオーバーブックしておりその中で唯一乗れそうなのがおいらたちの狙う成田−ニューヨークの最終便。ちなみにこれを逃すと、おいらたちは家に帰らなければいけない。まさに1発勝負状態。

で、祈るような気持ちでカウンターに行くと、この便はなぜか、ファーストクラスとビジネスクラスがすでに一杯で、エコノミークラスなら何とかなるだろうとのこと。この瞬間、おいらのファーストクラスへのはかない夢は愛川欣也によって「はい消えたー」と潰されてしまった(古いね)。

で、このカウンターで搭乗券はふつう貰えない。搭乗口で一番最後の客が乗り終わり、それで空きがあるという状態になって初めておいらたちは搭乗できるのだ。まったく立場が狭い。

で、出国審査を受け、搭乗口へ。空港に着いたのが遅かったのと、出国審査が長引いたことで、もうすべての客は搭乗した状態。そこでおいらたちがもらった搭乗券にかかれていた座席番号は…エコノミークラスのものだった。

「こんなことならおとなしくシベリア経由で帰ればよかった」と大ブーイング中のおいらをひでかすは、「ニューヨーク−ロンドン間ではファーストクラスに乗れる…と思う…から」となだめる。

おいらたちが乗ったのは、最新鋭のB777の後ろから2列目の席。こればまたよく揺れた。聞けば、前方の方の席よりも尾翼に近い後方の席の方が特に左右方向に揺れるんだそうな。というわけで、尾翼の真下のおいらたちの席は、途中でテーブルの上のウオッカのダイエットコーラ割がこぼれるほどよく揺れた。エアフランスでパリーストックホルムを飛んで以来の最悪のフライトだった。そういえばあのフライトも一番後ろのほうの席だったなー。

で、本当に、狭く、つらいエコノミークラスで12時間という拷問に近い長さの時間を過ごす。この最新鋭のB777にはエコノミークラスにもパーソナルテレビがついており、せめて映画を楽しもうと思ったのだが、エンジン後部ゆえの雑音と、ぼろいイヤホンのおかげでほとんど聞き取れず。眠ろうとしても、狭くて眠れない。ああ、悲しいかなエコノミークラス。

で、ようやくニューヨークに着。時差のおかげで、金曜日の夕方6時に出たのに、ニューヨークについたのは金曜日の午後。日付変更線を生まれて初めて超え、狐につままれたような気分になる。入国審査を受け、手荷物を受け取り、空港の建物の外でひでかすはタバコを吸い、そのまま空港に戻る。そう、おいらが初めてのニューヨークで見たものは、ひでかすのタバコを吸う姿のみ!自由の女神もマンハッタンもミュージカルも何も見なかった。これがおいらの初めてのアメリカ体験だなんて、あまりに情けない。

で、チェックインカウンターに行くと、状況は絶望的とのこと。おいらたちが成田を経つ時点ではまだ各クラスとも空席があったのだが、どうもこの便の前の便が非常に混んでおり、乗れなかった客があぶれてきたらしい。機材はB767、つまり、200人ほどの定員の小さな飛行機に30人がオーバーブックしている。そりゃ素人考えで見ても乗れんわな。

とはいえ他の選択はないので、搭乗口でぼーっと待つおいらたち。ファーストクラスの夢はどこへやら、乗れなかったら空港に泊まろうか、などと情けない言葉が交わされる。搭乗口の前にできていた乗客の列が機内へ続くブリッジに消える。が、まだおいらたちは呼ばれない。ああ、このまま、ファーストクラスどころか、ニューヨークの空港で1泊する羽目になるのか。この続きは、6/17(便宜上、この下の昨日の日記が続きになります)の日記に続く。







2001年06月17日(日) 世界一周(その2)

お知らせ:6/18の「世界一周その1」の続きです。もし、そちらをお読みでないならば、まずは6/18(つまり、この上にある日記)の「世界一周その1」をお読みください。

