2004年08月31日(火) |
『ハヤカワミステリマガジン』2004年10月号 |
毎回「ミステリの話題・ミステリチャンネルから」と題してスカイ・パーフェクトTV728ch「ミステリチャンネル」の紹介コラムがある。 今回の目玉は『虚無への供物』のドラマ化『薔薇の殺意』とあり、またしても不明を恥じる、ことになった。 1997年NHK制作のBSドラマとは。 永遠に知らずにいるところだった。 なんと全6話を9月に一挙放映、である。 読んだばかりなので気になる。契約するべきか。 脚本家がだれなのかが気になる。一体どうやったら脚本になるのか。 そう考えると見ない方はいい気もしてくる。
2004年08月30日(月) |
『波』2004年9月号(新潮社) |
「『ダンテ・クラブ』刊行記念特集」には魅力を感じる。いつ読めるかわからないにしても『薔薇の名前』を想起させる本は手にとってみたい。 不明を恥じた。 目次の下の方に「幸田文生誕100年記念 再録インタビュー 『流れる』のことなど 49」とあった。 最近、『木』『北愁』『月の塵』と続けて読んできて、『ちぎれ雲』(講談社文芸文庫)巻末の年譜にも目を通していたのに少しも気がついていなかったのだ。 ご本人は著書『月の塵』の「遺品のあるなし」(七十二頁から)で父親の幸田露伴の「生誕百年」を「いわれてまごついた。」(七十二頁)と書き出し、続けてこんなことを書いている。 「没後の年数も十七年を越したら、急速に気がはなれてきたようだ。そんなこんなで、生まれて百年、といわれて戸惑ったと思う。」(七十三頁) 幸田文は1904年(明治37年)9月1日生まれであった。
早川書房の『ミステリマガジン』2004年10月号(通巻584)を拾い読み。 特集は「犯罪と音楽の協奏曲」とある表紙を見て、定価840円とある裏表紙を眺める。 マイケル・ケインとブレンダン・フレイザーの新しい映画『愛の落日』の宣伝ポスターが使われている。原題は『The Quiet American』とあるその下の夕陽のさらにその下にこうあった。 「グレアム・グリーン生誕100年記念作品」 グレアム・グリーンもまた読まねばならない作家のひとりだったのだ。
2004年08月29日(日) |
畑村洋太郎『失敗学のすすめ』講談社 |
2000年11月の発行、手元のこの本ではすでに2004年3月4日第19刷となっている。よく読まれている本らしい。そう言えば日垣隆も推薦していたはず。 かつて『イソップ寓話集』を種にして森本哲郎が似たようなことを書いていた。人間は「痛い目」にあわないと経験から何も学ばない。だからイソップは「痛い目」にあった動物や植物の話をどっさり書き残したのだ、と。 6冊にしぼったこれから読む予定の本。この本はその中に入っていない。 入っていなくてもおのずと欲張りな目がそちらを向く。 堂々巡りが止まらない。
2004年08月28日(土) |
中井英夫『虚無への供物』創元推理文庫 |
中井英夫『虚無への供物』創元推理文庫を読んだ。 読もうと思って果たせないでいる本が数多くある。その一冊がこれだった。 初めて見た姿は三一書房版の箱入りの作品集。ある橋の近くの古本屋で千円くらいで買った。三十年前。 最近、講談社文庫に入ったことが刺激になった。 読むなら創元推理文庫の全集版と考えていたので新しい方で読む気にはならなかった。 著者のあとがきのある681頁まで一気に読んだと言えればかっこうがつくが、実際には1カ月かかった。読み終わって気がつくとまた最初から読み始めようとしていた。螺旋階段をゆっくり昇ってきた。いつのまにかどこかで上下や前後が入れ替わってしまったらしい。 相沢啓三の解説と本多正一の解題を読むにはまだまだ時間がかかりそうだ。
2004年08月27日(金) |
エドモンド・ハミルトン『フェッセンデンの宇宙』河出書房新社 |
最近評判の奇想コレクションシリーズの一冊。まず「フェッセンデンの宇宙」が来ている。 初めて読んだのは十代の半ば頃。その時の衝撃的な読後感は消去されないはずだが、あらためて読む必要があるのかどうか迷った。
2004年08月26日(木) |
小川洋子『博士の愛した数式』新潮社 |
あと30年もたったら例の『アルジャーノンに花束を』と並ぶ名作と呼ばれているかもしれない。今は大人のための心優しき童話にすぎない。 巻末の次の参考文献が誘う。題名だけ引用します。 『はじめまして数学1、2』『数の悪魔』『天才の栄光と挫折 数学者列伝』 『フェルマーの最終定理』『牙 江夏豊とその時代』『左腕の誇り 江夏豊自伝』 江夏豊が伝説の男となる。
2004年08月25日(水) |
幸田文「月の塵」講談社文庫 |
これが本当の「後拾遺集」と考えると悲しいが、ここにいる幸田文はすこぶる元気で爽快な文章を書いている。幸田露伴の娘さんなので文章に厳しいと思いきや結構自由な書きっ振りであきれてしまう。 毎日5ページ前後読んで最近流行りの「10分間読書」のまねごとをしている。 文庫版の幸田文作品が10冊ほどたまったのでこうやって少しずつ読んでいく予定。
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