なべて世はこともなし
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2007年08月12日(日) 謎多き国アイルランド:意味不明なガードの高さ制限

ちょっと前から、空港からの急行バスを含む一部のダブリンバスの路線が、127,840,000,000円(Snigelお得意の誤植じゃありません。1278億円。ユーロで7億5200万)というこの小さな島国から考えると気の多くなるような巨費を投じて完成したダブリン港トンネルを使うようになりました。


このトンネル、市の中心部を通過するトラックを排除するために作られたもので、トンネル開通後しばらくして、昼間の大型車の市中心部への乗り入れは禁止されるようになりました。確かに、トラックの数は減ったけど、交通渋滞が緩和されたかといえば、あまりそんな気はしないというのが実感ですが。


ともあれ、この国の意味不明なところは相変わらずで、たとえば空港行き急行バス。空港から町行きのバスはトンネル経由ですが、逆に町から空港行きのバスはトンネルを経由しません。…って誰がどう考えても、より高い定時性を求められるのは空港行きのバスなんだから、空港に向かうバスをトンネル経由にすればいいのに。いや、待て待て、もっと根本的には両方向をトンネル経由にすればいいんだよな。





さらに蛇足なのですが、少なくとも空港発市内行きのバスの正式ルートはトンネル経由なのに、なぜかいまだに多くのバスはトンネルを経由してません。上の写真のように行き先表示にもはっきりと「トンネル経由」と書かれているのにです。


勝手な根拠なき邪推ですが、ダブリンバスの組合は強いので、トンネルを使うようになる→所要時間が減る→勤務時間内に今までより1-2往復多く運転できるようになる→めんどくさいからやだ…などと運転手さんおよび組合あたりが考えてるんじゃないかと…あくまで下衆の勘ぐりです。


ともあれ。空港から市内に向かうバスは空港を出るなりに高速道路に入り、そのままトンネルへ。トンネル出口から右折してEastwall Roadに入りFairview Parkの南をかすめてNorth Strandに入り、Busaras(中央バスステーション)に向かいます。何でこんなに詳しく書いたかというと、トンネル出口からQuay(リフィー川沿い)には向かわないのです。Quay経由にすると、Busarasに向かうために大まわりをすることになるわけ。


で、問題はEastwall Road。ここに、何やら、鉄道のガードがあるのです。





このように。


で、ここには高さ制限があるので、その前に警告のためのバーが取り付けられています。日本では黄色と黒のトラ模様のバーを見かけますが、こっちでは珍しいかも。





このように。後ろの方にガードがあるのが見て取れると思います。


それにしても何だか知りませんが、仰々しいバーです。標識が4種類8枚(左右対称に)ついてます。ちょっと拡大してみます。





上から順に


高さ制限3.6メートル(height restriction)
3トン以上の車(トラック)進入禁止(No Entry)
頭上高2メートル(height restriction)
乗用車以外進入禁止(No Entry)



ごくごく正直に書きます。


頭の悪い私にはまったく理解できません。


ええと、たとえば、高さが2.5メートルある車は入っちゃいけないんですか?それとも「頭上高2メートル」の表示はあくまで警告だから高さが3.6メートル以下の車両なら通行が可能なのですか?


さらに、重さが2.5トンのトラックは進入してもいいのですか?乗用車以外進入禁止の表示の上にわざわざトラック進入禁止の標識をつけた真意はいったい何ですか?


で、ここで終わらないところが、さすがはアイルランド。このバーをくぐりぬけて、実際のガードに向かってみます。ここには…





高さ制限5.26メートルの表示が…。


もしもしー、2メートルと5.26メートルじゃ、2.5倍以上違うんですけど。


今日の日記、ダブリン港トンネルの話から始めたってことご記憶でしょうか。実は、ダブリンバスがこのガードを通過する道を空港からの急行バスのルートに設定したところ、某Gardaさん(警察)からダブリンバスに苦情が来たらしいのです。「高さ制限2メートル(あるいは3.6メートル)のところに高さ4.3メートルのバスを通すとはどういう了見だ」って。


ただねえ、こんな矛盾だらけの標識をタテに文句をつけてくるGardaは十分アホですが、この付近に昔住んでいた住人(私のことねん)として言わせてもらうと、このガード、実は53番のバスのルートなんですよね。つまり、相当な長い期間、すでに2階建てバスはこの下を何度も何度も駆け抜けているわけです。


…本当に謎の多い国です。この国は。



この標識の真意について掲示板で熱く語ってみる




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