こうして、ファーストクラスでゆうゆう飛ぶはずが、エコノミークラスでニューヨークくんだりまでやってきたおいらたち。間髪をいれずニューヨークからロンドンまで飛ぼうとするが、この区間も混んでおり、運がよくてエコノミークラス、運が悪ければ、空港の長いすで一泊という事態になってしまった。ひでかすはもろに不機嫌だったが、一方のおいらは至って平静。おいらの人生の経験上、「ここ一番」という時に、おいらはとんでもない強運を発揮するのだ。まあそう信じることができる能天気さで、いろんな問題を乗り越えてきたことは事実だと思う。

定刻まであと10分。そろそろ呼ばれるかなー、という頃。搭乗口の職員が突然日本語で、

「XX(おいらの名前)サーン、イラシャイマスカー」と呼ぶ。

さあ、判決は?エコノミークラスか?はたまた空港で1泊か??

そのおいらの背より20センチは高いだろう黒人男性職員、おいらたちに2枚の搭乗券をくれる!ということは、乗れるのだ!次の瞬間、ひでかすが、突然「おおお」と叫ぶ。


そこに書かれていた座席番号は「1C」と「1E」




そう、ファーストクラスのチケットをゲット!!


アホ二人(おいらたちのことねん)はその職員に耳から耳への笑顔(満面の笑顔ね)を浮かべ、飛行機へとつながるブリッジへ。

そして、いざ機内へ。おおお、機内最前部のファーストクラスのシートが二つ空いている。この会社のB767の場合、エコノミークラスのシートが、2-4-2配列(左右の窓のほうに各2席、中央に4席ということ)に対し、ビジネスクラスのシートは2-2-2。そしてファーストクラスは2-1-2。単純計算すれば、ファーストクラスの席の横幅は、エコノミーの1.5倍近くということになる。

そしてシートピッチ(前の席との間隔)は、前の席にどんなにがんばっても足が届かない、前の席のシートポケットにある雑誌等にはベルトをしている限り手が届かない。

別の例えをあげると、エコノミークラスの場合、窓際の人がトイレに立とうという時、通路際の人は、席を一度立たねば通れない。ビジネスなら通れるけど、ちょっと通路際の人に気を使ってもらわないといけない。それに対しファーストクラスは、通路際の人に気兼ねなく席を立てる。これが違いだろう。

というわけで、おいらは2-1-2の中央の席を、ひでかすはその右の席をゲット。

実は、まだ安心してはいけないのだ、ドアが閉まるまでは。というのも、後からちゃんとしたチケットを持った人がやってきて、「悪いけど、お客さん来たから降りて」と言われる可能性があるのだ。実際にそれで、一度乗った飛行機から降ろされたかわいそうな人をおいらは知っている。

そんなわけで、ウェルカムドリンクのシャンペンをしっかりもらいつつも、おいらの視線はどうしてもドアの方に行く。

…はたしてドアは閉まった。こうして9回の裏の大逆転で、おいらたちはまんまとファーストクラスのシートをゲットしたのでした。

どうもおいらたちふたりに専属のスッチードさんがつくらしく、40くらいであろう、豊富な経験を感じさせるなかなか男前のスッチードさん(作者にそっちのケはないので念のため)が、シャンペンをどんどん注いでくれる。…ということは離陸しないのだろうか?というのも、ウェルカムドリンクは、おそらく安全のためだろうけど離陸の際に一度回収されるのだ。

結論から言うと、おいらたちの飛行機は1時間遅れで離陸した。なにやら、トイレに若干の問題があったのと、飛行場がやたらと混雑していたらしい。とはいえ、広い席でシャンペンを優雅に飲んでいたら、そんなことはまったく気にならない。

で、機は定刻より1時間遅れで離陸。しばらくすると、おいらたちに機内食のメニューが配られる。ああ、知らなかったよー、おいらが、いつも揺れるエコノミークラスの狭いテーブルで、チキンかビーフか悩んでいるときに、金持ちどもは揺れないファーストクラスで、こんなにいいものを食ってたのか!(単にひがみ)

頃合いを見計らって、別のお局スッチーさんが、おいらたちに何が食べたいか聞いてくる。そう、選択の余地があるのだ。エコノミークラスのように、

“Can I have chicken please?”
“Sorry chicken is all gone!!”

