自分が　オンナ　という言葉で
ひとくくりにされてしまった夜


大勢の女たちの中に吸収されつつある自分に
重油の海から頭をもたげる海鳥のイメージと
漆黒の森に眼だけを光らせる梟のイメージの
どちらを重ねたらよいだろう

合わない　合わせられない
合致しない　不釣合い　不一致
理解不能　許容不可能


そんな言葉を思い浮かべると
止まらなくなって
どんどんどんどん溢れてきて
そんな言葉でいっぱいになった私は
私のバランスを失って
転げ落ちてゆく


　夢はユメであって
　現実はゲンジツなのだよ


なんとなく
未来が見えてしまうとき
その未来が真っ白であるにもかかわらず
涙が滲みもしないとき

あなたが描かれていない未来に
私は安堵を覚える

自由から解放されたいと思ったことはありませんか

たった一度でも繋がってしまえば
手放すなんてことは出来なくなる
自由意志による束縛であっても
強要された束縛であっても


自由に繋がれているという不自由さ

触れ合って
唇を合わせて
それで何になるというの

一枚の布越しに感じ取れる
熱とも言えないわずかなぬくもりを
指に絡まるしっとりとした黒髪を
涙の膜に覆われ暗闇にひかる瞳を
忘却の彼方に押しやれないという事実は認めよう
しかしまた　生存に不可欠な‘意味’を見出すことも
私にはできない


男と女の間にあるものは性欲だけですか
生きていくうえで必要なものはお金だけですか
大人になるとは　そういうことですか