なべて世はこともなし
日記アーカイブ(インデックス)へ前日の日記はこちら翌日の日記はこちらアイルランド真実紀行へ


2006年08月13日(日) 土曜の夜はやはり自宅がいちばん…なのだが

8/16は吉祥寺でみねまいコンサートです。東京近郊の方は是非どうぞ。




39.1ユーロ。日本円にして5,500円。


昨日は土曜日。かなり嫌々街に飲みに行きました。ほとんど強制参加。


もうトシですね。土曜の夜に街になど行きたくない。混んでるわ。うるわいわ。金は使うわロクなことがない。酒は家でホムペの更新でもしながらちびちび飲むのがいちばんです。安上がりだし、自分のベッドまで直線距離で1メートル。眠くなったらそのまま倒れ込めばいい。


午後9時に街に着いた私。向かったのは最近ダブリン中に出てきた「おしゃれ系」とでも言おうか伝統的なアイリッシュパブからは似ても似つかないようなモダンな感じのパブ。古き良きアイリッシュパブを愛する人は絶対に近寄りたくもないようなパブ。でも、これが受けているらしく、ダブリンの多くのパブが改装や、支配人の交代を機にこういうパブに変わりつつある。


半地下のそのパブは、私の全く知らない音楽がドアの外まで大音量で流れてきて、入口には喫煙者数名としかめっ面をしたセキュリティ。もうパブに入る前から嫌になっている私。


大体私はこのセキュリティの連中が大嫌い。これ、10年ほど前に数ヶ月語学留学していたときのトラウマ。やはりセキュリティは年の若いガイジンの集団というのを快く思わないらしく、「年が若いから(このパブは23歳以上じゃないとダメ)」をはじめとして果ては「靴下が白だから」までのありとあらゆる理由でグループの中の数人が入店を拒否されて、結局行き場所がなくなるという事態がしょっちゅうありまして。


あれから10年。いつからだろう私は年齢を聞かれることがなくなり、入店を拒否されることも全くなくなった(考えてみると、それはそれで悲しいことのような気もするけど)。だけど、まさにトラウマ、未だにセキュリティの横を通るときに、何か難癖をつけられるのではないかとどきどきするのだ。


かくして、セキュリティを通り抜けようとすると誰かが私の名前を呼ぶ。みると、私の友人たちは外におかれたテーブルで飲んでいる。確かに8月ですよ。だけどアイルランドの8月は秋。午後9時にもなると外は肌寒い。そんな中、外で飲んでるあんたらは何よ?


で、面識のない私の友人の友人が自分の飲み物を買うついでに私のビールを買ってくれる。で、私の二杯目も別の友人が買ってくれる。こうなると、3杯目は私の番。というわけで、総勢7名の飲み物を買いました。それが一番上に書いた39.1ユーロという金額になるわけです。


私が飲んだのは、瓶ビール3杯。18ユーロ程度。なのに払った金額は40ユーロ。なんだか損した気分です。だいたいこのアイルランド的な買い方は好きじゃない。だって、自分が飲む間に他はその2倍とか3倍とかのスピードで飲んで、結局飲むペースの遅い私は今日のように結局損をすることになるのだ。だからといって、「私は自分のを買うよ」って言うのもあまりいい感じではないので結局こうせざるを得ないわけで。


さらに。悲しいかな日本人のご多分に漏れず私は酒に弱い。3杯も飲んだ日にゃ酔います。酔って楽しけりゃいいんだけど私の場合、寝てしまう。要は面白くないのだ。そんなわけで、上に書いた通り、「飲むのは自宅がいちばん」だと思うわけ。


午前1時、ナイトリンク(深夜バス)で帰宅。


私は数週間前にナイトリンクを使ったときに大ボケをかましてしまった。やはり4杯だかを飲んでバスに乗ったら、そう、見事に眠ってしまった。はっと気がつくと、そこは自分のバス停をはるかに過ぎ、もう終点に近いという森の中。慌ててバスを降りる。


以前、東北線で東京都心に通勤していた友人が面白いことを言っていたのを思い出す。


「もし東北線の最終電車で寝過ごしたら、慌てて降りちゃ駄目だよ。それこそ何にもない駅で降りたりしたら帰りの電車はない、泊まるところもなくて冬なんて凍死しかねないよ。そういう時は慌てず大きな駅まで行ってビジネスホテルででも健康センターででも泊まった方がいい」


凍死はちょっと大げさだなあとは思うものの、確かになにもない駅で降りたら大変なことになりそうな気がする。


…などと言いつつ、寝過ごしてしまい慌ててバスから降りた私。降りて気がついた。


そこは何もない森の中の墓地の前。


不気味でしたよ。夜の墓地。で、そこでタクシーを捕まえようとしても、どのタクシーも誰も乗っていないくせに回送のフリをしたり、ひどいのになると、今まで空車だったくせに私を見たとたんにルーフサインの電灯を消す(アイルランドでは天井のランプが点いていたら空車)。だからタクシーなんて嫌いなんだ!と思うが、タクシーの運転手の気持ちが分からんでもない。深夜に何もない墓地の前からガイジンがタクシーに乗ろうとしたらそりゃ不気味だわ。不気味じゃなくても不自然で怪しい。


20分後、5台くらいのタクシーがダンゴ状態になってやって来て、そのうちの1台が止まった。話してみると、なんだか人のことは言えないが英語がヘタ。聞けば、ロシア人らしい。


運転手:「オレはロシアのマフィアとつながりがあるんだぜ」
私:「オレは、日本のヤクザとつながりがあるけど、何か?」



私とヤクザのつながり。私の友人の実家の隣りの家にヤクザの事務所があった。無論行ったことなどない。…全然つながりじゃないやんけ。


このロシアンマフィア、50キロ制限の道をいくら夜だからとはいえ100キロ近い猛スピードで突っ走る。あっという間に自宅着。気がつくと街を出てからすでに1時間以上が経っている。しかも、街からタクシーに乗ったほうが安かったというオチつき。


そんなアホな経験をほんの数週間前にしていたので私はがらがらのバスの中だったけど、寝ないように立ったままバスに乗ってました。おかげで寝過ごしたりはしなかったものの、やっぱり楽しくなかったです。寒かったしね。




Snigel |MAILアイルランド真実紀行へ掲示板へ