なんて言われて、食べたくもないビーフをつつく羽目になる、ということはあり得ないのだ。

そして、真っ白なテーブルクロスがテーブルに敷かれ(そこまでするんだねえ)まずは、ビーフカルパッチョから。…うまい。よく見ると、ナイフとフォークも銀製だぞ。以下、サラダに、ダックにと、高級レストランのディナーよろしくフルコースで出てくる。で、デザートに、アイスクリーム。これがおいしかった。

その後は、パーソナルビデオでビデオ鑑賞。驚いたことに、まず、ヘッドフォンの音がよく、しかも、機内が静かなので、映画が楽しめるのだ。エコノミークラスでは、まったく楽しめなかったのに…。で、一眠りした頃には、もう到着間際。再びおいしい朝食をいただき、8時間のフライトは、本当にあっという間に終わってしまった。

正直に書くと、実は、これがおいらのアッパークラス初体験ではないのだ。数年前、某イギリスの航空会社のロンドン−成田間のフライトで、ビジネスクラスで飛んだことがある。この時も、まったく疲れなかった。エコノミークラスと雲泥の差を感じたのだった。

ちなみに、このニューヨーク−ロンドン間をファーストクラスで飛んだ場合、大体片道80万円くらいなんだそうな。で、エコノミークラスなら、うまくすれば3-4万で飛べるはず。とすると、20倍の値段ということになる。さすがに80万は払えないけど、ある程度の割増でビジネスクラスやファーストクラスに乗れるなら、それは払う価値はあると思う。ああ偉くなりたい、などと、アホなことを考えてしまうのでした。

(そのあとは、ロンドンで半日過ごし、Ryanairの格安航空券でダブリンまで無事に帰ってきました。)


2001年05月30日(水) 作者、旅に出ます

実は、「夜勤の必需品」というタイトルで日記を書き始めたのだが、これがまたつまらないことつまらないこと。迷わず消しました。

この日記で何回かお知らせしてきましたが、おいら、今日の夜勤が終わり次第(後1時間で終わり)自宅にスーツケースを取りに戻り、そのまま空港へ。そして、ドイツに数日滞在して、日本に行きます。

ここだけの話ですが、新しい就労許可証間に合いませんでした(ちゅどーん)。帰国時ロンドンで入国審査と相成るのですが、変なこと聞かれなきゃいいけど…。ま、おれのせいじゃないから知らんがな。

これは有名な話ですが、イギリスとアイルランドの入国審査は意地悪なんですよ。EU域内はパスポートなしで行き来できるのに、この二つの国は例外。で、いろんな本で「入国審査は意地悪だ」と繰り返し聞かさせていたもんですから、初めてのロンドンヒースローでの入国審査はかなり緊張しました。いまじゃ、強制送還されそうになっても何とかしてしまうという…(詳しくはホームページの「アイルランド就職戦線異常アリ」を読んでね)。ま、今回もなんとかなるでしょ、しかも、今回やましいことは何もないんだし。

実は問題はこれだけじゃあないのよ。おいらが利用する某ルフトハンサドイツ航空。ただいまパイロットがストライキの真っ只中。週に1回くらいの割で断続的にストをやってます。これが影響しなきゃいいのだが…。

とりあえず、掲示板と日記は何とか更新しようと思ってますので、作者不在時も是非遊びに来てやってください。作者は、入国審査で引っかかったりしない限り、6/17にはダブリンに戻ってきます。その時は、いろんな話がまたできるかと思いますので、どぞよろしく。

書き直しては見たものの、やはり駄作。ああ、売文業なぞやってなくてよかった。この日記はあくまで、趣味として提供してるから、質が悪くてもいいんですよね(言い訳)。

では、行ってきます。




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